有価証券報告書-第156期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/22 13:06
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(1)業績等の概要
当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州で景気拡大が続き、アジア地域も先進国向けの輸出が堅調に推移するなど、総じて安定した成長が持続しました。国内は、財政、金融等の積極的な経済政策を背景に、企業収益や雇用環境の着実な改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。
当連結グループ事業の主要対象分野である自動車関連分野は、米国市場での自動車販売が高水準ながらも伸び悩んだ一方で、国内、中国、欧州市場では堅調に推移しました。IT・デジタル家電関連分野は、スマートフォンなどモバイル端末の需要が調整局面に入りましたが、液晶ディスプレイ関連では大型テレビ・車載用が需要を牽引し、堅調に推移しました。製パン・製菓関連分野は、安定した国内需要に支えられ、堅調に推移しました。
このような状況のなか、当社グループはコア事業である樹脂添加剤、食品を中心に成長分野への投資を積極的に推進しました。樹脂添加剤では、生産能力を増強した米国の高機能添加剤、フランスのワンパック顆粒添加剤、三重工場のポリオレフィン樹脂向け高機能添加剤及びタイの塩ビ向け安定剤の設備が稼働しました。また、フランスの連結子会社ADEKA PALMAROLE SASの株式を追加取得し100%子会社化したことに伴い、社名をADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SASに変更しました。情報・電子化学品では、韓国で新設した誘電材料の生産プラントが稼働しました。食品では、シンガポールで加工食品の製造ラインが稼働しました。
(2)当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況の分析
①財政状態の状況
(資 産)
当連結会計年度の総資産は前連結会計年度に比べ、224億35百万円(前連結会計年度比+7.7%)増加の3,129億20百万円となりました。
主な要因は、以下の通りです。
流動資産は前連結会計年度に比べ、109億39百万円(同比+7.0%)増加の1,668億41百万円となりました。
これは、主に受取手形及び売掛金の増加、たな卸資産の増加によるものです。
固定資産は前連結会計年度に比べ、114億95百万円(同比+8.5%)増加の1,460億79百万円となりました。
有形固定資産は前連結会計年度に比べ、54億24百万円(同比+6.8%)増加の855億46百万円となりました。
これは、主に機械装置及び運搬具の増加によるものです。
無形固定資産は前連結会計年度に比べ、98百万円(同比+2.5%)増加の40億80百万円となりました。
投資その他の資産は前連結会計年度に比べ、59億72百万円(同比+11.8%)増加の564億52百万円となりました。
これは、主に投資有価証券の時価評価による増加です。
(負 債)
当連結会計年度の負債は前連結会計年度に比べ、53億4百万円(同比+5.2%)増加の1,078億32百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度に比べ、79億71百万円(同比+11.7%)増加の758億16百万円となりました。
これは、主に支払手形及び買掛金の増加によるものです。
固定負債は前連結会計年度に比べ、26億66百万円(同比△7.7%)減少の320億15百万円となりました。
これは、主に長期借入金の減少によるものです。
有利子負債の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」に記載しています。
(純資産)
当連結会計年度の純資産は前連結会計年度に比べ、171億31百万円(同比+9.1%)増加の2,050億88百万円となりました。
これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の増加による利益剰余金の増加によるものです。
また、自己資本比率は負債の増加を上回る純資産の増加により、前連結会計年度62.0%に比べ、0.8ポイント増加の62.8%となりました。
②経営成績の状況
(売上高及び営業利益)
売上高は前連結会計年度に比べ、161億71百万円(前連結会計年度比+7.2%)増収の2,396億12百万円となりました。
売上原価は前連結会計年度に比べ、142億57百万円(同比+8.5%)増加し、1,818億34百万円となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、16億19百万円(同比+4.7%)増加し、364億42百万円となりました。
営業利益は前連結会計年度に比べ、2億93百万円(同比+1.4%)増益の213億35百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益から営業外費用を控除した営業外損益は、前連結会計年度の収益(純額)8億5百万円に比べ、1億96百万円(同比+24.4%)収益額が増加し、10億2百万円の収益となりました。
当連結会計年度では前連結会計年度と比較して為替差損が減少し、経常利益は前連結会計年度に比べ、4億90百万円(同比+2.2%)増益の223億37百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別利益から特別損失を控除した特別損益は前連結会計年度の損失(純額)2億61百万円に比べ、3億28百万円損失額が増加し、5億90百万円の損失となりました。
これは、主に固定資産廃棄損の増加によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ、1億62百万円(同比+0.8%)増益の217億47百万円となりました。
(法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益)
法人税等は前連結会計年度に比べ、1億60百万円(同比+3.0%)増加し、55億3百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、19百万円(同比△2.1%)減少し、8億97百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記要因の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、21百万円(同比+0.1%)増益の153億46百万円となりました。
③報告セグメントの状況
セグメントの状況は、以下の通りです。
(化学品事業)
イ.情報・電子化学品
情報化学品は、液晶ディスプレイの高精細化や好調な半導体市場の需要を捉え、光学フィルムやフォトレジストに使用される光硬化樹脂、光開始剤及びレジスト樹脂の販売が好調に推移しました。
電子材料は、データセンター向けなどを中心に旺盛なメモリ需要が続き、3D-NANDやDRAMに使用される誘電材料の販売が好調に推移しました。また、プリント基板やリードフレームのエッチング向けに回路材料の販売が国内で堅調に推移しました。
情報・電子化学品全体では、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
ロ.機能化学品
樹脂添加剤は、自動車などに使われる合成樹脂の生産拡大を背景に、光安定剤、酸化防止剤などのポリオレフィン向け添加剤の販売が国内外で好調に推移しました。また、塩ビ向け可塑剤・安定剤の販売も国内外で堅調に推移しました。
界面化学品は、自動車エンジンオイル向け潤滑油添加剤が国内外で普及拡大したことにより、販売が好調に推移しました。また、塗料・粘接着剤向け反応性乳化剤や化粧品向けグリコール系保湿剤の販売が海外を中心に堅調に推移しました。
機能性樹脂は、電子機器の接着用途や自動車の構造接着剤向けに特殊エポキシ樹脂の販売が好調に推移しました。
機能化学品全体では、原材料価格上昇の影響を大きく受け、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。
ハ.基礎化学品
プロピレングリコール類は、トイレタリー等の日用品や加熱式たばこ用途での需要が底堅く推移し、販売が堅調に推移しました。
過酸化水素は、液晶ディスプレイの電子回路用途などに同誘導品が拡大し、販売が堅調に推移しました。
基礎化学品全体では、原材料及び燃料価格上昇の影響を大きく受け、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ109億27百万円(同+7.4%)増収の1,585億96百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ13億83百万円(同+7.5%)増益の197億16百万円となりました。
(食品事業)
国内では、製パン、製菓、洋菓子向けにマーガリン、ショートニング類、ホイップクリーム等の販売が好調に推移しました。海外では、販売・開発体制の強化と現地ニーズにあった製品の開発などにより、中国、東南アジアでの販売が拡大しました。
食品事業全体では、油脂や乳原料などの原材料価格上昇の影響を大きく受け、販売価格の改定に努めましたが、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ34億68百万円(同+5.2%)増収の698億72百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ8億49百万円(同△38.0%)減益の13億87百万円となりました。
④キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末の資金残高に比べ18億60百万円(前連結会計年度末比△3.7%)減少し、489億2百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収入は、前連結会計年度に比べ37百万円(同+0.2%)増加し、222億21百万円となりました。
これは主に、たな卸資産の増加を上回る仕入債務の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ24億73百万円(同+14.8%)増加し、191億39百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ20億20百万円(同+53.1%)増加し、58億25百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
平成26年
3月期
平成27年
3月期
平成28年
3月期
平成29年
3月期
平成30年
3月期
自己資本比率(%)58.760.160.562.062.8
時価ベースの自己資本比率(%)50.661.562.857.463.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.61.91.31.41.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)42.440.651.659.756.0

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しています。
営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の支払額を使用しています。
⑤生産、受注及び販売の状況
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
化学品事業(百万円)103,6288.5
食品事業(百万円)49,9115.7
報告セグメント計(百万円)153,5397.6
その他(百万円)--
合計(百万円)153,5397.6

(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.その他については、生産は行っていません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ロ.受注実績
その他の一部で受注生産を行っていますが、金額僅少のため省略しています。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
化学品事業(百万円)158,5967.4
食品事業(百万円)69,8725.2
報告セグメント計(百万円)228,4686.7
その他(百万円)11,14319.0
合計(百万円)239,6127.2

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上である販売先はありません。
(3)経営者の視点による経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、税金費用等の見積りはそれぞれ適正であると判断しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結グループを取り巻く事業環境は、情報・電子化学品をはじめ世代交代が激しい分野が多く、研究開発力が大きなポイントとなります。研究開発について従来から積極的に経営資源を投入し、技術優位な製品の開発に注力しています。
また、石油化学原料、原料油脂を多く使用しており、原料価格相場の変動や為替相場の変動等の影響を受けますが、コストダウンや製品販売価格の改定により極力吸収するようにしています。
ロ.次期の見通しについて
世界経済は、米国の保護主義的な通商政策の影響や中国経済の下振れリスクが懸念されるものの、先進国を中心に景気の拡大が持続すると予想されています。
日本経済は、企業収益や雇用環境の改善等を背景に、企業の生産、設備投資や個人消費も緩やかな改善が続き、回復基調で推移するものと見込まれています。
このような状況のなか、当社グループは次期をスタートとする3カ年の中期経営計画「BEYOND3000」を策定し、基本戦略として掲げる「3本柱の規模拡大」「新規領域への進出」「経営基盤の強化」を推進し、さらなる業績向上を目指します。
ハ.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。
当社グループは、中長期的な目指すべき方向性を示した2025年のありたい姿『ADEKA VISION 2025』を掲げ、現在の事業基盤である「化学品と食品」のみならず幅広い事業を世界中で展開し、メーカーとして世界の技術をリードしつつ、本業を通じて社会に貢献する「先端技術で明日の価値を創造し豊かなくらしに貢献するグローバル企業」を目指します。
中期経営計画『BEYOND 3000』では、最終年度(平成32年度)に、『連結売上高3,000億円超(オーガニックグロース)、営業利益率 10%、ROE 10%』を目指し、3つの基本戦略のもと、「経営管理:グループ経営管理の強化」「グローバル:グローバリゼーションの拡大とローカライゼーションの加速」「技術:イノベーションの創出と競争力の強化」「人財:グローバル人財、リーダー人財の拡充」「企業価値:CSRを推進し社会とともに発展」からなる5つの施策を実行してまいります。事業領域の拡大と新規事業の育成を目的としたM&Aグロースにつきましても、積極的に進めてまいります。ADEKAグループ一丸となって経営戦略を着実に実行し、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の信頼に応える企業を目指していきます。
[中期経営計画 3つの基本戦略]
・3本柱の規模拡大
『樹脂添加剤』『化学品』『食品』を事業の3本柱として、事業毎に定める戦略製品の販売をグローバルで拡大する。
・新規領域への進出
ターゲットとする『ライフサイエンス』『環境』『エネルギー』分野において、ビジネスモデルを構築し、事業化を推進する。
・経営基盤の強化
CSRを推進し、社会への貢献と社会からの信頼を高める。
ADEKAグループの相互連携を強化し、総合力を発揮する。
また、当社グループは、コーポレートガバナンスの強化、コンプライアンスの推進、震災・災害を踏まえたリスクマネジメント体制の再構築・強化、環境保全・品質安全の徹底等を通して、企業の社会的責任を果たしていくとともにステークホルダーの皆様からの期待に応え、本業を通じた社会貢献を基本としたCSR経営に取り組んでまいります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金調達と流動性マネジメント
当連結グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。当連結グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入により調達しています。
当連結会計年度末現在において、当連結グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の総額は489億2百万円となっています。

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