訂正有価証券報告書-第91期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/03/24 14:40
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、新興国経済の成長鈍化はありましたが、欧州で持ち直しの動きが見られたことや米国経済が回復基調を維持したことにより、緩やかな回復の動きが見られました。一方、わが国経済は、政府の経済政策を背景にした雇用情勢や企業収益の改善、個人消費の持ち直しが見られ、さらには一部企業における賃金の上昇など景況感に改善の動きが広がり、景気は緩やかに回復しております。
当社グループの主需要先である鉄鋼、造船、産業機械、建設機械などの各業界においては、受注環境や造船の手持ち工事量に回復が見られたものの、労働力不足、資材不足による建設工事の遅れなどの影響を受けて厳しい状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは世界市場に向けた新技術・新製品の開発、生産効率の向上、原価低減や経費削減に取り組みましたが、海外部門の不振などからその効果は限定的なものとなりました。また、減損損失3億16百万円を特別損失に計上したことから、当期純損失となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は416億90百万円(前期比1.4%増)、営業利益は6億49百万円(同43.2%減)、経常利益は8億13百万円(同42.0%減)、当期純損失は2億21百万円(前期は当期純利益10億20百万円)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
機械装置
機械装置部門においては、5月から創業95周年を記念したグランド95キャンペーンパートⅡを開始するとともに、実演車を活用した全国巡回販売を行いました。また、9月に開催したプライベート・フェアに最新鋭の「ファイバーレーザー切断機」、残材の有効活用により歩留まり向上を図ることができる「パッケージナビゲーションシステム」、新型プラズマ装置「SUPER-400 PRO」などを出展し、来場顧客を中心に巡回販売を行うとともに、ポータブルCNC切断機「PNC-10」「PNC-12」については、専用実演車による実演展示販売活動を継続しました。さらに、客先に対し各種助成金の活用による需要への取込みを積極的に行いました。
海外においては、中国・ドイツ・米国・タイ・インドネシアなどの展示会に、各マーケットのニーズに合った新製品、新型低価格の門型・簡易NC切断機などを出展するとともに、韓国新工場のお披露目も兼ねたプライベート・フェアを11月に開催し、各種新製品に加え、「ファイバーレーザー切断機」の出展・紹介を行い、多くの引合い・受注を得ることができました。
生産面においては、「ファイバーレーザー切断機」の厚板切断面品質の安定性および小円切断能力の向上や新型プラズマ装置の投入により消耗品の長寿命化や高速化などを実現させ、より高機能な製品を市場へ提供しました。さらに、「ファイバーレーザー切断機」は、海外現法への技術移管を行い、販売を開始しました。
しかしながら、海外での需要低迷や国内での厳しい価格競争が続き、十分な効果を発揮するには至りませんでした。
その結果、売上高は175億24百万円(前期比6.4%減)、セグメント利益は2億25百万円(同72.0%減)となりました。
高圧ガス
工業用ガスにおいては、切断・溶接機器のアプリケーションに重点をおいたガスの販売に注力し、新規顧客獲得に努めるとともに、電力料金の値上げによる製造コスト上昇に対応し、ガスの価格改定を推進しました。供給面では、不足傾向にある炭酸ガスの対応としてドライアイスの輸入を開始するとともに、ヘリウムの安定供給に努めました。また、水素をベースとした切断用混合ガス「スーパーカットH」の生産を開始し、供給体制を整えました。さらに、景気回復に伴う鉄骨需要増加に対応すべく、安定供給のため、溶解アセチレン容器をはじめとするシリンダー容器の更新を実施しました。
生産面においては、電力および原料値上げ傾向にある中で、生産コストの削減に努めました。特に千葉工場においては、液化酸素・液化窒素製造設備の更新を実施し、生産効率向上と安定供給、保安の確保を図りました。
医療分野においては、11月に開催されたHOSPEX Japan2013(医療福祉設備展)に新型「クロモフェアF(LED無影灯)」を出展し、高評価を受け、更新需要を中心に積極的に営業展開を図り、売上が増加しました。さらに、睡眠医療の検査関連の営業強化、製品改良により「ジャスミン(睡眠時無呼吸症候群治療装置)」の契約件数が増加しました。
その結果、売上高は154億77百万円(前期比6.0%増)、セグメント利益は10億66百万円(同1.7%増)となりました。
溶接機材
溶接機材部門においては、最大の需要先である建築・鉄骨向けの大型物流倉庫、商業施設などの案件が堅調であり、都市部を中心に高層ビルなどの大型再開発プロジェクトが本格的に着工されました。その結果、溶接工不足を解消するため、鉄骨ファブリケーターでの溶接ロボットの導入が進み、溶接材料の販売が増加しました。
溶接機器においては、5月から9月までグランド95キャンペーンパートⅡを実施し溶接機、溶接材料、溶接関連商品の拡販を行うとともに、各地にて開催したこいけ市や切断・溶接工法展などで溶接および切断などの実演を行い、溶接機、安全保護具、切断関連商品の拡販を図りました。また、9月にプライベート・フェアを開催し、サブマージアーク溶接機の溶接実演を行い、多くの引合いを得ることができました。さらに、個人向け一般市場への販売展開をするための市場調査を目的として、GREEN ROAD JAPAN 2013に小型溶接機、マグネット工具、金属補修剤などを出展し、販売を行うとともに、10月には金属補修剤の拡販のため、ものづくりNEXT2013に出展し、新規販売ルート開拓につなげることができました。
その結果、売上高は76億14百万円(前期比9.0%増)、セグメント利益は1億28百万円(同3.2%増)となりました。
その他
ガス機器においては、大型ヘリウム液化機を大学研究機関に1台、超伝導関係の民間企業に1台納入しました。排ガス処理装置に関しては、国内の半導体・液晶メーカーの統合が進む中、電子部品製造業界団体への新型排ガス処理装置の説明会を行い、受注に結び付けることができました。中国においては、5月に上海で開催された国際太陽光展示会に出展しましたが、大きな成果をあげることはできませんでした。一方、台湾においては、投資案件が少ない中、更新需要を中心に営業展開し、一定の成果をあげることができました。
その結果、売上高は10億74百万円(前期比35.1%増)、セグメント利益は24百万円(前期はセグメント損失21百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、73億円と前連結会計年度末比9億円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは4億54百万円の収入(前連結会計年度は18億94百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上と減価償却費によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは14億17百万円の支出(前連結会計年度は22百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは5億66百万円の支出(前連結会計年度は8億88百万円の支出)となりました。これは主に社債の償還による支出と配当金の支払があったことによるものです。