有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 16:00
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有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断しています。
(1)経営方針
当社グループは、創業以来『品質第一、原価逓減、研究努力』の3つの社訓を経営の規範として会社を運営してまいりました。創業者は『品質第一』と『原価逓減』が、「より良い製品を、より安価に、お客様に提供することが会社隆昌の基本」であり、この「2つの社訓を実現する原動力となるのは不断の研究活動である」と3つ目の『研究努力』を説いています。この創業精神に則り、当社グループは、事業環境の急速な変化および市場の多様化に対応し、持続的な企業価値の向上を図ります。2025年4月より、従来の「材料別6セグメント」から、分野別の「電子・情報」、「環境・エネルギー」、「ライフ・ウェルネス」、「コア・マテリアル」の4セグメントへと開示セグメントの区分を変更しました。これにより、各分野の特性に即した戦略立案を可能とするとともに、ステークホルダーの皆様に対する事業内容の理解促進を図り、経営資源の効率的な管理・分析を通じて事業運営を高度化させてまいります。
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<各事業セグメントの方針>■ 電子・情報
・次世代高速通信に対応した低誘電材料の拡販
・技術トレンドに沿ったディスプレイ向け先端材料の開発促進
・独自技術を生かした次世代半導体材料への新規参入
■ 環境・エネルギー
・サステナブル社会実現に貢献するリチウムイオンバッテリー関連材料の開発
・電動化、電装化とともに循環社会に貢献する樹脂材料で拡大
・再生可能エネルギーの推進に貢献する太陽電池用材料の拡大
■ ライフ・ウェルネス
・認知機能維持をサポートする機能性表示食品「冬虫夏草」の拡販
・界面活性剤の技術を基盤に、食品添加物、香粧品、クリーニング用薬剤、においビジネスの拡大を図り、新しい用途への素材開発を推進
■ コア・マテリアル
・脱炭素社会へ貢献する環境負荷の少ない天然由来原料の活用
・コア技術である界面技術を注力分野3分野へ展開
・伝統ある製品・技術が産業界の基盤強化と発展に寄与
中長期的な成長を見据えた柔軟かつ持続的な経営基盤の構築に努め、安定的な収益を生み出すための企業体質強化の取り組みを継続します。「こたえる、化学。」をミッションに掲げ、当社グループの成長戦略を確実に軌道に乗せるための諸施策を、全社員が一丸となり確実に実行し、新たな会社の歴史を作ります。
社訓『品質第一、原価逓減、研究努力』を礎に、社是「産業を通じて、国家・社会に貢献する」の実現に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社は、2025年4月より、5カ年中期経営計画「SMART 2030(スマート ニイゼロサンゼロ)」を始動しました。2030年度の業績目標を設定し、持続的な企業価値の向上を目指しています。
本計画においては、以下の基本方針のもと経営体制および事業運営の強化を図ります。
1.事業運営体制の強化
事業本部制を導入し、営業部門および研究部門が一体となった分野別の事業部を設置しています。これにより、顧客課題への迅速な対応および新規開発テーマへの取り組みを可能とする体制を構築し、併せて、事業責任の明確化を通じた機動的な組織運営を推進します。
2.研究開発体制の強化
経営直轄組織として「生産技術研究所」および「京都中央研究所」を設置し、研究開発力の強化とスピードアップを図ります。取り組むテーマを短期および中長期に区分し、開発期間の短縮を図ることで、事業効率および競争力の一層の向上に取り組んでいます。
3.人事制度改革と人財育成の推進
新たな人事制度を導入することで、労働生産性の向上を図っています。成果を正当に評価する制度の構築により、社員一人ひとりの成長が企業の成長に直結する仕組みを整備するとともに、挑戦する社員を賞賛する企業風土の醸成を進めています。
また、当社は、従業員の健康を維持・増進することで生産性の向上を図り、ひいては企業価値の向上を目指し、「健康経営」の推進に取り組んでいます。その成果として、経済産業省と日本健康会議が主催する「健康経営優良法人 ~ホワイト 500~」に9年連続で認定されています。これらの取り組みは、役員が出席する会議体において結果の報告を行い、それに基づき策定された計画について承認を得る体制としており、企業の生産性ならびに企業価値の一層の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2025年4月から開始した中期経営計画「SMART 2030」の1年目が終了しました。わが国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、円安や原材料価格の高騰、海外需要の減速により、先行き不透明な状況が続きました。世界経済においても、米国の金融政策や中国・欧州の景気停滞を背景に成長が鈍化しています。化学業界では、電子材料やエネルギー関連分野で需要が回復した一方、汎用化学品における価格競争の激化など、総じて厳しい事業環境が続いています。
このような状況のもと、中期経営計画「SMART 2030」の1年目は、当社はハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料や新規電池材料の負極用複合接着剤の引き合いが一段と強まり、市場からの評価が着実に向上しています。その結果、成長領域における需要の拡大が業績を牽引し、増収増益となりました。「SMART 2030」の2年目は、2027年4月から開始するPhase2への移行を見据え、初年度に策定した方針および施策を着実に遂行し、その成果を企業価値の向上として具現化していく重要な期間と位置付けます。また、本計画の推進にあたって影響のある要因としては、原材料価格およびエネルギーコストの高騰、金利上昇、経済市況の悪化、ならびに地政学リスクの継続等が考えられます。
なお資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については以下のとおりです。
当社グループのPBR(株価純資産倍率)は、2026年3月期末時点で、1倍を上回る水準ですが、これを一過性の成果と捉えることなく、引き続き資本コストを意識した経営の重要性を強く認識しています。引き続き、資本効率の向上に加え、成長投資の推進、株主還元の充実、IR活動による市場との対話に取り組み、株主価値の持続的な向上を図ります。
中期経営計画「SMART 2030」では、ROIC(投下資本利益率)を重要指標としています。今後もWACC(加重平均資本コスト)を上回るROICと投資収益を確保し、企業価値の向上に努めます。
配当については、事業成長に必要な内部留保とのバランスを図りつつ、長期的かつ安定的な配当を基本方針としています。「SMART 2030」計画の2030年3月期の連結配当性向を高めることを目標とし、積極的な株主還元を実施してまいります。内部留保は、国際競争力の強化や将来の成長に向けた投資に活用し、企業価値の増大を図ります。
(4)経営環境
当連結会計年度は、ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料や新規電池材料の負極用複合接着剤の引き合いが一段と強まり、市場からの評価が着実に向上しました。その結果、成長領域における需要の拡大が業績を牽引し、増収増益となりました。
2025年4月に始動した中期経営計画「SMART 2030」は、初年度を終え、研究開発の強化とスピードアップによる競争力強化を加速させています。営業と研究を一体化した「事業本部制」のもと、部門間の連携が深化しました。また、新設した生産技術研究所や京都中央研究所も連動し、重点分野での技術革新を推進しています。さらに、新人事制度の運用を通じて成果を正当に評価し、挑戦を称える企業文化の定着を図ってまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
企業価値を高めていくために会社が対処すべき課題は、次の3点と認識しています。中期経営計画2年目として、当社グループが重点的に取り組むべき課題は以下のとおりです。
第一の課題は収益力の強化と事業ポートフォリオの改善です。特に収益性に課題を有する事業につきましては、初年度の取り組みを踏まえ、事業方針のさらなる明確化、販売戦略の見直しなどを進め、早期の収益改善を図ります。また継続的な価格改定や販売数量の拡大を通じて、安定的な利益創出の構築に取り組みます。
第二の課題は、研究開発の強化とスピードアップによる更なる競争力強化です。営業と研究を一体化した事業本部制のもと、顧客課題を起点としたテーマ創出から、開発、評価、市場投入までのプロセスをさらに高度化し、意思決定の迅速化と責任体制の明確化を通じて競争力のある製品・サービスの創出を推進します。
第三の課題は、人財を最重要な経営資源と位置づけ、その能力を最大限に引き出す組織づくりです。挑戦を評価し、失敗から学び改善につなげる企業文化への定着を図ることで、社員一人ひとりの創意工夫を新たな付加価値の創出へと結びつけ、「挑戦し、選ばれる会社へ」という年度標語の実現につなげます。
2026年度は中期経営計画「SMART 2030」の2年目にあたり、初年度に定めた方針および施策を着実に実行し、その成果を具体的な業績および企業価値の向上として結実させていく重要な一年です。また、変化の激しい事業環境の中においても、自ら挑戦を続け、市場やお客様から選ばれ続ける企業となることを目指します。
中期経営計画「SMART 2030」では「ユニ・トップ」「サステナビリティ」「チャレンジ」の3つをキーワードに、行動規範を整備し、人財の充実に取り組むとともに、人的資本を含む無形資産の最大化と企業の持続的成長を連動させることを基本方針としています。さらに、サステナビリティ開示の充実に取り組みます。気候変動、人的資本、人権尊重などの課題に対処するための活動を拡充していきます。地球温暖化や資源の枯渇などの環境問題、また少子高齢化などさまざまな社会課題が私たちの暮らしを取り巻いています。当社は、環境や生活の安全性や快適性などを高めるため、「こたえる、化学。」を追求します。
今後とも当社グループへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
(免責・注意事項)
本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等
に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでいます。そのため、実際の業績につきましては、一般
的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら
見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。
従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。

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