有価証券報告書-第157期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/21 14:10
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171項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 全体概要
帝人グループでは、株主価値の持続的向上を基本的使命であると踏まえた上、多様なステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たしていくために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの基本を「透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、「アドバイザリー・ボード」、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」、「独立社外監査役を含む監査役体制」等を通じ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。また、コーポレート・ガバナンスに関する指針を帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として制定し、公表しています。
なお、以下のコーポレート・ガバナンスの状況については、別段の表示が無い限り、本有価証券報告書提出日現在のものを記載しています。
② コーポレート・ガバナンス体制の概要
1)コーポレート・ガバナンス体制の概要
帝人グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりです。
(2023年6月21日現在)
0104010_001.pnga. 取締役会
取締役会は、原則月1回開催され、法令・定款に定められた事項のほか、帝人グループ全体の経営方針、全体計画などの重要事項について審議し決定または承認するとともに、取締役の職務執行を監督しています。取締役会規則において取締役会付議事項を定めるほか、意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、帝人グループの業務執行に関する重要事項(各事業及び機能運営に係わる個別中・短期計画、個別重要事項)について、各執行役員に対して適切な権限の委譲を行っています。
意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、取締役の定数を定款で10名以内と定め、大幅な権限委譲のもとで執行役員制度を導入しています。2022年度は当社の取締役会は社内取締役6名、当社の定める独立取締役の要件を満たす社外取締役4名の計10名で構成していましたが、現在、当社の取締役会は8名で構成し、社内取締役4名、独立社外取締役を4名とすることで、独立性を高めています。なお、8名の取締役のうち1名は女性です。また、取締役の任期は定款で1年と定めています。
上記の役割を果たすため、取締役候補者については、当社のトップマネジメントを担当するにふさわしい人格・見識ともに優れた人物を、本人の能力、過去の業績等を勘案した上、取締役会で決定し株主総会に推薦しています。
監視・監督と業務執行の分離の一環として、取締役会の議長は社外取締役から選定することとしています。
本報告書提出時点の取締役会の構成は以下のとおりです。
大西 賢(議長、社外取締役)、内川 哲茂(CEO)、小川 英次、森山 直彦、山西 昇、鈴木 庸一(社外取締役)、津谷 正明(社外取締役)、南 多美枝(社外取締役)
なお、2022年度における取締役会の開催状況は下記のとおりです。
[開催回数]13回
[出席状況]取締役全員が13回中13回出席(出席率100%)
[主な議題・審議事項]
経営・事業戦略・長期ビジョンの見直しと将来に向けた事業ポートフォリオ
・帝人グループ 収益性改善に向けた改革
・グループ組織の再編(事業本部の再編等)
・人的資本/知財/DXに関する取り組み
・親子上場の合理性
・事業戦略上の重要投資案件
・重要投資案件等の進捗モニタリング
・次年度短期経営計画 他
コーポレート・ガバナンス・取締役会の実効性評価
・内部統制システム運用評価結果報告及び内部統制システムの基本方針
・当社機関設計見直しの方向性
・コーポレート・ガバナンスに関する報告書の提出
・政策保有株式の状況
・TRM(トータル・リスクマネジメント)コミティー基本計画
・監査役監査計画 他
決算/IR/株主総会・決算及び業績見通し
・剰余金の配当
・ステークホルダーコミュニケーション取り組み状況
・定時株主総会総括 他
役員人事/報酬・帝人グループ執行役員の就退任及び委嘱業務
・取締役及び帝人グループ執行役員の人事・報酬制度及び報酬額 他

b. 監査役会
当社の監査役会は5名で構成し、当社の定める独立監査役の要件を満たす社外監査役を過半数の3名とし、うち1名は女性です。
監査役は法律や財務・会計などの専門性を有し、専門的知見に基づき取締役の職務の執行を監査しています。
また、グループ全体の監視・監査の実効性を高めるため、グループ会社の監査役等で構成するグループ監査役会を定期的に開催しています。
本報告書提出時点の監査役会の構成は以下のとおりです。
嶋井 正典、中石 昭夫、中山 ひとみ(社外監査役)、有馬 純(社外監査役)、辻 幸一(社外監査役)
c. グループ経営戦略会議及びグループマネジメント会議
取締役会から権限委譲された当社及び帝人グループの業務執行に関する重要事項については、社長執行役員(CEO(最高経営責任者)、以下「CEO」)が、原則として毎月2回以上開催される「グループ経営戦略会議」及び月1回開催される「グループマネジメント会議」での審議を経て意思決定します。
「グループ経営戦略会議」は、CEO、経営役員、その他CEOが指名した者がメンバーとなり、CEOがこれを招集しその議長となります。また、「グループマネジメント会議」は、CEO、経営役員、事業本部長、その他CEOが指名した者がメンバーとなり、 CEOがこれを招集しその議長となります。なお、メンバー以外に常勤監査役が両会議に出席します。
d.アドバイザリー・ボード(経営諮問委員会)
広く長期的視点から経営全般へのアドバイスを行うことを目的に、国内外の有識者で構成する「アドバイザリー・ボード」を設置し、取締役会の諮問機関と位置付け運営しています。アドバイザリー・ボードには、5~7名の社外アドバイザー(現在、社外取締役4名、外国人有識者2名で構成)と取締役会長(取締役会長が不在の場合は空席)、CEOがメンバーとして参加し、アドバイザリー・ボードの議長は取締役会議長である社外取締役が務めます。
本報告書提出時点のアドバイザリー・ボードの構成は以下のとおりです。
大西 賢(議長、社外取締役)、鈴木 庸一(社外取締役)、津谷 正明(社外取締役)、南 多美枝(社外取締役)、Thomas M. Connelly, Jr.(外国人有識者)、Gerardus Johannes Wijers(外国人有識者)、内川 哲茂(CEO)
e. 指名諮問委員会及び報酬諮問委員会
役員人事に関して一層の透明性の向上を図るため、取締役会の諮問機関として、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置しています。それぞれの諮問委員会では、下記の事項を審議し、取締役会への提言を行っています。
<指名諮問委員会>(a) CEOの交代及び後任者の推薦
(b) 代表取締役候補者の選任・退任
(c) 取締役候補者(会長を含む)の選任・退任
(d) 監査役候補者の選任・退任
(e) 社内取締役及び経営陣幹部の昇格・降格、選任・退任に関する事項
(f) 社外取締役及び社外監査役の独立性基準に関する事項
(g) CEOの後任候補者の選定並びにCEOによる後任候補者の育成計画、進捗状況のレビュー
<報酬諮問委員会>(a) 帝人グループ役員の報酬制度に関する事項
(b) 帝人グループ役員の報酬水準に関する事項
(c) 社内取締役(CEOを含む)及び経営陣幹部の業績評価と報酬額に関する事項
原則として、現CEOに関する事案については、CEOは退席し、審議には参加しません。また、会長に関する事案については、会長は退席し、審議には参加しません。諮問委員会には社外取締役4名、取締役会長(不在の場合は空席)、CEOがメンバーとして参加し、諮問委員会の委員長である社外取締役が諮問委員会の議長となります。
なお、2022年度における各諮問委員会の開催状況は下記のとおりです。
[開催回数]
指名諮問委員会 5回
報酬諮問委員会 9回
[出席状況]
指名諮問委員会 委員全員が5回中5回出席(出席率100%)
報酬諮問委員会 委員全員が9回中9回出席(出席率100%)
[主な議題・審議事項]
指名諮問委員会・役員制度改定(執行役員の範囲再定義及びポジションに応じた区分設定)
・CEOサクセッションプラン
・2023年度役員人事
・社外役員の独立性
報酬諮問委員会・役員制度改定(役割・責任に基づいた処遇及び人事・評価プロセスの適正化)
・CEOを含む主要役員の2021年度業績評価及び報酬額
・役員報酬水準の妥当性

本報告書提出時点の指名諮問委員会の構成は以下のとおりです。
津谷 正明(議長、社外取締役)、鈴木 庸一(社外取締役)、大西 賢(社外取締役)、南 多美枝(社外取締役)、内川 哲茂(CEO)
本報告書提出時点の報酬諮問委員会の構成は以下のとおりです。
鈴木 庸一(議長、社外取締役)、大西 賢(社外取締役)、津谷 正明(社外取締役)、南 多美枝(社外取締役)、内川 哲茂(CEO)

2)現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
帝人グループでは、コーポレート・ガバナンスの仕組みは、その時点で会社の目的達成に最適と思われる仕組みを採用することとしています。従って、社会環境・法的環境の変化に伴い適宜見直すこととしています。
現時点の会社法のもとで、取締役会に要求されている重要な経営判断・意思決定と、経営の監視・監督機能の両機能を適切に機能させるためには、社内取締役執行役員が主導する業務執行体制と、社外取締役が力点を置く経営の監視・監督機能及び監査役・監査役会による監視・監査機能を核としたガバナンス体制を両輪として回していくことが適切であると判断しており、当社は、当面「監査役会設置会社」を継続することとしています。監査役会設置会社における監査役は独任制であり、単独で権限を行使できることに加え、当社では、監査役会及び監査役に対して、「取締役会に対するモニタリング権限の最大限の活用」及び「取締役会における積極的かつ建設的な意見」を求めることで、監査役会が取締役会に対するより実効的な監査機能を保有し続ける体制としています。これらにより、「指名委員会等設置会社」が目指す経営に対する監視・監督機能の強化と同様のコーポレート・ガバナンスを、当社においては、「アドバイザリー・ボード」、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」、「独立社外監査役を含む監査役体制」等を通じて実質的に果たしています。
3)内部統制システムの整備の状況
内部統制とは、①事業経営の有効性・効率性を高め、②企業の財務報告の信頼性を確保し、③事業経営に関わる法令等の遵守を促し、④資産の取得、使用、処分が正しく行われるよう資産を保全する、ことが目的であり企業活動に欠かせない仕組みであると認識しています。
a. 内部統制システムについての基本的な考え方と整備状況
当社は、2023年3月31日開催の取締役会で「内部統制システム構築の基本方針」に関する決議を行いました。決議の内容については、インターネット上の当社ウェブサイト
(https://www.teijin.co.jp/ir/management/governance/resolution/)に掲載のとおりですが、その概要は、以下のとおりです。
(なお、2023年3月31日開催の取締役会決議は、同日時点での組織名称等に基づいて決議をしていますが、以下は2023年4月1日からの組織改正にあわせて組織名称等を読み替えています。)
(a)当社及び子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」においてコンプライアンス(法令等遵守)の基本原則を設けています。
この基本原則を実践するため、当社は、帝人グループの企業理念、行動規範及びグループ企業倫理規程等の実践的運用と徹底を行う体制を構築します。
当社の代表取締役等は、法令、定款及び社会規範・倫理の遵守を率先垂範するとともに、当社及び子会社の役員及び使用人に対してコンプライアンスを教育・啓発します。また、当社は、帝人グループの横断的なコンプライアンス体制の整備等のため、サステナビリティ管掌をコンプライアンスの責任者に任命します。
当社及び子会社の役員・使用人は、帝人グループ各社における法令違反その他のコンプライアンスに関する重要な事実を発見した場合、グループ企業倫理規程等に従って所属会社または当社に報告するものとします。サステナビリティ管掌は、報告された事実についての調査を指揮・監督し、CEOと協議のうえ、必要と認める場合、適切な対策を決定します。
当社及び子会社の違反行為や疑義のある行為等を役員、使用人及び取引先が直接通報できる手段を確保するものとし、各種通報・相談窓口を設置し運営します。この場合、通報者の匿名性の保障と通報者に不利益がないことを確保します。重要な通報については、その内容と会社の対処状況・結果を適切に当社及び子会社の役員及び使用人に開示し、周知徹底します。
当社及び子会社の取締役は、監査役から職務の執行について監査を受け、監査役から助言・勧告があったときは、これを尊重します。
CEO直轄の経営監査部を置き、帝人グループの業務執行状況の内部監査及び内部統制の整備状況の評価及び改善提案をさせます。
帝人グループは、特定株主からの利益供与要求や暴力団の民事介入暴力等に見られる反社会的勢力に対し、毅然とした態度で対応し、その介入を一切許しません。サステナビリティ管掌を反社会的勢力対応の責任者に任命します。サステナビリティ管掌は、人事・総務管掌と協同で対応方針等を制定して当社及び子会社の役員及び使用人に周知徹底します。
取締役会の意思決定の妥当性を高めるため、当社の取締役のうち原則4名以上は、当社が定める独立性要件を満たす独立社外取締役とします。
(b)当社及び子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社の取締役会は、企業活動の持続的発展の実現を脅かすあらゆるリスクに対処するため、TRM(トータル・リスクマネジメント)体制を実践的に運用します。
TRMコミティー(下記 4)リスク管理体制の整備の状況を参照)は、主として帝人グループの業務運営リスクと経営戦略リスクを対象とし、TRM基本方針、TRM年次計画等を当社の取締役会に提案します。サステナビリティ管掌は、帝人グループの業務運営リスクについて、横断的なリスクマネジメント体制の整備、問題点の把握及び危機発生時の対応を行います。CEOは、帝人グループの経営戦略リスクを評価し、当社の取締役会等における経営判断に際して重要な判断材料として提供します。
また、サステナビリティ管掌は、災害、役員及び使用人の不適正な業務執行、基幹ITシステムの故障等により生じるリスクにおける事業の継続を確保するための帝人グループの体制を整備します。
(c)当社及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、帝人グループとしての業務の効率性を確保するために必要なグループとしての規範、規則をグループ規程類として整備します。
当社の取締役会は、代表取締役等に業務を執行させ、代表取締役等に委任された事項については、社内規程に定める機関または手続により決定を行います。法令の改廃、職務執行の効率化の必要がある場合は、社内規程を随時見直します。
当社の取締役会は、帝人グループの基幹組織を構築し、効率的な運営と監視・監督の体制を整備します。
当社は、グループ中期経営計画を策定し、この具体化のため、毎事業年度に短期経営計画、グループ全体の重点経営目標及び予算を策定し、進捗確認を行います。
(d)帝人グループにおける業務の適正を確保するための体制
当社は、帝人グループとしての業務の適正を確保するために必要なグループとしての規範、規則をグループ規程類として整備します。帝人グループ会社は、グループ規程に基づき、各社の規程を整備し、重要事項の決定に際しては適切なプロセスを経ます。
当社は、帝人グループ会社の重要事項について、当社グループ会議等で審議を行うとともに帝人グループ会社に対し報告を義務付けています。
代表取締役等は、帝人グループ各社が適切な内部統制システムの整備を行うよう指導します。
当社の経営監査部は、帝人グループにおける内部監査を実施または統括し、帝人グループの業務全般にわたる内部統制の有効性と妥当性を確保します。
当社の監査役は、帝人グループ全体の監視・監査を実効的かつ適正に行えるよう、会計監査人及び経営監査部との緊密な連携等的確な体制を構築します。
当社は、財務報告の信頼性確保のため、帝人グループにおける財務報告に係る全社的な内部統制及び個別業務プロセスの統制システムを整備し、また、適正かつ有効な運用及び評価を行います。
(e)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役は、株主総会議事録、取締役会議事録等、その職務執行に係る文書その他の重要な情報を、社内規程に基づき適切に保存し管理します。CEOは、これら文書及び情報の保存及び管理を監視・監督する責任者となります。取締役の職務執行に係る文書は、少なくとも10年間保管するものとし、必要に応じて閲覧可能な状態を維持します。
(f)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項、及び当該使用人に対する指示の実効性に関する事項
監査役の職務を補助すべき組織として、常勤監査役直轄のグループ監査役室を置きます。グループ監査役室員は、原則2名以上とします。なお、グループ監査役室員は、帝人グループ会社の監査役を兼務することはできますが、帝人グループ会社の業務の執行に係る役職を兼務しないものとします。
グループ監査役室員の独立性を確保するため、室員の人事権に係る事項の決定には常勤監査役の事前の同意を要するものとし、室員の人事考課は、常勤監査役が行います。
(g)当社及び子会社の取締役等及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
当社の常勤監査役は、取締役会のほか当社の重要な会議体及び主要な子会社の重要な会議体に出席します。
代表取締役等は、取締役会等の重要な会議において随時その担当する事業、機能及び子会社に関する業務の執行状況を報告します。
当社及び子会社の役員・使用人は、会社の信用の大幅な低下、会社の業績への重大な悪影響、社内外へのESH(環境、安全、衛生)または製造物責任に関わる重大な被害、社内規程の重大な違反、その他これらに準ずるものについて、発見次第速やかに当社の監査役に対し報告します。
当社及び子会社の役員及び使用人は、自ら必要と判断した場合、または当社の監査役の求めがあった場合、担当する事業、機能及び子会社に関する報告を行うとともに、当社の監査役の調査に協力します。
(h)監査役へ報告したものが当該報告をしたことを理由として不利な扱いを受けないことを確保する体制
帝人グループは、グループ企業倫理規程において違法行為等を報告・通報したことを理由に不利益な取り扱いを行わないことを定めています。
(i)監査役の職務の執行について生ずる費用または債務の処理、費用の前払または償還の手続きに係る方針
監査役の職務の執行に必要な費用または債務は当社が負担し、法令に基づく費用の前払い等の請求があった場合、確認後速やかに応じます。
(j)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役の過半数は、当社が定める独立性要件を満たす独立社外監査役とし、対外透明性を担保します。
監査役は、当社及び子会社の監査役が独自の意見形成をするため、外部法律事務所と顧問契約を締結し、また、監査にあたり必要と認めるときは、自らの判断で、公認会計士、コンサルタントその他の外部アドバイザーを活用します。
b. 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方と社内体制の整備状況
(a)反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は事業活動を行うにあたり、その国や地域の法令と社会的規範及び国際的な規範を遵守し、反社会的勢力とは関係を持たないことを基本的な考え方としています。この考え方は帝人グループ「行動規範」に明記され、帝人グループ全社員に共有されています。
(b)反社会的勢力排除に向けた社内体制の整備状況
(具体的な対応基準)
帝人グループ「行動規範」で、反社会的勢力と関わりを持たないことを謳い、不当な暴力・要求に対して毅然とした態度で臨むことを規定しています。具体的な対応策は「民事介入暴力対策マニュアル」として定め、帝人グループ社員に周知しています。
(対応部署)
サステナビリティ推進部及び総務部を全社的な対応統括部署として、またサステナビリティ管掌をこの責任者として定めています。
(情報収集・管理)
特殊暴力防止対策連合会、企業防衛対策協議会等の外部専門組織に加盟する等外部の専門機関との連携を図るとともに、講習への参加等を通じ適宜情報収集・管理に努めています。
(不当要求への対応)
反社会的勢力から不当要求がされた場合は、当該部署の責任者は、直ちに対応統括部署に連絡することを定めています。対応統括部署は組織的な対応を図ることとし、当該部署と共同して警察を含む社内外の関係先と連携をとって、あらゆる民事上・刑事上の法的対抗手段を講じます。
(グループ社員への周知徹底)
反社会的勢力に向けた基本的な考え方を帝人グループの全社員で共有化するため、「企業理念」や「行動規範」等をまとめた「企業倫理ハンドブック」を全社員に配布するとともに、毎年企業倫理月間に合わせて全社員が「企業倫理ハンドブック」の内容の学習を行っています。
4)リスク管理体制の整備の状況
企業の持続的成長を脅かすあらゆるリスクに対処するため、「経営戦略リスク」と「業務運営リスク」を対象とするTRM(トータル・リスクマネジメント)体制を構築し、リスクの統合管理を行っています。CEOを委員長とする「TRMコミティー」を取締役会の下に設置しており、取締役会は、TRMコミティーから提案されるTRM基本方針、TRM年次計画等の審議・決定を行うとともに、重要なリスクを管理し、事業継続のための体制を整備します。また、監査役は、取締役会がTRMに関する適切な方針決定、監視・監督を行っているか否かについて監査します。
「経営戦略リスク」の評価についてはCEOが直接担当し、取締役会等における重要な経営判断材料として提供します。
「業務運営リスク」についてはサステナビリティ管掌が担当し、横断的なリスクマネジメント体制の整備、問題点の把握及び危機発生時の対応を行います。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細については、帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として、インターネット上の当社ウェブサイト
(https://www.teijin.co.jp/ir/management/governance/guide/)に掲載しています。
5)コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項
a. 取締役会の実効性評価
当社は、取締役会の更なる実効性確保及び機能向上を目的に、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価(以下、「取締役会の実効性評価」という)を年に1回実施することとしています。2022年度の当社取締役会の実効性評価の方法及び結果の概要は以下のとおりです。
(a)分析及び評価の方法
ⅰ)全取締役及び全監査役(社外役員を含む15名)を対象に、外部専門家の助言を参考に作成した記名式の自己評価アンケートを実施しました。加えて、取締役会で議論すべき経営課題の掘り下げ、課題解決にむけた具体的なアクションプランの策定につなげることを目的に、自己評価アンケートをベースに、外部専門家による一部の取締役・監査役(4名)に対するインタビューを実施しました。さらに、外部専門家の支援を受けて、取締役会事務局がアンケート結果及びインタビュー結果をとりまとめ、これに基づき、取締役会の実効性及び取り組むべき課題・改善策について取締役会で議論しました。
ⅱ)アンケートの評価項目は以下8つの領域から構成され、39の質問に対し、4段階で評価の上、コメントする(自由記載を含む)形式です。
・戦略とその実行
・リスクと危機管理
・企業倫理
・業績のモニタリング
・組織・事業再編関連取引
・経営陣の評価、報酬及び後継者計画
・ステークホルダーとの対話
・取締役会の構成と運用
(b)取締役会の実効性評価結果の概要
ⅰ) 総括
以上のプロセスによる取締役会の実効性評価の結果、現状のコーポレート・ガバナンス体制及び運用に問題はなく、当社の取締役会は、全体として適切に機能しており、実効性が確保されていると判断しました。なお、アンケートの結果も、すべての項目について肯定的な評価が高い割合を占めています。
ⅱ) 2022年度までに認識した課題への対応状況
ア)データとデジタル技術等を活用したイノベーション創出に関する議論
2022年度の取締役会において、イノベーション創出のための重点施策の1つと位置付けるデジタル・IT技術の活用について、AI等先端技術の獲得と適用、次世代利用環境の構築といったテーマに関して進捗状況と課題についての報告がなされ、議論をしました。グループ全体でのデータとデジタル戦略の方向性や将来の投入資源についての議論が必要であり、引き続き、2024年度に公表予定の新中期経営計画に沿った形で議論を継続していくことを確認しています。
イ)事業ポートフォリオに関する議論
2022年度の取締役会において、帝人グループの目指すべき姿である長期ビジョンの具体化を図るとともに、既存事業の立ち位置を明確にした上で、事業ポートフォリオに関する議論をしました。その中で「Strategic Focus」分野を中心に大幅な戦略の見直しが必要であることを確認、これまでの「Strategic Focus」や「Profitable Growth」の区分は一旦廃止し、2023年度は複合成形材料事業、アラミド事業、ヘルスケア事業の3事業の構造改革に注力することとしました。引き続き、2024年度に公表予定の新中期経営計画に向けて、新しい成長戦略を含む事業ポートフォリオに関する議論を継続していくことを確認しています。
ウ)親子上場の合理性に関する議論
2022年度の取締役会において、上場子会社であるインフォコム(株)や(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリングについて、上場を維持することの合理性について議論しました。帝人グループのみならず、インフォコム(株)や(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリングの価値最大化の観点から、上場維持が合理的であると判断しています。親子上場に関しては定期的な確認が必要であり、2023年度の取締役会においても継続して上場維持の合理性について議論する予定です。
エ)サプライチェーンも含めたBCP対応についての議論
2022年度の取締役会において、CEOを委員長とするTRMコミティーから取締役会に対する、「経営戦略リスク」や「業務運営リスク」に関する定期的な報告の中で、特にマテリアル系事業を中心に、事業別、顧客起点のBCP/BCM整備を行っている旨の報告がなされました。更に促進するため、スケジュール感を含めた状況の具体化が必要であることが確認され、引き続き、議論を継続していくことを確認しています。
オ)人的資本/知的財産などへの経営資源の配分についての議論
2022年度の取締役会において、人的資本については、グローバルタレントマネジメントや企業風土改革、帝人グループへのエンゲージメントを高める取り組みについて報告がなされ、議論するとともに、ダイバーシティ&インクルージョンに関する非財務指標として、女性役員や非日本人役員について2030年度の目標設定を行いました。また、知的財産については、知財を取り巻く環境変化を踏まえ、取り組むべき課題を設定、事業ポートフォリオを踏まえた知財戦略やグローバル知財管理等の強化について報告がなされ、議論しました。引き続き、2024年度に公表予定の新中期経営計画に沿った形で議論を継続していくことを確認しています。
(c)2022年度末の取締役会の実効性評価にて認識された課題と今後の取り組み
2023年度においては、2022年度末に実施した実効性評価を踏まえ、取締役会で議論した結果、特に以下を課題として認識し、新中期経営計画に関する議論とあわせて、課題への取り組みを一層推進していくこととしました。
ⅰ) 事業ポートフォリオに関する議論
ⅱ) 上記 i)をベースとした人的資本などへの経営資源の配分についての議論
ⅲ) 上記 i)をベースとしたデータとデジタル技術等の事業での活用実態と取組方針に関する議論
ⅳ) サプライチェーンも含めたBCP対応についての議論
ⅴ) 親子上場の合理性に関する議論
当社はこれらの施策を通じて、取締役会の実効性を向上させ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めてまいります。
③ その他
1)取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨定款に定めています。
2)取締役選任の決議要件
当社は、株主総会における取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらないものとする旨定款に定めています。
3)剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めています。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
4)取締役及び監査役の責任の減免
当社は、会社法第423条第1項の取締役及び監査役の責任につき、善意でかつ重大な過失がない場合に、責任の原因となった事実の内容、職務執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、取締役会の決議によって、会社法所定の限度額の範囲内で免除することができる旨定款に定めています。これは、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的とするものです。
5)責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役である鈴木庸一、大西賢、津谷正明、南多美枝の4氏と、監査役である嶋井正典、中石昭夫、中山ひとみ、有馬純、辻幸一の5氏と、各々責任限度額を2千万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結しています。
6)役員等賠償責任保険契約の内容の概要等
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、当該保険契約の被保険者の範囲は、当社の取締役、監査役、執行役員及び理事並びに帝人ファーマ(株)の取締役及び監査役です。被保険者が、その職務の執行(不作為を含む)に起因して、損害賠償請求がなされたことにより被る法律上の損害賠償金及び争訟費用を填補することとしております。ただし、故意または重過失に起因する損害賠償請求については、填補されません。なお、保険料は、当社及び帝人ファーマ(株)が全額負担しています。
7)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項の規定による株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
④ 会社の支配に関する基本方針
1)当社の株主の在り方に関する基本方針
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。従って、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の対価が当社の企業価値に鑑み不十分なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
2)基本方針の実現に資する取り組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記1)の基本方針の実現にも資するものと考えています。
a. 利益向上に向けた取り組み
帝人グループは、2023年2月に『帝人グループ 収益性改善に向けた改革』を公表しました。この中で、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を更に具体的に、「地球環境を守る会社」、「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」として、取り組んでいくことを明らかにしています。また、2023年度は、複合成形材料事業、アラミド事業、ヘルスケア事業の課題3事業の収益性改善を含む、全社での構造改革を断行してまいります。取り組みの詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
b. 「コーポレート・ガバナンスの強化」による企業価値向上への取り組み
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のために不可欠な仕組みとして、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題に掲げ取り組んでいます。その具体的内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 ② コーポレート・ガバナンス体制の概要」をご参照下さい。
3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
なお、上述2)及び3)の取り組みは、上述1)の基本方針に沿うものであります。また、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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