有価証券報告書-第84期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)
(1)経営方針
当社グループは、「お客さまの社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、永く『安心と信頼に満ちた社会』の実現に貢献する」ことを企業理念として掲げ、企業理念の実践による社会発展への貢献をめざしております。また、企業理念と表裏一体をなすCSR(企業の社会的責任)ビジョンのなかで地球環境の保護に努めることを宣言しております。
そのために、安定した事業基盤を生かしつつ成長を遂げる企業となり、また、新しい視点で業務に取り組み企業価値の一層の向上に努め、そしてお客さまに最適な商品・サービスを提供することによりお客さまの満足を何より重視することを、基本姿勢としてまいります。
結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。
(2)対処すべき課題と中長期的な経営戦略
我が国経済は、政府による各種経済政策などにより、円安・株高が進行し、企業収益や個人消費にも改善がみられるなど、景気は回復しつつありますが、海外景気の下振れ懸念や消費税率の引き上げによる消費低迷への懸念もあることから、その足取りはまだ不確かな状況にあります。
賃貸オフィス事業を取り巻く環境につきましては、景気の回復に伴い、都心部を中心として空室率に改善の兆しが見られますが、賃料水準は依然として軟調な推移となっております。
こうした環境のもと、当社グループは、平成24年度を初年度とする中期経営計画に基づき、『変革とスピード』をキーワードとして持続的な利益成長を遂げることに注力してまいりました。平成25年度におきましても、この戦略に沿った施策として、新規物件への投資や既存物件の建替などにより、規模と多様性を併せ持ったポートフォリオの充実をはかり、安定的な収益源を確保するとともに、企業価値の持続的向上をはかることができる体制の構築に取り組んでまいりました。その結果、2年前倒しで中期経営計画の利益目標を達成することができました。
平成26年度におきましては、更なる飛躍に向けて策定した新たな中期経営計画に基づき、不動産賃貸事業の更なる増強をはかるとともに、J-REIT事業への参入などを始めとした新たな事業への取り組みを強化し、事業基盤の維持・発展を進めてまいります。
当社グループは、容積消化率の低い物件を建替えるという施策と優良な新規物件の購入を推進してきたことから、比較的負債依存度が高く平成25年12月期末時点での総借入は3,718億円となっております(うち43億円はノンリコースローン)。
外部負債の利用は、高い収益力を背景とした低コスト調達により、総コストを抑えつつ安定的に調達をおこない、企業価値の向上をめざすという財務戦略に立脚したものであります。一方において、負債管理を総合的におこない最適なバランスシートコントロールに努めていることから、相対的に高い外部格付けを維持しております。
このようにして当社グループは、負債水準を適切にコントロールしつつ、高い利益率に支えられた安定的な収益を挙げる事業構造を確立しておりますが、更に保有物件の建替による資産効率の向上と、建替に伴う一時的なキャッシュ・フローの減少を投資回収等で補うことにより、更なる成長をめざしてまいります。その実現のために、主に以下の戦略に取り組んでまいります。
①不動産賃貸事業の強化
当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、容積消化率の低い物件を建替えて賃貸面積の拡大と賃料収入の増強を実現し、資産運用効率の極大化をはかってまいります。
建替に際してはオフィスのほか高齢化等の社会環境の変化を反映した、賃貸マンション・高齢者施設・商業施設など立地特性にあった用途を選択するとともに、隣地との一体開発など、様々な開発手法の組み合わせにより財務規律を維持しつつ事業収益の強化をはかっております。
駅近の好立地で基準階面積が100坪以上の規模のビルが太宗を占め、かつメインテナントがみずほフィナンシャルグループで安定していることもあって、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。主要な建替物件につきましては、今期は5物件が竣工し、来期についても都心の好立地物件を始め6物件が竣工する計画となっており、更なる営業収益の増強をはかることが可能となります。
また、当社はマーケットより常に低い空室率を維持しておりますが、ポートフォリオの拡大に合わせて、テナントリーシング力を更に強化し、新規竣工物件だけでなく既存物件についてもテナント募集を組織的におこなえる体制を整備し、不動産賃貸事業の底支えをはかっております。
②新規業務分野開拓
新規取り組みとして、ウェアハウジング機能の発揮による物件売買にも取り組み、実績を積み重ねております。また、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、本年、北海道主催の「北海道東京事務所用地有効活用事業」及び東京都台東区主催の「旧福井中学校跡地活用事業」が完了し、現在、東京都下水道局主催の「芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業」に取り組んでおります。更に、昨年度運営を開始した「THE GATE HOTEL 雷門 by HULIC」につきましては、順調に営業をおこなっております。
今後も、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE事業や、所有不動産以外の新規開発事業、それに関連したJ-REITを中心としたファンドマネジメントビジネス、今後マーケットの拡大が予想されるシニア層向けビジネスなどを検討し取り組むことで、新しい成長ドライバーを開拓してまいります。また、同時に長寿命化ビルの標準仕様化やCO2総量削減に向けた環境配慮ビルの建設等を推進し、地球環境保全と企業成長の一体化をはかってまいります。
③保険部門収益の増強
保険部門は平成22年7月に旧ヒューリック株式会社から会社分割によりヒューリック保険サービス株式会社として子会社化されました。これにより、保険代理店専業の会社として、機動的かつ効率的な業務運営体制を構築しております。基本戦略は、提案セールス力の強化による生産性の向上とお客さま満足度の向上であり、引き続き営業・事務の両面で高いレベルのサービスを提供し、付加価値の高い保険代理店営業をおこなってまいります。
従来からの事業展開に加えて、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても、引き続き徹底をはかってまいります。特にリスク管理に関しては、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)を制定しており、定期的に訓練を実施する等、有事対応力の向上を更に進めてまいります。
また、人材育成を軸として専門性の高い人材集団を築くことに力を注ぎ、各事業戦略を遂行する経営資源を適切に配分すべく、取り組みを進めております。
配当政策につきましては、不動産賃貸事業を主たる事業としていることもあり、長期的かつ安定的な事業基盤の強化のために必要な内部留保の充実をはかるとともに、株主への利益還元を狙いとして、安定した配当を継続することを基本方針としております。また、業績動向を踏まえた配当とすることも同様に重要と考えております。
なお、文中における将来に係る記載についてはその達成を保証するものではありません。
当社グループは、「お客さまの社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、永く『安心と信頼に満ちた社会』の実現に貢献する」ことを企業理念として掲げ、企業理念の実践による社会発展への貢献をめざしております。また、企業理念と表裏一体をなすCSR(企業の社会的責任)ビジョンのなかで地球環境の保護に努めることを宣言しております。
そのために、安定した事業基盤を生かしつつ成長を遂げる企業となり、また、新しい視点で業務に取り組み企業価値の一層の向上に努め、そしてお客さまに最適な商品・サービスを提供することによりお客さまの満足を何より重視することを、基本姿勢としてまいります。
結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努力してまいります。
(2)対処すべき課題と中長期的な経営戦略
我が国経済は、政府による各種経済政策などにより、円安・株高が進行し、企業収益や個人消費にも改善がみられるなど、景気は回復しつつありますが、海外景気の下振れ懸念や消費税率の引き上げによる消費低迷への懸念もあることから、その足取りはまだ不確かな状況にあります。
賃貸オフィス事業を取り巻く環境につきましては、景気の回復に伴い、都心部を中心として空室率に改善の兆しが見られますが、賃料水準は依然として軟調な推移となっております。
こうした環境のもと、当社グループは、平成24年度を初年度とする中期経営計画に基づき、『変革とスピード』をキーワードとして持続的な利益成長を遂げることに注力してまいりました。平成25年度におきましても、この戦略に沿った施策として、新規物件への投資や既存物件の建替などにより、規模と多様性を併せ持ったポートフォリオの充実をはかり、安定的な収益源を確保するとともに、企業価値の持続的向上をはかることができる体制の構築に取り組んでまいりました。その結果、2年前倒しで中期経営計画の利益目標を達成することができました。
平成26年度におきましては、更なる飛躍に向けて策定した新たな中期経営計画に基づき、不動産賃貸事業の更なる増強をはかるとともに、J-REIT事業への参入などを始めとした新たな事業への取り組みを強化し、事業基盤の維持・発展を進めてまいります。
当社グループは、容積消化率の低い物件を建替えるという施策と優良な新規物件の購入を推進してきたことから、比較的負債依存度が高く平成25年12月期末時点での総借入は3,718億円となっております(うち43億円はノンリコースローン)。
外部負債の利用は、高い収益力を背景とした低コスト調達により、総コストを抑えつつ安定的に調達をおこない、企業価値の向上をめざすという財務戦略に立脚したものであります。一方において、負債管理を総合的におこない最適なバランスシートコントロールに努めていることから、相対的に高い外部格付けを維持しております。
このようにして当社グループは、負債水準を適切にコントロールしつつ、高い利益率に支えられた安定的な収益を挙げる事業構造を確立しておりますが、更に保有物件の建替による資産効率の向上と、建替に伴う一時的なキャッシュ・フローの減少を投資回収等で補うことにより、更なる成長をめざしてまいります。その実現のために、主に以下の戦略に取り組んでまいります。
①不動産賃貸事業の強化
当社グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、容積消化率の低い物件を建替えて賃貸面積の拡大と賃料収入の増強を実現し、資産運用効率の極大化をはかってまいります。
建替に際してはオフィスのほか高齢化等の社会環境の変化を反映した、賃貸マンション・高齢者施設・商業施設など立地特性にあった用途を選択するとともに、隣地との一体開発など、様々な開発手法の組み合わせにより財務規律を維持しつつ事業収益の強化をはかっております。
駅近の好立地で基準階面積が100坪以上の規模のビルが太宗を占め、かつメインテナントがみずほフィナンシャルグループで安定していることもあって、マーケットより常に低い空室率を維持し、安定的な収益を確保しております。主要な建替物件につきましては、今期は5物件が竣工し、来期についても都心の好立地物件を始め6物件が竣工する計画となっており、更なる営業収益の増強をはかることが可能となります。
また、当社はマーケットより常に低い空室率を維持しておりますが、ポートフォリオの拡大に合わせて、テナントリーシング力を更に強化し、新規竣工物件だけでなく既存物件についてもテナント募集を組織的におこなえる体制を整備し、不動産賃貸事業の底支えをはかっております。
②新規業務分野開拓
新規取り組みとして、ウェアハウジング機能の発揮による物件売買にも取り組み、実績を積み重ねております。また、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、本年、北海道主催の「北海道東京事務所用地有効活用事業」及び東京都台東区主催の「旧福井中学校跡地活用事業」が完了し、現在、東京都下水道局主催の「芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業」に取り組んでおります。更に、昨年度運営を開始した「THE GATE HOTEL 雷門 by HULIC」につきましては、順調に営業をおこなっております。
今後も、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE事業や、所有不動産以外の新規開発事業、それに関連したJ-REITを中心としたファンドマネジメントビジネス、今後マーケットの拡大が予想されるシニア層向けビジネスなどを検討し取り組むことで、新しい成長ドライバーを開拓してまいります。また、同時に長寿命化ビルの標準仕様化やCO2総量削減に向けた環境配慮ビルの建設等を推進し、地球環境保全と企業成長の一体化をはかってまいります。
③保険部門収益の増強
保険部門は平成22年7月に旧ヒューリック株式会社から会社分割によりヒューリック保険サービス株式会社として子会社化されました。これにより、保険代理店専業の会社として、機動的かつ効率的な業務運営体制を構築しております。基本戦略は、提案セールス力の強化による生産性の向上とお客さま満足度の向上であり、引き続き営業・事務の両面で高いレベルのサービスを提供し、付加価値の高い保険代理店営業をおこなってまいります。
従来からの事業展開に加えて、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」についても、引き続き徹底をはかってまいります。特にリスク管理に関しては、「事業継続基本計画」(BCP:Business Continuity Plan)を制定しており、定期的に訓練を実施する等、有事対応力の向上を更に進めてまいります。
また、人材育成を軸として専門性の高い人材集団を築くことに力を注ぎ、各事業戦略を遂行する経営資源を適切に配分すべく、取り組みを進めております。
配当政策につきましては、不動産賃貸事業を主たる事業としていることもあり、長期的かつ安定的な事業基盤の強化のために必要な内部留保の充実をはかるとともに、株主への利益還元を狙いとして、安定した配当を継続することを基本方針としております。また、業績動向を踏まえた配当とすることも同様に重要と考えております。
なお、文中における将来に係る記載についてはその達成を保証するものではありません。