有価証券報告書-第138期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 14:09
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117項目
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の回復や政府の経済政策の効果もあり、企業収益や雇用環境が改善する中で個人消費も持ち直しの動きをみせるなど、緩やかな回復傾向が続きました。印刷業界におきましては、紙媒体の需要減少や競争激化に伴う受注価格の下落など、厳しい経営環境が続いています。
このような状況の中、共同印刷グループは創業120周年を迎えたことを機に、新たなコーポレートブランド
「TOMOWEL(トモウェル)」を導入しました。このコーポレートブランドを推進役とし、次の120年に向けグループ一丸となって業績向上に取り組んでまいりました。
情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門からなる情報系事業では、お客さまの課題解決に向けた販促支援サービスや業務支援サービスの提案を推進しました。プロモーション分野においては、デジタルサイネージを活用した販促ソリューションの提供や地方のブランディング事業受託への取り組みなどを進めました。ビジネスメディア分野では、企業のアウトソーシング需要が高まる中、BPOの受注拡大をめざし営業の提案力及び業務設計力の向上を図るとともに、川島ソリューションセンターの設備・人員を充実させ生産体制の強化に取り組みました。生活・産業資材系事業では、軟包装の受注拡大をめざし生産拠点である守谷工場の再編作業を進めるとともに、紙器事業の収益力拡大に向け新たにティシューカートンの受注拡大に取り組みました。チューブ事業では、化粧品向けの提案力強化に取り組んだほか、ベトナムとインドネシアの拠点を活用し東南アジアでの受注拡大をめざしました。
その結果、当連結会計年度における売上高は、950億7千6百万円(前期比0.6%増)となり、営業利益は17億2千6百万円(前期比48.4%減)、経常利益は26億4千4百万円(前期比35.4%減)となりました。特別利益に政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益41億3千3百万円、特別損失に本社建替えの決議に伴う本社社屋の減損損失及び固定資産解体費用引当金繰入額34億4千1百万円を計上したことなどから親会社株主に帰属する当期純利益は20億3千7百万円(前期比21.3%減)となりました。
当グループは、このたび10年後のありたい姿を示した新しい経営ビジョンを設定するとともに、2018年度を初年度とする3カ年の中期経営計画を策定いたしました。経営ビジョンの実現をめざし、計画達成に向けた施策を推進してまいります。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
情報コミュニケーション部門
出版印刷では、マンガを中心としたコンテンツをデジタル展開するデジタルソリューションを推進するとともに、デジタル印刷機を活用した小ロット印刷の提案により教育分野等での受注拡大に取り組みました。コミックの電子配信は前期を上回りましたが、出版市場の縮小の影響により定期刊行物と書籍がともに減少したため、売上高は前期を下回りました。
一般商業印刷では、販促施策と効果の見える化を提供する顧客分析サービスや、拡大するデジタル領域での販促コミュニケーションの支援に向けデジタルサイネージやスマートフォン用アプリなどを組み合わせたソリューション提案を推進し、受注拡大をめざしました。POPなど店頭プロモーション施策の受注が拡大し、キャンペーン等の受注によりノベルティも増加しましたが、情報誌や販促DMなどが減少したため、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、部門全体の売上高は395億9千6百万円(前期比4.2%減)、営業損失は1億9千9百万円(前期は営業損失3千8百万円)となりました。
情報セキュリティ部門
情報セキュリティ部門では、マイナンバー制度関連や金融関連、医療や介護の分野におけるBPO需要の取り込みをめざし、川島ソリューションセンターのセキュリティ環境を生かした提案活動を推進しました。またICカードや抽選券・乗車券などの証券類の受注拡大を図るとともに、省力化設備の導入などにより生産体制の効率向上に取り組みました。
マイナンバー制度関連の需要が減少したことにより、BPO及びデータプリントが減少しました。証券類では乗車券類は堅調に推移しましたが抽選券が減少し、IC乗車券をはじめとするICカードも減少となりました。
以上の結果、部門全体での売上高は300億7千8百万円(前期比0.5%減)、営業利益は6億2千4百万円(前期比67.7%減)となりました。
生活・産業資材部門
生活・産業資材部門では、チューブ事業と軟包装事業の拡大に注力しました。チューブ事業では、歯磨き向けチューブの生産体制強化を図るとともに化粧品向けチューブの受注拡大をめざしフルプリント仕様チューブの提案を進めました。また東南アジア市場での拡販をめざしベトナム及びインドネシアの生産設備と人員体制の強化に取り組みました。軟包装事業では、湯切りフタ材「パーシャルオープン」の受注拡大に努めたほか、食品分野を中心にフィルム製コンテナー「ハンディキューブ」の提案を進めました。「モイストキャッチ」をはじめとする高機能製品については、医薬品包材向けを中心に新規得意先や新規市場の開拓に取り組み、受注拡大を図りました。紙器については、ラップカートンとティシューカートンを中心に、安定した収益確保に取り組みました。
産業資材や建材製品は減少しましたが、歯磨き向けや化粧品向けを中心にチューブが増加し、ゼリー菓子向けに「Tパウチ」が増加したことなどから軟包装も増加しました。ラップカートンは減少しましたが新たにティシューカートンを受注したことにより紙器も増加となりました。
以上の結果、部門全体での売上高は233億1千6百万円(前期比10.8%増)、営業利益は7億9千8百万円(前期比26.7%増)となりました。
その他
売上高は物流業務等の増加により20億8千5百万円(前期比7.1%増)となりましたが、営業利益は4億8千6百万円(前期比2.6%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28億7百万円減少し146億6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、40億3千9百万円(前期比28億3千5百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益30億7千4百万円及び減価償却費42億4千4百万円の計上があった一方、売上債権が20億1千3百万円増加したこと及び法人税等の支払8億5千3百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、58億3千5百万円(前期比10億2千2百万円増)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出94億6千7百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億9千4百万円があった一方、投資有価証券の売却による収入46億7千7百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、10億7千6百万円(前期は11億4千8百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出15億8千7百万円、配当金の支払7億9千万円があった一方、長期借入れによる収入20億円があったことによるものです。
生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
情報コミュニケーション部門39,55395.6
情報セキュリティ部門30,19799.7
生活・産業資材部門23,903114.5
その他2,070105.4
合計95,725101.3

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
情報コミュニケーション部門39,30495.64,62894.1
情報セキュリティ部門31,364109.68,469117.9
生活・産業資材部門24,112113.36,756113.4
その他2,085107.3--
合計96,866104.219,854109.9

(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
情報コミュニケーション部門39,59695.8
情報セキュリティ部門30,07899.5
生活・産業資材部門23,316110.8
その他2,085107.1
合計95,076100.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認めれれている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態の分析
総資産は1,210億5千3百万円となり、前期比で64億7千2百万円増加しました。これは主に、流動資産の受取手形及び売掛金が21億7千5百万円、守谷第一工場の再編等により固定資産の建設仮勘定が24億2千万円、生活・産業資材部門のチューブ事業の拡大に向けた設備投資等により機械装置及び運搬具が18億8千4百万円増加したことによるものです。負債は、568億3千5百万円となり、前期比で54億3千4百万円増加しました。これは本社建替え決議を行ったことに伴い固定資産解体費用引当金を20億円計上したことに加え、守谷第一工場の再編や越谷工場の再編など大型の設備投資実施による資金需要への対応として借り入れを実施したことにより長期借入金が13億7百万円増加したことや、未払法人税等が10億2千2百万円増加したことによるものです。純資産は、642億1千7百万円となり、前期比で10億3千7百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が12億4千6百万円増加したことによるものです。
②経営成績の分析
当グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPOの受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器・産業資材等の製造を主な事業としています。
デジタル技術の発達と活用の広がりにより人と人、人と物との関係性が急激に変化する中で、出版印刷や商業印刷を中心に紙媒体需要が減少し、当グループの経営にとって大きな課題となっております。一方、パッケージ分野は、中食市場の広がりや個食化の進行により軟包装を中心に需要が拡大しています。当社が注力するラミネートチューブは、歯磨きやスキンケア、ヘアケアなどの日用品用途においてバリア性や美麗性への需要が高まると同時に、食品用途においてもチューブ入り調味料の市場が拡大するなど、当社にとって受注拡大の機会が広がっています。
このような中、当グループは当連結会計年度の計画を、売上高980億円、営業利益33億円、経常利益41億円、当期純利益26億円といたしました。計画達成をめざし、情報コミュニケーション部門においては出版印刷分野におけるデジタルコンテンツの受注拡大とプロモーション分野におけるデジタル領域を中心としたソリューション提案の推進を図り、情報セキュリティ部門では、豊富なノウハウおよび高いセキュリティ環境を武器にマイナンバー関連を中心にBPOの受注拡大に取り組みました。生活・産業資材系部門においては、軟包装の受注拡大に向けて守谷工場の再編を進めるとともに、チューブの受注拡大をめざして国内の生産体制を強化しました。また東南アジアでのチューブ事業拡大に向けインドネシアのPT Arisu Graphic Primaを子会社化いたしました。
生活・産業資材部門において、化粧品向けチューブの受注が拡大したことやPT Arisu Graphic Primaの連結によりチューブが好調に推移しましたが、情報コミュニケーション部門において出版印刷物や企業の会員情報誌、販促DMなどの紙媒体印刷物の受注が予定を大幅に下回り、情報セキュリティ部門でも、マイナンバー関連をはじめとするBPOが想定以上に減少したため、売上高は950億7千6百万円と計画を下回りました。省力化設備の導入による生産効率向上や外注加工費の削減に努めたものの、受注量の減少に加え人件費の上昇などにより売上総利益が減少し、新規事業分野の検討および新規顧客の獲得に向けたコンサルタント費用等により販売費及び一般管理費も増加したため、営業利益は17億2千6百万円と計画を下回りました。営業外損益は9億1千7百万円の利益となりましたが、営業利益が減少したことにより経常利益は26億4千4百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は20億3千7百万円といずれも計画を下回る結果となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。
当連結会計年度は設備投資において、越谷工場新棟建設等に伴い、20億円の長期借入を実行しております。
今後の主な資金需要としては、パッケージ事業再編拡大(守谷工場新棟)等を進めており、資金調達方法として「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、総額120億円のシンジケート方式のタームローン契約を行うことを決議し、平成30年4月20日に契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は170億5千万円、現金及び現金同等物の残高は146億6百万円となっております。

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