有価証券報告書-第80期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの経営成績について、当連結会計年度の業績は、売上高14,963百万円(前年比2.7%増)、営業利益1,160百万円(前年比55.2%増)、経常利益1,217百万円(前年比48.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は898百万円(前年比57.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<金属表面処理剤及び機器等>当セグメントの売上高は、7,596百万円(前年比7.8%増)、営業利益は、1,065百万円(前年比38.2%増)となりました。
<電 子 材 料>当セグメントの売上高は、559百万円(前年比48.0%減)、営業損失は、309百万円(前年同期は318百万円の営業損失)となりました。
<自動車用化学製品等>当セグメントの売上高は、2,458百万円(前年比6.6%増)、営業利益は、572百万円(前年比16.1%増)となりました。
<工 業 薬 品>当セグメントの売上高は、4,348百万円(前年比5.0%増)、営業利益は、154百万円(前年比12.7%増)となりました。
当連結会計年度末における流動資産残高は、前連結会計年度末に比べ231百万円増加し8,834百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加270百万円、棚卸資産の増加237百万円及び有価証券の減少286百万円等であります。固定資産残高は、前連結会計年度末に比べ1,659百万円増加し12,536百万円となりました。主な増減は、有形固定資産の減少96百万円、無形固定資産の減少6百万円、投資有価証券の増加1,864百万円等によるものであります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ6百万円増加し3,591百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,884百万円増加し17,778百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より107百万円減少し、2,700百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引等調整前当期純利益が前年同期に比べ426百万円増加し1,202百万円となり、減価償却費375百万円、たな卸資産の増加236百万円及び法人税等の支払い339百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは1,177百万円(前年同期880百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有価証券の取得による支出2,513百万円、有価証券の売却及び償還による収入900百万円及び有形固定資産の取得による支出278百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,232百万円(前年同期160百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
株式の発行による収入1,055百万円及び配当金の支払い248百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは943百万円(前年同期△370百万円)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 金属表面処理剤及び機器等 | 4,420,590 | 119.7 |
| 電子材料 | 569,863 | 115.0 |
| 自動車用化学製品等 | 1,989,517 | 109.8 |
| 工業薬品 | 236,758 | 109.2 |
| 合計 | 7,216,729 | 116.1 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
| セグメントの名称 | 商品仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 金属表面処理剤及び機器等 | 2,587,397 | 94.2 |
| 電子材料 | 14,357 | 2.7 |
| 自動車用化学製品等 | 327,342 | 103.3 |
| 工業薬品 | 3,847,313 | 105.2 |
| 合計 | 6,776,411 | 93.5 |
(注) 1 金額は実際仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループは主として見込生産によっておりますので、受注実績について特に記載する事項はありません。
d. 販売実績
| セグメントの名称 | 販売高 | 前年同期比(%) | |
| 金額(千円) | 構成比(%) | ||
| 金属表面処理剤及び機器等 | |||
| 製品 | 4,354,607 | 29.1 | 115.4 |
| 商品 | 3,242,214 | 21.7 | 99.0 |
| 計 | 7,596,821 | 50.8 | 107.8 |
| 電子材料 | |||
| 製品 | 541,814 | 3.6 | 115.0 |
| 商品 | 17,459 | 0.1 | 2.9 |
| 計 | 559,273 | 3.7 | 52.0 |
| 自動車用化学製品等 | |||
| 製品 | 1,979,812 | 13.2 | 108.0 |
| 商品 | 478,639 | 3.2 | 101.2 |
| 計 | 2,458,451 | 16.4 | 106.6 |
| 工業薬品 | |||
| 製品 | 242,022 | 1.6 | 115.0 |
| 商品 | 4,106,925 | 27.5 | 104.5 |
| 計 | 4,348,948 | 29.1 | 105.0 |
| 総計 | 14,963,495 | 100.0 | 102.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 輸出販売高(千円) | 輸出割合(%) | 輸出販売高(千円) | 輸出割合(%) |
| 5,471,696 | 37.6 | 6,087,434 | 40.7 |
3 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりであります。
| 輸出先 | 前連結会計年度(%) | 当連結会計年度(%) |
| 台湾 | 43.3 | 42.5 |
| 韓国 | 25.6 | 21.8 |
| 中国 | 11.4 | 16.6 |
| アセアン | 17.4 | 16.1 |
| その他 | 2.3 | 3.0 |
| 計 | 100.0 | 100.0 |
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| AMPOC Far-East Co., Ltd. | 2,301,188 | 15.8 | 2,433,371 | 16.2 |
| JFEスチール株式会社 | 1,767,027 | 12.1 | 1,622,678 | 10.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、平成29年9月に新株式発行及び自己株式の処分並びに株式売出しによるエクイティ・ファイナンス1,230百万円を実施したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益898百万円並びに剰余金の配当248百万円により当連結会計年度期首の純資産残高より1,884百万円増加し、当連結会計年度末の純資産残高は17,778百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は83.2%となり健全な経営基盤を維持するため内部留保の充実をはかっております。
当社グループの経営成績について、当連結会計年度における国内経済は、底堅い内外需を背景に雇用情勢や所得環境、企業収益に改善がみられるなど緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような状況下、当社グループといたしましては、研究開発をさらに進めるとともに海外市場の開拓に積極的に取り組み、高付加価値製品の市場展開に努め、これらの結果、増収増益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、短期的には付加価値の高い製品を市場投入し市場を拡大していくことであり、長期的には研究開発を促進し事業化を加速していくことであります。新規高付加価値製品の市場展開に積極的に取り組むとともに研究開発をさらに進めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資産構成に合わせた最適な資金調達を行うことを基本方針としております。
運転資金のうち主なものは、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの資金需要に対しては自己資金により対応しております。
投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであり、これらの資金需要に対しては自己資金及び金融機関からの借入により対応しておりますが、次期以降に予定される滋賀工場第一製造所の建替並びに銅ピラー技術やファンアウト技術に対応しためっき液の増産設備のための資金に充当するため、平成29年9月に新株式発行及び自己株式の処分並びに株式売出しによる調達1,230百万円を実施致しました。
この他、機動的な資金調達を目的として融資枠3,000百万円のコミットメントラインを設定しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは、①売上総利益率30%以上、②経常利益率10%以上、③ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益)の向上を目標としております。
当連結会計年度におきましては、売上総利益率が30%以上となり、ROE・EPSは前期と比較して増加致しました。
全ての指標について目標を達成するため、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(参考)売上総利益率、経常利益率、ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益)の状況
| (連結) | 売上総利益率 | 経常利益率 | ROE (自己資本利益率) | EPS (1株当たり当期純利益) |
| 平成29年3月期 | 28.6% | 5.6% | 3.6% | 76.97円 |
| 平成30年3月期 | 31.7% | 8.1% | 5.3% | 114.82円 |
③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
<金属表面処理剤及び機器等>当セグメントが対応する電子部品業界は、国内市場においては前期末より底打ち感が認められ、車載、スマートフォン関連及び次世代情報通信システムに関わる電子部品メーカーの生産動向が堅調に推移いたしました。また、海外市場においては、ファンアウト技術や銅ピラー化が浸透してきておりますが、第4四半期以降スマートフォン関連市場においてハイエンドスマートフォンの減産の影響を受け、一時的な在庫調整の状況にあります。
このような状況のもと、当社グループといたしましては、一般電子部品用めっき液及び液晶ドライバー用無電解錫めっき液が好調に推移したことに加え、ファンアウト技術や銅ピラー化に対応したウエハー用銅めっき液も好調に推移いたしました。一方、ウエハーバンプめっき液は、海外主要ユーザーの減産、価格協力などにより前期を下回る結果となりました。
また、機器等の管理装置は、プリント基板、タッチパネル向け及び海外市場において大口需要があり好調に推移いたしました。また、試薬についても大口需要があったため、前期を上回る結果となりました。
<電 子 材 料>機能材料加工品は、上半期は有機EL製造装置向け加工部品が好調に推移いたしましたが、下期以降はハイエンドスマートフォンの販売不振の影響により有機EL製造装置向け加工部品の需要は低迷したものの、セラミックス加工品の需要が期末にかけ伸張いたしました。ただし、当連結会計年度よりセラミックコンデンサ用のニッケル超微粉の販売が、需要先の購買政策の変更により無くなったため、当セグメント全体としては前期を大きく下回る結果となりました。
<自動車用化学製品等>自動車用エアコンフィルターの定期交換作業に合わせ、エアコン洗浄を同時に施工するビジネスを継続して提案し、取り組む新規カーディーラーをさらに増加させることができ、エアコン洗浄剤は引き続き好調に推移いたしました。
<工 業 薬 品>当セグメントが対応する鉄鋼業界は、自動車関連の需要により生産が回復に向かい前年水準を上回っております。
このような状況のもと、鉄鋼市場向け基礎薬剤である苛性ソーダは、納入数量の増加や販売単価アップがあり、好調に推移いたしました。