有価証券報告書-第54期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/18 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
123項目

対処すべき課題

(1) 対処すべき課題の内容
2012年度から2015年度までの4ヵ年の中期経営計画「ZENRIN GROWTH PLAN 2015(以下、ZGP2015)」の基本構成における重点課題は、次のとおりであります。
Ⅰ.既存・新規地図データベース(以下、DB)の用途開発による収益拡大
ゼンリングループは地図情報を含む様々な情報の利活用における用途開発を推進します。既存の住宅地図DBとナビ地図DB分野に加えて、双方の地図DBのノウハウを踏襲した新規地図DBをもとに、新たな価値ある商品・サービスを積極的に提供することで収益拡大を目指してまいります。
Ⅱ.「知のサイクル」適正化のための時空間DBの構築
ゼンリングループは長年培ってきたノウハウである企画・収集・管理・編集・提供の「知のサイクル」によって、様々な商品・サービスを提供しています。今後はさらに、実世界に存在する全ての情報を時空間DBとして構築し、「キュレーション思考」によって「知のサイクル」を適正化することで、より強固な事業基盤を確立してまいります。
Ⅲ.固定費率低減のための生産性改善と構造改革
ゼンリングループの事業構造は、事業基盤である地図DBの開発・維持管理のため、毎期一定のコストが発生する固定費率の高い構造であります。新規商品・サービスの開発に必要な投資は実行してまいりますが、生産性改善と構造改革によって固定費率の低減を実現してまいります。
以上により、人びとにとって「より適した価値」の実現により、収益を維持しながら持続的成長に向けて取り組んでまいります。
0102010_001.png
(2) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針
当社取締役会は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値及び株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
また、当社取締役会は、株券等所有割合が3分の1以上となる当社株券等の買付行為(以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、ゼンリングループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、ゼンリングループの企業価値及び株主共同の利益を確保し、又は向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行う必要があると考えております。
当社は創業以来、地図業界のリーディングカンパニーとして地図関連情報の提供を通じて、社会に貢献し続けることを活動の基本として事業を拡大してまいりました。ゼンリングループは、「知・時空間情報の創造により人びとの生活に貢献します」を企業理念として掲げ、「Maps to the Future」のスローガンのもと、地図情報で未来を創造していくことを使命として企業運営を行っております。そして、情報化社会の発展により地図情報に求められる価値やニーズが大きく変化を続ける今、私たちは「より適した価値」を実現することで、「情報を地図化する世界一の企業」となることを目指してまいります。
その結果として、企業価値の向上を図り、ゼンリングループが株主の皆様にとって魅力ある企業集団であることを目指すとともに、お客様及び従業員を大切にし、社会に貢献し続けていく企業集団でありたいと考えております。
ゼンリングループは「キュレーション思考でより適した価値を実現する」ことを目指して、具体的な取り組みを推進するために、2012年度から2015年度までの4ヵ年の中期経営計画「ZENRIN GROWTH PLAN 2015(以下、ZGP2015)」を策定いたしました。
現在、地図情報を含めた様々な情報が、いつでも無料で取得できる環境が整う一方で、膨大な情報の中から、消費者が自分にとって価値のある情報を手にいれることは非常に難しくなっております。そこで、ゼンリングループが地図情報を新しく編集しなおすことで、「より適した価値」を実現するキュレーター(※)となるために、ZGP2015では①既存・新規地図データベース(以下、DB)の用途開発による収益拡大、②「知のサイクル」適正化のための時空間DBの構築、③固定費率低減のための生産性改善と構造改革の3つを基本構成として、各種施策を実施し、収益を維持しながら持続的成長に向けて取り組んでまいります。
ゼンリングループは、創業以来培った技術やノウハウを活かして、このような理念に基づくコンテンツの充実や新たな事業領域開発に取り組み、会社と事業の変革を通じて市場の変化に対応しながら企業価値向上に努めると同時に、ゼンリングループの地図関連情報は官公庁や公共的な企業においても活用されているという、高い公共性も自負しております。加えて、当社は地域社会への貢献も企業の重要な役割と考え、地域事業への出資やスポーツ・文化活動の支援等を通じてその役割に取り組んでおります。
当社の経営においては、上記のような事業環境や事業特性並びに顧客や従業員、取引先等のステークホルダーとの関係に対する理解が必要不可欠であり、また、十分な理解なくしては、ゼンリングループの企業価値を適正に把握することは困難であると考えます。
(※)キュレーター:一般的には博物館・美術館等の展覧会の企画を担う学芸員をさすが、現在ではインターネットの世界を中心に「情報を司る存在」として、必要な情報のみを選別するフィルタリングを行い、有益な状態にして配信することをさす。
② 基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取組み
当社取締役会は、ゼンリングループの企業価値及び株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模買付者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えます。
このような不適切な大規模買付者に対しては、情報開示を積極的に求め、当社取締役会の判断、意見などとともに公表するなど、株主の皆様が適切な判断を行うための情報と時間の確保に努めるとともに、必要に応じて法令及び定款の許容する範囲内において適切な対応をしてまいります。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記取組みは、企業価値及び株主共同の利益を確保又は向上させる目的をもってなされるものであり、基本方針に沿うものです。
従いまして、これらの取り組みは基本方針に沿い、当社株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。