有価証券報告書-第91期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営方針
当社グループは、以下の企業理念及びサステナビリティビジョンのもと、持続可能な社会の実現と企業としての継続的な成長を目指し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の経済環境の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により幅広い産業で厳しい状況が続いており、ワクチンや治療薬が普及するまでは、引き続き企業活動や消費活動は一定程度抑制され、不透明な状況が続くものと想定されます。
不動産事業環境におきましては、働き方やライフスタイルの一部変容により立地条件等の競争環境が変化する可能性がありますが、収益不動産の投資市場においては、低金利を背景として引き続き国内外の不動産投資家の活発な投資が見込まれるものと予想されます。
こうした環境のもと、当社グループは、withコロナの環境に柔軟に対応するとともに、2020年度を初年度とする中長期経営計画の基本方針である「成長性」「安全性」「収益性」「生産性(効率性)」を高次元でバランスする経営に重点を置き、①ビジネスモデルの進化と賃貸ポートフォリオの再構築、②開発事業及びバリューアッド事業の強靭化、③独自性のある新規事業領域の創造とグループ力の向上、④経営基盤の強化とリスク管理の徹底、⑤社会と企業の共創・共生をはかるサステナビリティを重視したマネジメントを「対処すべき課題」と捉え、「変革とスピードをベースに、環境変化に柔軟に対応した進化を通じて、持続的な企業価値向上を実現する企業グループ」を目指してまいります。
そのために、それぞれの課題に対して、主に以下の戦略に取り組んでまいります。

①ビジネスモデルの進化と賃貸ポートフォリオの再構築
当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、将来的なエリア間の競争激化に備え、マーケットニーズに即した用途バランスと競争優位性を有する賃貸ポートフォリオの再構築をおこなってまいります。また、賃貸事業をベースとした「安定性」と「効率性」を両立したビジネスモデルの進化をはかってまいります。
当社グループの所有物件は、駅近の好立地のビルが大宗を占めており、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。建替・開発物件につきましては、2020年は8物件が竣工し、2021年についても8物件が竣工する計画となっており、更なる営業収益の増強をはかることが可能となっております。
また、当社はマーケットより常に低い空室率を維持しておりますが、CREなど戦略的ソーシングによる着実なポートフォリオの拡充に合わせて、テナントリーシング力を更に強化し、不動産賃貸事業の底支えをはかっております。
②開発事業及びバリューアッド事業の強靭化
開発事業については、中長期パイプラインの整備を基にした耐震・省エネに優れた開発事業を推進することによって、優良な賃貸ポートフォリオの増強及び開発利益の享受をはかってまいります。
また、働き方の多様化、企業のオフィス拡張・分散・縮小、ITインフラの充実などに着目して、”借りやすく返しやすいオフィス””すぐに使える先進のオフィス””生産性向上をサポートするオフィス”をコンセプトにした中規模フレキシブルオフィス「Bizflex」のシリーズ展開をおこない、入居テナントがフレキシブルにオフィスを利用できるサービスを提供いたします。 バリューアッド事業については、多様なバリューアップ手法に基づく取組みを強化することによって、安定した利益の創出及び成長ドライバーとしての体制整備をはかってまいります。
③独自性のある新規事業領域の創造とグループ力の向上
3Kビジネス(高齢者・観光・環境ビジネス)の一つとして取り組んでいる高齢者ビジネスについては、引き続き多数の高齢者施設を開発、取得及び保有しております。
観光ビジネスについては、2019年9月に日本ビューホテル株式会社を完全子会社化し、浅草ビューホテルを含めた不動産及び運営事業をグループ化するとともに、自社運営ホテルの「THE GATE HOTEL」シリーズや、高級温泉旅館「ふふ」シリーズの開発をおこなっております。また、新型コロナウイルス影響への対応として、観光ビジネスのグループ内再編をおこない、経営管理及び運営管理を一貫しておこなう体制を整備しており、今後も効率的な運営を進めてまいります。
環境ビジネスについては、高い耐震性・CO2排出量の削減・100年耐久・BCP対応ビルの開発、耐火木造建築の活用のほか、環境に配慮した取り組みを強化してまいります。
また、新規事業としては、「Bizflex事業(中規模フレキシブルオフィス事業)」に加えて、共働き世帯の増加や幼児教育無償化、教育資金の贈与税非課税制度等を背景に今後の有望な事業分野と捉えている「こども教育事業」への新規参入を決定し、こどもを対象にした教育関連サービスを提供する事業を推進してまいります。
今後も、これらの事業を拡大するとともに、新たな価値創造を提供する新規事業を開拓・軌道化し、グループ連携を活かした収益機会の獲得及びシナジー追求によるグループ総合力の向上をはかってまいります。また、新規事業の軌道化及びグループ力向上の早期実現の手段として、M&Aやアライアンス等を積極的に活用してまいります。
④経営基盤の強化とリスク管理の徹底
強固な財務基盤の維持と多様な資金調達手段の確保を狙いとして、2020年7月に資本と負債の中間的な性質を持つ2,000億円の公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)を発行するなど、経営基盤の強化をはかっております。
また、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても、引き続き徹底をはかり、特にリスク管理に関しては、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)に基づき、定期的に訓練を実施する等、有事対応力の向上を更に進めてまいります。
⑤社会と企業の共創・共生をはかるサステナビリティを重視したマネジメント
サステナビリティビジョンに基づき、社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、「持続可能な社会の実現」と「企業としての継続的な成長」を目指し、ESGを意識した事業運営と価値創造により、社会課題の解決及び社会価値の創造と企業成長が連動する取り組みを推進しております。
環境への取り組みとしては、「脱炭素社会・循環型社会」の実現に向けて環境配慮経営を推進しており、2025年に「RE100」、2050年に「CO2排出量ネットゼロ化」を達成するべく、脱炭素に向けた取り組みを強化し、自社の非FIT再エネ電源から自社保有ビルへの電力供給をおこなってまいります。また、100年以上安全に使用できるオフィス標準仕様の導入による廃棄物削減、耐火木造建築・植林活動を通じた森の循環による環境負荷の低減に取り組んでまいります。
社会への取り組みとしては、レジリエンスな社会構築に向けた耐震性を重視した不動産事業の運営のほか、地域社会をはじめ各ステークホルダーとの関係強化及び社会貢献活動も強化しております。また、人材育成を軸として、健康経営・働き方改革等の取り組み、女性活躍推進法に基づく行動計画策定など、女性や高齢者も等しく能力を発揮できる職場とし、一人当たり生産性の高い企業、人が育つ企業を目指してまいります。
ガバナンスの取り組みとしては、「コーポレートガバナンス・コード」の各原則を踏まえ、当社の持続的成長・企業価値向上に向けての最適なコーポレートガバナンスを実現するための枠組みとして、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しております。ガイドラインを基に健全な企業統治の下で株主の権利に留意し、永続的な企業価値の向上を目指してまいります。
重要課題(マテリアリティ)への取り組み

<新型コロナウイルス感染症による影響への対応>新型コロナウイルス感染症拡大の影響は当社グループの一部の事業運営に影響を及ぼしておりますが、当社グループとしましては、感染防止対策をおこないつつ、お客様・利用者様・従業員等の安心・安全を確保するとともに、働き方やライフスタイルの変化に対応した事業を推進してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(3)目標とする経営指標
2020年1月に策定しました長期経営計画(2020-2029)及び中期経営計画(2020-2022)で掲げる定量目標及び達成状況につきましては以下の通りです。

当社グループは、以下の企業理念及びサステナビリティビジョンのもと、持続可能な社会の実現と企業としての継続的な成長を目指し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の経済環境の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により幅広い産業で厳しい状況が続いており、ワクチンや治療薬が普及するまでは、引き続き企業活動や消費活動は一定程度抑制され、不透明な状況が続くものと想定されます。
不動産事業環境におきましては、働き方やライフスタイルの一部変容により立地条件等の競争環境が変化する可能性がありますが、収益不動産の投資市場においては、低金利を背景として引き続き国内外の不動産投資家の活発な投資が見込まれるものと予想されます。
こうした環境のもと、当社グループは、withコロナの環境に柔軟に対応するとともに、2020年度を初年度とする中長期経営計画の基本方針である「成長性」「安全性」「収益性」「生産性(効率性)」を高次元でバランスする経営に重点を置き、①ビジネスモデルの進化と賃貸ポートフォリオの再構築、②開発事業及びバリューアッド事業の強靭化、③独自性のある新規事業領域の創造とグループ力の向上、④経営基盤の強化とリスク管理の徹底、⑤社会と企業の共創・共生をはかるサステナビリティを重視したマネジメントを「対処すべき課題」と捉え、「変革とスピードをベースに、環境変化に柔軟に対応した進化を通じて、持続的な企業価値向上を実現する企業グループ」を目指してまいります。
そのために、それぞれの課題に対して、主に以下の戦略に取り組んでまいります。

①ビジネスモデルの進化と賃貸ポートフォリオの再構築
当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、将来的なエリア間の競争激化に備え、マーケットニーズに即した用途バランスと競争優位性を有する賃貸ポートフォリオの再構築をおこなってまいります。また、賃貸事業をベースとした「安定性」と「効率性」を両立したビジネスモデルの進化をはかってまいります。
当社グループの所有物件は、駅近の好立地のビルが大宗を占めており、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。建替・開発物件につきましては、2020年は8物件が竣工し、2021年についても8物件が竣工する計画となっており、更なる営業収益の増強をはかることが可能となっております。
また、当社はマーケットより常に低い空室率を維持しておりますが、CREなど戦略的ソーシングによる着実なポートフォリオの拡充に合わせて、テナントリーシング力を更に強化し、不動産賃貸事業の底支えをはかっております。
②開発事業及びバリューアッド事業の強靭化
開発事業については、中長期パイプラインの整備を基にした耐震・省エネに優れた開発事業を推進することによって、優良な賃貸ポートフォリオの増強及び開発利益の享受をはかってまいります。
また、働き方の多様化、企業のオフィス拡張・分散・縮小、ITインフラの充実などに着目して、”借りやすく返しやすいオフィス””すぐに使える先進のオフィス””生産性向上をサポートするオフィス”をコンセプトにした中規模フレキシブルオフィス「Bizflex」のシリーズ展開をおこない、入居テナントがフレキシブルにオフィスを利用できるサービスを提供いたします。 バリューアッド事業については、多様なバリューアップ手法に基づく取組みを強化することによって、安定した利益の創出及び成長ドライバーとしての体制整備をはかってまいります。
③独自性のある新規事業領域の創造とグループ力の向上
3Kビジネス(高齢者・観光・環境ビジネス)の一つとして取り組んでいる高齢者ビジネスについては、引き続き多数の高齢者施設を開発、取得及び保有しております。
観光ビジネスについては、2019年9月に日本ビューホテル株式会社を完全子会社化し、浅草ビューホテルを含めた不動産及び運営事業をグループ化するとともに、自社運営ホテルの「THE GATE HOTEL」シリーズや、高級温泉旅館「ふふ」シリーズの開発をおこなっております。また、新型コロナウイルス影響への対応として、観光ビジネスのグループ内再編をおこない、経営管理及び運営管理を一貫しておこなう体制を整備しており、今後も効率的な運営を進めてまいります。
環境ビジネスについては、高い耐震性・CO2排出量の削減・100年耐久・BCP対応ビルの開発、耐火木造建築の活用のほか、環境に配慮した取り組みを強化してまいります。
また、新規事業としては、「Bizflex事業(中規模フレキシブルオフィス事業)」に加えて、共働き世帯の増加や幼児教育無償化、教育資金の贈与税非課税制度等を背景に今後の有望な事業分野と捉えている「こども教育事業」への新規参入を決定し、こどもを対象にした教育関連サービスを提供する事業を推進してまいります。
今後も、これらの事業を拡大するとともに、新たな価値創造を提供する新規事業を開拓・軌道化し、グループ連携を活かした収益機会の獲得及びシナジー追求によるグループ総合力の向上をはかってまいります。また、新規事業の軌道化及びグループ力向上の早期実現の手段として、M&Aやアライアンス等を積極的に活用してまいります。
④経営基盤の強化とリスク管理の徹底
強固な財務基盤の維持と多様な資金調達手段の確保を狙いとして、2020年7月に資本と負債の中間的な性質を持つ2,000億円の公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)を発行するなど、経営基盤の強化をはかっております。
また、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても、引き続き徹底をはかり、特にリスク管理に関しては、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)に基づき、定期的に訓練を実施する等、有事対応力の向上を更に進めてまいります。
⑤社会と企業の共創・共生をはかるサステナビリティを重視したマネジメント
サステナビリティビジョンに基づき、社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、「持続可能な社会の実現」と「企業としての継続的な成長」を目指し、ESGを意識した事業運営と価値創造により、社会課題の解決及び社会価値の創造と企業成長が連動する取り組みを推進しております。
環境への取り組みとしては、「脱炭素社会・循環型社会」の実現に向けて環境配慮経営を推進しており、2025年に「RE100」、2050年に「CO2排出量ネットゼロ化」を達成するべく、脱炭素に向けた取り組みを強化し、自社の非FIT再エネ電源から自社保有ビルへの電力供給をおこなってまいります。また、100年以上安全に使用できるオフィス標準仕様の導入による廃棄物削減、耐火木造建築・植林活動を通じた森の循環による環境負荷の低減に取り組んでまいります。
社会への取り組みとしては、レジリエンスな社会構築に向けた耐震性を重視した不動産事業の運営のほか、地域社会をはじめ各ステークホルダーとの関係強化及び社会貢献活動も強化しております。また、人材育成を軸として、健康経営・働き方改革等の取り組み、女性活躍推進法に基づく行動計画策定など、女性や高齢者も等しく能力を発揮できる職場とし、一人当たり生産性の高い企業、人が育つ企業を目指してまいります。
ガバナンスの取り組みとしては、「コーポレートガバナンス・コード」の各原則を踏まえ、当社の持続的成長・企業価値向上に向けての最適なコーポレートガバナンスを実現するための枠組みとして、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しております。ガイドラインを基に健全な企業統治の下で株主の権利に留意し、永続的な企業価値の向上を目指してまいります。
重要課題(マテリアリティ)への取り組み

<新型コロナウイルス感染症による影響への対応>新型コロナウイルス感染症拡大の影響は当社グループの一部の事業運営に影響を及ぼしておりますが、当社グループとしましては、感染防止対策をおこないつつ、お客様・利用者様・従業員等の安心・安全を確保するとともに、働き方やライフスタイルの変化に対応した事業を推進してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(3)目標とする経営指標
2020年1月に策定しました長期経営計画(2020-2029)及び中期経営計画(2020-2022)で掲げる定量目標及び達成状況につきましては以下の通りです。
