有価証券報告書-第155期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 15:40
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【項目】
165項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 全体概要
帝人グループでは、株主価値の持続的向上を基本的使命であると踏まえた上、多様なステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たしていくために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの基本を「透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、「アドバイザリー・ボード」、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」、「独立社外監査役を含む監査役体制」等を通じ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。また、コーポレート・ガバナンスに関する指針を帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として制定し、公表しています。
なお、以下のコーポレート・ガバナンスの状況については、別段の表示が無い限り、本有価証券報告書提出日現在のものを記載しています。
② コーポレート・ガバナンス体制の概要
ア. コーポレート・ガバナンス体制の概要
帝人グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりです。
0104010_002.jpg①取締役会
取締役会は、原則月1回開催され、法令・定款に定められた事項のほか、帝人グループ全体の経営方針、全体計画などの重要事項について審議し決定又は承認するとともに、取締役の職務執行を監督しています。取締役会規則において取締役会付議事項を定めるほか、意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、帝人グループの業務執行に関する重要事項(各事業及び機能運営に係わる個別中・短期計画、個別重要事項)について、各執行役員に対して適切な権限の委譲を行っています。
意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を目的に、取締役の定数を定款で10名以内と定め、大幅な権限委譲のもとで執行役員制度を導入しています。現在、当社の取締役会は10名で構成し、当社の定める独立取締役の要件を満たす社外取締役を4名とし、うち1名は女性です。また、取締役の任期は定款で1年と定めています。
上記の役割を果たすため、取締役候補者については、当社のトップマネジメントを担当するにふさわしい、人格・見識ともに優れた人物を、本人の能力、過去の業績等を勘案した上で取締役会で決定し株主総会に推薦しています。
監視・監督と業務執行の分離の一環として、取締役会の議長は社外取締役から選定することとしています。
当年度の取締役会の開催回数は12回となっており、すべての回に全取締役が出席しています。
取締役会の構成は以下のとおりです。
大坪 文雄(議長・社外取締役)、鈴木 純、鍋島 昭久、小山 俊也、小川 英次、森山 直彦、内川 哲茂、内永 ゆか子(社外取締役)、鈴木 庸一(社外取締役)、大西 賢(社外取締役)
②監査役会
当社の監査役会は5名で構成し、当社の定める独立監査役の要件を満たす社外監査役を過半数の3名とし、うち1名は女性です。
監査役は法律や財務・会計などの専門性を有し、専門的知見に基づき取締役の職務の執行を監査しています。
また、グループ全体の監視・監査の実効性を高めるため、グループ会社の監査役等で構成するグループ監査役会を定期的に開催しています。
監査役会の構成は以下のとおりです。
嶋井 正典、中石 昭夫、池上 玄(社外監査役)、中山 ひとみ(社外監査役)、有馬 純(社外監査役)
③グループ経営戦略会議及びグループマネジメント会議
取締役会から権限委譲された当社及び帝人グループの業務執行に関する重要事項については、社長執行役員(CEO(最高経営責任者)、以下「CEO」)が、原則として毎月2回以上開催される「グループ経営戦略会議」及び月1回開催される「グループマネジメント会議」での審議を経て意思決定します。
「グループ経営戦略会議」及び「グループマネジメント会議」は、CEO、事業統轄、管掌、その他CEOが指名した者がメンバーとなり、CEOがこれを招集しその議長となります。なお、メンバー以外に常勤監査役が両会議に出席します。
④「アドバイザリー・ボード」(経営諮問委員会)
経営全般へのアドバイスと経営トップの評価を行うことを目的に、国内外の有識者で構成する「アドバイザリー・ボード」を設置し、取締役会の諮問機関と位置付け運営しています。アドバイザリー・ボードには、5~7名の社外アドバイザー(現在、社外取締役4名、外国人有識者2名で構成)と取締役会長(取締役会長が不在の場合は、相談役)、CEOがメンバーとして参加し、アドバイザリー・ボードの議長は取締役会長(取締役会長が空席の場合は、相談役)が務めます。
なお、アドバイザリー・ボードには、指名・報酬委員会が設置され、社外取締役が議長(現在は、指名委員会の議長は大坪社外取締役、報酬委員会の議長は大西社外取締役)を務め、CEOの交代及び後継者の推薦、CEOの後任候補者の選定ならびにCEOによる後任候補者の育成計画の審議、進捗状況のレビュー、取締役会長の選任に関する審議、帝人グループの役員報酬制度・水準の審議、CEOの業績評価を行っています。原則として、現CEOに関する事案については、CEOは退席し、審議には参加しません。また、会長に関する事案については、会長は退席し、審議には参加しません。
アドバイザリー・ボードの構成は以下のとおりです。
大八木 成男(議長・相談役)、大坪 文雄(指名委員会議長・社外取締役)、内永 ゆか子(社外取締役)、鈴木 庸一(社外取締役)、大西 賢(報酬委員会議長・社外取締役)、アレクサンダー・リノイカン(外国人有識者)、トーマス・コネリー(外国人有識者)、鈴木 純(CEO)
⑤指名諮問委員会及び報酬諮問委員会
上記アドバイザリー・ボードに加え、役員人事に関して一層の透明性の向上を図るため、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を運営しています。全社外取締役、取締役会長(不在の場合空席)、CEOがメンバーとして参加し、諮問委員会の委員長は社外取締役とし、委員長が諮問委員会の議長となります。両委員会は、取締役会の諮問機関として、会長、CEO以外の取締役、経営陣幹部の選任・退任、評価、報酬額、及び監査役の選任・退任に関し、取締役会に提案、提言する機能を有しています。
指名諮問委員会の構成は以下のとおりです。
大坪 文雄(議長・社外取締役)、大西 賢(社外取締役)、内永 ゆか子(社外取締役)、鈴木 庸一(社外取締役)、鈴木 純(CEO)
報酬諮問委員会の構成は以下のとおりです。
大西 賢(議長・社外取締役)、大坪 文雄(社外取締役)、内永 ゆか子(社外取締役)、鈴木 庸一(社外取締役)、鈴木 純(CEO)
イ. 現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
帝人グループでは、コーポレート・ガバナンスの仕組みは、その時点で会社の目的達成に最適と思われる仕組みを採用することとしています。従って、社会環境・法的環境の変化に伴い適宜見直すこととしています。
現時点の会社法のもとで、取締役会に要求されている重要な業務決定と、経営の監視・監督機能の両機能を適切に機能させるためには、社内取締役(業務執行取締役に限る)が主導する業務執行と、社外取締役が力点を置く経営の監視・監督機能及び監査役・監査役会による当該機能の両輪を核としたガバナンス体制が適切であると判断しており、当社は、当面「監査役会設置会社」を継続することとしています。これは、「指名委員会等設置会社」が目指す経営に対する監視・監督機能の強化と同様のコーポレート・ガバナンスを、当社においては、「アドバイザリー・ボード」、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」、「独立社外監査役を含む監査役体制」等を通じて実質的に果たしていることによります。
ウ. 内部統制システムの整備の状況
内部統制とは、①事業経営の有効性・効率性を高め、②企業の財務報告の信頼性を確保し、③事業経営に関わる法令等の遵守を促し、④資産の取得、使用、処分が正しく行われるよう資産を保全する、ことが目的であり企業活動に欠かせない仕組みであると認識しています。
1) 内部統制システムについての基本的な考え方と整備状況
当社は、2021年3月30日開催の取締役会で「内部統制システム構築の基本方針」に関する決議を行いました。決議の内容については、インターネット上の当社ウェブサイト
(https://www.teijin.co.jp/ir/management/governance/resolution/)に掲載のとおりですが、その概要は、以下のとおりです。
a. 当社及び子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」においてコンプライアンス(法令等遵守)の基本原則を設けています。
この基本原則を実践するため、当社は、帝人グループの企業理念、行動規範及びグループ企業倫理規程等の実践的運用と徹底を行う体制を構築します。
当社の代表取締役等は、法令、定款及び社会規範・倫理の遵守を率先垂範するとともに、当社及び子会社の役員及び使用人に対してコンプライアンスを教育・啓発します。また、当社は、帝人グループの横断的なコンプライアンス体制の整備等のため、CSR管掌をコンプライアンスの責任者に任命します。
当社及び子会社の役員・使用人は、帝人グループ各社における法令違反その他のコンプライアンスに関する重要な事実を発見した場合、グループ企業倫理規程等に従って所属会社または当社に報告するものとします。CSR管掌は、報告された事実についての調査を指揮・監督し、CEOと協議のうえ、必要と認める場合、適切な対策を決定します。
当社及び子会社の違反行為や疑義のある行為等を役員、使用人及び取引先が直接通報できる手段を確保するものとし、各種通報・相談窓口を設置し運営します。この場合、通報者の匿名性の保障と通報者に不利益がないことを確保します。重要な通報については、その内容と会社の対処状況・結果を適切に当社及び子会社の役員及び使用人に開示し、周知徹底します。
当社及び子会社の取締役は、監査役から職務の執行について監査を受け、監査役から助言・勧告があったときは、これを尊重します。
CEO直轄の経営監査部を置き、帝人グループの業務執行状況の内部監査及び内部統制の整備状況の評価及び改善提案をさせます。
帝人グループは、特定株主からの利益供与要求や暴力団の民事介入暴力等に見られる反社会的勢力に対し、毅然とした態度で対応し、その介入を一切許しません。CSR管掌を反社会的勢力対応の責任者に任命します。CSR管掌は、人事・総務管掌と協同で対応方針等を制定して当社及び子会社の役員及び使用人に周知徹底します。
取締役会の意思決定の妥当性を高めるため、当社の取締役のうち原則4名以上は、当社が定める独立性要件を満たす独立社外取締役とします。
b. 当社及び子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社の取締役会は、企業活動の持続的発展の実現を脅かすあらゆるリスクに対処するため、TRM(トータル・リスクマネジメント)体制を実践的に運用します。
TRMコミティー(下記エ.リスク管理体制の整備の状況を参照)は、主として帝人グループの業務運営リスクと経営戦略リスクを対象とし、TRM基本方針、TRM年次計画等を当社の取締役会に提案します。CSR管掌は、帝人グループの業務運営リスクについて、横断的なリスクマネジメント体制の整備、問題点の把握及び危機発生時の対応を行います。CEOは、帝人グループの経営戦略リスクを評価し、当社の取締役会等における経営判断に際して重要な判断材料として提供します。
また、CSR管掌は、災害、役員及び使用人の不適正な業務執行、基幹ITシステムの故障等により生じるリスクにおける事業の継続を確保するための帝人グループの体制を整備します。
c. 当社及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、帝人グループとしての業務の効率性を確保するために必要な、グループとしての規範、規則をグループ規程類として整備します。
当社の取締役会は、代表取締役等に業務を執行させ、代表取締役等に委任された事項については、社内規程に定める機関または手続により決定を行います。法令の改廃、職務執行の効率化の必要がある場合は、社内規程を随時見直します。
当社の取締役会は、帝人グループの基幹組織を構築し、効率的な運営と監視・監督の体制を整備します。
当社は、グループ中期経営計画を策定し、この具体化のため、毎事業年度に短期経営計画、グループ全体の重点経営目標及び予算を策定し、進捗確認を行います。
d. 帝人グループにおける業務の適正を確保するための体制
当社は、帝人グループとしての業務の適正を確保するために必要な、グループとしての規範、規則をグループ規程類として整備します。帝人グループ会社は、グループ規程に基づき、各社の規程を整備し、重要事項の決定に際しては適切なプロセスを経ます。
当社は、帝人グループ会社の重要事項について、当社グループ会議等で審議を行うとともに帝人グループ会社に対し報告を義務付けています。
代表取締役等は、帝人グループ各社が適切な内部統制システムの整備を行うよう指導します。
当社の経営監査部は、帝人グループにおける内部監査を実施または統括し、帝人グループの業務全般にわたる内部統制の有効性と妥当性を確保します。
当社の監査役は、帝人グループ全体の監視・監査を実効的かつ適正に行えるよう、会計監査人及び経営監査部との緊密な連携等的確な体制を構築します。
当社は、財務報告の信頼性確保のため、帝人グループにおける財務報告に係る全社的な内部統制及び個別業務プロセスの統制システムを整備し、また、適正かつ有効な運用及び評価を行います。
e. 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役は、株主総会議事録、取締役会議事録等、その職務執行に係る文書その他の重要な情報を、社内規程に基づき適切に保存し管理します。CEOは、これら文書及び情報の保存及び管理を監視・監督する責任者となります。取締役の職務執行に係る文書は、少なくとも10年間保管するものとし、必要に応じて閲覧可能な状態を維持します。
f. 監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項、及び当該使用人に対する指示の実効性に関する事項
監査役の職務を補助すべき組織として、常勤監査役直轄のグループ監査役室を置きます。グループ監査役室員は、原則2名以上とします。なお、グループ監査役室員は、帝人グループ会社の監査役を兼務することはできますが、帝人グループ会社の業務の執行に係る役職を兼務しないものとします。
グループ監査役室員の独立性を確保するため、室員の人事権に係る事項の決定には常勤監査役の事前の同意を要するものとし、室員の人事考課は、常勤監査役が行います。
g. 当社及び子会社の取締役等及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
当社の常勤監査役は、取締役会のほか当社の重要な会議体、及び主要な子会社の重要な会議体に出席します。
代表取締役等は、取締役会等の重要な会議において随時その担当する事業、機能及び子会社に関する業務の執行状況を報告します。
当社及び子会社の役員・使用人は、会社の信用の大幅な低下、会社の業績への重大な悪影響、社内外へのESH(環境、安全、衛生)または製造物責任に関わる重大な被害、社内規程の重大な違反、その他これらに準ずるものについて、発見次第速やかに当社の監査役に対し報告します。
当社及び子会社の役員及び使用人は、自ら必要と判断した場合、または当社の監査役の求めがあった場合、担当する事業、機能及び子会社に関する報告を行うとともに、当社の監査役の調査に協力します。
h. 監査役へ報告したものが当該報告をしたことを理由として不利な扱いを受けないことを確保する体制
帝人グループは、グループ企業倫理規程において違法行為等を報告・通報したことを理由に不利益な取り扱いを行わないことを定めています。
i. 監査役の職務の執行について生ずる費用または債務の処理、費用の前払または償還の手続きに係る方針
監査役の職務の執行に必要な費用または債務は当社が負担し、法令に基づく費用の前払い等の請求があった場合、確認後速やかに応じます。
j. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役の過半数は、当社が定める独立性要件を満たす独立社外監査役とし、対外透明性を担保します。
監査役は、当社及び子会社の監査役が独自の意見形成をするため、外部法律事務所と顧問契約を締結し、また、監査にあたり必要と認めるときは、自らの判断で、公認会計士、コンサルタントその他の外部アドバイザーを活用します。
2) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方と社内体制の整備状況
a. 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は事業活動を行うにあたり、その国や地域の法令と社会的規範及び国際的な規範を遵守し、反社会的勢力とは関係を持たないことを基本的な考え方としています。この考え方は帝人グループ「行動規範」に明記され、帝人グループ全社員に共有されています。
b. 反社会的勢力排除に向けた社内体制の整備状況
(具体的な対応基準)
帝人グループ「行動規範」で、反社会的勢力と関わりを持たないことを謳い、不当な暴力・要求に対して毅然とした態度で臨むことを規定しています。具体的な対応策は「民事介入暴力対策マニュアル」として定め、帝人グループ社員に周知しています。
(対応部署)
CSR・信頼性保証部及び総務部を全社的な対応統括部署として、またCSR管掌をこの責任者として定めています。
(情報収集・管理)
特殊暴力防止対策連合会、企業防衛対策協議会等の外部専門組織に加盟する等外部の専門機関との連携を図るとともに、講習への参加等を通じ適宜情報収集・管理に努めています。
(不当要求への対応)
反社会的勢力から不当要求がされた場合は、当該部署の責任者は、直ちに対応統括部署に連絡することを定めています。対応統括部署は組織的な対応を図ることとし、当該部署と共同して警察を含む社内外の関係先と連携をとって、あらゆる民事上・刑事上の法的対抗手段を講じます。
(グループ社員への周知徹底)
反社会的勢力に向けた基本的な考え方を帝人グループの全社員で共有化するため、「企業理念」や「行動規範」等をまとめた「企業倫理ハンドブック」を全社員に配布するとともに、毎年企業倫理月間に合わせて全社員が「企業倫理ハンドブック」の内容の学習を行っています。
エ. リスク管理体制の整備の状況
企業の持続的成長を脅かすあらゆるリスクに対処するため、「経営戦略リスク」と「業務運営リスク」を対象とするTRM(トータル・リスクマネジメント)体制を構築し、リスクの統合管理を行っています。2003年度からCEOを委員長とする「TRMコミティー」を取締役会の下に設置しており、取締役会は、TRMコミティーから提案されるTRM基本方針、TRM年次計画等の審議・決定を行うとともに、重要なリスクを管理し、事業継続のための態勢を整備します。また、監査役は、取締役会がTRMに関する適切な方針決定、監視・監督を行っているか否かについて監査します。
「経営戦略リスク」の評価についてはCEOが直接担当し、取締役会等における重要な経営判断材料として提供します。
「業務運営リスク」についてはCSR管掌が担当し、横断的なリスクマネジメント体制の整備、問題点の把握および危機発生時の対応を行います。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細については、帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として、インターネット上の当社ウェブサイト
(https://www.teijin.co.jp/ir/management/governance/guide/) に掲載しています。
オ. コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項
1) 取締役会の実効性評価
当社は、取締役会の更なる実効性確保及び機能向上を目的に、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価(以下、「取締役会の実効性評価」という)を年に1回実施することとしています。2020年度の当社取締役会の実効性評価の方法及び結果の概要は以下のとおりです。
a. 分析及び評価の方法
① 全取締役及び全監査役(社外役員を含む14名)を対象に、外部専門家の助言を参考に作成した記名式の自己評価アンケートを実施しました。加えて、取締役会で議論すべき経営課題の掘り下げ、課題解決にむけた具体的なアクションプランの策定につなげることを目的に、自己評価アンケートをベースに、外部専門家による一部の取締役・監査役(4名)に対するインタビューを実施しました。さらに、外部専門家の支援を受けて、取締役会事務局がアンケート結果及びインタビュー結果をとりまとめ、これに基づき、取締役会の実効性及び取り組むべき課題・改善策について取締役会で議論しました。
② アンケートの評価項目は以下8つの領域から構成され、40の質問に対し、5段階で評価の上、コメントする(自由記載を含む)形式です。
(a) 戦略とその実行
(b) リスクと危機管理
(c) 企業倫理
(d) 業績のモニタリング
(e) 組織・事業再編関連取引
(f) 経営陣の評価、報酬および後継者計画
(g) ステークホルダーとの対話
(h) 取締役会の構成と運用
b. 取締役会の実効性評価結果の概要
① 総括
以上のプロセスによる取締役会の実効性評価の結果、現状のコーポレート・ガバナンス体制及び運用に問題はなく、当社の取締役会は、全体として適切に機能しており、実効性が確保されていると判断しました。なお、アンケートの結果も、すべての項目について肯定的な評価が高い割合を占めています。
② 昨年度に認識した課題への対応状況
(a) 新規ビジネス創出についての議論の深化
今年度の取締役会において、「デジタル技術利活用状況」、「イノベーション推進活動」について、議論の場を設定しました。各事業、機能のデジタル技術利活用状況及びコーポレート組織によるイノベーション推進活動の状況について、確認しました。データとデジタル戦略の方向性、顧客視点での価値創出という観点でさらなる議論が必要であることが確認されました。
(b) 親子上場の合理性についての議論の深化
今年度の取締役会において、「親子上場の合理性の検証及び取り得るオプションの検討」について、議論の場を設定しました。帝人グループ及びインフォコム㈱の企業価値の最大化の観点で、インフォコム㈱の上場を維持することの合理性を確認するとともに、親子上場を解消する場合の取り得るオプションを共有しました。
また、㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの株式を、同社の上場を維持する前提で、公開買付けにより取得することを決議しましたが、同社の上場維持の合理性を確認した上で決議しています。なお、上場子会社であるインフォコム㈱及び㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの上場維持の合理性については、2021年度の取締役会においても議論する予定です。
(c) 諮問機関の位置付けについての議論の深化
今年度の取締役会において、「機関設計及び任意の諮問機関見直しの方向性」について、議論の場を設定しました。当面、監査役会設置会社を継続することを確認する一方、2021年4月1日付で、取締役会議長は常時社外取締役とすることとしました。また、同日付で、指名諮問委員会、報酬諮問委員会に、全社外取締役が参加するよう、構成メンバーを見直すこととしました。
③ 今回の取締役会の実効性評価にて認識された課題
当社取締役会が、さらなる実効性をもって本来の機能を果たすためには、以下の点について課題が認識されました。
(a) データとデジタル技術等を活用したビジネス創出の議論の深化
(b) 事業ポートフォリオについての議論の深化
(c) ステークホルダー対話分析から得られた課題についての議論の深化
(d) 取締役会の議題の見直しと経営戦略についての議論の充実化
c. 今後の取り組み
2021年度においては、2020年度の取り組みを継続して推進するとともに、今回の実効性評価を踏まえ、取締役会で議論した結果、以下の取り組みを一層推進していくことといたしました。
(a) 新規ビジネス創出に関する取締役会での議論
(b) 事業ポートフォリオに関する取締役会での議論
(c) リスク管理に関する取締役会での議論
(d) 諮問機関の位置付けに関する取締役会での議論
(e) ステークホルダーとの対話、親子上場の合理性の論点を含むステークホルダー対応の在り方に関する取締役会での議論
当社はこれらの施策を通じて、取締役会の実効性を向上させ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めてまいります。
③ その他当社定款規定について
ア. 取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨定款に定めています。
イ. 取締役選任の決議要件
当社は、株主総会における取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらないものとする旨定款に定めています。
ウ. 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めています。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
エ. 取締役及び監査役の責任の減免
当社は、会社法第423条第1項の取締役及び監査役の責任につき、善意でかつ重大な過失がない場合に、責任の原因となった事実の内容、職務執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、取締役会の決議によって、会社法所定の限度額の範囲内で免除することができる旨定款に定めています。これは、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的とするものです。
オ. 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項の規定による株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
④ 会社の支配に関する基本方針
ア. 当社の株主の在り方に関する基本方針
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の対価が当社の企業価値に鑑み不十分なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
イ. 基本方針の実現に資する取り組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記アの基本方針の実現にも資するものと考えています。
1) 中長期での取り組み
帝人グループは、2020年2月に中期経営計画『ALWAYS EVOLVING 2020-2022』を策定し、公表しました。この中期経営計画に基づき、「機会創出」「リスク低減(環境負荷低減)」「経営基盤強化」の施策を通じてマテリアル・ヘルスケア各事業における「将来の収益源育成」および「利益ある成長戦略」に取り組んでまいります。中長期の取り組みの概要につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
2) 「コーポレート・ガバナンスの強化」による企業価値向上への取り組み
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のために不可欠な仕組みとして、従来より、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題に掲げ取り組んでいます。その具体的内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 ② コーポレート・ガバナンス体制の概要」をご参照下さい。
ウ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。

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