有価証券報告書-第126期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 15:13
【資料】
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【項目】
161項目
(重要な会計上の見積り)
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
1.C&E顔料事業(旧ドイツBASF社のColors & Effects顔料事業)の取得原価の配分
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
暫定的な会計処理の確定に伴う取得原価の当初配分額の見直しの内容及び金額は以下のとおりです。
のれん(修正前): 19,598百万円
のれんの修正金額
流動資産: 2,362百万円
固定資産: 149百万円
流動負債: △889百万円
固定負債: △1,679百万円
修正金額合計: △58百万円
のれん(修正後): 19,540百万円

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
当連結会計年度において、C&E顔料事業の取得に関する暫定的な会計処理の確定により、取得原価の配分額の見直しを完了しました。
取得原価の配分における有形固定資産及び無形固定資産の公正価値は、資産の種類に応じて、コストアプローチ、インカムアプローチ(ロイヤルティ免除法など)、マーケットアプローチ等の手法を用いて算定しています。
のれんについては、取得原価から受け入れた識別可能な資産及び引き受けた負債を差し引いて算出しています。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
有形固定資産の企業結合時点における公正価値の見積りにあたっては、市場価格、再調達原価、対象資産から生み出される将来キャッシュ・フロー予想及び割引率等が重要な仮定として用いられています。
無形固定資産の公正価値の見積りにあたっては、市場価格、ロイヤルティ料率、対象資産から生み出される将来キャッシュ・フロー予想及び割引率等が重要な仮定として用いられています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
有形固定資産及び無形固定資産の公正価値の算定は経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。これによって、有形固定資産及び無形固定資産の評価額に重要な影響を生じさせるリスクがあります。
2.Guangdong DIC TOD Resins Co., Ltd.(以下、広東TOD社)の取得原価の配分
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
有形固定資産: 3,981百万円
無形固定資産: 5,478百万円
のれん: 10,897百万円

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
主要な資産と、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
主要な資産連結財務諸表に計上した金額
有形固定資産建物及び構築物1,883
機械装置及び運搬具1,328
土地672
無形固定資産顧客関連資産3,137
商標権1,752
技術関連資産570

取得原価の配分における有形固定資産及び無形固定資産の公正価値は、資産の種類に応じて、インカムアプローチ(超過収益法、ロイヤルティ免除法)、コストアプローチ、マーケットアプローチを用いて算定しています。
のれんについては、取得原価から受け入れた識別可能な資産及び引き受けた負債を差し引いて算出しています。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
有形固定資産の企業結合時点における公正価値の見積りにあたっては、市場価格、経済的耐用年数等が重要な仮定として用いられています。
無形固定資産の公正価値の見積りにあたっては、既存顧客の減少率、ロイヤルティ料率、対象資産から生み出される将来キャッシュ・フロー予想及び割引率等が重要な仮定として用いられています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
有形固定資産及び無形固定資産の公正価値の算定は経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。これによって、有形固定資産、無形固定資産の評価額に重要な影響を生じさせるリスクがあります。
3.のれんの評価
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度
のれん20,18233,641

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①C&E顔料事業に関するのれん
C&E顔料事業に関するのれんの帳簿価額は、当連結会計年度末において20,343百万円です。同事業にかかるのれんは毎期減損テストが行われ、のれんを含む報告単位の公正価値を算出するために、将来キャッシュ・フローの割引現在価値等を見積もる必要があります。
当該見積りには、事業計画やそこで用いられている収益の成長率、割引率や長期成長率などが重要な仮定として含まれています。
これらの仮定には経営者の判断が含まれており、急激な経済情勢や経営状況の悪化があった場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②広東TOD社に関するのれん
広東TOD社の取得により計上したのれんの帳簿価額は、当連結会計年度末において9,948百万円です。同社に係るのれんは毎期減損テストが行われ、のれんを含む資金生成単位グループの回収可能価額を算出するために、将来キャッシュ・フローの割引現在価値等を見積もる必要があります。
当該見積りには、資金生成単位グループの将来の事業計画やそこで用いられている市場成長率、収益の成長率や割引率などが重要な仮定として含まれています。
これらの仮定には経営者の判断が含まれており、急激な経済情勢や経営状況の悪化があった場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
4.繰延税金資産の回収可能性
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産16,419百万円

(繰延税金負債相殺前の残高は43,299百万円です。)
なお、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は45,752百万円です。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
繰延税金資産の認識において、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金が将来の課税所得の見積額と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲で計上しており、その範囲を超える額については控除しています。
子会社のうち欧米を中心としたSun Chemicalグループは、FASB会計基準書第740号「法人税等」に従い、繰延税金資産(繰延税金負債との相殺前)34,537百万円を計上しており、連結全体に対して高い割合を占めています。また、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は、41,154百万円です。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
当社グループにおける繰延税金資産の回収可能性の判断は、過去の課税所得水準に加え、将来減算一時差異及び繰越欠損金が控除可能な期間における事業計画を基礎とした将来課税所得の予測に基づいています。
将来課税所得見積りの基礎となる事業計画は、将来の売上高、原材料価格及び外国為替相場の推移の見込み等が主要な仮定として使用されています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
これらの仮定については、新型コロナウイルス感染症の影響を含む不確実な経済条件の変動の影響を受ける可能性があります。当初の見積りと異なる結果となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の追加計上又は取り崩しが必要となるなど、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1.Sun Chemical Color Materialsに関するのれん及び固定資産の評価
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度
有形固定資産95,795111,326
無形固定資産20,29020,088
のれん19,136-
減損損失-22,469

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
C&E顔料事業の取得により生じたのれんは、報告単位であるSun Chemical Color Materialsに配分したうえで毎期減損テストを実施しており、当該報告単位の公正価値がその帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識しています。当該公正価値は将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いています。当連結会計年度においては、現在の経済環境を踏まえ事業計画の修正を行った結果、公正価値がその帳簿価額を下回ったため、のれんの未償却残高の全額に対して19,653百万円の減損損失を認識しています。
また、Sun Chemical Color Materialsにおける顔料生産拠点の統廃合に伴い、米国の工場の稼働停止を決定したことにより、当該工場資産について2,816百万円の減損損失を認識しています。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、事業計画やそこで用いられている収益の成長率、割引率や長期成長率等が重要な仮定として用いられています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
公正価値の算定は経営者による最善の見積りにより行っていますが、市場環境の変化等により、当連結会計年度の見積りに使用した仮定が変化した場合には、翌連結会計年度においてSun Chemical Color Materialsに関するのれん以外の固定資産の評価に重要な影響を与える可能性があります。
2.Guangdong DIC TOD Resins Co., Ltd.(以下、広東TOD社)を含む資金生成単位グループに関するのれん及び固定資産の評価
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度
有形固定資産8,3919,966
無形固定資産4,9584,808
のれん9,9487,340
減損損失-2,518

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
広東TOD社の取得により計上したのれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位グループに配分したうえで毎期減損テストを実施しており、当該資金生成単位グループの回収可能価額がその帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識しています。当該回収可能価額は使用価値により測定しており、使用価値は将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いています。当連結会計年度においては、見込んでいた中国市場の油性樹脂から水性樹脂への切り替えが当初の想定よりも遅れていることなどから、事業計画の修正を行った結果、回収可能価額がその帳簿価額を下回ったため、のれんの未償却残高の一部に対して2,518百万円の減損損失を認識しています。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、市場環境を踏まえた売上収益の成長率等を含む将来計画、割引率や長期成長率等が重要な仮定として用いられています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
回収可能価額の算定は経営者による最善の見積りにより行っていますが、市場環境の変化等により、当連結会計年度の見積りに使用した仮定が変化した場合には、翌連結会計年度において広東TOD社を含む資金生成単位グループに関するのれん及び固定資産の評価に重要な影響を与える可能性があります。
3.Innovation DIC Chimitroniques Inc.の取得原価の配分
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
有形固定資産: 5,352百万円
無形固定資産: 2,723百万円
のれん: 5,971百万円


(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
主要な資産と、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
主要な資産連結財務諸表に計上した金額
有形固定資産建物及び構築物576
機械装置及び運搬具3,251
工具、器具及び備品999
無形固定資産顧客関連資産2,205
技術関連資産517

取得原価の配分における有形固定資産及び無形固定資産の公正価値は、資産の種類に応じて、インカムアプローチ(超過収益法、ロイヤルティ免除法、直接還元法)、コストアプローチ、マーケットアプローチを用いて算定しています。
のれんについては、取得原価から受け入れた識別可能な資産及び引き受けた負債を差し引いて算出しています。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
有形固定資産の企業結合時点における公正価値の見積りにあたっては、市場価格、経済的耐用年数等が重要な仮定として用いられています。
無形固定資産の公正価値の見積りにあたっては、既存顧客の減少率、ロイヤルティ料率、対象資産から生み出される将来キャッシュ・フロー予想及び割引率等が重要な仮定として用いられています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
有形固定資産及び無形固定資産の公正価値の算定は経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。これによって、有形固定資産、無形固定資産及びのれんの評価額に重要な影響を生じさせるリスクがあります。
4.繰延税金資産の回収可能性
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産16,593百万円

(繰延税金負債相殺前の残高は46,048百万円です。)
なお、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は68,755百万円です。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
繰延税金資産の認識において、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金が将来の課税所得の見積額と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲で計上しており、その範囲を超える額については控除しています。
子会社のうち欧米を中心としたSun Chemicalグループは、FASB会計基準書第740号「法人税等」に従い、繰延税金資産(繰延税金負債との相殺前)35,034百万円を計上しており、連結全体に対して高い割合を占めています。また、繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額は、53,961百万円です。
②当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
当社グループにおける繰延税金資産の回収可能性の判断は、過去の課税所得水準に加え、将来減算一時差異及び繰越欠損金が控除可能な期間における事業計画を基礎とした将来課税所得の予測に基づいています。
将来課税所得見積りの基礎となる事業計画は、将来の売上高、原材料価格及び外国為替相場の推移の見込み等が主要な仮定として使用されています。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
これらの仮定については、欧米における金利上昇等による世界的な為替や景気の動向による影響やエネルギー価格の変動による原材料価格の影響を受ける可能性があります。当初の見積りと異なる結果となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の追加計上又は取り崩しが必要となるなど、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。