有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 9:06
【資料】
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【項目】
146項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下の企業理念、経営理念、品質・食品安全方針に基づいた活動を行うこと経営の基本方針としております。
企業理念
私たちは
お客様の生活文化の向上とともに歩み
より快適で健康な食生活を追求し
日々に新たに前進します。
経営理念
品質第一
参画経営
自主挑戦
品質・食品安全方針
私たちは、「企業理念」、「経営理念」を旨とし、法令を遵守してものづくりを行います。
私たちは、お客様の声に耳を傾け、安全で満足していただける商品を提供します。
私たちは、すべてのステークホルダーと充分なコミュニケーションを取り、食品安全マネジメントシステムを継続して改善します。
(2)経営環境
当社グループは、凍豆腐をはじめとする大豆を原料とした食品の製造販売を主体に行っております。近年、お客様からは安心・安全で健康に配慮し、おいしさと便利さを追及した商品が求められております。そのための施策として、当社グループでは以下のことを行っております。
(品質に関する事項)
・食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」を全工場で取得しバージョンの更新を継続しております。
・主原料である大豆は国際規格のグローバルGAP認証大豆とし品質面での向上を図っております。
(製造に関する事項)
・品質の確保・向上はコストアップ要因となりますが、継続的に生産性の向上を図るため、生産体制の改善、合理化投資などによりコストダウンに注力しております。
(販売に関する事項)
・健康機能について継続的に研究活動を行い、論文の発表などを通じお客様への認知を高めていく活動を行っております。
・お客様の節約志向は益々強まるものと思われますが、当社グループでは商品価値に見合った価格で購入いただける商品の販売を行っております。
(3)目標とする経営指標
当社グループの目標とする経営指標としましては、本業の収益力を表わす営業利益の向上に重点を置いております。
企業の継続的発展成長には売上高の増加は不可欠であり、既存事業の維持拡大はもとより、新たな事業・販売チャネルにも注力していく必要があります。とりわけ医療用食材は継続安定的に成長を続け、第3の柱として業績にも寄与してきており、今後は、高齢者マーケットなどをターゲットとした新規事業を検討してまいります。但し利益を伴わない売上増加には一定の歯止めをかけ収益力の向上に努めてまいります。そのため、単品の収益管理を徹底し原価低減を推進してまいります。また、品質面での向上は企業の成長には欠かせない要件であり、FSSC22000の更新を継続してまいります。なお、増大する品質の維持・向上に伴うコストを吸収するため、生産体制の継続的な見直しと合理化等の設備新設、更新などを行ってまいります。これらにより売上高営業利益率を向上させ、高収益体制への転換を図るべく活動してまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
食品業界での熾烈な販売競争の中で生き残りと利益確保を目指し、お客様からの支持と信頼を獲得するため、中長期的な戦略として、次の項目に重点を置いて、経営を進めてまいります。
①安心、安全を第一とした供給体制の確立と信用の醸成
・全社で認証済の食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の継続更新による品質の維持・向上
・凍豆腐の研究論文発表等による商品の健康機能性の周知と市場の活性化
・生産管理・生産工程の更なる省力化・合理化等による商品の安全性向上と安定的供給体制の維持
・SDGs(持続可能な開発目標)を基本とした経営の実践
②強靭な経営体力の形成
・販売力強化による売上げの増加及び当社グループ全体でのコスト削減・抑制による収益の向上
・商品設計開発の強化、迅速化と商品改廃サイクルの見直し
・IT活用による省力化、効率化、合理化の推進による収益構造の改善、固定費削減
③将来に向けての人材確保
・働き方改革の項目設定と実現に向けた取り組み
・更なる人材育成のための教育プログラムの見直し
(5)会社の対処すべき課題
当社グループでは、人件費や物流コストの上昇、為替変動や原材料価格の変動などに伴う業績への影響、品質向上のためのコストアップなど依然として厳しい収益環境が続くものと考えられます。また、当連結会計年度への影響は軽微でありましたが、今後国内に留まらず、世界規模での新型コロナウイルスの感染拡大による原材料の入手・物流・生産への影響も懸念されます。
当社グループといたしましては、各事業での市場活性化を目指し、常に新商品の開発・発売を行ってまいります。主力事業の凍豆腐におきましては、引き続き健康有用性に関する研究成果を継続的に訴求していくことに加え、適正価格の維持を図り市場全体の維持拡大に向け、業界団体などとも連携し積極的に広報活動を行ってまいります。加工食品事業につきましては、過剰な低価格販売競争は抑制し価値訴求型の新商品の開発・発売により競争力の向上を図ってまいります。さらに、全体の売上拡大を図るため、医療用食材の成長性に着目し第3の柱としての育成に注力するとともに、新たな柱となる事業へのチャレンジを継続して進め、当社グループの事業拡大を図ってまいります。
収益力の改善につきましては、売上拡大と共にコスト上昇を極力吸収すべく効率的な生産体制への変更及び生産性向上のための設備投資や原材料調達方法の見直しなどを継続的に推進してまいります。
また、企業価値の向上につきましては、SDGs(エス・ディー・ジーズ)に沿った取り組みを行い、「持続的成長を実現できる企業であること」を目指してまいります。