有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 16:54
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206項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、第1四半期連結会計期間は第1四半期、第2四半期連結会計期間は第2四半期、第3四半期連結会計期間は第3四半期、第4四半期連結会計期間は第4四半期と表示します。
(1) 経営成績
世界経済について

戦闘状態にあるイラン情勢下、企業経営の環境が一変し、日本および世界経済が危機への対応に迫られています。加えて、経済のブロック化が進み、国際協調が難しい一年となりました。欧米はインフレ懸念が広がり、中国は内需の低迷が深刻です。日本は円安による物価上昇が引き金となり、景気回復の足取りが鈍い状況にあります。
緊迫化する中東情勢が原油・ナフサの高騰や供給不安を生み、世界経済が減速する警戒感が強まっています。
当社グループの業績 - 売上高、純利益は過去最高 -

このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度(2025年4月~2026年3月)の連結業績は、売上高811,638百万円(前連結会計年度(以下、前期)比0.5%増)、営業利益32,894百万円(前期比17.9%減)、経常利益28,873百万円(前期比12.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益30,977百万円(前期比22.4%増)となりました。
2026年3月期 連結業績 (単位:百万円)
2025年3月期2026年3月期前期比
売上高807,200811,6384,438
(0.5%)
営業利益40,05032,894△7,155
(△17.9%)
経常利益32,86328,873△3,990(△12.1%)
親会社株主に帰属する
当期純利益
25,30930,9775,668(22.4%)


セグメント別売上高・営業利益 (単位:百万円)
売上高
2025年3月期2026年3月期増減
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
通期
Material SU86,04283,86285,60387,398342,90682,37480,11979,03385,707327,235△15,670(△4.6%)
Quality of Life SU45,05848,35450,87246,698190,98448,46648,55048,35448,968194,3403,355(1.8%)
Health Care SU18,37218,02219,04321,84677,28418,27319,07319,97825,65082,9755,691(7.4%)
Nutrition SU48,67447,13751,27547,885194,97249,31050,78553,19552,685205,97711,004(5.6%)
その他2342042903221,0522572162873471,10956(5.4%)
198,382197,580207,084204,151807,200198,682198,746200,849213,359811,6384,438(0.5%)

営業利益
2025年3月期2026年3月期増減
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
通期
Material SU8,3827,6906,6588,22930,9616,2656,3365,1727,15224,928△6,033(△19.5%)
Quality of Life SU4,2565,2966,1484,32720,0275,2084,2314,8153,69717,954△2,073(△10.4%)
Health Care SU2,9922,4513,2764,67913,3993,1312,8753,5615,27114,8401,440(10.7%)
Nutrition SU3,9032,5453,6952,92713,0722,6803,2733,5274,23113,712640(4.9%)
その他111661541855171286914820555133(6.6%)
調整額△9,369△9,225△9,898△9,434△37,928△9,254△9,983△9,993△9,860△39,091△1,163(-)
10,2768,82410,03310,91440,0508,1616,8027,23210,69832,894△7,155(△17.9%)

全社業績についてのRemarks

世界経済の減速が心配されているなか、当社は四半期別では第2四半期を底に、第4四半期には営業利益107億円に回復し、強いモメンタムが帰ってきました。Health Care SUとNutrition SUが増収増益となり、業績を牽引しました。Material SU・Quality of Life SUも第4四半期に入って海外需要が回復しています。
① 先端事業とコア事業
Medicalの躍進とSupplemental Nutritionの着実な伸長がポートフォリオシフトを牽引し、先端事業の収益構成比率は、2024年度:48%から2025年度:53%に拡大しました。
特にMedicalが新製品の拡販およびアジア・米国の販売地域の拡大により飛躍的な業容の拡大を続けています。Supplemental Nutritionも米国をはじめグローバルに拡販が進み、好調に推移しました。
コア事業は、Material SUを中心に需要低迷の影響を受けましたが、戦略的に注力している高付加価値製品の販売が着実に拡大しました。Performance Polymers(MOD)はMXなど競争力あるグレードの販売が伸び、Performance Fibersは高機能製品の拡販とともに販売地域が拡大し、Foods & Agrisは高付加価値品への販売シフトが進み、コスト増を吸収する価格改定により好収益を継続しました。
② 成長に向けた投資計画の進捗
Medicalは、北海道苫東の血液浄化器工場が戦力化しました。同サイトでのカテーテル新プラントの建設は順調に進んでいます。M&AしたイスラエルのEndoStream Medical社は、脳血管治療領域で競争力の高い新製品の市場投入を開始しており、今後本格的に業容拡大に寄与する見通しです。
E & I Technologyは、AI活用の進展により大きな需要成長が見込まれる高付加価値グレードのポリイミドフィルムの能力増強を決定しました。
Performance Polymers(MS)は、ベルギーの生産能力増強設備が地産地消のメリットを最大限に発揮しています。
Green Planet®は、国内外の多様な用途で採用が拡大しました。優れた機能の認知がさらに浸透し、社会実装が一段と進んでいます。大型案件での顧客評価も着実に進展しています。
世界経済の減速リスクが高まる状況下においても、ライフサイエンス・先端事業の成長を加速する投資を積極的に推進し、事業ポートフォリオの変革を急ぎます。
(注)先端事業:Performance Polymers(MS)・E & I Technology・PV & Energy management・Medical・Pharma・Supplemental Nutrition、
コア事業:Vinyls and Chlor-Alkali・Performance Polymers(MOD)・Foam & Residential Techs・Performance Fibers・Foods & Agris
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(Material Solutions Unit)
当セグメントの売上高は327,235百万円と前期比15,670百万円減(4.6%減)となり、営業利益は24,928百万円と前期比6,033百万円減(19.5%減)となりました。アジア市況の低迷、米国の住宅・建築市場の需要低調が継続し、全体では減収・減益となりました。
Vinyls and Chlor-Alkaliは、アジアおよび国内需要が低迷し、Performance Polymers(MOD)とPerformance Polymers(MS)は、欧米市場の需要が回復せず減益となりましたが、R2B戦略が目指すモディファイヤーの高付加価値製品の拡販、変成シリコーンポリマーの他材料からの置換・販売地域の拡大が進みました。
(Quality of Life Solutions Unit)
当セグメントの売上高は194,340百万円と前期比3,355百万円増(1.8%増)となり、営業利益は17,954百万円と前期比2,073百万円減(10.4%減)となりました。Foam & Residential Techs・PV & Energy managementが堅調に推移しましたが、原料高騰影響により全体では増収・減益となりました。
Foam & Residential Techsはスプレッドが改善し増益となりました。
E & I Technology・Performance Fibersは主に原料高騰の影響により減益となりましたが、高付加価値グレードの拡販が進み、グローバル需要が確実に伸長しています。
PV & Energy managementはNEDOが公募した「グリーンイノベーション基金事業/次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業」に採択され、開発を進めています。
(Health Care Solutions Unit)
当セグメントの売上高は82,975百万円と前期比5,691百万円増(7.4%増)となり、営業利益は14,840百万円と前期比1,440百万円増(10.7%増)となりました。Medicalの飛躍的な伸長により増収・増益となりました。
Medicalは血液浄化器およびカテーテルでの順調な拡販が進み、最大の収益事業として全社を牽引しました。販売地域の拡大も進んでおり、さらなる業容拡大を目指します。
Pharmaは低分子およびバイオ医薬品の需要調整が想定以上に長引きましたが、出遅れていた受注が第4四半期に集中する形となりました。
(Nutrition Solutions Unit)
当セグメントの売上高は205,977百万円と前期比11,004百万円増(5.6%増)となり、営業利益は13,712百万円と前期比640百万円増(4.9%増)となりました。Supplemental Nutritionが好調に推移し、Foods & Agrisの収益性が向上したことにより、増収・増益となりました。
Supplemental Nutritionは還元型コエンザイムQ10が米国を中心にグローバル市場で拡販を果たしました。乳酸菌事業も着実に販売を伸ばしています。
Foods & Agrisは原料価格上昇に応じた価格改定および高付加価値品へのシフトが進みました。付加価値の高い「B2C」製品の拡販を進め、ポートフォリオの変革を急ぎます。
(その他)
当セグメントの売上高は1,109百万円と前期比56百万円増(5.4%増)となり、営業利益は551百万円と前期比33百万円増(6.6%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)
Material Solutions Unit311,687△6.0
Quality of Life Solutions Unit157,7932.8
Health Care Solutions Unit81,701△4.6
Nutrition Solutions Unit127,07713.7
その他--
合計678,260△0.6

(注) 1 生産金額は売価換算値で表示しております。
2 連結会社間の取引が複雑で、セグメント毎の生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。
② 受注実績
主として見込み生産であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)
Material Solutions Unit327,235△4.6
Quality of Life Solutions Unit194,3401.8
Health Care Solutions Unit82,9757.4
Nutrition Solutions Unit205,9775.6
その他1,1095.4
合計811,6380.5

(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産の増加に加え、円安による海外グループ会社の資産額増加等により、前連結会計年度末に比べて39,011百万円増加の959,154百万円となりました。
負債については、借入金の増加等により前連結会計年度末に対して9,761百万円増加の437,485百万円となりました。
純資産については、利益剰余金の増加や円安による為替換算調整勘定の増加等により前連結会計年度末に対し29,249百万円増加の521,669百万円となり、自己資本比率は52.0%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等により50,118百万円の収入となり、前期比で8,865百万円の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出により26,097百万円の支出となり、前期比28,940百万円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式の取得による支出により19,988百万円の支出となり、前期比で34,441百万円の収入減となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,303百万円増加し、48,935百万円となりました。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社は、付加価値のある新しい事業を生み出しポートフォリオの変革を実現することで成長を続ける研究開発型企業を目指しています。基盤事業により十分なキャッシュを確保し、新事業創出のための研究開発や設備投資資金に活用していくことを基本とし、更なる成長投資に必要な資金については、その目的・規模や金融環境に応じ最も適切な調達方法を採ることとしています。
資金需要に応じ有利かつ円滑な資金調達ができるよう信用格付の維持・向上や金融機関・資本市場との良好な関係維持に努めるとともに、緊急な資金需要に備え融資枠や社債発行登録枠の設定を含め十分な手元流動性を確保しています。また、資金調達の方法については、自己資本など財務の安全性を確保しながら、資本効率の向上につながる資本・負債構成を考慮し、社債や借入金のいわゆる負債による資金調達を実施しています。
株主還元については、毎期の業績、中長期の収益動向、投資計画、財務状況を総合的に勘案し、連結配当性向40%を目安に、自己株式の取得も状況に応じ機動的に実施し、安定的に継続することを基本方針としています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
② 棚卸資産の評価
棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、正味売却価額が帳簿価額よりも下回っている場合は、帳簿価額を正味売却価額まで切り下げております。入庫日から1年超経過している棚卸資産については、需要予測等に基づく収益性の低下の事実を反映するように、個別に回収可能性を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する棚卸資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来減算一時差異に対する将来の課税所得等に関する予測に基づいております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
④ 退職給付債務の算定
確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率等の計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2 確定給付制度 (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

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