有価証券報告書-第73期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 13:55
【資料】
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【項目】
146項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下の企業理念、経営理念、品質・食品安全方針に基づいた活動を行うことを経営の基本方針としております。
企業理念 私たちは
お客様の生活文化の向上とともに歩み
より快適で健康な食生活を追求し
日々に新たに前進します。経営理念 品質第一
参画経営
自主挑戦品質・食品安全方針 私たちは、「企業理念」、「経営理念」を旨とし、法令を遵守してものづくりを行います。
私たちは、お客様の声に耳を傾け、安全で満足していただける商品を提供します。
私たちは、すべてのステークホルダーと充分なコミュニケーションを取り、食品安全マネジメントシステムを継続して改善します。
(2)経営環境
当社グループは、凍豆腐をはじめとする大豆を原料とした食品の製造販売を主体に行っております。近年、お客様からは安心・安全で健康に配慮し、おいしさと便利さを追求した商品が求められております。そのための施策として、当社グループでは以下のことを行っております。
(品質に関する事項)
・食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」を全工場で取得しバージョンの更新を継続しております。
・主原料である大豆は国際規格のグローバルGAP認証大豆とし品質面での向上を図っております。
(製造に関する事項)
・品質の確保・向上はコストアップ要因となりますが、継続的に生産性の向上を図るため、生産体制の改善、合理化投資などによりコストダウンに注力しております。
(販売に関する事項)
・健康機能について継続的に研究活動を行い、論文の発表などを通じお客様への認知を高めていく活動を行っております。
・お客様の節約志向は益々強まるものと思われますが、当社グループでは商品価値に見合った価格で購入いただける商品の販売を行っております。
(3)目標とする経営指標
当社グループの目標とする経営指標としましては、本業の収益力を表わす営業利益の向上に重点を置いております。
企業の継続的発展成長には売上高の増加は不可欠であり、既存事業の維持拡大はもとより、新たな事業・販売チャネルにも注力していく必要があります。とりわけ医療用食材は継続安定的に成長を続け、第3の柱として業績にも寄与してきております。但し利益を伴わない売上増加には一定の歯止めをかけ収益力の向上に努めてまいります。そのため、単品の収益管理を徹底し原価低減を推進してまいります。また、品質面での向上は企業の成長には欠かせない要件であり、FSSC22000の更新を継続してまいります。なお、増大する品質の維持・向上に伴うコストを吸収するため、生産体制の継続的な見直しと合理化等の設備新設、更新などを行ってまいります。これらにより売上高営業利益率を向上させ、高収益体制への転換を図るべく活動してまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
食品業界での熾烈な販売競争の中で生き残りと利益確保を目指し、お客様からの支持と信頼を獲得するため中長期的な戦略として次の項目に重点を置いて経営を進めてまいります。
①安心・安全を第一とした供給体制の確立と信用の醸成
・「安心・安全の日」は過去を振り返り、全社レベルでの安心、安全意識を高める
・商品設計から製造工程までのルールの見直し、安全性向上及び教育の徹底を図る
・FSSC22000及びSDGs(持続可能な開発目標)を基本とした経営の実践を推進する
②強靭な経営体力の形成
・商品設計開発(市場分析から発売まで:新商品、商品改廃等)の迅速化及び新規商品開発強化
・販売力強化(PR戦略含む)による売上及び収益アップ
・旭松グループ全体でのコスト削減、抑制対策による収益の向上
・省力化、効率化、合理化策(IoTも含めたシステム化)による収益構造の改善
・海外展開による販売機会の拡大
③将来に向けての人材確保
・働き方改革の推進と組織の見直し及び人事ローテーションによる人材の育成
・評価制度及び人材育成、教育体制(研修方法含む)の見直し
・規定・ルール等の周知徹底と社員の知識向上
(5)会社の対処すべき課題
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の5類への引下げにより企業活動の活性化が見込まれますが、東欧など地政学的リスクの継続、エネルギー価格の高止まり、人件費や物流コストの上昇、為替変動や原材料価格の変動などに伴う業績への影響など依然として厳しい収益環境が続くものと推測されます。
当社グループといたしましては、各事業での市場活性化を目指し、継続して新商品の開発・発売を行ってまいります。主力事業の凍豆腐におきましては、引き続き健康有用性に関する研究成果を訴求し続けるとともに利便性、簡便性の高い商品開発により売上拡大を図ってまいります。また、市場全体の維持拡大に向け、業界団体などとも連携し積極的かつ継続的に広報活動を行ってまいります。加工食品事業につきましては、過剰な低価格販売競争は抑制し価値訴求型の新商品の開発・発売の継続により競争力・収益力の向上を図ってまいります。
さらに、全体の売上拡大を図るため、成長が見込める医療用食材を第3の柱とすべく育成に注力するとともに、新商品開発を一層強化し新たな柱となる事業への展開を継続して進めてまいります。
収益力の改善につきましては、売上拡大と共にコスト上昇を極力吸収すべく効率的な生産体制への変更及び生産性向上のための設備投資や原材料調達方法の見直しなどを継続的に推進してまいります。しかしながら、企業努力では吸収しきれないコストの上昇につきましては、適切なタイミングで価格改定を判断してまいります。
また、企業価値の向上につきましては、引続きSDGsに沿った取組みを行い、「持続的成長を実現できる企業であること」を目指してまいります。