有価証券報告書-第61期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 9:15
【資料】
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【項目】
97項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、アベノミクスによる金融財政政策などへの期待感が高まるなか、家計所得や投資が増加傾向にあることや消費税率引き上げに伴う駆け込み需要などにより、景気は回復基調となりました。しかしながら、海外景気は依然として先行きが不透明であり、日本経済へ影響を及ぼす要因の一つとなっております。
教育界においては、小学校では現行の「学習指導要領」が全面実施されてから3年が経過し、教育現場はもとより、各地域の教育委員会でも様々な教育内容の充実・工夫が求められ、「学習指導要領」の一層の徹底や定着が図られております。
昨年4月には、4年ぶりに小学校6年生、中学校3年生の全児童・生徒を対象とした「全国学力・学習状況調査」が実施されました。その結果、依然として応用力を問う問題に課題が残るとされましたが、公立の小学校では全国平均と都道府県別の最低平均正答率の差が縮まったことについて、文部科学省では正答率の低かった地域での学力の改善傾向が見受けられると分析しています。
また、昨年12月に経済協力開発機構(OECD)が公表した「生徒の学習到達度調査」(PISA2012)の結果では、日本は「読解力」、「数学的リテラシー」、「科学的リテラシー」の3分野すべてにおいて高い平均得点を記録し、順位も前回調査を上回りました。文部科学省では、様々な学力向上のための施策が奏功してきたと分析しております。
一方、政府は教育改革として、「道徳の教科化」、「英語の教科化」、「6・3・3・4の学制の見直し」、「教育委員会制度の改革」など、様々な教育課題の検討を行っております。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、基礎・基本の定着と活用する力の育成を念頭に、教育現場のニーズに応えた様々な改訂を行ってまいりました。また、テスト教材やドリル教材の教師用に付属する指導と評価をサポートするコンピュータソフトを普及させたことで、教育現場の信頼を得てまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高11,163,194千円(前年同期比2.7%増)、営業利益668,472千円(前年同期比28.1%増)、経常利益667,120千円(前年同期比28.6%増)、当期純利益368,085千円(前年同期比24.6%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①出版
小学校では、現行の「学習指導要領」の全面実施から3年が経過し、各教科において「言語活動の充実」が積極的に進められました。そのようななかで、小学校図書教材においては、教育現場の実態把握と多様なニーズを的確に捉えたことにより、基礎・基本の確実な定着と活用する力をみる教材が教育現場から支持を得ることができました。
テストなどの評価教材では、基礎・基本の定着や活用する力をみることができるとともに、1年間の学力の定着を確認できる企画が奏功し、実績が増加いたしました。
ドリルなどの習熟教材では、内容の充実を図るとともに、教育現場の多様なニーズに合わせた付属教材の利活用を啓発したことにより、実績が増加いたしました。
季刊物図書教材の「しあげ教材」では、基礎学力の定着の確認と活用する力を育成する従来からのシリーズに加え、教科別の新企画教材を投入したことが奏功し、実績が増加いたしました。
中学校図書教材においては、現行の「学習指導要領」の全面実施から2年が経過し、基礎学力の定着や補充・発展学習の充実を図ることができるように教材を改訂したことにより、プリント教材やワーク、漢字練習帳などの実績が増加いたしました。
また、中学校3年間の総まとめ教材についても、教育現場のニーズを分析し改訂したことで、実績が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は7,606,406千円(前年同期比1.9%増)、営業利益は1,321,513千円(前年同期比12.6%増)となりました。
②教具
小学校教材・教具においては、当社が高い市場占有率を誇る「裁縫セット」では、機能性・安全性の面で引き続き高い信頼を得ております。徹底した現場モニターを実施し、洗練されたデザインの商品を投入したことで、実績が増加いたしました。
「家庭科布教材」では、従前と比べ教材の採用学年と使用時期が変動する傾向が見受けられますが、斬新なデザインと新企画が奏功し、実績が増加いたしました。
「彫刻刀」では、新しいデザインを採用したことに加え、高機能なステンレス刃と、持ち手を特徴ある形状として安全性を追求したことにより、実績が増加いたしました。
中学校・高等学校の家庭科教材ブランド「クロッサム」においては、教育現場の動向を的確に捉えた教材を開発したことにより、実績が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,554,149千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は197,715千円(前年同期比8.6%増)となりました。
③その他
その他は、上記の報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、損害保険代理業であります。売上高は2,638千円(前年同期比0.4%増)、営業利益は323千円(前年同期比5.1%増)であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの分析は、[第2 事業の状況]の[7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]欄の記載の中で説明しております。