有価証券報告書-第22期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/15 16:49
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144項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営方針
当社グループは、企業理念として「進取と共創。ガスで未来を拓く。The Gas Professionals」を掲げております。「私たちは、革新的なガスソリューションにより社会に新たな価値を提供し、あらゆる産業の発展に貢献すると共に、人と社会と地球の心地よい未来の実現をめざします。」このような思いを企業活動の基本方針とし、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境においては、世界的な物価上昇圧力や地政学リスク長期化に加え、関税措置の強化に起因する全世界的な景気後退懸念、さらには戦略物資の供給懸念など、多様で複雑なマクロ経済環境の変化に直面いたしました。こうした外部要因によるコストの増加は当社グループにおける重要な対処すべき課題です。この課題に対して、当社はグループ全体での製品の価格マネジメントの推進と生産性向上活動などの施策を積極的に行い対応してまいりました。
足元では、イランにおける紛争など地政学リスクはますます高まるとともにサプライチェーンリスクが増大しております。顧客産業への影響やエネルギー価格の変動など、当社グループの事業への影響について引き続き注視し、適切に対処してまいります。また、生成AIの活用促進などデジタル技術の進展によって、当社グループの事業領域である半導体・エレクトロニクス市場に中長期的な成長機会が生まれており、こうした変化にも迅速に対応していく必要があります。
以上のような環境認識のもと、当社は本年3月に新中期経営計画「Next Innovation 2030 - Evolving for the Future」(対象期間:2027年3月期~2030年3月期。以下、「Next Innovation 2030」という。)を策定いたしました。前中期経営計画「NS Vision 2026 - Enabling the Future」(対象期間:2023年3月期~2026年3月期。以下、「NS Vision 2026」という。)は、純粋持株会社制移行後初の経営計画として、未来の成長を支える基盤づくりに重点を置き、当初計画を概ね上回る成果を挙げてまいりました。こうして築いた基盤を踏まえ、Next Innovation 2030では以下の3点を重点戦略として設定し、未来へ向かって進化し続ける段階へとステージを引き上げます。
各々の戦略実行にあたっては、グループ事業会社が有する強みを共有し、シナジーを高めることを目的として、グループ横断のCenter of Excellence(以下、「CoE」という。)体制を構築します。CoE体制においては、「エレクトロニクス事業の拡大」やNS Vision 2026のオペレーショナル・エクセレンス活動を承継する「Commercial, Operations, Resilience and Execution(CORE)」などを重点テーマとして設定し、今後4年間にわたり、グループ重点戦略の着実な実行を通じて、事業収益の拡大及び新たな成長ドライバーの創出に取り組んでまいります。
① 産業ガス事業の収益力の強化
・オペレーショナル・エクセレンスの拡大によるベストプラクティス共有の加速
・レジリエント事業の拡大
② エレクトロニクス事業の拡大
・トータル・ガス・サプライ・ソリューションのグローバル展開の加速
・先端材料分野への重点投資
・新たな地域への参入
③ 将来の成長ドライバーの創出
・イノベーションマインドのさらなる醸成
・グローバルな事業開発・研究開発体制の拡充によるイノベーションの加速
上記のグループ重点戦略を軸にしながら、以下のセグメント別戦略を遂行いたします。
日本
・産業ガスに加え、ガスを起点とした革新的な事業の拡充をめざしたポートフォリオの実現
・エレクトロニクス事業の拡大と研究開発力の強化
・革新事業(安定同位体、アディティブ・マニュファクチャリング)の拡大
米国
・プラント稼働効率の向上
・事業密度の向上
・エレクトロニクス材料ガス・機器事業の拡大
欧州
・産業ガス事業のフットプリント拡大
・エレクトロニクス事業(機器、トータル・ガス&ケミカル・マネジメント含む)の強化
・カーボンニュートラル等の革新的な事業の拡大
・ヘルスケア事業の拡大
・DX、ロボティクスの活用
アジア・オセアニア
・ガス事業の強化(アプリケーション含む)
・エレクトロニクス事業の強化
・HYCO事業(※)の機会追求
・急成長をサポートするガバナンス体制の拡充
(※)天然ガス等から水蒸気改質装置(SMR)で分離される水素(H2)と一酸化炭素(CO)を石油精製・石油化学
産業にパイプラインを通じて大規模供給する事業
サーモス
・当社グループ唯一のBtoCビジネスとして、魔法びん事業から生活全体に寄り添う「ライフスタイルブランド」への進化
・サステナビリティを企業文化として確立し、それを支える事業変革の実現
・グローバル市場でのさらなるブランド力強化とパートナーシップ構築を通じて海外展開を推進
上記に加えて、グループとして「人的資本価値の創造」「ブランディング」「サステナビリティ」「DX」「エンジニアリング」「技術・事業開発戦略」の6つのテーマで経営基盤の進化に努め、社会・市場環境の変化に迅速に対応してまいります。
財務KPI
実績
(2026年3月期)
Next Innovation 2030
最終年度目標
(2030年3月期)
売上収益 [億円]13,59615,000~15,750
コア営業利益 [億円]2,0302,500~2,750
EBITDA(注1) [億円]3,2994,000~4,400
EBITDAマージングループ:24.3%
各セグメント:16.5~32.8%
グループ:≧26.5%
各セグメント:≧19.0%
EBITDA純有利子負債倍率(注2)2.37倍≦1.5倍
ROCE after Tax(注3)7.1%≧8.0%

(注)1.EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization)
コア営業利益に減価償却費及び償却費を加えて算出される利益です。国・地域により、金利水準、税率、減価償却費などに差異がありますが、この指標ではその差異を最小限に抑え、利益額を表示します。
2.EBITDA純有利子負債倍率
純有利子負債÷EBITDAで算出する財務健全性を示す指標です。
3.ROCE after Tax(Return on Capital Employed after Tax:税引後使用資本利益率)
[NOPAT:税引後コア営業利益(+受取配当金)]((コア営業利益-コア営業利益に含まれる持分法による投資損益)×(1-実効税率)+コア営業利益に含まれる持分法による投資損益+受取配当金)÷[使用資本](有利子負債+親会社の所有者に帰属する持分)で算出する資本効率性指標です。
サステナビリティKPI
実績
(2025年3月期)
Next Innovation 2030
最終年度目標
(2030年3月期)
ご参考:長期目標
(2036年3月期)
GHG排出量削減率(注4)16.5%9%
(2031年3月期)
21%
環境貢献性商品・サービスの提供によるGHG削減貢献量の増加率(注5)-30%-
サステナブルビジネス売上の増加率
(注5)(注6)
-30%-
生産単位当たりの取水量削減率(注5)-10%-
生産単位当たりの廃棄物削減率(注5)-10%-
休業災害度数率(注7)1.85≦1.3-
女性管理職比率16.7%≧22%
(2031年3月期)
-
女性従業員比率20.8%≧25%
(2031年3月期)
-
サステナブルエンゲージメントスコア(注8)81≧83-
コンプライアンスサーベイスコア-≧80-

(注)4.特定顧客向けにオンサイト供給を担う子会社のジョイント・オペレーション化に伴い、前中期経営計画
「NS Vision 2026」から、基準年度のGHG排出量及び実績の見直しを行っております。
5.基準年度:2025年3月期
6.サステナブルビジネス売上には、食品及び飲料、医療・ヘルスケア及びライフスタイルなどの製商
品・サービスが含まれます。
7.休業災害度数率
労働災害の発生頻度を表す指標であり、休業災害被災者数÷延べ労働時間×100万時間で算出します。
8.サステナブルエンゲージメントスコアは、「 ①会社への愛着(Engaged)、②生産性と業績を支える職
場環境(Enabled)、③職場における身体的・人間関係的・感情的な健康(Energized)」を総合的にとらえる指標です。
当社グループは、グループ理念にも通じるDNAである「進取の気概(イノベーティブマインド)」と技術力を一層高めることで、産業・社会を取り巻く環境変化に的確に対応し、未来の課題に応えうる企業への進化をめざし、上記に掲げた課題に取り組んでまいります。

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