有価証券報告書-第127期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンス体制の概要及びこの体制を採用する理由
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げています。この理念のもと、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくには、企業としての社会的責任を常に認識することが大切と考えており、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に努めています。
健全な起業家精神に基づく様々なビジネスチャンスに果敢に挑戦するとともに、さまざまなステークホルダーから信頼されることが、今後の事業競争力の向上に不可欠であるため、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、経営上の重要課題と考えています。的確な経営の意思決定、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、並びにそれらの監督・監査を可能とする体制を構築・運用するとともに、個々人のコンプライアンス意識を高めるための研修・教育を徹底しています。
このような基本的な考え方に基づき、当社では、監査役会設置会社の機関設計を採用しつつ、社外取締役や執行役員制度の導入に加えて、任意の委員会を設置・運営することで、取締役会の適正性・機動性・柔軟性及び多様性を確保し、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資することができると考えています。
当社のコーポレート・ガバナンスの体制図は、以下のとおりであります。
<体制図>
[取締役会、監査役会]
当社の取締役会は、多岐にわたる事業分野に関して、それぞれの専門的知識や経験を備えた取締役が、企業理念の実現に向けた経営の意思決定に参加し、責任と権限をもって職務を遂行するとともに、他の取締役の職務執行の監督を行うことのできる体制としています。原則として月1回開催され、必要に応じて執行役員が報告者として出席し、重要な経営課題について審議・決定しています。取締役会に付議する議案の基準については、法令及び定款に準拠して制定された取締役会規則で明確にしています。なお、その他の意思決定や業務執行については、組織規則等に基づき、業務執行取締役から各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切な権限委譲を実施することで、効率化を図っています。
当社は監査役会設置会社であり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役1名を含む5名から構成されます。各監査役は、取締役の職務執行について、監査役会の定める監査基準及び分担に従い監査を実施し、必要に応じて取締役及び執行役員等に対して、業務執行に関する報告を求めます。各監査役は、全ての取締役会に出席し、付議議案について必要な発言を行います。
当社には、社外取締役が4名、社外監査役が3名おり、全員が東京証券取引所及び当社の定める「独立性基準」を満たした独立役員です。独立役員は、それぞれが有する様々な専門的知識や経験に基づき、経営陣から独立した立場で、取締役会の付議議案に関して発言することを通じて、経営の透明性が確保できるとともに、一般株主の利益を保護することになるものと考えています。
[経営会議]
当社は、経営活動の迅速性及び効率性を高めるため、業務執行取締役で構成する経営会議を設置し、経営方針、経営戦略及び経営上の重要な案件等について検討・審議します。
[諮問委員会]
当社は、取締役会の監督機能強化の一環として、当社の取締役や執行役員の指名及び報酬等の決定に関する手続きの透明性及び客観性を確保するため、独立性を有する社外役員で構成される諮問委員会を設置しています。当事業年度における諮問委員会は、塚田取締役、宮島取締役及び野村監査役の3名の社外役員で構成され、役員報酬の方針や額、当社の経営を監督するための取締役候補者のスキルといったアジェンダで審議されました。
[企業倫理行動委員会]
DNPグループ全社の内部統制システムを統括し、全社員に対するコンプライアンス意識の徹底を図るために1992年に設置された委員会です。原則として月1回開催される、本社役員で構成される本社企業倫理行動委員会では、各事業部門におけるコンプライアンス活動状況を集約し、情報共有を図っています。
[サステナビリティ委員会]
当社では、グループのサステナビリティに関するマネジメントを統括する組織として、本社役員で構成されるサステナビリティ委員会を設置しています。当事業年度においては、気候変動をはじめとした環境問題への対応推進、責任ある調達に関するグローバルマネジメント体制の整備が図られました。
[BCM推進委員会]
当社では、自然災害や感染症、その他様々な要因で事業の継続が困難となる事態を想定し、適切な事業継続計画(BCP)のPDCAを循環させるため、本社役員で構成するBCM推進委員会を設置しています。当事業年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための対策推進や情報発信、社員の陽性者の把握など、海外グループ会社を含めたリスク管理の徹底を重視した活動が、日常的に行われました。
②責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役全員との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項が定める損害賠償責任について、当社の取締役及び監査役として職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、同法第425条第1項が定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
③役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、全ての取締役、執行役員及び監査役を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料の全額を当社が負担しています。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行(不作為を含みます)に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金や訴訟費用等が填補されます。ただし、違法な私的利益供与、犯罪行為等による損害については填補されない等の免責事由があります。その付保内容については、当社の事業規模及び役員の職務の執行の適正性へ与える影響等に鑑みて決定しています。
④会社の支配に関する基本方針
イ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えます。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えます。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
ロ.会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、及びその他関連法令に基づき、適宜適切な措置を講じます。また、取締役会の意見等の開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外役員で構成する独立した委員会に取締役会としての意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重します。
当社取締役会では、この取り組みに公正性・中立性・合理性が担保されていると考えますので、上記の基本方針に沿うものであり、また、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
⑤取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ.自己の株式の取得
当社は、資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
ロ.取締役の責任免除
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ハ.監査役の責任免除
当社は、監査役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の監査役(監査役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ニ.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元のため、取締役会決議によって毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める金銭による剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めています。
⑥取締役の定数
当社は、定款で取締役の定数を16名以内と定めています。
⑦取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらない旨を、定款で定めています。
⑧株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営のため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を定款で定めています。
<業務の適正を確保するための体制の整備についての決議の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要>会社法及び会社法施行規則に基づいて取締役会が決議した、当社の業務並びに当社及び当社子会社から成る企業集団(DNPグループ)の業務の適正を確保するための体制の整備の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要は次のとおりです。
イ.DNPグループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
a.当社は、原則として月1回開催される取締役会において、DNPグループにおける重要な経営課題について意思決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督します。また、業務執行取締役で構成される経営会議を設置し、経営方針、経営戦略及び経営上の重要な案件等についての検討・審議を行います。さらに、取締役の報酬や候補者の指名等については、独立性を有する社外役員で構成される諮問委員会における助言・提言を得ることとしています。
b.当社は、DNPグループの全ての役職員の行動の規範として制定した「DNPグループ行動規範」の徹底を図ります。
c.当社は、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」に基づき、DNPグループのコンプライアンス体制における内部統制の統括組織として企業倫理行動委員会を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備します。
d.当社は、業務執行部門から独立した内部監査部門として監査室を設置し、DNPグループの内部監査及び指導を行います。
e.当社は、DNPグループにおける内部通報の窓口である「オープンドア・ルーム」を社内外に設置し、また資材調達先及び業務委託先からの情報提供の窓口である「サプライヤー・ホットライン」を設置することにより、DNPグループの役職員の法令違反等に関する通報・情報を受け、その対応(通報者に対して不利な取扱いをしないことを含みます)を行います。
<運用状況の概要>・当社取締役会は、独立性を有する社外取締役4名を含む10名で構成され、当期は13回開催し、「取締役会規則」に基づき重要事項につき審議・決定を行うとともに、取締役の職務執行等を監督しました。また、経営会議を13回開催し、経営上の重要な案件について検討・審議を行いました。諮問委員会は3回開催し、取締役の報酬や候補者の指名等の重要事項について審議が行われ、助言・提言を受けました。
・「DNPグループ行動規範」をDNPグループの全ての役職員に配布するとともに、当社企業倫理行動委員会を中心に、新入社員研修などの階層別研修の機会を通じて、周知徹底を図っています。当社企業倫理行動委員会は、毎月1回以上開催し、DNPグループにおけるコンプライアンスに関する重要事項について適切に審議するとともに、国内外の社員が直接情報提供を行うことができる通報窓口を社内外に設置し、また資材調達先及び業務委託先からの通報窓口も設置して、その周知・徹底を図り、適切に運営しています。当社監査室は、「内部監査規程」に基づき、業務執行部門から独立した立場で、監査計画に則り、当社各基本組織及びグループ会社の内部監査及び指導を実施し、その結果は、当社代表取締役社長、当社監査役及び会計監査人に報告しています。
ロ.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
情報の保存及び管理について定めた規程等に従い、取締役の職務の執行に係る情報を文書又は電子文書に記録し、適切に保存・管理します。
<運用状況の概要>取締役の職務の執行に係る情報については、「情報セキュリティ基本規程」並びに「文書管理基準」及び「電子情報管理基準」に従い、担当部門にて適切に保存・管理しています。
ハ.DNPグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
DNPグループにおけるコンプライアンス、情報セキュリティ、環境、災害、製品安全、インサイダー取引及び輸出管理等の経営に重要な影響を及ぼすリスクについては、各リスクに対応する組織において、規程等の整備並びに各基本組織及び各グループ会社に対する検査・指導・教育を実施し、リスクの低減及び未然防止に努めるとともに、リスク発生時には、速やかにこれに対応し、損失の最小化を図ります。また、定期的にリスクの棚卸しを行い、経営に重要な影響を及ぼす新たなリスクについては、速やかに対応すべき組織及び責任者を定めます。
<運用状況の概要>当社企業倫理行動委員会、各専門の委員会その他の本社各基本組織は、経営に重要な影響を及ぼすリスクを選定し、そのリスクに対応すべき組織及び責任者を定めています。各専門の委員会及び本社各基本組織は、そのリスクに対する評価・改善活動を実施し、そのリスクの未然防止に努めており、その活動内容については、当社企業倫理行動委員会に報告しています。
ニ.DNPグループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.当社は、規程等で定める範囲において、業務執行取締役から各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切な権限委譲を実施することにより、業務執行の効率化を図ります。
b.当社は、各グループ会社が制定・整備する規程等を通じて、DNPグループにおける効率的な業務執行体制の構築を図ります。
<運用状況の概要>当社は、業務執行取締役の権限を、「組織規則」、「職務権限規程」、「稟議規程」その他の規程等に基づき、各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切に委譲し、責任体制の明確化を図っています。各グループ会社においても、各社の事業内容、規模等に照らして制定された規程等に基づき、職務権限の整備が行われています。
ホ.その他DNPグループにおける業務の適正を確保するための体制
a.当社は、業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用に関して、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を制定し、各グループ会社には、これらを基礎として、規程等を制定・整備するよう指導します。
b.各グループ会社には、前号の規程等に基づき、それぞれの事業内容・規模等を勘案して、親会社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた規程等を自律的に整備させ、各グループ会社の取締役等の重要な職務執行に関する当社への報告体制を構築・運用させるとともに、その職務執行が、法令及び定款に適合すること及び効率的に行われることを確保します。
c.DNPグループは、毎事業年度、当社各基本組織及びグループ会社における業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況を確認するとともに、その内容を当社企業倫理行動委員会に報告します。
<運用状況の概要>・各グループ会社は、当社の「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を基礎として、本社各基本組織の指導のもと、各社の事業内容、規模等を踏まえた規程等を制定・整備しています。また、重要な意思決定については、当社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた「稟議規程」に基づき、当社との事前協議又は当社へ事後報告を行っています。
・当社各基本組織及び各グループ会社は、コンプライアンス体制における内部統制の整備・運用状況を確認し、当期末までに「部門確認書」として取り纏め、当社企業倫理行動委員会に報告しています。当社企業倫理行動委員会は、その結果について各法令等を主管する本社各基本組織に伝達し、本社各基本組織はその状況を確認し、必要に応じて、各基本組織及び各グループ会社に対して指導・教育を実施しています。
・当社監査室、当社企業倫理行動委員会、各専門の委員会その他の本社各基本組織は、当社各基本組織及び各グループ会社の内部統制の整備・運用状況について、監査もしくは検査、指導・教育を行っています。
へ.当社監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助するための専任スタッフを配置するため、監査役室を設置します。当該スタッフは、当社監査役の指揮命令のもとに職務を執行しなければならないものとし、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得るものとします。
<運用状況の概要>当社は、取締役等の指揮命令から独立した専任スタッフを1名選任しています。当該スタッフに対しては、業務執行の実効性を確保するため、適切な調査・情報収集権限を付与しており、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得ています。
ト.DNPグループの取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.当社監査役は、必要に応じて、いつでもDNPグループの役職員に対して、業務執行等に関する報告を求めることができるものとし、DNPグループの役職員は、法令及び規程等に定められた事項のほか、当社監査役から報告を求められた場合は、速やかに報告を行います。
b.当社監査役は、当社代表取締役社長及びグループ会社監査役との間で、それぞれ定期的又は随時に意見交換を行います。
c.当社監査役の職務の執行上必要と認める費用については、当社が負担するものとし、当社監査役会は、事前・事後に当社に請求できるものとします。
<運用状況の概要>・当社監査役は、DNPグループの役職員から監査に必要な情報について適宜適切に報告を受けており、DNPグループに対する監査内容及びDNPグループにおける業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況等については、当社監査室及び当社企業倫理行動委員会からそれぞれ定期的に報告を受けています。
・当社監査役は、当社代表取締役社長と定期的に意見交換を行い、グループ会社の監査役とは、適宜連絡会を開催しています。
・当社監査役の職務に関する費用は当社に必要と認められる範囲において当社負担としています。
①コーポレート・ガバナンス体制の概要及びこの体制を採用する理由
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げています。この理念のもと、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくには、企業としての社会的責任を常に認識することが大切と考えており、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に努めています。
健全な起業家精神に基づく様々なビジネスチャンスに果敢に挑戦するとともに、さまざまなステークホルダーから信頼されることが、今後の事業競争力の向上に不可欠であるため、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、経営上の重要課題と考えています。的確な経営の意思決定、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、並びにそれらの監督・監査を可能とする体制を構築・運用するとともに、個々人のコンプライアンス意識を高めるための研修・教育を徹底しています。
このような基本的な考え方に基づき、当社では、監査役会設置会社の機関設計を採用しつつ、社外取締役や執行役員制度の導入に加えて、任意の委員会を設置・運営することで、取締役会の適正性・機動性・柔軟性及び多様性を確保し、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資することができると考えています。
当社のコーポレート・ガバナンスの体制図は、以下のとおりであります。
<体制図>

[取締役会、監査役会]
当社の取締役会は、多岐にわたる事業分野に関して、それぞれの専門的知識や経験を備えた取締役が、企業理念の実現に向けた経営の意思決定に参加し、責任と権限をもって職務を遂行するとともに、他の取締役の職務執行の監督を行うことのできる体制としています。原則として月1回開催され、必要に応じて執行役員が報告者として出席し、重要な経営課題について審議・決定しています。取締役会に付議する議案の基準については、法令及び定款に準拠して制定された取締役会規則で明確にしています。なお、その他の意思決定や業務執行については、組織規則等に基づき、業務執行取締役から各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切な権限委譲を実施することで、効率化を図っています。
当社は監査役会設置会社であり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役1名を含む5名から構成されます。各監査役は、取締役の職務執行について、監査役会の定める監査基準及び分担に従い監査を実施し、必要に応じて取締役及び執行役員等に対して、業務執行に関する報告を求めます。各監査役は、全ての取締役会に出席し、付議議案について必要な発言を行います。
当社には、社外取締役が4名、社外監査役が3名おり、全員が東京証券取引所及び当社の定める「独立性基準」を満たした独立役員です。独立役員は、それぞれが有する様々な専門的知識や経験に基づき、経営陣から独立した立場で、取締役会の付議議案に関して発言することを通じて、経営の透明性が確保できるとともに、一般株主の利益を保護することになるものと考えています。
[経営会議]
当社は、経営活動の迅速性及び効率性を高めるため、業務執行取締役で構成する経営会議を設置し、経営方針、経営戦略及び経営上の重要な案件等について検討・審議します。
[諮問委員会]
当社は、取締役会の監督機能強化の一環として、当社の取締役や執行役員の指名及び報酬等の決定に関する手続きの透明性及び客観性を確保するため、独立性を有する社外役員で構成される諮問委員会を設置しています。当事業年度における諮問委員会は、塚田取締役、宮島取締役及び野村監査役の3名の社外役員で構成され、役員報酬の方針や額、当社の経営を監督するための取締役候補者のスキルといったアジェンダで審議されました。
[企業倫理行動委員会]
DNPグループ全社の内部統制システムを統括し、全社員に対するコンプライアンス意識の徹底を図るために1992年に設置された委員会です。原則として月1回開催される、本社役員で構成される本社企業倫理行動委員会では、各事業部門におけるコンプライアンス活動状況を集約し、情報共有を図っています。
[サステナビリティ委員会]
当社では、グループのサステナビリティに関するマネジメントを統括する組織として、本社役員で構成されるサステナビリティ委員会を設置しています。当事業年度においては、気候変動をはじめとした環境問題への対応推進、責任ある調達に関するグローバルマネジメント体制の整備が図られました。
[BCM推進委員会]
当社では、自然災害や感染症、その他様々な要因で事業の継続が困難となる事態を想定し、適切な事業継続計画(BCP)のPDCAを循環させるため、本社役員で構成するBCM推進委員会を設置しています。当事業年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための対策推進や情報発信、社員の陽性者の把握など、海外グループ会社を含めたリスク管理の徹底を重視した活動が、日常的に行われました。
| 名称 | 当事業年度における活動状況 | 構成員 |
| 取締役会 | 13回 | 全取締役、全監査役 |
| 監査役会 | 18回 | 全監査役 |
| 経営会議 | 13回 | 全業務執行取締役 |
| 諮問委員会 | 3回 | 社外取締役2名、社外監査役1名 |
| 企業倫理行動委員会 | 14回 | 本社取締役・執行役員 |
②責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役全員との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項が定める損害賠償責任について、当社の取締役及び監査役として職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、同法第425条第1項が定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
③役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、全ての取締役、執行役員及び監査役を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料の全額を当社が負担しています。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行(不作為を含みます)に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金や訴訟費用等が填補されます。ただし、違法な私的利益供与、犯罪行為等による損害については填補されない等の免責事由があります。その付保内容については、当社の事業規模及び役員の職務の執行の適正性へ与える影響等に鑑みて決定しています。
④会社の支配に関する基本方針
イ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えます。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えます。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
ロ.会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、及びその他関連法令に基づき、適宜適切な措置を講じます。また、取締役会の意見等の開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外役員で構成する独立した委員会に取締役会としての意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重します。
当社取締役会では、この取り組みに公正性・中立性・合理性が担保されていると考えますので、上記の基本方針に沿うものであり、また、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
⑤取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ.自己の株式の取得
当社は、資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
ロ.取締役の責任免除
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ハ.監査役の責任免除
当社は、監査役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の監査役(監査役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ニ.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元のため、取締役会決議によって毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める金銭による剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めています。
⑥取締役の定数
当社は、定款で取締役の定数を16名以内と定めています。
⑦取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらない旨を、定款で定めています。
⑧株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営のため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を定款で定めています。
<業務の適正を確保するための体制の整備についての決議の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要>会社法及び会社法施行規則に基づいて取締役会が決議した、当社の業務並びに当社及び当社子会社から成る企業集団(DNPグループ)の業務の適正を確保するための体制の整備の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要は次のとおりです。
イ.DNPグループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
a.当社は、原則として月1回開催される取締役会において、DNPグループにおける重要な経営課題について意思決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督します。また、業務執行取締役で構成される経営会議を設置し、経営方針、経営戦略及び経営上の重要な案件等についての検討・審議を行います。さらに、取締役の報酬や候補者の指名等については、独立性を有する社外役員で構成される諮問委員会における助言・提言を得ることとしています。
b.当社は、DNPグループの全ての役職員の行動の規範として制定した「DNPグループ行動規範」の徹底を図ります。
c.当社は、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」に基づき、DNPグループのコンプライアンス体制における内部統制の統括組織として企業倫理行動委員会を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備します。
d.当社は、業務執行部門から独立した内部監査部門として監査室を設置し、DNPグループの内部監査及び指導を行います。
e.当社は、DNPグループにおける内部通報の窓口である「オープンドア・ルーム」を社内外に設置し、また資材調達先及び業務委託先からの情報提供の窓口である「サプライヤー・ホットライン」を設置することにより、DNPグループの役職員の法令違反等に関する通報・情報を受け、その対応(通報者に対して不利な取扱いをしないことを含みます)を行います。
<運用状況の概要>・当社取締役会は、独立性を有する社外取締役4名を含む10名で構成され、当期は13回開催し、「取締役会規則」に基づき重要事項につき審議・決定を行うとともに、取締役の職務執行等を監督しました。また、経営会議を13回開催し、経営上の重要な案件について検討・審議を行いました。諮問委員会は3回開催し、取締役の報酬や候補者の指名等の重要事項について審議が行われ、助言・提言を受けました。
・「DNPグループ行動規範」をDNPグループの全ての役職員に配布するとともに、当社企業倫理行動委員会を中心に、新入社員研修などの階層別研修の機会を通じて、周知徹底を図っています。当社企業倫理行動委員会は、毎月1回以上開催し、DNPグループにおけるコンプライアンスに関する重要事項について適切に審議するとともに、国内外の社員が直接情報提供を行うことができる通報窓口を社内外に設置し、また資材調達先及び業務委託先からの通報窓口も設置して、その周知・徹底を図り、適切に運営しています。当社監査室は、「内部監査規程」に基づき、業務執行部門から独立した立場で、監査計画に則り、当社各基本組織及びグループ会社の内部監査及び指導を実施し、その結果は、当社代表取締役社長、当社監査役及び会計監査人に報告しています。
ロ.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
情報の保存及び管理について定めた規程等に従い、取締役の職務の執行に係る情報を文書又は電子文書に記録し、適切に保存・管理します。
<運用状況の概要>取締役の職務の執行に係る情報については、「情報セキュリティ基本規程」並びに「文書管理基準」及び「電子情報管理基準」に従い、担当部門にて適切に保存・管理しています。
ハ.DNPグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
DNPグループにおけるコンプライアンス、情報セキュリティ、環境、災害、製品安全、インサイダー取引及び輸出管理等の経営に重要な影響を及ぼすリスクについては、各リスクに対応する組織において、規程等の整備並びに各基本組織及び各グループ会社に対する検査・指導・教育を実施し、リスクの低減及び未然防止に努めるとともに、リスク発生時には、速やかにこれに対応し、損失の最小化を図ります。また、定期的にリスクの棚卸しを行い、経営に重要な影響を及ぼす新たなリスクについては、速やかに対応すべき組織及び責任者を定めます。
<運用状況の概要>当社企業倫理行動委員会、各専門の委員会その他の本社各基本組織は、経営に重要な影響を及ぼすリスクを選定し、そのリスクに対応すべき組織及び責任者を定めています。各専門の委員会及び本社各基本組織は、そのリスクに対する評価・改善活動を実施し、そのリスクの未然防止に努めており、その活動内容については、当社企業倫理行動委員会に報告しています。
ニ.DNPグループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.当社は、規程等で定める範囲において、業務執行取締役から各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切な権限委譲を実施することにより、業務執行の効率化を図ります。
b.当社は、各グループ会社が制定・整備する規程等を通じて、DNPグループにおける効率的な業務執行体制の構築を図ります。
<運用状況の概要>当社は、業務執行取締役の権限を、「組織規則」、「職務権限規程」、「稟議規程」その他の規程等に基づき、各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切に委譲し、責任体制の明確化を図っています。各グループ会社においても、各社の事業内容、規模等に照らして制定された規程等に基づき、職務権限の整備が行われています。
ホ.その他DNPグループにおける業務の適正を確保するための体制
a.当社は、業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用に関して、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を制定し、各グループ会社には、これらを基礎として、規程等を制定・整備するよう指導します。
b.各グループ会社には、前号の規程等に基づき、それぞれの事業内容・規模等を勘案して、親会社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた規程等を自律的に整備させ、各グループ会社の取締役等の重要な職務執行に関する当社への報告体制を構築・運用させるとともに、その職務執行が、法令及び定款に適合すること及び効率的に行われることを確保します。
c.DNPグループは、毎事業年度、当社各基本組織及びグループ会社における業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況を確認するとともに、その内容を当社企業倫理行動委員会に報告します。
<運用状況の概要>・各グループ会社は、当社の「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を基礎として、本社各基本組織の指導のもと、各社の事業内容、規模等を踏まえた規程等を制定・整備しています。また、重要な意思決定については、当社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた「稟議規程」に基づき、当社との事前協議又は当社へ事後報告を行っています。
・当社各基本組織及び各グループ会社は、コンプライアンス体制における内部統制の整備・運用状況を確認し、当期末までに「部門確認書」として取り纏め、当社企業倫理行動委員会に報告しています。当社企業倫理行動委員会は、その結果について各法令等を主管する本社各基本組織に伝達し、本社各基本組織はその状況を確認し、必要に応じて、各基本組織及び各グループ会社に対して指導・教育を実施しています。
・当社監査室、当社企業倫理行動委員会、各専門の委員会その他の本社各基本組織は、当社各基本組織及び各グループ会社の内部統制の整備・運用状況について、監査もしくは検査、指導・教育を行っています。
へ.当社監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助するための専任スタッフを配置するため、監査役室を設置します。当該スタッフは、当社監査役の指揮命令のもとに職務を執行しなければならないものとし、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得るものとします。
<運用状況の概要>当社は、取締役等の指揮命令から独立した専任スタッフを1名選任しています。当該スタッフに対しては、業務執行の実効性を確保するため、適切な調査・情報収集権限を付与しており、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得ています。
ト.DNPグループの取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.当社監査役は、必要に応じて、いつでもDNPグループの役職員に対して、業務執行等に関する報告を求めることができるものとし、DNPグループの役職員は、法令及び規程等に定められた事項のほか、当社監査役から報告を求められた場合は、速やかに報告を行います。
b.当社監査役は、当社代表取締役社長及びグループ会社監査役との間で、それぞれ定期的又は随時に意見交換を行います。
c.当社監査役の職務の執行上必要と認める費用については、当社が負担するものとし、当社監査役会は、事前・事後に当社に請求できるものとします。
<運用状況の概要>・当社監査役は、DNPグループの役職員から監査に必要な情報について適宜適切に報告を受けており、DNPグループに対する監査内容及びDNPグループにおける業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況等については、当社監査室及び当社企業倫理行動委員会からそれぞれ定期的に報告を受けています。
・当社監査役は、当社代表取締役社長と定期的に意見交換を行い、グループ会社の監査役とは、適宜連絡会を開催しています。
・当社監査役の職務に関する費用は当社に必要と認められる範囲において当社負担としています。