有価証券報告書-第82期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの経営成績について、当連結会計年度の業績は、売上高16,785百万円(前年比6.5%増)、営業利益1,447百万円(前年比1.3%減)、経常利益1,529百万円(前年比2.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,049百万円(前年比7.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<金属表面処理剤及び機器等>当セグメントの売上高は、8,490百万円(前年比8.6%増)、営業利益は、1,051百万円(前年比11.6%減)となりました。
<電 子 材 料>当セグメントの売上高は、573百万円(前年比7.6%増)、営業損失は、148百万円(前年同期は251百万円の営業損失)となりました。
<自動車用化学製品等>当セグメントの売上高は、2,686百万円(前年比4.4%増)、営業利益は、607百万円(前年比1.8%減)となりました。
<工 業 薬 品>当セグメントの売上高は、5,035百万円(前年比4.2%増)、営業利益は、185百万円(前年比3.2%減)となりました。
当連結会計年度末における流動資産残高は、前連結会計年度末に比べ1,379百万円増加し11,234百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加1,218百万円であります。固定資産残高は、前連結会計年度末に比べ1,177百万円減少し11,710百万円となりました。主な増減は、投資有価証券の減少2,370百万円、長期預金の減少437百万円、有形固定資産の増加1,612百万円、無形固定資産の増加60百万円等によるものであります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ225百万円減少し4,035百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ427百万円増加し18,909百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より111百万円増加し、3,551百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が前年同期に比べ69百万円減少し1,499百万円となり、減価償却費454百万円、売上債権の増加204百万円及び法人税等の支払い478百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは748百万円(前年同期1,300百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有価証券の売却及び償還による収入3,044百万円、有形固定資産の取得による支出1,604百万円及び子会社株式の取得による支出1,769百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは△45百万円(前年同期△272百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
自己株式の取得による支出231百万円及び配当金の支払い326百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは△592百万円(前年同期△282百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 金属表面処理剤及び機器等 | 5,426,989 | 106.0 |
| 電子材料 | 523,313 | 107.0 |
| 自動車用化学製品等 | 2,183,610 | 101.6 |
| 工業薬品 | 152,954 | 61.6 |
| 合計 | 8,286,868 | 103.5 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
| セグメントの名称 | 商品仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 金属表面処理剤及び機器等 | 2,372,109 | 97.7 |
| 電子材料 | 33,831 | 191.6 |
| 自動車用化学製品等 | 320,119 | 97.2 |
| 工業薬品 | 4,583,078 | 106.5 |
| 合計 | 7,309,138 | 103.3 |
(注) 1 金額は実際仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループは主として見込生産によっておりますので、受注実績について特に記載する事項はありません。
d. 販売実績
| セグメントの名称 | 販売高 | 前年同期比(%) | |
| 金額(千円) | 構成比(%) | ||
| 金属表面処理剤及び機器等 | |||
| 製品 | 5,441,085 | 32.4 | 115.1 |
| 商品 | 3,049,136 | 18.2 | 98.7 |
| 計 | 8,490,222 | 50.6 | 108.6 |
| 電子材料 | |||
| 製品 | 535,093 | 3.2 | 104.0 |
| 商品 | 38,006 | 0.2 | 211.6 |
| 計 | 573,099 | 3.4 | 107.6 |
| 自動車用化学製品等 | |||
| 製品 | 2,190,713 | 13.0 | 103.7 |
| 商品 | 495,921 | 3.0 | 107.6 |
| 計 | 2,686,634 | 16.0 | 104.4 |
| 工業薬品 | |||
| 製品 | 157,855 | 0.9 | 65.4 |
| 商品 | 4,877,903 | 29.1 | 106.3 |
| 計 | 5,035,758 | 30.0 | 104.2 |
| 総計 | 16,785,714 | 100.0 | 106.5 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 輸出販売高(千円) | 輸出割合(%) | 輸出販売高(千円) | 輸出割合(%) |
| 6,193,430 | 39.3 | 6,375,349 | 38.0 |
3 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりであります。
| 輸出先 | 前連結会計年度(%) | 当連結会計年度(%) |
| 台湾 | 44.7 | 43.1 |
| 韓国 | 22.6 | 22.4 |
| 中国 | 15.5 | 15.4 |
| アセアン | 13.8 | 15.0 |
| その他 | 3.4 | 4.1 |
| 計 | 100.0 | 100.0 |
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| AMPOC Far-East Co., Ltd. | 2,555,527 | 16.2 | 2,577,780 | 15.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、親会社株主に帰属する当期純利益1,049百万円並びに剰余金の配当326百万円等により当連結会計年度期首の純資産残高より427百万円増加し、当連結会計年度末の純資産残高は18,909百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は82.4%となり、健全な経営基盤を維持するため内部留保の充実をはかっております。
当社グループの経営成績について、当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復傾向が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、先行き不透明な状況となっております。
このような状況の下、当社グループは、研究開発をさらに進めるとともに海外市場の開拓に積極的に取り組み、高付加価値製品の市場展開に努めてまいりましたが、前年度後半からの電子部品業界における市況減速の影響が引き続きました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、短期的には付加価値の高い製品を市場投入し市場を拡大していくことであり、長期的には研究開発を促進し事業化を加速していくことであります。新規高付加価値製品の市場展開に積極的に取り組むとともに研究開発をさらに進めております。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響が2020年9月まで継続すると仮定し、この影響が国内及び海外における全てのセグメントの売上高減少要因になると見込んでおります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは、①売上総利益率35%以上、②経常利益率10%以上、③ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益)の向上を目標としております。
当連結会計年度におきましては、ROE・EPSは前期と比較して減少致しました。
全ての指標について目標を達成するため、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(参考)売上総利益率、経常利益率、ROE(自己資本利益率)・EPS(1株当たり当期純利益)の状況
| (連結) | 売上総利益率 | 経常利益率 | ROE (自己資本利益率) | EPS (1株当たり 当期純利益) |
| 2019年3月期 | 32.1% | 9.9% | 6.3% | 139.26円 |
| 2020年3月期 | 32.0% | 9.1% | 5.6% | 129.36円 |
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
<金属表面処理剤及び機器等>当セグメントが対応する電子部品業界は、車載、スマートフォン関連の減産及び移動通信システム(5G)普及の遅れなどにより、前年度第4四半期から引き続き生産減となりました。
4K、8K及び有機EL化に対応した大型テレビ向けめっき液について、第3四半期以降は在庫調整がありましたが、上期は比較的堅調に推移したこと及び下期より新たに装飾めっきが加わり、前期を上回る結果となりました。
また、機器等の管理装置につきましては、主要ユーザーの稼働率低下の影響により、前期を下回る結果となりました。
<電 子 材 料>機能材料加工品は、半導体市況の低迷によりエンプラ製品の売上は低調なものの、セラミック製品は特定ユーザー向けの加工品が好調に推移しました。
<自動車用化学製品等>自動車用エアコンフィルターの定期交換作業にあわせてエアコン洗浄を同時に施工するビジネスを継続して提案することにより、新規採用及び新規取組カーディーラーが増加し、エアコン洗浄剤は引き続き好調に推移しました。
<工 業 薬 品>海外市況の低迷や自然災害など鉄鋼業界にとって厳しい環境が続く中、官庁向け入札案件の拡大や新規商材の拡販、既存商品の拡大により、好調に推移しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについて、営業活動によるキャッシュ・フローは748百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは45百万円の支出となり、フリーキャッシュ・フローは703百万円のプラスとなりました。なお、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて、キザイ株式会社の全株式の取得による1,769百万円の支出が発生しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資産構成に合わせた最適な資金調達を行うことを基本方針としております。
運転資金のうち主なものは、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの資金需要に対しては自己資金により対応しております。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであり、これらの資金需要に対しては自己資金により対応しております。
資金の配分方針については、適正な手許現金及び現金同等物の水準を定め、企業価値向上に資する資金の配分に努めております。貸借対照表から算出した運転資金(※売上債権+棚卸資産-仕入債務)を安定的な経営に必要な適正な手許現金及び現金同等物の水準とし、それを超える部分については、成長投資、株主還元等への原資といたします。
成長投資について、2019年度は主として金属表面処理剤及び機器等セグメント等における設備投資として1,467百万円、主として金属表面処理剤及び機器等セグメント等における研究開発投資として1,041百万円となりました。2020年度は設備投資として336百万円、研究開発投資として1,042百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主還元については安定的で継続的な配当を行うことを基本としつつ、自己株式取得も機動的に組み合わせて行います。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、取締役会で承認された事業計画等に基づき算定され、売上高に影響する電子部品の市場成長率の見込などの仮定を用いております。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響が2020年9月まで継続すると仮定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。