有価証券報告書-第122期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
有報資料
今後の見通しについては、政府や日銀の各種施策の効果などによる企業業績の向上と雇用・所得環境の改善によって、景気は緩やかに回復するものと期待されている。一方、海外については依然として景気減速の影響などが懸念され、先行き不透明な状況が予想される。印刷業界においては、需要の伸び悩みや競争激化による受注単価の下落などが見込まれ、引き続き厳しい状況が予想される。
このような状況のなかで、DNPは「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域において、DNPの強みである「P&I(Printing & Information)」を活かし、新しい価値の創造に注力している。
「知とコミュニケーション」では、情報化社会における安全・安心な情報伝達によって暮らしを支え、文化を育む取り組みを進める。情報メディアやコンテンツの制作だけでなく、必要な情報を必要なときに必要なカタチで安全・安心にやり取りできる情報プラットフォームの提供なども推進する。
「食とヘルスケア」では、超高齢社会において、安全で質の高い生活を支え、生涯にわたる健康維持をサポートする製品やサービスの開発に取り組む。食品や飲料、医薬品向けのパッケージに加え、再生医療などのライフサイエンスや農業などの分野にも事業を広げていく。
「住まいとモビリティ」では、住宅やオフィス、医療施設や自動車、鉄道車両などのさまざまな空間で、高い快適性と安全、安心な暮らしを実現するサービスを提供していく。
「環境とエネルギー」については、経済的発展と環境保全を両立させる持続可能な社会の実現に取り組む。省資源、省エネルギー、リサイクルを考慮した環境配慮製品や、エネルギーマネジメントなどのソリューションを提供していく。
これらの成長領域を中心に、DNPの強みを活かした製品・サービスや仕組みを提供して、事業の拡大を図っていく。
DNPは、企業としての社会的責任(CSR)を果たし、あらゆるステークホルダーに新しい価値を提供していくうえで、コーポレート・ガバナンスの充実が重要と考えている。的確な経営の意思決定と、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、そしてそれらを監督・監査する体制を構築・運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修や教育を徹底している。
またDNPは、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」を企業が果たすべき3つの責任と捉え、その実践に努めている。これらの責任を果たすため、「DNPグループ行動規範」に基づいた活動を徹底するとともに、内部統制システムを整備して業務の適正性を確保し、株主の皆様や顧客企業、生活者、社員など、さまざまなステークホルダーから高い信頼を得られるよう、誠実な企業活動に努めていく。
<各事業部門における取り組み>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、高度な印刷技術や情報セキュリティ技術などにより、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、生活者と企業に新しい価値を提供していく。
出版関連事業においては、出版社との連携をさらに深め、各種出版物の企画から制作、流通・販売、コンテンツの二次利用や海外展開など、出版に関するあらゆるビジネスを推進していく。
情報イノベーション事業では、DNP柏データセンターや国内5箇所のBPO(Business Process Outsourcing)センターなど、高度な情報セキュリティ環境を備えたインフラを活用し、国際ブランドプリペイドや決済連動マーケティング関連のサービス、企業の業務プロセスを代行するBPOサービスなど、付加価値の高い多様なサービスを提供していく。今年4月には、情報ソリューション事業部とC&I(Communication & Information)事業部を統合し、新たに情報イノベーション事業部とした。これによって、マーケティングと決済サービスのさらなる融合をはじめ、ICT(Information Communication Technology)分野やBPO分野で連携を強化し、新たなビジネスモデルを開発していく。
イメージングコミュニケーション事業については、写真プリントやフォトアルバムなどの生活者ニーズの拡大に対応するほか、ITを活用して企業と生活者をつなぐ新たなサービスを提供していく。
なお、当部門における各事業について、その名称が事業内容や体制に、より一層即したものとするため、従来の表記を見直し、その一部を変更している。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していく。
包装事業では、水蒸気や酸素などに対するバリア性に優れた「DNP透明蒸着フィルム(IB[Innovative Barrier]フィルム)」シリーズや、植物由来の原料を使用した「DNPバイオマスプラスチック包材 バイオマテック」シリーズなどの高機能製品のシェア拡大を図っていく。特にASEAN市場では、昭和47年からインドネシアで包装材の製造・販売を行っており、日用品や食品などの分野で同国のトップシェアを獲得している。平成25年5月にはベトナム工場を開設しており、これらの拠点を活用して、海外進出する日系企業やグローバル企業に付加価値の高い製品とサービスを提供していく。
住空間マテリアル事業では、DNP独自のEB(Electron Beam)コーティング技術などを活用した高付加価値製品のほか、感性工学等を活用した心地よい空間の設計や居住環境の評価測定、より施工しやすい工法の開発など、快適な住空間の全てに関わる事業を展開していく。また新製品として、光を効果的に反射・拡散させて省電力を実現する金属パネルなどを開発していくほか、グローバルな販売網を活かし、欧米や新興国でのシェア拡大も図っていく。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、保有技術の高度化と融合、新たなコア技術の開発などを進め、変化する企業や生活者のニーズを先取りするような製品やサービス、システムを提供していく。また、国内外の市場環境の変化を見極めて、製造設備の最適化や生産・開発体制の見直しなど、コスト構造改革を推進していく。
ディスプレイ関連製品事業では、高精細スマートフォンや4K・8Kテレビ、車載ディスプレイなどに向けて、 DNPが強みとする加工技術や材料技術を活用し、高精細と広色域、大型化と軽量・薄型化、省エネルギー化や高機能化などの多様なニーズに対応した新製品を開発していく。光学フィルムについては、クリーンな製造環境で素材を加工するコンバーティング技術を活かして、薄型ディスプレイ向けを中心とした新製品開発に注力していく。また、有機ELディスプレイ関連では、DNP独自の高度なフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かした蒸着マスク(メタルマスク)について、需要の拡大に対応して生産能力を増強し、高い市場シェアを維持・向上していく。
電子デバイス事業では、半導体製品用フォトマスクについて、微細化や低コスト化という半導体メーカーのニーズに応え、ナノインプリントやEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外線)露光などの次世代微細加工技術の実用化に取り組み、10nm(ナノメートル)台の最先端品の開発・供給体制を整備していく。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界では、シェア争いが激化するなかで、収益確保が厳しさを増していくと予想される。そのなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」というビジョンに基づき、「シェアアップ」「競合を圧倒する」「グループ総コスト削減」の3つの戦略を遂行していく。
<事業体制の強化>DNPは、「対話と協働」を行動指針として掲げ、事業部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて、新しい価値の提供に努めていく。
事業拡大に向けて、今後も国内外を問わずさまざまな強みを持った企業との連携を推進していく。
また、事業ビジョンの一層の推進を目指して、東京・市谷地区の再開発を進めている。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約するとともに、新規事業開発の強化や、製造・物流体制の見直しを進めていく。昨年8月には、この計画の中核となる「DNP市谷加賀町ビル」が完成するなど、「対話と協働」を促進して新しい価値を創造していくための基盤整備に力を入れている。
<事業継続計画(BCP)の強化>DNPは、「DNPグループ災害対策基本規程」を定め、平時から防災計画に基づく予防対策を推進して、“災害に強いDNPグループ”の構築に取り組んでいる。東日本大震災後には、事業継続計画を見直し、製品のサプライチェーン全体を強化するため、物流や代替生産の体制整備、国内外の製造拠点の再配置などを実施し、災害や異常気象による事業への影響を最小限に抑えるよう努めている。また、節電の徹底や自家発電装置の導入なども進めていく。
<持続可能な社会の実現への貢献>環境問題に関しては、気温の上昇や水不足など、世界的な気候変動に対する懸念が拡大している。DNPは、自然と共生する持続可能な社会の実現に向けて、独自の環境マネジメントシステムを構築し、地球温暖化防止、廃棄物の削減、水使用量削減、生物多様性の保全、揮発性有機溶剤の排出抑制や化学物質の管理の徹底、環境配慮製品・サービスの開発、グリーン購入などに積極的に取り組んでいる。
DNPは、地球温暖化防止の取り組みを一層進めるため、温室効果ガス排出量削減の2030年度目標を定めている。また、自社の製造段階だけでなく、間接的な排出も含めたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)を国内外で算定し、温室効果ガス排出量のグローバルな削減への取り組みを行っている。
生物多様性の保全に関しては、事業活動を行う上で生態系への依存と影響が大きく、気候変動や森林資源とも関わりが深い用紙について、調達のガイドラインを制定してサプライヤーと協働で取り組みを進めている。また、自社の敷地を活用して、その周辺と生き物がつながる緑地づくりを進めている。
このような取り組みが評価され、世界の機関投資家が関心を寄せているCDP*の最高評価「Aリスト」に2年連続で認定された(日本企業では8社が「Aリスト」に認定された)。
*CDP : 企業や都市の重要な環境情報を測定、開示、管理し、共有するためにグローバルシステムを提供するイギリスの国際的な非営利団体
株式会社の支配に関する基本方針
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
(2) 会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成28年6月29日開催の当社第122期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
① 買付説明書及び必要情報の提出
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
② 独立委員会による情報提供の要請
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
③ 独立委員会の検討期間
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
④ 情報の開示
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
⑤ 独立委員会による勧告
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
⑥ 当社取締役会による決議
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
⑦ 大量買付行為の開始
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
(3) 独立委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
(4) 本プランの合理性
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/ir/pdf/info_160629bouei.pdf)
このような状況のなかで、DNPは「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域において、DNPの強みである「P&I(Printing & Information)」を活かし、新しい価値の創造に注力している。
「知とコミュニケーション」では、情報化社会における安全・安心な情報伝達によって暮らしを支え、文化を育む取り組みを進める。情報メディアやコンテンツの制作だけでなく、必要な情報を必要なときに必要なカタチで安全・安心にやり取りできる情報プラットフォームの提供なども推進する。
「食とヘルスケア」では、超高齢社会において、安全で質の高い生活を支え、生涯にわたる健康維持をサポートする製品やサービスの開発に取り組む。食品や飲料、医薬品向けのパッケージに加え、再生医療などのライフサイエンスや農業などの分野にも事業を広げていく。
「住まいとモビリティ」では、住宅やオフィス、医療施設や自動車、鉄道車両などのさまざまな空間で、高い快適性と安全、安心な暮らしを実現するサービスを提供していく。
「環境とエネルギー」については、経済的発展と環境保全を両立させる持続可能な社会の実現に取り組む。省資源、省エネルギー、リサイクルを考慮した環境配慮製品や、エネルギーマネジメントなどのソリューションを提供していく。
これらの成長領域を中心に、DNPの強みを活かした製品・サービスや仕組みを提供して、事業の拡大を図っていく。
DNPは、企業としての社会的責任(CSR)を果たし、あらゆるステークホルダーに新しい価値を提供していくうえで、コーポレート・ガバナンスの充実が重要と考えている。的確な経営の意思決定と、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、そしてそれらを監督・監査する体制を構築・運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修や教育を徹底している。
またDNPは、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」を企業が果たすべき3つの責任と捉え、その実践に努めている。これらの責任を果たすため、「DNPグループ行動規範」に基づいた活動を徹底するとともに、内部統制システムを整備して業務の適正性を確保し、株主の皆様や顧客企業、生活者、社員など、さまざまなステークホルダーから高い信頼を得られるよう、誠実な企業活動に努めていく。
<各事業部門における取り組み>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、高度な印刷技術や情報セキュリティ技術などにより、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、生活者と企業に新しい価値を提供していく。
出版関連事業においては、出版社との連携をさらに深め、各種出版物の企画から制作、流通・販売、コンテンツの二次利用や海外展開など、出版に関するあらゆるビジネスを推進していく。
情報イノベーション事業では、DNP柏データセンターや国内5箇所のBPO(Business Process Outsourcing)センターなど、高度な情報セキュリティ環境を備えたインフラを活用し、国際ブランドプリペイドや決済連動マーケティング関連のサービス、企業の業務プロセスを代行するBPOサービスなど、付加価値の高い多様なサービスを提供していく。今年4月には、情報ソリューション事業部とC&I(Communication & Information)事業部を統合し、新たに情報イノベーション事業部とした。これによって、マーケティングと決済サービスのさらなる融合をはじめ、ICT(Information Communication Technology)分野やBPO分野で連携を強化し、新たなビジネスモデルを開発していく。
イメージングコミュニケーション事業については、写真プリントやフォトアルバムなどの生活者ニーズの拡大に対応するほか、ITを活用して企業と生活者をつなぐ新たなサービスを提供していく。
なお、当部門における各事業について、その名称が事業内容や体制に、より一層即したものとするため、従来の表記を見直し、その一部を変更している。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していく。
包装事業では、水蒸気や酸素などに対するバリア性に優れた「DNP透明蒸着フィルム(IB[Innovative Barrier]フィルム)」シリーズや、植物由来の原料を使用した「DNPバイオマスプラスチック包材 バイオマテック」シリーズなどの高機能製品のシェア拡大を図っていく。特にASEAN市場では、昭和47年からインドネシアで包装材の製造・販売を行っており、日用品や食品などの分野で同国のトップシェアを獲得している。平成25年5月にはベトナム工場を開設しており、これらの拠点を活用して、海外進出する日系企業やグローバル企業に付加価値の高い製品とサービスを提供していく。
住空間マテリアル事業では、DNP独自のEB(Electron Beam)コーティング技術などを活用した高付加価値製品のほか、感性工学等を活用した心地よい空間の設計や居住環境の評価測定、より施工しやすい工法の開発など、快適な住空間の全てに関わる事業を展開していく。また新製品として、光を効果的に反射・拡散させて省電力を実現する金属パネルなどを開発していくほか、グローバルな販売網を活かし、欧米や新興国でのシェア拡大も図っていく。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、保有技術の高度化と融合、新たなコア技術の開発などを進め、変化する企業や生活者のニーズを先取りするような製品やサービス、システムを提供していく。また、国内外の市場環境の変化を見極めて、製造設備の最適化や生産・開発体制の見直しなど、コスト構造改革を推進していく。
ディスプレイ関連製品事業では、高精細スマートフォンや4K・8Kテレビ、車載ディスプレイなどに向けて、 DNPが強みとする加工技術や材料技術を活用し、高精細と広色域、大型化と軽量・薄型化、省エネルギー化や高機能化などの多様なニーズに対応した新製品を開発していく。光学フィルムについては、クリーンな製造環境で素材を加工するコンバーティング技術を活かして、薄型ディスプレイ向けを中心とした新製品開発に注力していく。また、有機ELディスプレイ関連では、DNP独自の高度なフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かした蒸着マスク(メタルマスク)について、需要の拡大に対応して生産能力を増強し、高い市場シェアを維持・向上していく。
電子デバイス事業では、半導体製品用フォトマスクについて、微細化や低コスト化という半導体メーカーのニーズに応え、ナノインプリントやEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外線)露光などの次世代微細加工技術の実用化に取り組み、10nm(ナノメートル)台の最先端品の開発・供給体制を整備していく。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界では、シェア争いが激化するなかで、収益確保が厳しさを増していくと予想される。そのなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」というビジョンに基づき、「シェアアップ」「競合を圧倒する」「グループ総コスト削減」の3つの戦略を遂行していく。
<事業体制の強化>DNPは、「対話と協働」を行動指針として掲げ、事業部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて、新しい価値の提供に努めていく。
事業拡大に向けて、今後も国内外を問わずさまざまな強みを持った企業との連携を推進していく。
また、事業ビジョンの一層の推進を目指して、東京・市谷地区の再開発を進めている。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約するとともに、新規事業開発の強化や、製造・物流体制の見直しを進めていく。昨年8月には、この計画の中核となる「DNP市谷加賀町ビル」が完成するなど、「対話と協働」を促進して新しい価値を創造していくための基盤整備に力を入れている。
<事業継続計画(BCP)の強化>DNPは、「DNPグループ災害対策基本規程」を定め、平時から防災計画に基づく予防対策を推進して、“災害に強いDNPグループ”の構築に取り組んでいる。東日本大震災後には、事業継続計画を見直し、製品のサプライチェーン全体を強化するため、物流や代替生産の体制整備、国内外の製造拠点の再配置などを実施し、災害や異常気象による事業への影響を最小限に抑えるよう努めている。また、節電の徹底や自家発電装置の導入なども進めていく。
<持続可能な社会の実現への貢献>環境問題に関しては、気温の上昇や水不足など、世界的な気候変動に対する懸念が拡大している。DNPは、自然と共生する持続可能な社会の実現に向けて、独自の環境マネジメントシステムを構築し、地球温暖化防止、廃棄物の削減、水使用量削減、生物多様性の保全、揮発性有機溶剤の排出抑制や化学物質の管理の徹底、環境配慮製品・サービスの開発、グリーン購入などに積極的に取り組んでいる。
DNPは、地球温暖化防止の取り組みを一層進めるため、温室効果ガス排出量削減の2030年度目標を定めている。また、自社の製造段階だけでなく、間接的な排出も含めたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)を国内外で算定し、温室効果ガス排出量のグローバルな削減への取り組みを行っている。
生物多様性の保全に関しては、事業活動を行う上で生態系への依存と影響が大きく、気候変動や森林資源とも関わりが深い用紙について、調達のガイドラインを制定してサプライヤーと協働で取り組みを進めている。また、自社の敷地を活用して、その周辺と生き物がつながる緑地づくりを進めている。
このような取り組みが評価され、世界の機関投資家が関心を寄せているCDP*の最高評価「Aリスト」に2年連続で認定された(日本企業では8社が「Aリスト」に認定された)。
*CDP : 企業や都市の重要な環境情報を測定、開示、管理し、共有するためにグローバルシステムを提供するイギリスの国際的な非営利団体
株式会社の支配に関する基本方針
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
(2) 会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成28年6月29日開催の当社第122期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
① 買付説明書及び必要情報の提出
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
② 独立委員会による情報提供の要請
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
③ 独立委員会の検討期間
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
④ 情報の開示
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
⑤ 独立委員会による勧告
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
⑥ 当社取締役会による決議
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
⑦ 大量買付行為の開始
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
(3) 独立委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
(4) 本プランの合理性
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/ir/pdf/info_160629bouei.pdf)