有価証券報告書-第95期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、株主をはじめとする全てのステークホルダーへの責務を自覚し、透明かつ誠実な経営に留意するとともに、取締役会を中心に、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」が十分に機能した自律的統治システムを堅持します。
その上で当社グループは、迅速・果断かつ中長期的視点に立った意思決定を通じて社会的要請に応え、企業価値の向上をはかるとともに当社グループの社会的存在意義を高めていくことを、「基本的な考え方」としております。
なお、以下のコーポレート・ガバナンスの状況については、本書提出日現在の状況を記載しております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社の企業統治は、「取締役会」「監査役会」「指名諮問委員会」「報酬諮問委員会」「会計監査人」の各機関及び内部統制システムから構築することとしており、また執行役員制度の導入、社外役員の選任、各種委員会の設置により、健全かつ効率性の高い体制となっており、当社にとって最も適した仕組みになっていると考えております。
a.会社の機関の内容
当社の取締役会、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会は、以下のメンバーで構成されています。なお、◎はそれぞれの会議体の長を指します。
※1.2024年3月26日取締役退任までの、当事業年度中に開催された出席回数を記載しております。また、退任時の役職名を記載しております。
2.2024年6月25日取締役退任までの、当事業年度中に開催された出席回数を記載しております。また、退任時の役職名を記載しております。
3.2024年3月26日取締役就任後、当事業年度中に開催された出席回数を記載しております。
b.執行役員制度
当社では、執行役員制度を導入し、経営の監督機能を担う取締役会と業務執行機能の分離をはかり、経営の健全性と効率性を高めております。
c.委員会の設置
業務横断的に全社的諸問題について審議・調整する場として、次の4つの委員会を設置しております。
・「コンプライアンス委員会」
(目的、審議・調整事項)・・・コンプライアンス・プログラムの策定・重要な改定、情報管理に関する事項等。
・「リスク管理委員会」
(同上) ・・・別に制定した「リスク管理の基本規程」に定義する諸リスクを総合した全社リスクの適時把握と対応。発生事実に該当する事項への対応等。
・「資金ALM委員会」
(同上) ・・・ALMに関する基本的事項。資金の調達・運用に関する事項。有価証券の売買、運用に関する事項。市場リスク管理に関する事項。流動性リスクに関する事項等。
・「サステナビリティ委員会」
(同上) ・・・サステナビリティの活動方針、サステナビリティに関する各種施策の推進。重要項目・KPIの策定・見直し。
d.コーポレート・ガバナンス体制の模式図は下記の通りであります。

e.内部統制システム
当社では、業務の有効性・効率性向上、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全、グループ内部統制強化、監査役監査の実効性確保の観点から、取締役会において、「内部統制の基本方針(当社、及び子会社の業務の適正を確保するための体制の整備)について」を決議し、内部統制の整備を進めております。統制活動を支える一助として、「財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価の基本方針書」を定め、「全社的(主要な子会社も対象とした)な内部統制」を始めとする内部統制状況の整備・運用状況の評価や各種運用テストを通じて内部統制の有効性を確認しているほか、関連当事者取引について定期的な調査をおこない、利益相反等の行為の防止に努めております。
f.責任限定契約の内容の概要
当社と各取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)並びに各監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を法令が規定する限度額までに限定する契約を締結しております。
g.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社では、保険会社との間で、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約(D&O保険)を締結しております。その内容は下記の通りです。
ⅰ被保険者の範囲
当社及び当社の一部子会社の会社法上の取締役及び監査役です。
ⅱ役員が負担している保険料の割合
当社が締結しているD&O保険の当社年間保険料は全額当社が、当社子会社の年間保険料は全額子会社が負担しております。
ⅲ保険契約の内容の概要
補償地域は全世界、保険期間は2025年2月1日から2026年2月1日です。
補償対象としている保険事故の概要は次の通りです。
・会社の役員としての業務につきおこなった行為(不作為を含みます。)に起因して、保険期間中に株主または第三者から損害賠償請求された場合に、それによって役員が被る損害(法律上の損害賠償金、争訟費用)を補償対象としています。
・このほか、現に損害賠償請求がなされていなくても、損害賠償請求がなされるおそれがある状況が発生した場合に、被保険者である役員がそれらに対応するために要する費用も補償対象としています。
また、役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、当社の採用するD&O保険では、公序良俗に反する以下の行為を免責としております。
・役員が私的な利益または便宜の供与を違法に得たことに起因する損害賠償請求
・役員の犯罪行為、または役員が違法であることを認識しながらおこなった行為
・役員に報酬または賞与等が違法に支払われたことに起因する損害賠償請求
・役員がおこなったインサイダー取引に起因する損害賠償請求
・違法な利益の供与に起因する損害賠償請求
③コンプライアンス・リスク管理の体制と運用
a.コンプライアンス管理
当社は、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと捉えておりますことから、取締役会を頂点とし、コンプライアンス委員会、代表取締役社長、コンプライアンス担当専務、法務・コンプライアンス部、そして各部室のコンプライアンス・オフィサー等で構成されるコンプライアンス体制を、「コンプライアンス規程」のもとで構築しております。コンプライアンス委員会で承認を得たコンプライアンス・プログラムを通じて全社としてコンプライアンスに取り組んでおり、定例的に活動状況やコンプライアンスに関する事項をコンプライアンス委員会で審議、報告する仕組みとしております。
また、当社は反社会的勢力排除に関しては、取締役による内部統制整備責任の一つと捉え体制を構築しております。具体的には「コンプライアンス・マニュアル」において、「反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断する」と定め、更に「反社会的勢力対応ルール」を制定し、政府が公表した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」に基づき基本的な考え方を明確にし、対応窓口の明確化及び情報照会ルールの明確化をおこなうとともに、社内研修を通じて社員の意識向上をはかっております。
b.リスク管理
リスク管理につきましては、「リスク管理の基本規程」を定めて、当社グループの業務において発生する様々なリスク(オペレーショナルリスク、市場リスク、流動性リスク、信用リスク等)を管理しております。
リスク管理委員会、資金ALM委員会等のリスク管理に関する委員会を定期的に開催し、リスクモニタリング指標の収集・分析によってリスクの変動を捕捉し、リスクをコントロールする仕組みとしております。当社の最大の資産である不動産については、定期的に鑑定評価を取得することで市場リスクを捕捉するほか、大規模災害に備えるため「事業継続基本計画」等を制定し、全社訓練を実施する等リスク管理体制を強化しております。
また、東日本大震災を踏まえ、「事業継続基本計画」の見直しを定期的におこない、各ビルの耐震性能、液状化対策、水害対策などのチェックをおこなっているほか、気候変動に関するリスクについても、適応していくための管理体制を整備しております。
c.開示統制
当社は、投資家の投資判断に影響を与える重要な会社情報については、東京証券取引所の定める「適時開示規則」並びに関係法令に従い、迅速・正確かつ公平な開示をおこなうよう努めてまいります。
即ち、株主・投資家を始めとするあらゆるステークホルダーの当社に対する正確な理解と評価を促進するために、「開示統制規程」を定めて、「内部者(インサイダー)取引管理並びに開示情報管理に関する規程」を整備しております。
また、当社では「開示担当役員」が、内部統制及び財務情報に関する重要な情報を一元的に集中管理しており、情報の網羅性と開示の適時・適正性を担保し、責任の所在を明確にする運営としております。
具体的には、決定事実の場合、取締役会決議に係る重要な会社情報並びに子会社の重要情報は経営企画部に集約され、経営企画部は当該情報が適時開示に該当するか否かの判断をおこないます。この場合、法務・コンプライアンス部が管理担当部署として、開示まで情報を厳重に管理いたします。経営企画部は、取締役会の事務局となっているほか、関係会社管理の統括部署となっており、グループ各部署と連携し、情報の収集にあたっております。当該情報が重要情報と判定された場合、取締役会承認後、開示手続は広報・IR部が速やかにおこないます。
発生事実の場合、速やかに開示手続をおこないます。
④取締役、監査役の選任について
当社は、取締役、監査役の選任に関する株主総会の決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもっておこなう旨、定款に定めております。これは、株主総会における取締役、監査役の選任に関する定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営をおこなうことを目的とするものであります。なお、取締役の選任決議については、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
⑤自己株式の取得について
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的とするものであります。
⑥中間配当制度の採用
当社は、株主への利益還元の機会を増加させるため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年6月30日を基準日として、中間配当をおこなうことができる旨定款に定めております。
⑦取締役等による免除の決定機関
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者を含む)、監査役(監査役であった者を含む)及び会計監査人(会計監査人であった者を含む)の当社に対する損害賠償責任を法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役、監査役及び会計監査人が期待される役割を十分発揮することを目的とするものであります。
⑧株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもっておこなう旨、定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営をおこなうことを目的とするものであります。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、株主をはじめとする全てのステークホルダーへの責務を自覚し、透明かつ誠実な経営に留意するとともに、取締役会を中心に、「内部統制」、「リスク管理」、「コンプライアンス」、「開示統制」が十分に機能した自律的統治システムを堅持します。
その上で当社グループは、迅速・果断かつ中長期的視点に立った意思決定を通じて社会的要請に応え、企業価値の向上をはかるとともに当社グループの社会的存在意義を高めていくことを、「基本的な考え方」としております。
なお、以下のコーポレート・ガバナンスの状況については、本書提出日現在の状況を記載しております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社の企業統治は、「取締役会」「監査役会」「指名諮問委員会」「報酬諮問委員会」「会計監査人」の各機関及び内部統制システムから構築することとしており、また執行役員制度の導入、社外役員の選任、各種委員会の設置により、健全かつ効率性の高い体制となっており、当社にとって最も適した仕組みになっていると考えております。
a.会社の機関の内容
取締役会 | 取締役10名(うち社外取締役6名)で構成され「取締役会規程」に基づき、法令及び定款に定められた事項並びに業務執行に関する重要な事項を決議し、取締役及び執行役員の職務執行全般を監督しております。 定例取締役会を原則として毎月1回開催しているほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会によって選任され業務執行を担う執行役員制度等によって、取締役会の取締役及び執行役員の職務執行全般の監督機能を強化し、経営の健全性確保に努めております。また、内部監査部門の体制強化及び内部統制システムの整備によりコーポレート・ガバナンスの実効性は確保されているものと認識しております。なお、当社は定款で取締役の定数を12名以内とする旨、規定しております。 当該事業年度(2024年12月期)の活動状況及び具体的な検討内容については下記の通りです。 ・開催回数:17回 ・検討内容:中期経営計画、株式の公開買付け、株式売出し、重要な財産の処分及び譲受け 等 〈取締役のスキル・マトリックス〉 中長期経営計画の実現に向け、必要と考える取締役のスキルを①企業経営②サステナビリティ・ESG ③財務・会計・ファイナンス④法務・コンプライアンス⑤リスクマネジメント⑥人事・労務・人材開発 ⑦不動産事業に関するスキル と定義しております。 当社の求めるスキルを持つ取締役を適切に選任しており、その一覧は下表の通りです。 |
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〈取締役会の実効性評価〉 当社は取締役会の実効性を継続的に確保するため、年1回、自己評価をおこなっており、この評価をもとに取締役会運営の適切な見直しをおこなっています。 当該事業年度(2024年12月期)の取締役会の実効性に関する分析・評価をおこなった結果、社外取締役が取締役会議長を務めていること、全体の過半数を多様な専門性を有する社外役員が占め、更に女性比率も3割を超える構成となっていること、各役員が意見を述べやすい風土が醸成されており、適切なリスクテイクとリスク管理がなされていると評価されることから、ガバナンスは有効に機能していると判断しております。 | |
監査役会 | 当社は監査役制度を採用しております。監査役5名(常勤監査役2名)で構成され、うち3名が会社法及び会社法施行規則で定める社外監査役であります。 監査役監査では、監査役会で作成した監査基本方針、監査基本計画に基づき、取締役会のほか、必要に応じた会議・委員会への出席、取締役・執行役員からの職務の執行状況の聴取、重要な書類・稟議書・会計伝票の閲覧等により、取締役・執行役員及び各部門の業務遂行状況の監査を実施しております。また、監査役の職務を補佐する組織として監査役室を設置しております。 なお、当該事業年度(2024年12月期)の監査役会の活動状況及び具体的な検討内容については、(3)監査の状況 ①監査役監査の状況をご参照ください。 |
指名諮問 委員会 | 取締役候補者・監査役候補者の指名に際し、独立社外取締役のみで構成する指名諮問委員会にて審議し答申することとしております。 なお、当該事業年度(2024年12月期)の活動状況及び具体的な検討内容については下記の通りです。 ・開催回数:1回 ・検討内容:役付取締役の昇任に関する検討、業務執行取締役の適切性に関する検討、サクセッションプランの検討 |
報酬諮問 委員会 | 取締役の具体的な報酬の決定に際し、株主総会で決議された額の範囲内で、独立社外取締役のみで構成する報酬諮問委員会にて審議し決定することとしております。 なお、当該事業年度(2024年12月期)の活動状況及び具体的な検討内容については下記の通りです。 ・開催回数:2回 ・検討内容:取締役各人の基本報酬の検討と決定、業務執行取締役各人の業績連動報酬の検討と決定、業務執行取締役の報酬体系ルールの検討と一部改定 |
会計監査人 | 会計監査については、EY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結し、監査を実施しております。 |
当社の取締役会、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会は、以下のメンバーで構成されています。なお、◎はそれぞれの会議体の長を指します。

2.2024年6月25日取締役退任までの、当事業年度中に開催された出席回数を記載しております。また、退任時の役職名を記載しております。
3.2024年3月26日取締役就任後、当事業年度中に開催された出席回数を記載しております。
b.執行役員制度
当社では、執行役員制度を導入し、経営の監督機能を担う取締役会と業務執行機能の分離をはかり、経営の健全性と効率性を高めております。
c.委員会の設置
業務横断的に全社的諸問題について審議・調整する場として、次の4つの委員会を設置しております。
・「コンプライアンス委員会」
(目的、審議・調整事項)・・・コンプライアンス・プログラムの策定・重要な改定、情報管理に関する事項等。
・「リスク管理委員会」
(同上) ・・・別に制定した「リスク管理の基本規程」に定義する諸リスクを総合した全社リスクの適時把握と対応。発生事実に該当する事項への対応等。
・「資金ALM委員会」
(同上) ・・・ALMに関する基本的事項。資金の調達・運用に関する事項。有価証券の売買、運用に関する事項。市場リスク管理に関する事項。流動性リスクに関する事項等。
・「サステナビリティ委員会」
(同上) ・・・サステナビリティの活動方針、サステナビリティに関する各種施策の推進。重要項目・KPIの策定・見直し。
d.コーポレート・ガバナンス体制の模式図は下記の通りであります。

e.内部統制システム
当社では、業務の有効性・効率性向上、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全、グループ内部統制強化、監査役監査の実効性確保の観点から、取締役会において、「内部統制の基本方針(当社、及び子会社の業務の適正を確保するための体制の整備)について」を決議し、内部統制の整備を進めております。統制活動を支える一助として、「財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価の基本方針書」を定め、「全社的(主要な子会社も対象とした)な内部統制」を始めとする内部統制状況の整備・運用状況の評価や各種運用テストを通じて内部統制の有効性を確認しているほか、関連当事者取引について定期的な調査をおこない、利益相反等の行為の防止に努めております。
f.責任限定契約の内容の概要
当社と各取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)並びに各監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を法令が規定する限度額までに限定する契約を締結しております。
g.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社では、保険会社との間で、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約(D&O保険)を締結しております。その内容は下記の通りです。
ⅰ被保険者の範囲
当社及び当社の一部子会社の会社法上の取締役及び監査役です。
ⅱ役員が負担している保険料の割合
当社が締結しているD&O保険の当社年間保険料は全額当社が、当社子会社の年間保険料は全額子会社が負担しております。
ⅲ保険契約の内容の概要
補償地域は全世界、保険期間は2025年2月1日から2026年2月1日です。
補償対象としている保険事故の概要は次の通りです。
・会社の役員としての業務につきおこなった行為(不作為を含みます。)に起因して、保険期間中に株主または第三者から損害賠償請求された場合に、それによって役員が被る損害(法律上の損害賠償金、争訟費用)を補償対象としています。
・このほか、現に損害賠償請求がなされていなくても、損害賠償請求がなされるおそれがある状況が発生した場合に、被保険者である役員がそれらに対応するために要する費用も補償対象としています。
また、役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、当社の採用するD&O保険では、公序良俗に反する以下の行為を免責としております。
・役員が私的な利益または便宜の供与を違法に得たことに起因する損害賠償請求
・役員の犯罪行為、または役員が違法であることを認識しながらおこなった行為
・役員に報酬または賞与等が違法に支払われたことに起因する損害賠償請求
・役員がおこなったインサイダー取引に起因する損害賠償請求
・違法な利益の供与に起因する損害賠償請求
③コンプライアンス・リスク管理の体制と運用
a.コンプライアンス管理
当社は、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと捉えておりますことから、取締役会を頂点とし、コンプライアンス委員会、代表取締役社長、コンプライアンス担当専務、法務・コンプライアンス部、そして各部室のコンプライアンス・オフィサー等で構成されるコンプライアンス体制を、「コンプライアンス規程」のもとで構築しております。コンプライアンス委員会で承認を得たコンプライアンス・プログラムを通じて全社としてコンプライアンスに取り組んでおり、定例的に活動状況やコンプライアンスに関する事項をコンプライアンス委員会で審議、報告する仕組みとしております。
また、当社は反社会的勢力排除に関しては、取締役による内部統制整備責任の一つと捉え体制を構築しております。具体的には「コンプライアンス・マニュアル」において、「反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断する」と定め、更に「反社会的勢力対応ルール」を制定し、政府が公表した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」に基づき基本的な考え方を明確にし、対応窓口の明確化及び情報照会ルールの明確化をおこなうとともに、社内研修を通じて社員の意識向上をはかっております。
b.リスク管理
リスク管理につきましては、「リスク管理の基本規程」を定めて、当社グループの業務において発生する様々なリスク(オペレーショナルリスク、市場リスク、流動性リスク、信用リスク等)を管理しております。
リスク管理委員会、資金ALM委員会等のリスク管理に関する委員会を定期的に開催し、リスクモニタリング指標の収集・分析によってリスクの変動を捕捉し、リスクをコントロールする仕組みとしております。当社の最大の資産である不動産については、定期的に鑑定評価を取得することで市場リスクを捕捉するほか、大規模災害に備えるため「事業継続基本計画」等を制定し、全社訓練を実施する等リスク管理体制を強化しております。
また、東日本大震災を踏まえ、「事業継続基本計画」の見直しを定期的におこない、各ビルの耐震性能、液状化対策、水害対策などのチェックをおこなっているほか、気候変動に関するリスクについても、適応していくための管理体制を整備しております。
c.開示統制
当社は、投資家の投資判断に影響を与える重要な会社情報については、東京証券取引所の定める「適時開示規則」並びに関係法令に従い、迅速・正確かつ公平な開示をおこなうよう努めてまいります。
即ち、株主・投資家を始めとするあらゆるステークホルダーの当社に対する正確な理解と評価を促進するために、「開示統制規程」を定めて、「内部者(インサイダー)取引管理並びに開示情報管理に関する規程」を整備しております。
また、当社では「開示担当役員」が、内部統制及び財務情報に関する重要な情報を一元的に集中管理しており、情報の網羅性と開示の適時・適正性を担保し、責任の所在を明確にする運営としております。
具体的には、決定事実の場合、取締役会決議に係る重要な会社情報並びに子会社の重要情報は経営企画部に集約され、経営企画部は当該情報が適時開示に該当するか否かの判断をおこないます。この場合、法務・コンプライアンス部が管理担当部署として、開示まで情報を厳重に管理いたします。経営企画部は、取締役会の事務局となっているほか、関係会社管理の統括部署となっており、グループ各部署と連携し、情報の収集にあたっております。当該情報が重要情報と判定された場合、取締役会承認後、開示手続は広報・IR部が速やかにおこないます。
発生事実の場合、速やかに開示手続をおこないます。
④取締役、監査役の選任について
当社は、取締役、監査役の選任に関する株主総会の決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもっておこなう旨、定款に定めております。これは、株主総会における取締役、監査役の選任に関する定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営をおこなうことを目的とするものであります。なお、取締役の選任決議については、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
⑤自己株式の取得について
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的とするものであります。
⑥中間配当制度の採用
当社は、株主への利益還元の機会を増加させるため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年6月30日を基準日として、中間配当をおこなうことができる旨定款に定めております。
⑦取締役等による免除の決定機関
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者を含む)、監査役(監査役であった者を含む)及び会計監査人(会計監査人であった者を含む)の当社に対する損害賠償責任を法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役、監査役及び会計監査人が期待される役割を十分発揮することを目的とするものであります。
⑧株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもっておこなう旨、定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営をおこなうことを目的とするものであります。