有価証券報告書-第75期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 13:16
【資料】
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【項目】
108項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来一貫して、アパレルの原点である品質を重視した商品づくりと消費者満足を基本に業績向上を目指し、ファッションを通じ美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献することを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社は、企業価値の拡大と競争力の強化を図るため、営業利益率を、また資本効率の観点から株主資本利益率(ROE)を重点経営指標としております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
足元の経営環境については「1 業績等の概要」をご参照ください。また、今後の見通しにつきましては、わが国経済は、米国の経済政策運営や新興国経済の動向、地政学的リスクなど懸念材料はあるものの、企業業績や雇用・所得環境の改善が見られるなかで、緩やかな回復基調が続くことが予想されます。
このような情勢のなかで、当社グループは、新経営計画のもと事業構造改革と成長戦略を推進するべく、社内各部門において一層の効率化を進めるとともに、既存事業の強化・拡充はもちろん、新規事業・ブランド(M&A含む)の展開、Eコマースの成長加速等を図ってまいる所存でございます。
当社グループは、平成29年度に新経営計画として発表した「Sanyo Innovation Plan 2017」において、下記のVision/Missionを掲げており、その実現に向けて各施策を実行してまいります。
アパレル事業をコアとしながらもライフスタイル全般に関わるサービスを提供する「総合ファッションカンパニー」(メーカー・リテーラー・プラットフォーマー)へと進化
<行動指針>「継承」=「メーカーとして世界最高水準のものづくりの追求」と「革新」=「新たな販路へ・新たな顧客へ・新たな商品/サービスへ」を行動指針として浸透
以下の構造改革具体策及び成長戦略具体策を実行し、黒字化に向けて事業の立て直しを図ります。
① 営業販売改革
不採算ブランド・売場の撤退、売場の生産性向上をはじめ、販売マネージャー及び店舗FA向けの仮説検証プログラムの導入や売場販売力強化コミュニケーションツールの高度化を推進します。
② 業務改革
フレックスタイム制度の本格導入、フリーアドレス導入などフレキシブルな働き方を推進し従業員の意識改革を促します。店頭及び全社アンケートの実施、「SANYO POST」の設置により会社に対するさまざまな意見、アイデア募集など、従業員の声を経営に生かせる仕組みづくりを推進し、速やかに実行しています。
③ マーチャンダイジング(MD)改革
MDプロセスの標準化・高度化を進めるとともに、MD/生産担当の業務見直しや生産部門との連携を強化し、効率的に魅力ある商品づくりを追求できる仕組みを構築します。また滞留在庫の消化促進を図り効率化を推進します。加えて直接貿易の拡大やQR体制構築を進め、サプライチェーンの最適化を更に加速します。
④ 既存事業強化戦略
新たな販路向けの商品開発と生産体制整備を推進し、都市型商業施設を中心に出店を進めてまいります。デジタル活用による直営店運営力強化を実行します。
また、コーポレートブランド事業の専門店卸売販路の開拓を積極的に推進し、クリエイションとマーケティングを強化してまいります。既存事業の卸売拡大やBtoB販路の拡大等、新たな販路への積極的な拡大を進めてまいります。
⑤ Eコマース・デジタル事業の成長加速
Eコマース専用商材の開発や自社Eコマースサイト(iStore)の機能強化、自社運営のメンバーシップ会員向けオリジナルメディアの導入や、自社サイトのモールビジネス推進強化など具体的施策を積極的に推進し、潜在的な成長力のある販路に投資を行います。
⑥ 新規事業開発
「新たな販路へ・新たな顧客へ・新たな商品/サービスへ」の行動指針に基づき、直販型ビジネスの開発やモノ×コト発信を軸としたブランド開発等、幅広い領域におけるユニークで新しい商品/サービスの開発と、それらを持つ事業者へのプラットフォーム提供など多面的に推進してまいります。
(4)会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の企業理念、CSR基本方針、企業行動基準及び経営ビジョンに基づき策定した「会社の支配に関する基本方針」に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成20年3月28日開催の当社定時株主総会の決議に基づき「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針」(以下「買収防衛策」という)を導入いたしました。
しかしながら、買収防衛策の導入時以降、経済情勢、市場の動向、当社株主構成を含め、当社を取り巻く経営環境が大きく変化している中で、買収防衛策が及ぼしうる影響等を慎重に検討した結果、平成29年3月30日開催の第74期定時株主総会の終結の時をもって買収防衛策を廃止いたしました。
なお、当社は、引き続き、当社グループの企業価値向上に向けた取組を進めるとともに、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者が出現した際には、積極的な情報収集及び情報提供に努め、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、法令及び定款の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。