有価証券報告書-第127期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
DNPグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、DNPグループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
DNPグループは、経営の基本方針として、「DNPグループは、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げ、長期を見据えて主体的な事業活動を展開し、企業価値を安定的に拡大していくよう努めています。事業ビジョンには、「P&Iイノベーションにより、4つの成長領域を軸に事業を拡げていく」ことを掲げ、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みの掛け合わせとパートナーとの連携を通じた価値創出に努めています。こうした取り組みを通じてDNPグループは、持続可能なより良い社会と、より快適な人々の暮らしの実現に向けて、たゆまぬ歩みで「未来のあたりまえ」をつくり続けていきます。
DNPグループが開発・提供する価値は、社会課題を解決するものであり、また人々の期待に応えるものとして、人々の身近に常に存在する「あたりまえ」のものにしていきたいと考えています。こうした「欠かせない価値」を生み出し続けていく志を「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントに込めて、社内外に表明しています。そして、その実現のために、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に注力しています。
例えば、近年特に注目されている環境に対する取り組みとして、2020年3月に策定した「DNPグループ環境ビジョン2050」に掲げる「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けて、新しい価値の創出を加速させていきます。喫緊の重要課題のひとつである気候変動への対応については、事業に関するリスクと機会の抽出、シナリオ分析による財務への影響評価を実施しています。また、省エネルギー活動、高効率機器の導入・更新、再生可能エネルギーの導入などにより、自社拠点での事業活動にともなう温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指すとともに、製品・サービスを通じて脱炭素社会の構築に貢献していきます。これらの取り組みについて、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に沿った情報開示を進めていきます。
(2)目標とする経営指標
DNPグループは、経済・社会・環境が大きく変化し、人々の価値観なども変化していくなか、企業理念に基づき、自らが主体となって、新しい価値の開発・提供に取り組んでいます。DNPグループの強みを活かすことで事業を拡大していく「4つの成長領域」を設定し、長期を見据えた戦略を展開するとともに、いつまでに・何を・どの程度達成するかといった中間目標(マイルストーン)を具体的に設定しながら、成果を積み上げていきます。
2025年3月期の経営指標として「営業利益750億円、ROE5.0%以上」を設定し、その達成に向けて、まず2020年度から2022年度までの3か年の中期経営計画を推進しています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
DNPグループは、2023年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画において、「P&Iイノベーションによる価値の創造」と「成長を支える経営基盤の強化」の2つを基本方針として、目標の達成に努めていきます。
<基本方針1>P&Iイノベーションによる価値の創造
[1-1:成長領域を中心とした価値の創出]
DNPグループは、社会の課題や大きな潮流(メガトレンド)、人々の価値観の変化などを分析し、ステークホルダーの関心、DNPグループにおける重要度などを考慮して重要課題を設定しています。メガトレンドとしては、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」をはじめ、「データ経済化」「国内の人口減少と世界の人口増」「人類の長寿命化」「都市のスマート化」「脱炭素社会の構築」などが続いていくと捉えています。
こうした動向に対して、DNPグループ独自の強みによって創出できる価値を想定し、収益性と市場成長性の軸でそれらの価値を適切に評価して、「注力事業」を設定しています。「データ流通」「IoT・次世代通信」「モビリティ」「環境」関連の「注力事業」を中心に経営資源を最適に配分することで、バランスの取れた強靭な事業ポートフォリオを構築していきます。
[1-2:各国・地域への最適な価値の提供]
DNPグループは、それぞれの国・地域の特性や、そこで暮らす人々の課題・ニーズを的確に捉え、DNPグループの製品・サービスの価値をきめ細かく見極めながら、グローバルな事業展開を推進しています。リチウムイオン電池用バッテリーパウチ、有機ELディスプレイ製造用メタルマスク、ディスプレイ用光学フィルム、写真プリント用昇華型熱転写記録材など、世界トップシェアを獲得している事業のさらなる拡大に努めるほか、新規事業の創出にも取り組み、グローバル市場に対応していきます。
[1-3:あらゆる構造改革による価値の拡大]
強い事業ポートフォリオの構築に向けて、DNPグループ全体で多様な構造改革を推進していきます。例えば、情報コミュニケーション部門での紙メディア製造拠点の縮小、生活・産業部門での低付加価値製品の見直しと拠点の再編、エレクトロニクス部門でのカラーフィルター事業の縮小などを進めるとともに、これによって生み出した人的資源や土地・設備等を「注力事業」の開発・製造に振り向けることで、事業構造の転換を進め、事業競争力を強化していきます。
<基本方針2>成長を支える経営基盤の強化
[2-1:財務・非財務資本の強化]
DNPグループは、中長期的な成長に向けて、財務資本と非財務資本を統合的に活かすことで経営基盤を強化していきます。事業の成長を支える資本政策を進めるほか、人的・知的・製造・自然・社会関係の各非財務資本の強化・拡大に努め、具体的な行動計画を策定・実行していきます。
資本政策については、<基本方針1>と連動させて、成長領域を中心とした「注力事業」への投資を進めています。これらの事業投資の財源として、自己資金だけでなく、他人資本の活用による成長資金の調達や、遊休資産の圧縮、政策保有株式の売却などを進めていきます。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。
人財・人権に関する取り組みとしては、グループ社員一人ひとりのあらゆる違いを尊重し、その多様性を強みとして掛け合わせ、新たな価値を創出するために、「多様な人材の育成」「多様な働き方の実現」「多様な人材が活躍できる風土醸成」を基本方針に掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)」を引き続き推進していきます。DNPグループは2000年代の初めから女性活躍推進に力を入れており、女性社員のキャリア形成支援、働き方改革及び組織全体のマネジメント改革を進め、2021年度末までに女性管理職比率を7.0%以上、女性の管理職層・リーダークラスの人数を2016年2月時点の2倍とする目標を掲げています。
そのほか、社員の健康管理を経営の重要課題と捉え、戦略的に健康づくりを推進するとともに、活力の向上や組織の活性化につなげる「健康経営」を実践するため、2021年4月1日に「DNPグループ健康宣言」を策定しました。
[2-2:コーポレート・ガバナンスの強化]
DNPは経営の重要課題のひとつとして、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。迅速かつ的確な経営の意思決定や業務執行、及びそれらを監督・監査する強固な体制を構築して運用しています。
2021年6月の株主総会では、取締役12名のうち1名を女性とし、全体の3分の1となる4名を社外取締役とする議案や、監査役5名のうち1名を女性とする議案を上程し、承認可決されました。今後も取締役会及び監査役会の多様性の確保などに努めていきます。また、取締役会の実効性の分析・評価は年1回実施しており、分析結果を社外役員で議論するとともに、取締役会で共有しています。
社員一人ひとりについても、企業の社会的責任を果たしていくため、「DNPグループ行動規範」に基づいた行動を促進するとともに、さまざまな研修・教育を実施してコンプライアンス意識の醸成を図っています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、DNPグループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
DNPグループは、経営の基本方針として、「DNPグループは、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げ、長期を見据えて主体的な事業活動を展開し、企業価値を安定的に拡大していくよう努めています。事業ビジョンには、「P&Iイノベーションにより、4つの成長領域を軸に事業を拡げていく」ことを掲げ、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みの掛け合わせとパートナーとの連携を通じた価値創出に努めています。こうした取り組みを通じてDNPグループは、持続可能なより良い社会と、より快適な人々の暮らしの実現に向けて、たゆまぬ歩みで「未来のあたりまえ」をつくり続けていきます。
DNPグループが開発・提供する価値は、社会課題を解決するものであり、また人々の期待に応えるものとして、人々の身近に常に存在する「あたりまえ」のものにしていきたいと考えています。こうした「欠かせない価値」を生み出し続けていく志を「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントに込めて、社内外に表明しています。そして、その実現のために、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に注力しています。
例えば、近年特に注目されている環境に対する取り組みとして、2020年3月に策定した「DNPグループ環境ビジョン2050」に掲げる「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けて、新しい価値の創出を加速させていきます。喫緊の重要課題のひとつである気候変動への対応については、事業に関するリスクと機会の抽出、シナリオ分析による財務への影響評価を実施しています。また、省エネルギー活動、高効率機器の導入・更新、再生可能エネルギーの導入などにより、自社拠点での事業活動にともなう温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指すとともに、製品・サービスを通じて脱炭素社会の構築に貢献していきます。これらの取り組みについて、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に沿った情報開示を進めていきます。
(2)目標とする経営指標
DNPグループは、経済・社会・環境が大きく変化し、人々の価値観なども変化していくなか、企業理念に基づき、自らが主体となって、新しい価値の開発・提供に取り組んでいます。DNPグループの強みを活かすことで事業を拡大していく「4つの成長領域」を設定し、長期を見据えた戦略を展開するとともに、いつまでに・何を・どの程度達成するかといった中間目標(マイルストーン)を具体的に設定しながら、成果を積み上げていきます。
2025年3月期の経営指標として「営業利益750億円、ROE5.0%以上」を設定し、その達成に向けて、まず2020年度から2022年度までの3か年の中期経営計画を推進しています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
DNPグループは、2023年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画において、「P&Iイノベーションによる価値の創造」と「成長を支える経営基盤の強化」の2つを基本方針として、目標の達成に努めていきます。
<基本方針1>P&Iイノベーションによる価値の創造
[1-1:成長領域を中心とした価値の創出]
DNPグループは、社会の課題や大きな潮流(メガトレンド)、人々の価値観の変化などを分析し、ステークホルダーの関心、DNPグループにおける重要度などを考慮して重要課題を設定しています。メガトレンドとしては、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」をはじめ、「データ経済化」「国内の人口減少と世界の人口増」「人類の長寿命化」「都市のスマート化」「脱炭素社会の構築」などが続いていくと捉えています。
こうした動向に対して、DNPグループ独自の強みによって創出できる価値を想定し、収益性と市場成長性の軸でそれらの価値を適切に評価して、「注力事業」を設定しています。「データ流通」「IoT・次世代通信」「モビリティ」「環境」関連の「注力事業」を中心に経営資源を最適に配分することで、バランスの取れた強靭な事業ポートフォリオを構築していきます。
[1-2:各国・地域への最適な価値の提供]
DNPグループは、それぞれの国・地域の特性や、そこで暮らす人々の課題・ニーズを的確に捉え、DNPグループの製品・サービスの価値をきめ細かく見極めながら、グローバルな事業展開を推進しています。リチウムイオン電池用バッテリーパウチ、有機ELディスプレイ製造用メタルマスク、ディスプレイ用光学フィルム、写真プリント用昇華型熱転写記録材など、世界トップシェアを獲得している事業のさらなる拡大に努めるほか、新規事業の創出にも取り組み、グローバル市場に対応していきます。
[1-3:あらゆる構造改革による価値の拡大]
強い事業ポートフォリオの構築に向けて、DNPグループ全体で多様な構造改革を推進していきます。例えば、情報コミュニケーション部門での紙メディア製造拠点の縮小、生活・産業部門での低付加価値製品の見直しと拠点の再編、エレクトロニクス部門でのカラーフィルター事業の縮小などを進めるとともに、これによって生み出した人的資源や土地・設備等を「注力事業」の開発・製造に振り向けることで、事業構造の転換を進め、事業競争力を強化していきます。
<基本方針2>成長を支える経営基盤の強化
[2-1:財務・非財務資本の強化]
DNPグループは、中長期的な成長に向けて、財務資本と非財務資本を統合的に活かすことで経営基盤を強化していきます。事業の成長を支える資本政策を進めるほか、人的・知的・製造・自然・社会関係の各非財務資本の強化・拡大に努め、具体的な行動計画を策定・実行していきます。
資本政策については、<基本方針1>と連動させて、成長領域を中心とした「注力事業」への投資を進めています。これらの事業投資の財源として、自己資金だけでなく、他人資本の活用による成長資金の調達や、遊休資産の圧縮、政策保有株式の売却などを進めていきます。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。
人財・人権に関する取り組みとしては、グループ社員一人ひとりのあらゆる違いを尊重し、その多様性を強みとして掛け合わせ、新たな価値を創出するために、「多様な人材の育成」「多様な働き方の実現」「多様な人材が活躍できる風土醸成」を基本方針に掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)」を引き続き推進していきます。DNPグループは2000年代の初めから女性活躍推進に力を入れており、女性社員のキャリア形成支援、働き方改革及び組織全体のマネジメント改革を進め、2021年度末までに女性管理職比率を7.0%以上、女性の管理職層・リーダークラスの人数を2016年2月時点の2倍とする目標を掲げています。
そのほか、社員の健康管理を経営の重要課題と捉え、戦略的に健康づくりを推進するとともに、活力の向上や組織の活性化につなげる「健康経営」を実践するため、2021年4月1日に「DNPグループ健康宣言」を策定しました。
[2-2:コーポレート・ガバナンスの強化]
DNPは経営の重要課題のひとつとして、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。迅速かつ的確な経営の意思決定や業務執行、及びそれらを監督・監査する強固な体制を構築して運用しています。
2021年6月の株主総会では、取締役12名のうち1名を女性とし、全体の3分の1となる4名を社外取締役とする議案や、監査役5名のうち1名を女性とする議案を上程し、承認可決されました。今後も取締役会及び監査役会の多様性の確保などに努めていきます。また、取締役会の実効性の分析・評価は年1回実施しており、分析結果を社外役員で議論するとともに、取締役会で共有しています。
社員一人ひとりについても、企業の社会的責任を果たしていくため、「DNPグループ行動規範」に基づいた行動を促進するとともに、さまざまな研修・教育を実施してコンプライアンス意識の醸成を図っています。