有価証券報告書-第102期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/30 13:10
【資料】
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【項目】
125項目

研究開発活動

当社は新製品上市までのスピードアップと効率的な開発推進、研究開発人財の柔軟かつ効果的活用を目指して、2014年4月に今までのコーポレート研究体制および各事業部の研究体制を見直し、R&D総合センターの下部組織として「基盤技術研究所」「応用研究所」「製品研究所」「生産技術研究所」の4研究所体制に再編成しました。さらに、R&D総合センター内に「R&D推進室」、各事業部に「開発グループ」を設置し、研究開発テーマの改廃や採用の迅速化を進めるとともに、全体最適を目指した各テーマの進捗管理および事業部との連携強化を図りました。また、関係会社とは共同で研究開発を推進し、グループ全体の最適化に努めています。上記の施策に基づき、当社グループは「特色ある高機能製品を継続的に生み出すとともに、新製品・新事業を創出し、成長を続ける価値創造型高収益企業」を目指し、研究開発を行ってまいります。
当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は、3,865百万円です。
以下、セグメント別に説明いたします。
(1) 基礎化学品事業
当社グループの基幹事業である電解事業につきましては、革新的プロセス技術開発の一貫として、大幅な電力消費削減が可能なガス拡散電極法電解技術の実機での実証化を進めています。また、重点事業の一つである無機高純度品事業の研究開発に取り組んでいます。高純度液化塩化水素、高純度アルカリ、高品位過塩化鉄液などを扱っております。
当セグメントに係る研究開発費は358百万円です。
(2) アクリル製品事業
光硬化型樹脂関連では、新規オリゴマーの開発、光硬化型樹脂「アロニックス」およびその配合品の開発など高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。また、種々の機能性アクリル系高分子を電子・電機、自動車、建材分野などへ応用展開するとともに、機能性複合材料の研究開発を行っています。
当セグメントに係る研究開発費は1,104百万円です。
(3) 機能製品事業
接着剤関連商品としては瞬間接着剤アロンアルフアをはじめ、自動車・精密機器などの工業用や医療用に至るまでの幅広い分野で、各種機能性接着剤の研究開発を推進しております。また、建材関係では、コンクリ-トの劣化を防ぎ建物を長寿命化できる外壁保護材や工法の開発・改良に注力しており、環境問題や資産価値の向上に貢献できるよう取り組んでいます。その他にも抗菌剤や消臭剤などの無機機能材料や有機無機ハイブリッド材料の開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は1,199百万円です。
(4) 樹脂加工製品事業
当社連結子会社のアロン化成株式会社では、提案型メーカーとしてものづくり力を強化し事業の変革を生み出す組織として「ものづくりセンター」を活用しています。樹脂加工技術を応用した管工機材の開発や介護・福祉など生活用品関連製品の開発に加え、当社「R&D総合センター」との連携の中で、エラストマーなどの新規合成樹脂の成形加工技術の開発にも取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は853百万円です。
(5) その他の事業
研究開発全般のレベルアップを目指し、基盤技術研究所では、分析・評価技術をはじめ、新規材料の設計、物性・構造解析および新規物質の合成に取り組んでおります。先端科学研究所では、慶應義塾大学との共同研究として「慶應義塾大学先導研究センターGSP(Genome Super Power)センター」を同研究所内に設置するなど、機能性ペプチドを用いたバイオインフォマティックス関連の研究に取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は350百万円です。