有価証券報告書-第15期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 10:08
【資料】
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【項目】
88項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営方針
当社グループは、企業理念として「進取と共創。ガスで未来を拓く。」を掲げております。「お客様の声を敏感にとらえ、ガステクノロジーを通じて、あらゆる産業と共に豊かな社会の実現に貢献する。コアビジネスであるガス事業で人と社会と地球の心地よい関係を創り、未来を切り拓く。」このような思いを企業活動の基本方針とし、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
(2) 中長期的な経営戦略
当社グループは、2014年5月に定めた長期経営ビジョンの中で売上収益1兆円を目指すこととし、この長期経営ビジョンのもと、2015年3月期から3ヶ年の中期経営計画「Ortus Stage 1」では数値目標を達成し、2018年3月期からは4ヶ年の中期経営計画「Ortus Stage 2」に取り組んでおります。
そして、2018年12月に米国Praxair, Inc.の欧州事業を買収し、2019年2月にドイツの Linde Aktiengesellschaft(以下、「Linde AG」という。)の子会社である Linde Gas North America LLC(以下、「Linde America」という。)からHyCO事業の一部並びに関連資産を買収したことで事業規模が大きく拡大したため、2019年2月に「Ortus Stage 2」の最終年度となる2021年3月期の数値目標を変更いたしました。
なお、中期経営計画策定時に定めた基本方針及び重点戦略である「構造改革」「イノベーション」「グローバリゼーション」「M&A」は最終年度まで継承することにしております。
2019年3月期実績
(Ortus Stage 2-2年目)
2021年3月期計画
(Ortus Stage 2 最終年度)
売上収益7,403億円9,100億円
コア営業利益658億円1,000億円
コア営業利益率8.9%11.0%
海外売上収益比率47.9%55.0%
ROCE(注1)6.2%7.1%
調整後ネットD/Eレシオ(注2)1.541.27

(注)1.ROCE
当社ではコア営業利益と資本、有利子負債のバランスを重視し、コア営業利益を投下資本(有利子負債残高+親会社の所有者に帰属する持分)で除して算出した「ROCE」で資本効率を示しております。
2.調整後ネットD/Eレシオ
当指標は、2019年2月の数値目標変更の際に追加しました。調整後純有利子負債(有利子負債残高-資本性負債-現金及び現金同等物)を、調整後親会社所有者帰属持分(親会社の所有者に帰属する持分+資本性負債)で除して算出した「調整後ネットD/Eレシオ」で、財務健全性を示しております。なお、資本性負債とは、ハイブリッドファイナンスで調達した負債のうち、格付機関から資本性の認定を受けた額です。
(3) 会社の対処すべき課題
当社グループは、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画の目標を達成するため、以下の課題に対処していきます。
<国内事業の拡大>ガス事業及び関連機器やサービスなどのガス周辺事業の拡大とグループシナジーの最大化を図り、持続的な成長を目指します。また、生産・物流での構造改革推進などを通じ、収益力の強化を進めます。
<グローバル化の推進>1980年代から開始したグローバルな事業展開は、2018年12月に米国Praxair, Inc.の欧州事業を買収したことにより、日本、米国、欧州、アジア・オセアニアの4極体制を確立するに至りました。今後は、各地域のネットワークの活用やそれぞれの強みを結集し、グループ総合力を高めることで、更なる事業規模の拡大と収益力の向上を進めます。
<財務体質の強化>安定的な営業キャッシュ・フローの創出をもとに、有利子負債の計画的な削減とネットD/Eレシオの早期改善に取り組みます。
<保安・品質とコンプライアンスに関する取り組み強化>持続的成長を可能とする強固な事業基盤を確立するため、国内外での保安・品質とコンプライアンスへの取り組みを強化していきます。