有価証券報告書-第123期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/29 15:53
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
DNPは、経営の基本方針である「DNPグループビジョン2015」において、「DNPグループは、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げ、積極的な事業活動を展開し、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくよう努めていく。
DNPは、企業としての社会的責任(CSR)を果たし、あらゆるステークホルダーに新しい価値を提供していく上で、コーポレート・ガバナンスの充実が重要と考えている。的確な経営の意思決定と、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、そしてそれらを監督・監査する体制を構築・運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修や教育を徹底している。
またDNPは、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」を企業が果たすべき3つの責任と捉え、その実践に努めている。これらの責任を果たすため、「DNPグループ行動規範」に基づいた活動を徹底するとともに、内部統制システムを整備して業務の適正性を確保し、株主の皆様や顧客企業、生活者、社員など、さまざまなステークホルダーから高い信頼を得られるよう、誠実な企業活動に努めていく。
今後の見通しについては、政府や日銀の各種施策の効果などにより、国内の景気は緩やかに回復するものと期待されている。一方、海外では依然として景気減速の影響が懸念されており、為替や原油価格の動向など、先行き不透明な状況が続くと予想される。印刷業界においては、需要の伸び悩みや競争激化による受注単価の下落などが見込まれ、引き続き厳しい状況が予想される。
このような状況のなかで、DNPは、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域において、DNPの強みである、印刷(Printing)と情報(Information)を組み合わせた「P&Iイノベーション」により、社会課題を解決する新しい価値の創造に注力している。
「知とコミュニケーション」では、情報化社会における安全・安心な情報流通を支援することによって暮らしを支え、文化を育む取り組みを進める。紙と電子の書籍に対応するハイブリッド型総合書店「honto」の展開や、教育ICTサービスの開発、増加する訪日外国人に向けたインバウンド対応の多言語コミュニケーションツールの開発に向けた取り組みなどを推進していく。
「食とヘルスケア」では、超高齢社会において、安全で質の高い生活を支え、生涯にわたる健康維持をサポートする製品やサービスの開発に取り組む。人の健康と食を支える安全で衛生的な食品や飲料、医薬品向けのパッケージに加え、再生医療などのライフサイエンスや農業などの分野にも高機能な製品・サービスを提供していく。
「住まいとモビリティ」では、住宅やオフィス、医療施設や自動車、鉄道車両などのさまざまな空間に対して、高い快適性と機能性を備えた製品・サービスを提供していく。快適な生活空間に必要なスマートセンシング機器のほか、樹脂成型分野で優れた技術を持つDNP田村プラスチック株式会社と共同で自動車の内・外装品を提供していく。
「環境とエネルギー」では、経済的発展と環境保全を両立させる持続可能な社会の実現に取り組む。省資源、省エネルギーを目指し、リデュース・リユース・リサイクルを実現する環境配慮製品やサービスのほか、熱・光・水などをコントロールする高機能製品やエネルギーマネジメントなどのソリューションを提供していく。
これらの成長領域を中心に、DNPの強みを活かした新しい価値を創出して、事業の拡大と社会課題の解決を同時に図っていく。
<各事業部門における取り組み>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、高度な印刷技術や情報セキュリティ技術などにより、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、生活者と企業のさまざまなコミュニケーションを実現していく。
例えば、出版社との連携をさらに深め、各種出版物の企画から制作、流通・販売、コンテンツの二次利用における著作権処理や海外展開など、出版に関するあらゆるビジネスを推進していく。
また、DNP柏データセンターや国内5箇所のBPO(Business Process Outsourcing)センターなど、高度な情報セキュリティ環境を備えたインフラを活用し、国際ブランドプリペイド・デビット決済サービス等の決済連動マーケティングや、企業の業務プロセスを代行するBPOサービスなど、付加価値の高い多様なサービスを提供していく。
そのほか、写真プリントやフォトアルバムなどの生活者ニーズの拡大に対応するとともに、ネットワークを活用して付加価値を高めた写真関連の新たなサービスを提供していく。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していく。
包装事業では、水蒸気や酸素などのバリア性に優れた「DNP透明蒸着フィルム(IB[Innovative Barrier]フィルム)」シリーズや、植物由来の原料を使用した「DNPバイオマスプラスチック包材 バイオマテック」シリーズなどの高機能製品のシェア拡大を図っていく。海外展開については、昭和47年からインドネシアで包装材の製造・販売を行っており、日用品や食品などの分野で同国のトップシェアを獲得している。平成25年5月に開設したベトナム工場などの拠点も活用して、海外進出する日系企業やグローバル企業に付加価値の高い製品とサービスを提供していく。
また、住宅や商業施設はもちろん、自動車や鉄道車両等も含めた生活空間に向けて、EBコーティング技術等を活用した高付加価値製品のほか、感性工学等を活用した心地よい空間の設計や評価測定、より施工しやすい工法の開発などを展開していく。欧米や新興国に対しても、意匠性に優れた金属パネルなどで、グローバルな販売網を活かしてシェア拡大を図っていく。
なお、生活空間関連事業の一部の製品に生じた不具合により、補修対策を実施している。この不具合の発生は、使用される環境、経時変化等によるため、個別に、製品の使用状況、状態等を調査した上で、必要な補修対策を行っている。平成28年7月、補修対象範囲の把握と補修対策を早期に実施するための体制をより強化し、この件の対応に取り組んでいる。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、保有技術の高度化と融合、新たなコア技術の開発などを進め、変化する企業や生活者のニーズを先取りする製品やサービス、システムを提供していく。また、国内外の市場環境の変化を見極めて、製造設備の最適化や生産・開発体制の見直しなど、コスト構造改革を推進していく。
例えば、4K・8Kテレビや車載ディスプレイ、高精細スマートフォンなどに向けて、DNPが強みとする加工技術や材料技術を活用し、高精細と広色域、大型化と軽量・薄型化、省エネルギーや高機能などの多様なニーズに対応したディスプレイ関連製品を開発していく。光学フィルムについては、クリーンな製造環境で素材を加工するコンバーティング技術を活かした新製品開発に注力する。また、有機ELディスプレイ関連では、高度なフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かしたメタルマスクの生産能力を増強するなど、需要の拡大に対応していく。
半導体製品用フォトマスクについては、製造時の描画時間を大幅に短縮するマルチ電子ビームマスク描画装置を導入し、次世代製品の生産体制を強化して、微細化や低コスト化という半導体メーカーのニーズに応えていく。また、ナノインプリントなどの次世代微細加工技術の実用化も加速させていく。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界でのシェア争いが激化すると予想されるなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」というビジョンに基づき、「シェアアップ」「競合を圧倒する」「グループ総コスト削減」の3つの戦略を遂行していく。
<事業体制の強化>DNPは、「対話と協働」という行動指針を掲げ、部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて新しい価値の提供に努めていく。事業拡大に向けては、今後も国内外を問わずさまざまな強みを持った企業との連携を強化していく。
また、事業ビジョンを推進する拠点の整備を国内外で進めるなかで、東京・市谷地区の拠点の再開発に取り組んでいる。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約し、有効に活用することで、新規事業開発を強力に推進していく。
平成29年4月には、DNPのICT分野での事業競争力強化を目的として株式会社DNPデジタルソリューションズを発足させた。平成28年10月に設立した株式会社DNPコミュニケーションデザインと連携した新たな体制のもとで、マーケティングと決済サービスの融合を進めるとともに、ICTやBPO関連での相乗効果を高め、デジタルマーケティング事業などを推進していく。
<事業継続のための体制構築>DNPは、東日本大震災の経験から事業継続計画(BCP)の重要性を再認識し、「災害発生時の人的安全対策を最優先すること」「会社の災害に対する対応力と復旧力を高めること」を基本に、日ごろから災害リスクを正しく認識して適切な予防対策を進めている。災害等、不測の事態に対しては、「DNPグループ災害対策基本規程」に基本方針や推進体制を定め、社員及び関係者の安全を確保し、さまざまなステークホルダーに安心していただけるよう防災対策を進めている。
<持続可能な社会の実現への貢献>環境問題に関しては、気候変動が深刻化しつつあり、エネルギーや水などに関するリスクが顕在化している。DNPはサプライチェーン全体をグローバルな視点で捉え、自然と共生する持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めている。
DNPは、地球温暖化防止の取り組みを一層進めるため、温室効果ガス排出量削減の2030年度目標を定めている。また、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)を国内外で算定し、国内外で削減への取り組みを行っている。
原材料関連では、生態系への依存と影響が大きく、気候変動や森林資源とも関わりが深い「用紙」について、調達のガイドラインを制定し、サプライヤーと協働でガイドラインに適合した用紙調達を進めている。
また、「DNP採光フィルム」「DNP調光ブラインド スマートシェード」やエネルギー使用量を見える化する省エネ診断システムなど、持続可能な社会の実現に寄与するような製品・サービスの開発にも注力している。
今後も、省資源や省エネ、生物多様性の保全などに繋がる製品・サービスの開発を加速させ、社会課題の解決に貢献していく。
株式会社の支配に関する基本方針
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
(2) 会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成28年6月29日開催の当社第122期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
① 買付説明書及び必要情報の提出
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
② 独立委員会による情報提供の要請
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
③ 独立委員会の検討期間
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
④ 情報の開示
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
⑤ 独立委員会による勧告
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
⑥ 当社取締役会による決議
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
⑦ 大量買付行為の開始
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
(3) 独立委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
(4) 本プランの合理性
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/topic/__icsFiles/afieldfile/2016/06/29/info_1600629_1.pdf)

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