有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 13:58
【資料】
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【項目】
196項目
② 戦略
[キッコーマングループの気候変動への対応]
気候変動は、当社グループにとって、事業継続、原材料調達、エネルギー利用、ならびに外部からの企業評価に関わる重要な課題です。世界各地で高温による健康被害、深刻な干ばつによる水不足、豪雨や洪水による住居、道路交通網、水や電気等のインフラへの甚大な被害とその発生頻度の増加が顕在化しており、当社グループでは、こうした変化が事業活動に与える影響を踏まえ、2030年度までに2018年度比でCO2排出量を50%以上削減することで気候変動に取り組みます。
[気候変動のシミュレーションとリスク評価]
キッコーマングループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明し、TCFD提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスク及び機会を評価し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標について開示をすすめています。特に気候変動におけるリスクの評価では、2030年、2050年、2080年で気候変動が一層進んだ場合(4℃上昇RCP8.5シナリオなど)において、各拠点での洪水、高潮による浸水深リスクはどう変化し、それによって事業活動が中断する場合、中断期間や施設の損壊による被害はどれほどになるのか定量的なシミュレーションをAqueductやハザードマップなどを参考に実施しました。これは各拠点におけるBCPにインプットとして活用しています。大雨や台風による被害を過去経験した拠点においては、非常用発電機の設置、浸水対応のための揚水ポンプの設置、新設倉庫のフロアレベルを高くすることなどを実施しました。また当社グループの主要原料について、世界各地で気候変動から受ける収量変化の影響についてもシミュレーションを実施しています。近年、適切でタイムリーな情報開示の要請が、非財務情報の分野に関しても高まってきています。また国際的なイニシアチブへの対応や認証取得なども一層重要性を増し、これらが企業を評価する指標となってきています。キッコーマンではCDPの2025年度回答で気候変動、水セキュリティ、フォレストに対応回答しました。また2030年度に向けた当社グループの温室効果ガス削減目標が、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えるための科学的根拠に基づいた目標であるとして、国際的な共同団体であるSBT(Science Based Targets)イニシアチブより認定を取得しています。
[CO2削減の推進]
キッコーマングループでは、温室効果ガス削減を個別の環境施策としてではなく、事業運営の中に組み込むべき課題として位置づけ、再生可能エネルギーの活用と省エネルギーの両面から取り組みを進めています。キッコーマングループ全体として温室効果ガス排出量は、2025年度は2018年度比で40.0%削減し目標を達成しました。その取り組みとして国内・海外各拠点で電力の再生可能エネルギー活用を積極的に進め、全体での再生可能エネルギー電力使用率は2026年3月末時点で79.0%に伸長しました。省エネルギーについては、熱回収によるガス使用量の削減、ボイラー送気方法変更などの運用改善、蒸気パイプラインの放熱防止策、クラウドを活用した空調室外機の制御などを当社グループ各社で実施しています。いずれも事業運営の中に環境負荷低減の施策を組み込んで活動しています。今後も再生可能エネルギー活用と省エネ活動をさらに推進してまいります。
2025年度のCO2温室効果ガス排出量実績は下記の通りです。
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CO2排出量の中長期削減目標、各年のCO2排出量実績、第三者検証報告書、及びTCFD提言に基づく開示については、当社ウェブサイトにおいて情報を公表しています。
https://www.kikkoman.com/jp/csr/environment/climate-change.html
[水環境の保全]
当社グループの事業は、水資源をはじめとする自然の恵みに支えられていることから、水の適切な管理は、生産活動を支える重要な課題の一つです。この認識のもと、水の管理として水使用原単位削減をグループ各社の生産拠点を対象に取り組んでいます。洗浄工程における用水使用方法の見直し、洗浄機器の変更、メンテナンスの強化など地道な活動を中心に削減してきて2025年度は2011年度比で36.6%削減しました。また排水処理場がある事業所においては、排水の原水受入から調整、処理、放流に至るまでの運転管理を徹底し、法規制よりも厳しい環境自主基準をBOD数値に設定し、該当する12事業所全てで目標を達成しました。
[資源の活用]
当社グループでは、資源の有効活用と廃棄物の削減を、事業活動に伴う環境負荷の低減に加え、持続的な事業運営を支える取り組みとして位置づけています。事業所から排出される廃棄物や副産物の再資源化率は99.1%で高水準を維持しています。
食品ロス削減は、出荷後の規格外品の削減、生産計画と在庫の適正化などの削減施策を推進しましたが、2025年度は生産段階での規格外品が多く発生し、2018年度比で14.5%の増加になりました。環境配慮型商品の展開においては、しょうゆで使用している1リットルペットボトルに、ペットボトルの中ほどにある“くびれ”部分をより広くした「くびれフィットボトル」を採用し、従来品と比較して10%の軽量化を実施しました。
[生物多様性の保全]
キッコーマングループは、気候変動とともに生物多様性は重要な社会課題であると認識しています。生物多様性保全に取り組むことは、経営理念はもとより環境理念における「自然のいとなみを尊重し環境と調和のとれた企業活動」を実践することになります。当社グループの事業は、大豆・小麦・水などの資源をはじめ地球の恵みによって成り立っていますので、それらの取り組みは事業基盤を支える重要な要素であると考えています。
そこで、自然資本や生物多様性に関する国際的タスクフォースであるTNFDに賛同し、TNFDフレームワークに基づいたリスクや機会を評価し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標について開示をすすめました。
地域の生物多様性保全の取り組みの1つとして、北海道キッコーマン(株)の工場敷地内の樹林地を環境省「自然共生サイト」に申請し2025年3月に認定を受けました。「自然共生サイト」とは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する制度です。北海道キッコーマン(株)敷地内の樹林地(25,640㎡)には落葉広葉樹が約80年前から残存しており、希少種を含む多様な動植物が生息・生育する貴重な緑地帯となっていることが認定において評価されました。今後も生態系豊かな樹林地を維持するとともに、確認された希少な野生動植物などの保全に努めてまいります。

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