有価証券報告書-第145期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 長期的に目指す姿
当社は、創業以来、住友の事業精神「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)のもと、自らの成長と社会への貢献を実現してきました。そして、この考え方を基に長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定めております。
この目指す企業像に向け、当社が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定めております。
各課題に対応したそれぞれの事業部門において、これまで培ってきた当社固有の6つのコア技術と、そこから生まれた3領域(GX・DX・BX)を切り口とした重要アセットを活用することで、革新的なソリューションを生み出し、広く社会へ提供してまいります。
そして、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けるとともに、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

(2) 2025-2027年度中期経営計画:全社方針
当社グループは、2025年度を初年度とする中期経営計画に取り組んでおります。基本方針として、「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」、「構造改革の継続的な遂行による強靭化」、「財務・資本効率の改善」などの5つを掲げました。
2027年度の財務目標に関しては、コア営業利益2,000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0.8倍台としております。

(3) 中期経営計画の進捗
基本方針01 新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化
当社の強みである有機合成技術をベースとした「勝ち筋」事業を軸に、セグメント横断での競争力強化及び事業ポートフォリオの高度化を推進するとともに、長年の技術蓄積により競争優位性を有する再生・細胞医薬事業を新たな成長事業として育成する方針に基づき、各種施策に取り組みました。

基本方針02 構造改革の継続的な遂行による強靭化
ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)に対する当社持分比率の15%への引き下げ、国内における既存エチレンプラントの運営最適化やポリオレフィン事業の統合に関する合意など、石油化学事業の構造改革を着実に推進しました。また、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は構造改革を経て業績が好転しました。今後の成長に必要な資金の確保と財務基盤の強化のため資本を増強しました。なお、住友ファーマ社に対する当社持分比率は低下しますが、連結子会社である点に変更は生じません。

基本方針03 財務・資本効率の改善
ROIC志向経営の再徹底に向け、投資管理プロセスを強化しました。データに基づくリスクの定量化や外部知見の活用等により投資判断の客観性を高め、徹底したリスク管理のもとで投資判断を実施しました。さらに投資後のモニタリング体制を強化し、環境変化に機動的に対応することで、投資効率の最大化及びROIC向上に向けた取り組みを推進しました。

基本方針04 3つのXを基軸としたR&D戦略
全社視点で研究開発効率を高め戦略的な投資を実現するため、研究体制を再編しました。全社研究戦略会議の新設による重点分野への戦略的アロケーション決定と全社のモニタリング強化、研究企画部の新設による全社横断的な構造改革のリード、並びに技術ロードマップ策定による機動的な研究開発の実現を狙いとしております。
基本方針05 新成長戦略を支える経営基盤の強化
経営基盤強化の一環として、生成AIの活用促進と高度化を推進しました。活用状況のモニタリングや教育により利用定着を図るとともに、専門業務に応じて社内データ活用をカスタマイズできる機能を実装し社内ナレッジの活用を深化しました。全社員が日常的にAIを活用する環境を浸透させ、事業競争力の強化につなげております。
(4) 2025年度 各事業部門の取り組み
アグロ&ライフソリューション部門
農薬事業では、次世代のブロックバスターを目指す製品に関する取り組みが主要市場で前進しました。例えば、殺菌剤インディフリンは、南米の大豆用途に加え、インドで水稲向けに販売を開始しました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長に向け、北米で同事業を担うグループ会社を統合し、研究・製造・販売等の機能を一体運営するグローバル中核拠点として新体制を整備することとしました。一方、南米では足元の厳しい事業環境を踏まえ、主力製品の真の付加価値に根差したマーケティング方針のもと、流通チャネル別販売戦略強化と、適用拡大による使用場面の拡大等を通して、販売回復とプレミアム価格の維持を図ってまいります。
ICT&モビリティソリューション部門
半導体関連事業では、台湾のアジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの買収により、台湾・米国の半導体用ケミカル拠点を獲得しました。AI需要の急拡大に牽引される先端半導体市場の成長を捉え、経営資源を最大かつ効率的に投入し、先端材料の開発・拡販と安定供給体制の強化を進めてまいります。ディスプレイ関連事業では、大型LCD用偏光フィルムの構造改革を実施し、OLED・車載用など高機能分野へのシフトを推進しました。また、モビリティ関連事業では、耐熱セパレータの製造拠点を集約しました。これらの構造改革を通じ、ディスプレイ関連事業、モビリティ関連事業の収益最大化とさらなる拡大を目指してまいります。
アドバンストメディカルソリューション部門
CDMO事業を成長の中核に位置づけ、開発から製造・品質までの総合対応力を活用し、事業拡大を推進しております。特に医療用オリゴ核酸では、米国拠点を活用した顧客対応体制を強化し、新規受注の拡大に取り組んでおります。再生・細胞医薬事業では、日本において、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療用製品「アムシェプリ®」の条件及び期限付き承認を取得したことを踏まえ、本承認と米国承認に向けて開発・製造・品質・事業の各体制を強化してまいります。また、後続の眼科2製品、脊椎損傷治療用製品の治験、開発を進め、革新的治療法を患者様に届けるべく取り組みを進めてまいります。
エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門
石油化学事業では、2025年10月よりペトロ・ラービグ社の当社持分比率を15%へ引き下げました。国内においては既存エチレンプラントの運営最適化及びポリオレフィン事業の統合に関して関係先と合意に至るなど構造改革を加速させました。また、他社との協働を通じてライセンス・触媒事業の基盤を強化し、主力事業への成長を図ります。環境負荷低減ソリューションの提供に向けては、ケミカルリサイクルに関するパイロット設備の建設を完了するなど、2030年代の事業化を見据え、環境負荷低減技術の開発を推進しております。
(5) 2025年度実績
2025年度は、オルゴビクス拡販を中心とした住友ファーマ社の利益貢献、ペトロ・ラービグ社の持分譲渡や、ノンコア事業売却などの構造改革の成果が実を結び、コア営業利益は2,084億円となりました。このため、2025年度の年間配当は、2024年度の9円と比べ4.5円増配となる1株当たり13.5円といたしました。また、有利子負債の返済を進め、D/Eレシオは2024年度末の1.20倍から2025年度末は0.93倍となり、財務体質が改善しました。
(6) 2026年度以降の見通し
2026年度の業績見通しについては、住友ファーマ社の収益改善並びにペトロ・ラービグ社の財務改善・持分変更等が全社業績に貢献し、コア営業利益2,150億円となる予想です。収益力が着実に改善し、実力ベースでの大きな伸長を見込んでおります。2027年度以降に向けては、先行投資の成果最大化を通じて成長ドライバーであるアグロ&ライフソリューション部門及びICT&モビリティソリューション部門による全社業績の牽引を図ります。あわせて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門の収益力改善、アドバンストメディカルソリューション部門の早期育成に向けた取り組みを着実に進めます。 そして、中長期的にはROE10%以上、ROIC7%以上、D/Eレシオ0.7倍程度等の財務指標を安定的に達成することを目指します。

(1) 長期的に目指す姿
当社は、創業以来、住友の事業精神「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)のもと、自らの成長と社会への貢献を実現してきました。そして、この考え方を基に長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定めております。
この目指す企業像に向け、当社が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定めております。
各課題に対応したそれぞれの事業部門において、これまで培ってきた当社固有の6つのコア技術と、そこから生まれた3領域(GX・DX・BX)を切り口とした重要アセットを活用することで、革新的なソリューションを生み出し、広く社会へ提供してまいります。
そして、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けるとともに、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

(2) 2025-2027年度中期経営計画:全社方針
当社グループは、2025年度を初年度とする中期経営計画に取り組んでおります。基本方針として、「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」、「構造改革の継続的な遂行による強靭化」、「財務・資本効率の改善」などの5つを掲げました。
2027年度の財務目標に関しては、コア営業利益2,000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0.8倍台としております。

(3) 中期経営計画の進捗
基本方針01 新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化
当社の強みである有機合成技術をベースとした「勝ち筋」事業を軸に、セグメント横断での競争力強化及び事業ポートフォリオの高度化を推進するとともに、長年の技術蓄積により競争優位性を有する再生・細胞医薬事業を新たな成長事業として育成する方針に基づき、各種施策に取り組みました。

基本方針02 構造改革の継続的な遂行による強靭化
ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)に対する当社持分比率の15%への引き下げ、国内における既存エチレンプラントの運営最適化やポリオレフィン事業の統合に関する合意など、石油化学事業の構造改革を着実に推進しました。また、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は構造改革を経て業績が好転しました。今後の成長に必要な資金の確保と財務基盤の強化のため資本を増強しました。なお、住友ファーマ社に対する当社持分比率は低下しますが、連結子会社である点に変更は生じません。

基本方針03 財務・資本効率の改善
ROIC志向経営の再徹底に向け、投資管理プロセスを強化しました。データに基づくリスクの定量化や外部知見の活用等により投資判断の客観性を高め、徹底したリスク管理のもとで投資判断を実施しました。さらに投資後のモニタリング体制を強化し、環境変化に機動的に対応することで、投資効率の最大化及びROIC向上に向けた取り組みを推進しました。

基本方針04 3つのXを基軸としたR&D戦略
全社視点で研究開発効率を高め戦略的な投資を実現するため、研究体制を再編しました。全社研究戦略会議の新設による重点分野への戦略的アロケーション決定と全社のモニタリング強化、研究企画部の新設による全社横断的な構造改革のリード、並びに技術ロードマップ策定による機動的な研究開発の実現を狙いとしております。
基本方針05 新成長戦略を支える経営基盤の強化
経営基盤強化の一環として、生成AIの活用促進と高度化を推進しました。活用状況のモニタリングや教育により利用定着を図るとともに、専門業務に応じて社内データ活用をカスタマイズできる機能を実装し社内ナレッジの活用を深化しました。全社員が日常的にAIを活用する環境を浸透させ、事業競争力の強化につなげております。
(4) 2025年度 各事業部門の取り組み
アグロ&ライフソリューション部門
農薬事業では、次世代のブロックバスターを目指す製品に関する取り組みが主要市場で前進しました。例えば、殺菌剤インディフリンは、南米の大豆用途に加え、インドで水稲向けに販売を開始しました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長に向け、北米で同事業を担うグループ会社を統合し、研究・製造・販売等の機能を一体運営するグローバル中核拠点として新体制を整備することとしました。一方、南米では足元の厳しい事業環境を踏まえ、主力製品の真の付加価値に根差したマーケティング方針のもと、流通チャネル別販売戦略強化と、適用拡大による使用場面の拡大等を通して、販売回復とプレミアム価格の維持を図ってまいります。
ICT&モビリティソリューション部門
半導体関連事業では、台湾のアジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの買収により、台湾・米国の半導体用ケミカル拠点を獲得しました。AI需要の急拡大に牽引される先端半導体市場の成長を捉え、経営資源を最大かつ効率的に投入し、先端材料の開発・拡販と安定供給体制の強化を進めてまいります。ディスプレイ関連事業では、大型LCD用偏光フィルムの構造改革を実施し、OLED・車載用など高機能分野へのシフトを推進しました。また、モビリティ関連事業では、耐熱セパレータの製造拠点を集約しました。これらの構造改革を通じ、ディスプレイ関連事業、モビリティ関連事業の収益最大化とさらなる拡大を目指してまいります。
アドバンストメディカルソリューション部門
CDMO事業を成長の中核に位置づけ、開発から製造・品質までの総合対応力を活用し、事業拡大を推進しております。特に医療用オリゴ核酸では、米国拠点を活用した顧客対応体制を強化し、新規受注の拡大に取り組んでおります。再生・細胞医薬事業では、日本において、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療用製品「アムシェプリ®」の条件及び期限付き承認を取得したことを踏まえ、本承認と米国承認に向けて開発・製造・品質・事業の各体制を強化してまいります。また、後続の眼科2製品、脊椎損傷治療用製品の治験、開発を進め、革新的治療法を患者様に届けるべく取り組みを進めてまいります。
エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門
石油化学事業では、2025年10月よりペトロ・ラービグ社の当社持分比率を15%へ引き下げました。国内においては既存エチレンプラントの運営最適化及びポリオレフィン事業の統合に関して関係先と合意に至るなど構造改革を加速させました。また、他社との協働を通じてライセンス・触媒事業の基盤を強化し、主力事業への成長を図ります。環境負荷低減ソリューションの提供に向けては、ケミカルリサイクルに関するパイロット設備の建設を完了するなど、2030年代の事業化を見据え、環境負荷低減技術の開発を推進しております。
(5) 2025年度実績
2025年度は、オルゴビクス拡販を中心とした住友ファーマ社の利益貢献、ペトロ・ラービグ社の持分譲渡や、ノンコア事業売却などの構造改革の成果が実を結び、コア営業利益は2,084億円となりました。このため、2025年度の年間配当は、2024年度の9円と比べ4.5円増配となる1株当たり13.5円といたしました。また、有利子負債の返済を進め、D/Eレシオは2024年度末の1.20倍から2025年度末は0.93倍となり、財務体質が改善しました。
(6) 2026年度以降の見通し
2026年度の業績見通しについては、住友ファーマ社の収益改善並びにペトロ・ラービグ社の財務改善・持分変更等が全社業績に貢献し、コア営業利益2,150億円となる予想です。収益力が着実に改善し、実力ベースでの大きな伸長を見込んでおります。2027年度以降に向けては、先行投資の成果最大化を通じて成長ドライバーであるアグロ&ライフソリューション部門及びICT&モビリティソリューション部門による全社業績の牽引を図ります。あわせて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門の収益力改善、アドバンストメディカルソリューション部門の早期育成に向けた取り組みを着実に進めます。 そして、中長期的にはROE10%以上、ROIC7%以上、D/Eレシオ0.7倍程度等の財務指標を安定的に達成することを目指します。
