有価証券報告書-第121期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
有報資料
DNPは、事業ビジョン「P&Iソリューション」に基づき、「未来のあたりまえを作る。」ことを目指して、積極的な事業活動を展開し、中長期にわたり事業の拡大に努めていく。「未来のあたりまえを作る。」とは、企業、生活者、社会の課題を解決する新しい製品やサービスを開発して、それらがあたりまえに身の周りにあるようにしていくことを表している。このような新しい価値を創造していくにあたり、社会の課題を整理・分析し、「知とコミュニケーション」、「食とヘルスケア」、「環境とエネルギー」、「暮らしとモビリティ」の4つを、成長領域として位置付けた。
「知とコミュニケーション」の領域では、情報化社会における安全・安心な情報伝達によって暮らしを支え、文化を育む取り組みを進める。情報メディアやコンテンツの制作だけでなく、双方向コミュニケーションの仕組みにも関わり、欲しい情報を欲しいときに欲しいカタチで安全・安心にやり取りできる情報プラットフォームを提供していく。
「食とヘルスケア」の領域では、超高齢社会において、健康で質の高い生活を支え、安全かつ健康なライフスタイルの維持に取り組む。ライフサイエンスや食品のほか、農業などの事業分野への展開を図っていく。
「環境とエネルギー」の領域では、経済的成長と環境保全を両立させる低環境負荷社会の実現に取り組む。省資源、省エネルギー、リサイクルを考慮した環境配慮製品の開発や、エネルギーマネジメントなどのソリューションを提供していく。
「暮らしとモビリティ」の領域では、住宅や自動車向けにさまざまな機能を持ったアドバンストマテリアルを提供して、より快適な住空間の実現に取り組んでいく。
これらの領域を中心に、DNPの強みを活かした製品・サービスや仕組みを提供して、積極的な事業活動を推進していく。また、事業基盤をより強固なものとするため、さらなる生産性の向上に努めていく。
<各事業部門における取り組み>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、生活者と企業の視点から新しいソリューションを提供していく。
平成25年12月に、情報ビジネスの基盤強化のため、高い情報セキュリティを保持したDNP柏データセンターを開設した。資本提携先の日本ユニシス株式会社のクラウド技術を導入するとともに、両社のデータセンターを連携させ、国内最大規模のサービスインフラを構築した。このインフラを活用し、紙の書籍と電子書籍に対応したハイブリッド型総合書店「honto」、総合ペイメントサービスや電子チラシ、企業の業務プロセスを代行するBPO(Business Process Outsourcing)などの多様なソリューションを提供し、生活者視点を活かした情報コミュニケーションビジネスを拡大していく。
商業印刷やビジネスフォームの事業については、昨年7月に全国の営業・企画・製造の組織を統合・再編した。これによって全体最適を進め、生産の効率化などによる収益の拡大と資本効率の向上を図るとともに、競争力を強化し、新たなビジネスモデルに挑戦していく。
また、フォトプリントなどのイメージングコミュニケーション事業については、より一層の生活者ニーズに即した写真プリントシステムやフォトアルバム制作などの付加価値サービスの需要拡大が予想され、ITを活用した新たなソリューションの提供も積極的に進めていく。そうしたソリューションの開発を円滑にしていくため、今年4月より、この事業を生活・産業部門から、当部門に移行した。昇華型と溶融型の熱転写記録材のグローバルな製造・販売体制を活かし、事業拡大に努めていく。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していく。
包装関連では、水蒸気や酸素などに対するバリア性に優れた「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」シリーズや、植物由来の原料を使用した環境配慮製品「DNPバイオマスプラスチック包材 バイオマテック」シリーズなどの高機能製品のシェア拡大を図っていく。経済成長の続くASEAN市場においては、1972年からインドネシアで包装材の製造・販売を行っており、日用品や食品などの分野でトップシェアを獲得している。この実績を活かして平成25年5月にはベトナム工場を新設した。これらの拠点を活用して、海外進出する日系企業をはじめグローバル企業に付加価値の高い製品とサービスを提供していく。
住空間マテリアル関連では、DNP独自のEBコーティング技術などを活用した壁紙や床材などの高付加価値製品のほか、空間設計や居住環境の評価測定、感性工学等による空間デザインの提案、施工の容易な工法の開発など、快適な住空間全体に関わる事業を展開していく。また、昨年10月に設立した「DNPすまいみらい研究所」を中心に、産・官・学の協力のもと、住宅やオフィス、乗り物などの多様な住空間における快適さや豊かさを追求して、「未来のすまい」を実現する新たな製品やサービスを創造していく。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、昨年4月に、ディスプレイ製品や半導体用フォトマスクなどを担当する事業部と、液晶ディスプレイ用表面フィルムなどの光学フィルムを担当する事業部を統合し、両事業部の技術・ノウハウを組み合わせ、高機能製品などの新製品開発、徹底したコストダウンを進め、急激に変化する企業や生活者のニーズに対応していく。
こうした体制のもと、液晶カラーフィルターについては、需要の拡大が見込まれる高精細スマートフォンや4K・8Kテレビ向けに、DNPが強みとする加工技術や材料技術を活用して新製品を開発していく。
フォトマスクについては、半導体メーカーの微細化、低コスト化のニーズに応え、15nm(ナノメートル)台の最先端品の開発・供給体制の整備、ナノインプリントなどの次世代微細加工技術の実用化に注力していく。また、昨年4月には、台湾における半導体製品用フォトマスク事業の営業・製造体制を見直した。今後も、東南アジアを中心に、変化が激しい半導体市場における競争力を高めていく。
光学フィルムについては、クリーンな作業環境で素材を加工するコンバーティング技術を活かして、薄型ディスプレイ向けを中心とした新製品開発に注力していく。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界は、シェア争いが続くなど、今後も厳しい経営環境が予想される。そのなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」という新中期経営計画のビジョンに基づき、「シェアアップ」、「競合を圧倒する」、「グループ総コスト削減」の3つの戦略を遂行して実現に努めていく。
また、「地域に信頼され、認められる企業」を目指して、内部統制システムの構築と運用によるコーポレートガバナンスの充実及びコカ・コーラ独自の統合的なマネジメントシステムである「KORE(コア)」による品質・安全性・環境の維持向上に努めていく。
<生活者との接点の拡大>DNPは、生活者の視点に立ち、生活者とのコミュニケーションを深めていくことによってさまざまな課題を捉え、その解決に向けた製品やサービスの開発に注力している。
こうした取り組みの一環として、オリジナルの広報キャラクター「DNPenguin(ディーエヌペンギン)」によるキャンペーンを平成24年から実施しているほか、平成25年1月には東京都新宿区に「コミュニケーションプラザ ドットDNP」を開設し、生活者向けの企画展示やイベント、ワークショップなどを行っている。当施設は多くの方々にご利用いただき、開設後2年間で来場者は約10万人となった。また平成25年4月には、企業や大学、研究機関などが分野を超えたコラボレーションを進めるグランフロント大阪内の複合施設「ナレッジキャピタル」に、電子書籍の試し読みなどができるコミュニケーションカフェ「The Lab. CAFE Lab.(ザ・ラボ カフェラボ)」を開設した。
<事業体制の強化>DNPは、事業部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて、的確な課題解決につながる新製品・新サービスの開発を積極的に進め、幅広いソリューションを提供していく。
事業拡大に向けて、これまでも情報通信や出版流通、デジタルフォトやエレクトロニクス製品などの事業で、他社との戦略的提携やM&Aを実施してきた。今後も国内外を問わずさまざまな強みを持った企業との連携を推進していく。また、事業ビジョン「P&Iソリューション」を推進して、「未来のあたりまえを作る。」ための拠点として、東京・市谷地区の再開発を進めている。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約し、それぞれの強みを活かして、連携を強化していく。
<事業継続計画(BCP)の強化>DNPは、「DNPグループ災害対策基本規程」を定め、平時から防災計画に基づく予防対策を推進して“災害に強いDNPグループ”の構築を目指している。東日本大震災後には、事業継続計画を見直し、製品のサプライチェーン全体を強化するため、物流や代替生産の体制整備、国内外の製造拠点の再配置などを実施し、災害や異常気象による事業への影響を最小限に抑えるよう努めている。また、電力不足や電気料金の値上げなどへの対応として、節電の徹底や自家発電装置の導入なども進めていく。
<持続可能な社会の実現への貢献>環境問題に関しては、気温の上昇や水不足など、世界的な気候変動に対する懸念が拡大している。DNPは、自然と共生する持続可能な社会の実現に向けて、独自の環境マネジメントシステムを構築し、地球温暖化防止、廃棄物のゼロエミッション、水使用量削減、生物多様性の保全、揮発性有機溶剤や化学物質の管理の徹底、環境配慮製品の開発、グリーン購入などに積極的に取り組んでいる。
DNPは、自社の製造段階だけでなく、間接的な排出も含めたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)を国内外で算定し、温室効果ガス排出量のグローバルな削減への取り組みを行っている。また、地球温暖化防止の取り組みを一層進めるため、2030年度目標を定めた。生物多様性保全では、事業活動を行う上で生態系への依存と影響が大きく、気候変動や森林資源とも関わりが深い用紙について、調達のガイドラインを制定してサプライヤーと協働で取り組みを進めていく。さらに、自社の敷地を活用して周辺といきものがつながる緑地づくりを進めている。
このような取り組みが評価され、世界の機関投資家が関心を集めているCDPの評価で、森林破壊防止のセクターリーダーに選定された。
株式会社の支配に関する基本方針
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中・長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
(2) 会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成25年6月27日開催の当社第119期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
① 買付説明書及び必要情報の提出
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
② 独立委員会による情報提供の要請
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
③ 独立委員会の検討期間
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
④ 情報の開示
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
⑤ 独立委員会による勧告
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
⑥ 当社取締役会による決議
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
⑦ 大量買付行為の開始
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
(3) 独立委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
(4) 本プランの合理性
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/ir/pdf/info_130627bouei.pdf)
「知とコミュニケーション」の領域では、情報化社会における安全・安心な情報伝達によって暮らしを支え、文化を育む取り組みを進める。情報メディアやコンテンツの制作だけでなく、双方向コミュニケーションの仕組みにも関わり、欲しい情報を欲しいときに欲しいカタチで安全・安心にやり取りできる情報プラットフォームを提供していく。
「食とヘルスケア」の領域では、超高齢社会において、健康で質の高い生活を支え、安全かつ健康なライフスタイルの維持に取り組む。ライフサイエンスや食品のほか、農業などの事業分野への展開を図っていく。
「環境とエネルギー」の領域では、経済的成長と環境保全を両立させる低環境負荷社会の実現に取り組む。省資源、省エネルギー、リサイクルを考慮した環境配慮製品の開発や、エネルギーマネジメントなどのソリューションを提供していく。
「暮らしとモビリティ」の領域では、住宅や自動車向けにさまざまな機能を持ったアドバンストマテリアルを提供して、より快適な住空間の実現に取り組んでいく。
これらの領域を中心に、DNPの強みを活かした製品・サービスや仕組みを提供して、積極的な事業活動を推進していく。また、事業基盤をより強固なものとするため、さらなる生産性の向上に努めていく。
<各事業部門における取り組み>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、生活者と企業の視点から新しいソリューションを提供していく。
平成25年12月に、情報ビジネスの基盤強化のため、高い情報セキュリティを保持したDNP柏データセンターを開設した。資本提携先の日本ユニシス株式会社のクラウド技術を導入するとともに、両社のデータセンターを連携させ、国内最大規模のサービスインフラを構築した。このインフラを活用し、紙の書籍と電子書籍に対応したハイブリッド型総合書店「honto」、総合ペイメントサービスや電子チラシ、企業の業務プロセスを代行するBPO(Business Process Outsourcing)などの多様なソリューションを提供し、生活者視点を活かした情報コミュニケーションビジネスを拡大していく。
商業印刷やビジネスフォームの事業については、昨年7月に全国の営業・企画・製造の組織を統合・再編した。これによって全体最適を進め、生産の効率化などによる収益の拡大と資本効率の向上を図るとともに、競争力を強化し、新たなビジネスモデルに挑戦していく。
また、フォトプリントなどのイメージングコミュニケーション事業については、より一層の生活者ニーズに即した写真プリントシステムやフォトアルバム制作などの付加価値サービスの需要拡大が予想され、ITを活用した新たなソリューションの提供も積極的に進めていく。そうしたソリューションの開発を円滑にしていくため、今年4月より、この事業を生活・産業部門から、当部門に移行した。昇華型と溶融型の熱転写記録材のグローバルな製造・販売体制を活かし、事業拡大に努めていく。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していく。
包装関連では、水蒸気や酸素などに対するバリア性に優れた「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」シリーズや、植物由来の原料を使用した環境配慮製品「DNPバイオマスプラスチック包材 バイオマテック」シリーズなどの高機能製品のシェア拡大を図っていく。経済成長の続くASEAN市場においては、1972年からインドネシアで包装材の製造・販売を行っており、日用品や食品などの分野でトップシェアを獲得している。この実績を活かして平成25年5月にはベトナム工場を新設した。これらの拠点を活用して、海外進出する日系企業をはじめグローバル企業に付加価値の高い製品とサービスを提供していく。
住空間マテリアル関連では、DNP独自のEBコーティング技術などを活用した壁紙や床材などの高付加価値製品のほか、空間設計や居住環境の評価測定、感性工学等による空間デザインの提案、施工の容易な工法の開発など、快適な住空間全体に関わる事業を展開していく。また、昨年10月に設立した「DNPすまいみらい研究所」を中心に、産・官・学の協力のもと、住宅やオフィス、乗り物などの多様な住空間における快適さや豊かさを追求して、「未来のすまい」を実現する新たな製品やサービスを創造していく。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、昨年4月に、ディスプレイ製品や半導体用フォトマスクなどを担当する事業部と、液晶ディスプレイ用表面フィルムなどの光学フィルムを担当する事業部を統合し、両事業部の技術・ノウハウを組み合わせ、高機能製品などの新製品開発、徹底したコストダウンを進め、急激に変化する企業や生活者のニーズに対応していく。
こうした体制のもと、液晶カラーフィルターについては、需要の拡大が見込まれる高精細スマートフォンや4K・8Kテレビ向けに、DNPが強みとする加工技術や材料技術を活用して新製品を開発していく。
フォトマスクについては、半導体メーカーの微細化、低コスト化のニーズに応え、15nm(ナノメートル)台の最先端品の開発・供給体制の整備、ナノインプリントなどの次世代微細加工技術の実用化に注力していく。また、昨年4月には、台湾における半導体製品用フォトマスク事業の営業・製造体制を見直した。今後も、東南アジアを中心に、変化が激しい半導体市場における競争力を高めていく。
光学フィルムについては、クリーンな作業環境で素材を加工するコンバーティング技術を活かして、薄型ディスプレイ向けを中心とした新製品開発に注力していく。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界は、シェア争いが続くなど、今後も厳しい経営環境が予想される。そのなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」という新中期経営計画のビジョンに基づき、「シェアアップ」、「競合を圧倒する」、「グループ総コスト削減」の3つの戦略を遂行して実現に努めていく。
また、「地域に信頼され、認められる企業」を目指して、内部統制システムの構築と運用によるコーポレートガバナンスの充実及びコカ・コーラ独自の統合的なマネジメントシステムである「KORE(コア)」による品質・安全性・環境の維持向上に努めていく。
<生活者との接点の拡大>DNPは、生活者の視点に立ち、生活者とのコミュニケーションを深めていくことによってさまざまな課題を捉え、その解決に向けた製品やサービスの開発に注力している。
こうした取り組みの一環として、オリジナルの広報キャラクター「DNPenguin(ディーエヌペンギン)」によるキャンペーンを平成24年から実施しているほか、平成25年1月には東京都新宿区に「コミュニケーションプラザ ドットDNP」を開設し、生活者向けの企画展示やイベント、ワークショップなどを行っている。当施設は多くの方々にご利用いただき、開設後2年間で来場者は約10万人となった。また平成25年4月には、企業や大学、研究機関などが分野を超えたコラボレーションを進めるグランフロント大阪内の複合施設「ナレッジキャピタル」に、電子書籍の試し読みなどができるコミュニケーションカフェ「The Lab. CAFE Lab.(ザ・ラボ カフェラボ)」を開設した。
<事業体制の強化>DNPは、事業部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて、的確な課題解決につながる新製品・新サービスの開発を積極的に進め、幅広いソリューションを提供していく。
事業拡大に向けて、これまでも情報通信や出版流通、デジタルフォトやエレクトロニクス製品などの事業で、他社との戦略的提携やM&Aを実施してきた。今後も国内外を問わずさまざまな強みを持った企業との連携を推進していく。また、事業ビジョン「P&Iソリューション」を推進して、「未来のあたりまえを作る。」ための拠点として、東京・市谷地区の再開発を進めている。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約し、それぞれの強みを活かして、連携を強化していく。
<事業継続計画(BCP)の強化>DNPは、「DNPグループ災害対策基本規程」を定め、平時から防災計画に基づく予防対策を推進して“災害に強いDNPグループ”の構築を目指している。東日本大震災後には、事業継続計画を見直し、製品のサプライチェーン全体を強化するため、物流や代替生産の体制整備、国内外の製造拠点の再配置などを実施し、災害や異常気象による事業への影響を最小限に抑えるよう努めている。また、電力不足や電気料金の値上げなどへの対応として、節電の徹底や自家発電装置の導入なども進めていく。
<持続可能な社会の実現への貢献>環境問題に関しては、気温の上昇や水不足など、世界的な気候変動に対する懸念が拡大している。DNPは、自然と共生する持続可能な社会の実現に向けて、独自の環境マネジメントシステムを構築し、地球温暖化防止、廃棄物のゼロエミッション、水使用量削減、生物多様性の保全、揮発性有機溶剤や化学物質の管理の徹底、環境配慮製品の開発、グリーン購入などに積極的に取り組んでいる。
DNPは、自社の製造段階だけでなく、間接的な排出も含めたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)を国内外で算定し、温室効果ガス排出量のグローバルな削減への取り組みを行っている。また、地球温暖化防止の取り組みを一層進めるため、2030年度目標を定めた。生物多様性保全では、事業活動を行う上で生態系への依存と影響が大きく、気候変動や森林資源とも関わりが深い用紙について、調達のガイドラインを制定してサプライヤーと協働で取り組みを進めていく。さらに、自社の敷地を活用して周辺といきものがつながる緑地づくりを進めている。
このような取り組みが評価され、世界の機関投資家が関心を集めているCDPの評価で、森林破壊防止のセクターリーダーに選定された。
株式会社の支配に関する基本方針
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中・長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
(2) 会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成25年6月27日開催の当社第119期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
① 買付説明書及び必要情報の提出
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
② 独立委員会による情報提供の要請
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
③ 独立委員会の検討期間
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
④ 情報の開示
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
⑤ 独立委員会による勧告
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
⑥ 当社取締役会による決議
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
⑦ 大量買付行為の開始
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
(3) 独立委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
(4) 本プランの合理性
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/ir/pdf/info_130627bouei.pdf)