有価証券報告書-第85期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)
(1)経営方針
当社グループは、「お客さまの社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、永く『安心と信頼に満ちた社会』の実現に貢献する」ことを企業理念として掲げ、企業理念の実践による社会発展への貢献をめざしております。また、企業理念と表裏一体をなすCSR(企業の社会的責任)ビジョンのなかで地球環境の保護に努めることを宣言しております。
そのために、安定した事業基盤を生かしつつ成長を遂げる企業となり、また、新しい視点で業務に取り組み企業価値の一層の向上に努め、そしてお客さまに最適な商品・サービスを提供することによりお客さまの満足を何より重視することを、基本姿勢としてまいります。
結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。
(2)対処すべき課題と中長期的な経営戦略
我が国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和政策により、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、海外景気の下振れリスク等もあり、先行きにつきましては、必ずしも楽観視できない状況となっております。
賃貸オフィス事業を取り巻く環境につきましては、都心部を中心として空室率は回復傾向にあり、賃料水準も緩やかな改善の兆しが見られます。
こうした環境のもと、当社グループは、平成26年度を初年度として新たに策定した中期経営計画に基づき、『変革とスピード』をキーワードとして不動産賃貸事業を核としたビジネスモデルを発展進化させ、永続的な企業価値の増大を遂げることに注力してまいりました。この戦略に沿った施策として、新規物件への投資や既存物件の建替、J-REITビジネスをはじめとした新しい事業領域の開拓などにより、規模と多様性を併せ持ったポートフォリオの充実をはかり、安定的な収益源を確保するとともに、企業価値の持続的向上をはかることができる体制の構築に取り組んでまいりました。
平成27年度におきましても、変革とスピードを徹底し、不動産賃貸事業の更なる増強をはかるとともに、新たな事業への取り組みを強化し、中期経営計画の達成に向けた事業基盤の維持・発展を進めてまいります。
当社グループは、容積消化率の低い物件を建替えるという施策と優良な新規物件の購入を推進してきたことから、比較的負債依存度が高く平成26年12月期末時点での総借入は4,191億円となっております(うち67億円はノンリコースローン)。
外部負債の利用は、高い収益力を背景とした低コスト調達により、総コストを抑えつつ安定的に調達をおこない、企業価値の向上をめざすという財務戦略に立脚したものであります。一方において、負債管理を総合的におこない最適なバランスシートコントロールに努めていることから、相対的に高い外部格付けを維持しております。
このようにして当社グループは、負債水準を適切にコントロールしつつ、高い利益率に支えられた安定的な収益を挙げる事業構造を確立しておりますが、更に保有物件の建替による資産効率の向上と、建替に伴う一時的なキャッシュ・フローの減少を投資回収等で補うことにより、更なる成長をめざしてまいります。その実現のために、主に以下の戦略に取り組んでまいります。
①不動産賃貸事業の強化
当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、容積消化率の低い物件を建替えて賃貸面積の拡大と賃料収入の増強を実現し、資産運用効率の極大化をはかってまいります。
建替に際してはオフィスのほか高齢化等の社会環境の変化を反映した、賃貸マンション・高齢者施設・商業施設など立地特性にあった用途を選択するとともに、隣地との一体開発など、様々な開発手法の組み合わせにより財務規律を維持しつつ事業収益の強化をはかっており、併せて、開発を前提とした物件の取得も継続的におこなっております。
駅近の好立地で基準階面積が100坪以上の規模のビルが太宗を占め、かつメインテナントがみずほフィナンシャルグループで安定していることもあって、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。主要な建替物件につきましては、今期は6物件が竣工し、来期についても都心の好立地物件を始め5物件が竣工する計画となっており、更なる営業収益の増強をはかることが可能となります。
また、当社はマーケットより常に低い空室率を維持しておりますが、ポートフォリオの拡大に合わせて、テナントリーシング力を更に強化し、新規竣工物件だけでなく既存物件についてもテナント募集を組織的におこなえる体制を整備し、不動産賃貸事業の底支えをはかっております。
②新規業務分野開拓
新規取り組みとして、J-REITを中心としたアセットマネジメントビジネスや、ウェアハウジング機能の発揮及び富裕層向けビジネスとして物件売買にも取り組み、実績を積み重ねております。また、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、現在、東京都下水道局主催の「芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業」(品川シーズンテラス)(平成27年2月竣工予定)に取り組んでおります。更に、「THE GATE HOTEL 雷門 by HULIC」につきましては、順調に営業をおこなっており、東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾートを始めとした、外部からのホテル物件の取得にも積極的に取り組んでおります。また、CRE事業及びシニアビジネスにつきましても、「次世代型ヘルスケアモール」等の新たな取り組みを開始しております。
今後も、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE事業や、所有不動産以外の新規開発事業、今後マーケットの拡大が予想されるシニア・観光・環境ビジネスなどを検討し、上記のような物件取得や新たな取り組みの拡大を始めとした各種施策を実行することで、新しい成長ドライバーを開拓してまいります。また、同時に長寿命化ビルの標準仕様化やCO2総量削減に向けた環境配慮ビルの建設等を推進し、地球環境保全と企業成長の一体化をはかってまいります。
③保険部門収益の増強
当社の連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社は、保険代理店専業の会社として、機動的かつ効率的な業務運営体制を構築しております。基本戦略は、提案セールス力の強化による生産性の向上とお客さま満足度の向上であり、引き続き営業・事務の両面で高いレベルのサービスを提供し、付加価値の高い保険代理店営業をおこなってまいります。
従来からの事業展開に加えて、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても、引き続き徹底をはかってまいります。特にリスク管理に関しては、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)を制定しており、定期的に訓練を実施する等、有事対応力の向上を更に進めてまいります。
また、人材育成を軸として専門性の高い人材集団を築くことに力を注ぎ、各事業戦略を遂行する経営資源を適切に配分すべく、取り組みを進めております。
配当政策につきましては、不動産賃貸事業を主たる事業としていることもあり、長期的かつ安定的な事業基盤の強化のために必要な内部留保の充実をはかるとともに、株主への利益還元を狙いとして、安定した配当を継続することを基本方針としております。また、業績動向を踏まえた配当とすることも同様に重要と考えております。
なお、文中における将来に係る記載についてはその達成を保証するものではありません。
当社グループは、「お客さまの社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、永く『安心と信頼に満ちた社会』の実現に貢献する」ことを企業理念として掲げ、企業理念の実践による社会発展への貢献をめざしております。また、企業理念と表裏一体をなすCSR(企業の社会的責任)ビジョンのなかで地球環境の保護に努めることを宣言しております。
そのために、安定した事業基盤を生かしつつ成長を遂げる企業となり、また、新しい視点で業務に取り組み企業価値の一層の向上に努め、そしてお客さまに最適な商品・サービスを提供することによりお客さまの満足を何より重視することを、基本姿勢としてまいります。
結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。
(2)対処すべき課題と中長期的な経営戦略
我が国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和政策により、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、海外景気の下振れリスク等もあり、先行きにつきましては、必ずしも楽観視できない状況となっております。
賃貸オフィス事業を取り巻く環境につきましては、都心部を中心として空室率は回復傾向にあり、賃料水準も緩やかな改善の兆しが見られます。
こうした環境のもと、当社グループは、平成26年度を初年度として新たに策定した中期経営計画に基づき、『変革とスピード』をキーワードとして不動産賃貸事業を核としたビジネスモデルを発展進化させ、永続的な企業価値の増大を遂げることに注力してまいりました。この戦略に沿った施策として、新規物件への投資や既存物件の建替、J-REITビジネスをはじめとした新しい事業領域の開拓などにより、規模と多様性を併せ持ったポートフォリオの充実をはかり、安定的な収益源を確保するとともに、企業価値の持続的向上をはかることができる体制の構築に取り組んでまいりました。
平成27年度におきましても、変革とスピードを徹底し、不動産賃貸事業の更なる増強をはかるとともに、新たな事業への取り組みを強化し、中期経営計画の達成に向けた事業基盤の維持・発展を進めてまいります。
当社グループは、容積消化率の低い物件を建替えるという施策と優良な新規物件の購入を推進してきたことから、比較的負債依存度が高く平成26年12月期末時点での総借入は4,191億円となっております(うち67億円はノンリコースローン)。
外部負債の利用は、高い収益力を背景とした低コスト調達により、総コストを抑えつつ安定的に調達をおこない、企業価値の向上をめざすという財務戦略に立脚したものであります。一方において、負債管理を総合的におこない最適なバランスシートコントロールに努めていることから、相対的に高い外部格付けを維持しております。
このようにして当社グループは、負債水準を適切にコントロールしつつ、高い利益率に支えられた安定的な収益を挙げる事業構造を確立しておりますが、更に保有物件の建替による資産効率の向上と、建替に伴う一時的なキャッシュ・フローの減少を投資回収等で補うことにより、更なる成長をめざしてまいります。その実現のために、主に以下の戦略に取り組んでまいります。
①不動産賃貸事業の強化
当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、容積消化率の低い物件を建替えて賃貸面積の拡大と賃料収入の増強を実現し、資産運用効率の極大化をはかってまいります。
建替に際してはオフィスのほか高齢化等の社会環境の変化を反映した、賃貸マンション・高齢者施設・商業施設など立地特性にあった用途を選択するとともに、隣地との一体開発など、様々な開発手法の組み合わせにより財務規律を維持しつつ事業収益の強化をはかっており、併せて、開発を前提とした物件の取得も継続的におこなっております。
駅近の好立地で基準階面積が100坪以上の規模のビルが太宗を占め、かつメインテナントがみずほフィナンシャルグループで安定していることもあって、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。主要な建替物件につきましては、今期は6物件が竣工し、来期についても都心の好立地物件を始め5物件が竣工する計画となっており、更なる営業収益の増強をはかることが可能となります。
また、当社はマーケットより常に低い空室率を維持しておりますが、ポートフォリオの拡大に合わせて、テナントリーシング力を更に強化し、新規竣工物件だけでなく既存物件についてもテナント募集を組織的におこなえる体制を整備し、不動産賃貸事業の底支えをはかっております。
②新規業務分野開拓
新規取り組みとして、J-REITを中心としたアセットマネジメントビジネスや、ウェアハウジング機能の発揮及び富裕層向けビジネスとして物件売買にも取り組み、実績を積み重ねております。また、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、現在、東京都下水道局主催の「芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業」(品川シーズンテラス)(平成27年2月竣工予定)に取り組んでおります。更に、「THE GATE HOTEL 雷門 by HULIC」につきましては、順調に営業をおこなっており、東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾートを始めとした、外部からのホテル物件の取得にも積極的に取り組んでおります。また、CRE事業及びシニアビジネスにつきましても、「次世代型ヘルスケアモール」等の新たな取り組みを開始しております。
今後も、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE事業や、所有不動産以外の新規開発事業、今後マーケットの拡大が予想されるシニア・観光・環境ビジネスなどを検討し、上記のような物件取得や新たな取り組みの拡大を始めとした各種施策を実行することで、新しい成長ドライバーを開拓してまいります。また、同時に長寿命化ビルの標準仕様化やCO2総量削減に向けた環境配慮ビルの建設等を推進し、地球環境保全と企業成長の一体化をはかってまいります。
③保険部門収益の増強
当社の連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社は、保険代理店専業の会社として、機動的かつ効率的な業務運営体制を構築しております。基本戦略は、提案セールス力の強化による生産性の向上とお客さま満足度の向上であり、引き続き営業・事務の両面で高いレベルのサービスを提供し、付加価値の高い保険代理店営業をおこなってまいります。
従来からの事業展開に加えて、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても、引き続き徹底をはかってまいります。特にリスク管理に関しては、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)を制定しており、定期的に訓練を実施する等、有事対応力の向上を更に進めてまいります。
また、人材育成を軸として専門性の高い人材集団を築くことに力を注ぎ、各事業戦略を遂行する経営資源を適切に配分すべく、取り組みを進めております。
配当政策につきましては、不動産賃貸事業を主たる事業としていることもあり、長期的かつ安定的な事業基盤の強化のために必要な内部留保の充実をはかるとともに、株主への利益還元を狙いとして、安定した配当を継続することを基本方針としております。また、業績動向を踏まえた配当とすることも同様に重要と考えております。
なお、文中における将来に係る記載についてはその達成を保証するものではありません。