有価証券報告書-第95期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 14:37
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善等により景気は緩やかな回復基調が続いているものの、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気減速、米国新政権の政策動向及び英国のEU離脱問題等による海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動等、景気は先行き不透明なまま推移いたしました。
このような状況下、当社グループは新たな中期経営計画を昨年4月にスタートし、収益力の高い「機能化学品の川崎化成」の確立を目指し、生・販・研が一体となって汎用化学品事業の基盤強化と機能化学品事業の拡大に向けた事業活動に取り組むと共に、新中期経営計画の実現を支えるエア・ウォーターグループとのシナジー効果の発現についても、グループ各社との連携により着実に成果を積み重ねております。
当連結会計年度における経営成績は、売上高の大部分を占める化学品事業において、原油価格及び為替の影響による石油系製品の製品価格の下落並びに前年度に特需があった農薬原体アセキノシルの販売平準化及び可塑剤等の数量減により、売上高は13,884百万円(前年度比1,732百万円減収・11.1%減)となりました。
損益面では、汎用化学品である無水フタル酸が市況悪化並びに設備トラブル等による減産とこれに伴う減販の影響により大きく減益となりました。一方、機能化学品については、農薬原体アセキノシルは減販となったものの、マキシモール®、ナフトキノン及びキノン誘導品が販売数量を伸ばし増益となりました。加えて原油価格の下落及び円高に伴うエネルギーコスト等の低減並びに生産効率の向上等によるコストダウンに努めた結果、営業利益は45百万円(前年度比14百万円増益・47.3%増)、経常利益は148百万円(前年度比18百万円増益・14.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金負債の計上により税金費用が増加し、97百万円(前年度比23百万円減益・19.6%減)となりました。
(セグメント別の概況)
○ 化学品事業
・有機酸製品
無水フタル酸は販売数量の減少及び原料価格の下落に応じた価格対応により減収となりました。
その他の有機酸につきましては、コハク酸及びフマル酸は販売数量の減少及び原料価格の下落に応じた価格対応により減収となりましたが、ソーダ製品の生産効率改善等により増益となりました。
・有機酸系誘導品
可塑剤は数量の減少及び原料価格の下落に応じた価格対応により減収となりました。マキシモール®は販売数量の増加により増収となりました。
・キノン系製品
ナフトキノンは販売数量の増加により増収となりました。農薬原体アセキノシルは、販売数量の平準化により大幅な減収となりました。パルプ蒸解助剤SAQ®は海外向けの拡販により若干の増収となりました。アントラキノンは販売数量の減少に加え円高の影響もあり大幅な減収となりました。脱硫触媒NQS®は販売数量の増加により増収となりました。
以上の結果、化学品事業全体としての売上高は13,774百万円(前年度比1,738百万円減収・11.2%減)、営業利益は27百万円(前年度比6百万円増益・32.2%増)となりました。
○ その他の事業
その他の事業につきましては、地域支援サービス事業の拡大により売上高は109百万円(前年度比5百万円増収・5.7%増)、営業利益は16百万円(前年度比8百万円増益・119.0%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,235百万円減少し、2,082百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は189百万円(前連結会計年度は1,061百万円の収入)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益128百万円、減価償却費678百万円であり、支出の主な内訳は、退職給付に係る負債の減少648百万円、退職給付に係る資産の増加115百万円、売上債権の増加348百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は889百万円(前連結会計年度比25.7%増)となりました。
主な支出は有形固定資産の取得による支出853百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は156百万円(前連結会計年度比39.6%減)となりました。
主な支出は配当金の支払額115百万円であります。