四半期報告書-第12期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/02 9:36
【資料】
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【項目】
14項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
[連結経営成績]
<連結業績(コアベース)>当第2四半期連結累計期間の連結業績(コアベース)は、以下のとおり、売上高は減収、コア営業利益、コア四半期純利益は増益となりました。
[連結業績(コアベース)](単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
(増減率)
売上高687,501651,673△35,828
(△5.2%)
コア営業利益145,170166,45521,285
(14.7%)
コア四半期純利益103,938120,56916,631
(16.0%)
基本的1株当たり
コア四半期純利益(円)
47.7656.758.99
(18.8%)

当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用などのほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
売上高
連結売上高は6,517億円(対前年同四半期連結累計期間比5.2%減)となりました。
・為替の影響に加え、本年4月に日本で実施された薬価改定の影響などもあり、減収となりました。
・グローバル製品については、前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジの売上が拡大しました。ベシケアとベタニス/ミラベトリック/ベットミガを合わせた過活動膀胱(OAB)治療剤の売上は為替の影響により減少しました。また、免疫抑制剤プログラフの売上が減少しました。
(地域別売上高の状況)
※地域別売上高については売上元会社の所在地に基づき集計しています。
◇日本
日本の売上高は2,372億円(同4.0%減)となりました。このうち、日本市場での売上高は薬価改定の影響などもあり、2,218億円(同7.6%減)となりました。
・ベシケアとベタニスを合わせたOAB治療剤、消炎鎮痛剤セレコックス、成人気管支喘息治療剤シムビコート、2型糖尿病治療剤スーグラなどの売上が拡大しました。
・イクスタンジの売上が薬価改定の影響を受け減少しました。
・また、ワクチンの売上が昨年度実施された製造元の出荷自粛の影響が続いたことなどにより減少したほか、高コレステロール血症治療剤リピトールや消化性潰瘍・胃炎治療剤ガスターなどの売上が、後発医薬品の影響などにより減少しました。
◇米州
米州の売上高は2,066億円(同11.3%減)となりました。なお、米ドルベースでの売上高は1,963百万ドル(同2.6%増)となりました。
・XTANDI、ベシケアとミラベトリックを合わせたOAB治療剤のほか、心機能検査補助剤レキスキャンなどの売上が為替の影響により減少しましたが、米ドルベースでの売上はそれぞれ拡大しました。
・プログラフの売上は減少しました。
・アゾール系抗真菌剤クレセンバが売上に貢献しました。
◇EMEA(欧州・中東・アフリカ)
EMEAの売上高は1,661億円(同2.3%増)となりました。なお、ユーロベースでの売上高は1,406百万ユーロ(同17.0%増)となりました。
・XTANDIの売上が拡大しました。
・ベシケアとベットミガを合わせたOAB治療剤、プログラフの売上は為替の影響などにより減少しました。なお、プログラフのユーロベースでの売上は拡大しました。
◇アジア・オセアニア
アジア・オセアニアの売上高は418億円(同7.6%減)となりました。
・XTANDI、ベシケアとベットミガを合わせたOAB治療剤の売上は増加しました。
・プログラフ、前立腺肥大症の排尿障害改善剤ハルナールの売上は為替の影響などもあり減少しました。
コア営業利益/コア四半期純利益
・売上高の減少に伴い、売上総利益は5,055億円(同2.6%減)となりました。なお、売上原価率は製品構成の変化に加え、グループ間取引における未実現利益消去に伴う為替の影響などにより、前年同四半期連結累計期間に比べ2.1ポイント低下し、22.4%となりました。
・販売費及び一般管理費、研究開発費は為替の影響などにより、それぞれ2,208億円(同7.9%減)、997億円(同11.0%減)となりました。なお、対売上高研究開発費比率は、前年同四半期連結累計期間に比べ1.0ポイント低下し、15.3%となりました。
・無形資産償却費は、177億円(同19.2%減)となりました。
以上の結果、コア営業利益は1,665億円(同14.7%増)となりました。
また、コア四半期純利益は1,206億円(同16.0%増)、基本的1株当たりコア四半期純利益は56.75円(同18.8%増)となりました。
本年4月にグローバル皮膚科事業を譲渡したことに伴い、譲渡された製品の売上、諸経費が計上されない一方で、受領した譲渡対価を一定期間にわたり収益として認識しています。この結果、当第2四半期連結累計期間において売上高、利益に一定程度のプラスの影響がありました。
<連結業績(フルベース)>当第2四半期連結累計期間の連結業績(フルベース)は、以下のとおり、売上高は減収、営業利益、税引前四半期利益、四半期純利益は増益となりました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の費用」(減損損失、有形固定資産売却損、リストラクチャリング費用など)、売却可能金融資産の売却益(「金融収益」に計上)などが含まれています。
当第2四半期連結累計期間における、「その他の費用」は98億円(前年同四半期連結累計期間:134億円)、売却可能金融資産の売却益は16億円(前年同四半期連結累計期間:121億円)でした。
[連結業績(フルベース)](単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額
(増減率)
売上高687,501651,673△35,828
(△5.2%)
営業利益132,637157,05724,420
(18.4%)
税引前四半期利益145,418157,77212,354
(8.5%)
四半期純利益102,933115,06412,131
(11.8%)
基本的1株当たり
四半期純利益(円)
47.3054.166.86
(14.5%)
四半期包括利益104,8682,662△102,206
(△97.5%)

[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、901億円(対前年同四半期連結累計期間比49億円減)となりました。
・法人所得税の支払額が364億円となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△199億円(同131億円支出増)となりました。
・有形固定資産の取得による支出161億円、無形資産の取得による支出50億円の一方で、売却可能金融資産の売却による収入21億円などがありました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、△355億円(同647億円支出減)となりました。
・配当金の支払額は340億円となりました。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、3,663億円(対前連結会計年度末比63億円増)となりました。
(3)研究開発活動
持続的な成長の源泉である「イノベーションの創出」では、新薬創出力の一層の強化とともに、新たな機会へも積極的に挑戦しています。
これまで注力してきた領域に加え、新たな疾患領域である「筋疾患」「眼科」や、次世代型ワクチンや細胞医療などの新技術・新治療手段に対しても、外部パートナーとの提携機会も活用しながら、イノベーション創出のための投資を行っています。
臨床開発においては、より優先度の高いプロジェクトに経営資源を集中することにより、開発のスピードアップを図っています。
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は997億円となりました。