半期報告書-第116期(2026/01/01-2026/06/30)
(1)業績の状況
<連結損益の概要(IFRSベース)>当中間連結会計期間の売上収益は6,633億円(前年同期比14.7%増)、営業利益は3,196億円(同16.9%増)、中間利益は2,317億円(同19.2%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費12億円、事業再構築費用等83億円が含まれております。
<連結損益の概要(Coreベース)>当中間連結会計期間の売上収益は、製商品売上高及びその他の売上収益が伸長し、6,633億円(前年同期比14.7%増)となりました。
売上収益のうち、製商品売上高は5,665億円(同10.8%増)となりました。国内製商品売上高は、薬価改定や後発品浸透等の影響を受けたものの、主力品のバビースモ、ポライビー、エンスプリング、フェスゴ及び新製品のエレビジス、ルンスミオが伸長し、前年同期を上回りました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ輸出が増加するとともに、ガルデルマへ導出したNEMLUVIOの同社向け輸出が大幅に増加し、前年同期を上回りました。その他の売上収益は、968億円(同44.5%増)となりました。一時金収入の大幅な増加に加え、主にヘムライブラ、NEMLUVIOに関するロイヤルティ収入の増加により、前年同期を大きく上回りました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により34.6%と前年同期比で0.3ポイント上昇しました。結果、売上総利益は4,675億円(同15.9%増)となりました。
研究開発費は902億円(同4.5%増)となり、創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により前年同期を上回りました。販売費及び一般管理費は490億円(同7.9%増)となり、主に法人事業税(外形標準課税)及び一時的な諸経費等の増加により前年同期を上回りました。その他の営業収益(費用)は9億円の収益(前年同期は4億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は3,291億円(同21.0%増)、Core中間利益は2,384億円(同23.2%増)となりました。
※Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
<製商品売上高の内訳>
[国内製商品売上高]
国内製商品売上高は、薬価改定及び後発品浸透等の影響を受けたものの、主力品及び新製品が伸長し、2,379億円(前年同期比6.5%増)となりました。
オンコロジー領域の売上高は、1,174億円(同0.7%増)となりました。薬価改定及び後発品浸透の影響により、抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」の売上が減少しました。一方、主力品の抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー」、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」の好調な推移に加えて、新製品の抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ」が市場浸透しました。
スペシャリティ領域の売上高は、1,205億円(同12.9%増)となりました。薬価改定の影響を受けたものの、主力品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」の売上が大幅に増加したことに加え、pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「エンスプリング」が堅調に推移しました。また、2026年2月に発売したウイルスベクター製品「エレビジス」が順調に市場浸透しました。
[海外製商品売上高]
海外製商品売上高は3,286億円(前年同期比14.1%増)となりました。血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」のロシュ向け輸出が増加するとともに、ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体「NEMLUVIO」のガルデルマ向け輸出が大幅に増加しました。
(2)連結財政状態に関する説明
<資産、負債及び純資産の状況>
当中間連結会計期間末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ42億円増加し、1兆1,145億円となりました。うち、純運転資本は棚卸資産が増加した一方で、未収入金の減少や営業債務の増加等により前連結会計年度末に比べ298億円減少し、4,972億円となりました。また、長期純営業資産は浮間事業所における新たな研究棟(UKX)やバイオ原薬製造棟(UK3)への投資等により前連結会計年度末から339億円増加し、6,172億円となりました。
次項「キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ171億円減少し、9,626億円となりました。その他の営業外純資産は為替予約負債の減少等により前連結会計年度末から149億円増加し、△494億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ20億円増加し、2兆277億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について
連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について
純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
<キャッシュ・フローの状況>
営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、3,391億円(前年同期比17.0%増)となりました。
調整後営業利益から有形固定資産の取得による支出212億円等があった一方で、純運転資本等の減少124億円により、営業フリー・キャッシュ・フローは3,157億円(同33.3%増)の収入となりました。純運転資本等の減少要因は前項「資産、負債及び純資産の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税895億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは2,270億円(同84.9%増)の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払2,419億円等を調整したネット現金の純増減は171億円の減少となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は362億円減少し、当中間期末残高は3,904億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるCoreベースの研究開発費は902億円(前年同期比4.5%増)、売上収益研究開発費比率は13.6%となりました。
当中間連結会計期間における研究開発活動の主な進捗状況は以下のとおりです。
「がん領域」
・抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「RG7828」(製品名:「ルンスミオ」)は、2026年3月に、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(「ポライビー」との併用)を対象として適応拡大の承認を取得しました。
・抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「AF802/RG7853」(製品名:「アレセンサ」)は、2026年5月に、ALK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんを対象として適応拡大の承認を取得しました。
・抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2026年6月に、神経線維腫症2型を対象として適応拡大の承認を取得しました。
・抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2026年1月に、分子的残存病変(MRD)陽性の膀胱がんにおける術後補助療法を対象として、また、同年6月に局所進行の食道がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法を対象として、適応拡大の承認申請を行いました。また、第Ⅲ相国際共同治験「IMbrave251試験」の結果に鑑み、肝細胞がん[二次治療](レンバチニブまたはソラフェニブ併用)を対象とする開発を中止しました。
・選択的エストロゲン受容体分解薬「RG6171」は、2026年5月に、再発リスクが中程度以上のホルモン受容体陽性かつHER2陰性乳がんにおける術後薬物療法、及びホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんを対象としてそれぞれ承認申請を行いました。また、第Ⅲ相国際共同治験「persevERA試験」の結果に鑑み、乳がん[一次治療](パルボシクリブ併用)を対象とする開発を中止しました。
・KRAS G12C阻害剤「RG6330」は、2026年1月に、非小細胞肺がん[一次治療]を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・PI3Kα阻害剤「RG6114」は、2026年2月に、PIK3CA 遺伝子変異陽性乳がん(内分泌療法感受性)[一次治療](CDK4/6阻害剤、レトロゾール併用)を対象として、同年3月に、PIK3CA 遺伝子変異陽性・HER2陽性乳がん[一次治療](フェスゴ併用)を対象としてそれぞれ第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
「免疫疾患領域」
・抗悪性腫瘍剤/ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「RG7159」(製品名:「ガザイバ」)は、2026年5月に、特発性ネフローゼ症候群を対象として適応拡大の承認申請を行いました。
・エンドセリン/アンジオテンシンⅡ受容体二重拮抗薬「スパルセンタン」は、2026年6月に、IgA腎症を対象として承認申請を行いました。
・抗HLA-DQ2.5/グルテンペプチドマルチスペシフィック抗体「DONQ52」は、2026年4月に、セリアック病を対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
「神経疾患領域」
・ウイルスベクター製品「RG6356/SRP-9001」(製品名:「エレビジス」)は、2026年2月に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(エクソン8及び/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3歳以上8歳未満の歩行可能な患者)の治療を目的とした再生医療等製品として発売しました。
・抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「GYM329/RG6237」は、第Ⅱ/Ⅲ相国際共同治験「MANATEE試験」の結果に鑑み、脊髄性筋萎縮症を対象とする開発を、第Ⅱ相臨床試験「MANOEUVRE試験」の結果に鑑み、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを対象とする開発をそれぞれ中止しました。
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、ロシュが戦略上の理由でデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする第Ⅱ相臨床試験を中止したことを受け、パイプラインから除外しました。
「血液疾患領域」
・抗血液凝固第Ⅸa/X因子バイスペシフィック抗体「NXT007/RG6512」は、2026年4月に血友病Aを対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
「眼科領域」
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、2026年6月に甲状腺眼症を対象とした適応拡大の承認申請が米国食品医薬品局(FDA)に受理されました。
・ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体Fab断片「RG6321」は、2026年6月に中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、及び糖尿病黄斑浮腫を対象として、それぞれ承認申請を行いました。
「その他の領域」
・持続性GLP-1/GIP受容体作動薬「RG6640」は、2026年4月に肥満症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
(5)従業員の状況
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(7)主要な設備
当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画はありません。
(注)本項2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。
| (単位:億円) | ||||
| 2026年 中間期実績 | 2025年 中間期実績 | 前年同期比 | ||
| 連結損益(Core実績) | ||||
| 売上収益 | 6,633 | 5,785 | +14.7 | % |
| 製商品売上高 | 5,665 | 5,114 | +10.8 | % |
| その他の売上収益 | 968 | 670 | +44.5 | % |
| 売上原価 | △1,959 | △1,752 | +11.8 | % |
| 売上総利益 | 4,675 | 4,033 | +15.9 | % |
| 研究開発費 | △902 | △863 | +4.5 | % |
| 販売費及び一般管理費 | △490 | △454 | +7.9 | % |
| その他の営業収益(費用) | 9 | 4 | +125.0 | % |
| 営業利益 | 3,291 | 2,720 | +21.0 | % |
| 中間利益 | 2,384 | 1,935 | +23.2 | % |
| 連結損益(IFRS実績) | ||||
| 売上収益 | 6,633 | 5,785 | +14.7 | % |
| 営業利益 | 3,196 | 2,733 | +16.9 | % |
| 中間利益 | 2,317 | 1,944 | +19.2 | % |
<連結損益の概要(IFRSベース)>当中間連結会計期間の売上収益は6,633億円(前年同期比14.7%増)、営業利益は3,196億円(同16.9%増)、中間利益は2,317億円(同19.2%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費12億円、事業再構築費用等83億円が含まれております。
<連結損益の概要(Coreベース)>当中間連結会計期間の売上収益は、製商品売上高及びその他の売上収益が伸長し、6,633億円(前年同期比14.7%増)となりました。
売上収益のうち、製商品売上高は5,665億円(同10.8%増)となりました。国内製商品売上高は、薬価改定や後発品浸透等の影響を受けたものの、主力品のバビースモ、ポライビー、エンスプリング、フェスゴ及び新製品のエレビジス、ルンスミオが伸長し、前年同期を上回りました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ輸出が増加するとともに、ガルデルマへ導出したNEMLUVIOの同社向け輸出が大幅に増加し、前年同期を上回りました。その他の売上収益は、968億円(同44.5%増)となりました。一時金収入の大幅な増加に加え、主にヘムライブラ、NEMLUVIOに関するロイヤルティ収入の増加により、前年同期を大きく上回りました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により34.6%と前年同期比で0.3ポイント上昇しました。結果、売上総利益は4,675億円(同15.9%増)となりました。
研究開発費は902億円(同4.5%増)となり、創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により前年同期を上回りました。販売費及び一般管理費は490億円(同7.9%増)となり、主に法人事業税(外形標準課税)及び一時的な諸経費等の増加により前年同期を上回りました。その他の営業収益(費用)は9億円の収益(前年同期は4億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は3,291億円(同21.0%増)、Core中間利益は2,384億円(同23.2%増)となりました。
※Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
<製商品売上高の内訳>
| (単位:億円) | ||||
| 2026年 中間期実績 | 2025年 中間期実績 | 前年同期比 | ||
| 製商品売上高 | 5,665 | 5,114 | +10.8 | % |
| 国内製商品売上高 | 2,379 | 2,233 | +6.5 | % |
| オンコロジー領域 | 1,174 | 1,166 | +0.7 | % |
| スペシャリティ領域 | 1,205 | 1,067 | +12.9 | % |
| 海外製商品売上高 | 3,286 | 2,881 | +14.1 | % |
[国内製商品売上高]
国内製商品売上高は、薬価改定及び後発品浸透等の影響を受けたものの、主力品及び新製品が伸長し、2,379億円(前年同期比6.5%増)となりました。
オンコロジー領域の売上高は、1,174億円(同0.7%増)となりました。薬価改定及び後発品浸透の影響により、抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」の売上が減少しました。一方、主力品の抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー」、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」の好調な推移に加えて、新製品の抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ」が市場浸透しました。
スペシャリティ領域の売上高は、1,205億円(同12.9%増)となりました。薬価改定の影響を受けたものの、主力品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」の売上が大幅に増加したことに加え、pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「エンスプリング」が堅調に推移しました。また、2026年2月に発売したウイルスベクター製品「エレビジス」が順調に市場浸透しました。
[海外製商品売上高]
海外製商品売上高は3,286億円(前年同期比14.1%増)となりました。血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」のロシュ向け輸出が増加するとともに、ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体「NEMLUVIO」のガルデルマ向け輸出が大幅に増加しました。
(2)連結財政状態に関する説明
<資産、負債及び純資産の状況>
| (単位:億円) | |||
| 2026年 中間期末実績 | 2025年 期末実績 | 前期末比 | |
| 純営業資産(NOA)及び純資産 | |||
| 純運転資本 | 4,972 | 5,270 | △298 |
| 長期純営業資産 | 6,172 | 5,833 | 339 |
| 純営業資産(NOA) | 11,145 | 11,103 | 42 |
| ネット現金 | 9,626 | 9,797 | △171 |
| その他の営業外純資産 | △494 | △643 | 149 |
| 純資産合計 | 20,277 | 20,257 | 20 |
| 連結財政状態計算書(IFRS実績) | |||
| 資産合計 | 24,499 | 24,686 | △187 |
| 負債合計 | △4,223 | △4,429 | 206 |
| 純資産合計 | 20,277 | 20,257 | 20 |
当中間連結会計期間末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ42億円増加し、1兆1,145億円となりました。うち、純運転資本は棚卸資産が増加した一方で、未収入金の減少や営業債務の増加等により前連結会計年度末に比べ298億円減少し、4,972億円となりました。また、長期純営業資産は浮間事業所における新たな研究棟(UKX)やバイオ原薬製造棟(UK3)への投資等により前連結会計年度末から339億円増加し、6,172億円となりました。
次項「キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ171億円減少し、9,626億円となりました。その他の営業外純資産は為替予約負債の減少等により前連結会計年度末から149億円増加し、△494億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ20億円増加し、2兆277億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について
連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について
純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
<キャッシュ・フローの状況>
| (単位:億円) | ||||
| 2026年 中間期実績 | 2025年 中間期実績 | 前年同期比 | ||
| フリー・キャッシュ・フロー | ||||
| 営業利益 | 3,196 | 2,733 | +16.9 | % |
| 調整後営業利益 | 3,391 | 2,898 | +17.0 | % |
| 営業フリー・キャッシュ・フロー | 3,157 | 2,368 | +33.3 | % |
| フリー・キャッシュ・フロー | 2,270 | 1,228 | +84.9 | % |
| ネット現金の純増減 | △171 | 313 | - | % |
| 連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績) | ||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,491 | 1,861 | +33.9 | % |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △360 | △1,335 | △73.0 | % |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,509 | △978 | +156.5 | % |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △362 | △431 | △16.0 | % |
| 現金及び現金同等物の中間期末残高 | 3,904 | 4,971 | △21.5 | % |
営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、3,391億円(前年同期比17.0%増)となりました。
調整後営業利益から有形固定資産の取得による支出212億円等があった一方で、純運転資本等の減少124億円により、営業フリー・キャッシュ・フローは3,157億円(同33.3%増)の収入となりました。純運転資本等の減少要因は前項「資産、負債及び純資産の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税895億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは2,270億円(同84.9%増)の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払2,419億円等を調整したネット現金の純増減は171億円の減少となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は362億円減少し、当中間期末残高は3,904億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるCoreベースの研究開発費は902億円(前年同期比4.5%増)、売上収益研究開発費比率は13.6%となりました。
当中間連結会計期間における研究開発活動の主な進捗状況は以下のとおりです。
「がん領域」
・抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「RG7828」(製品名:「ルンスミオ」)は、2026年3月に、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(「ポライビー」との併用)を対象として適応拡大の承認を取得しました。
・抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「AF802/RG7853」(製品名:「アレセンサ」)は、2026年5月に、ALK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんを対象として適応拡大の承認を取得しました。
・抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2026年6月に、神経線維腫症2型を対象として適応拡大の承認を取得しました。
・抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2026年1月に、分子的残存病変(MRD)陽性の膀胱がんにおける術後補助療法を対象として、また、同年6月に局所進行の食道がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法を対象として、適応拡大の承認申請を行いました。また、第Ⅲ相国際共同治験「IMbrave251試験」の結果に鑑み、肝細胞がん[二次治療](レンバチニブまたはソラフェニブ併用)を対象とする開発を中止しました。
・選択的エストロゲン受容体分解薬「RG6171」は、2026年5月に、再発リスクが中程度以上のホルモン受容体陽性かつHER2陰性乳がんにおける術後薬物療法、及びホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんを対象としてそれぞれ承認申請を行いました。また、第Ⅲ相国際共同治験「persevERA試験」の結果に鑑み、乳がん[一次治療](パルボシクリブ併用)を対象とする開発を中止しました。
・KRAS G12C阻害剤「RG6330」は、2026年1月に、非小細胞肺がん[一次治療]を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・PI3Kα阻害剤「RG6114」は、2026年2月に、PIK3CA 遺伝子変異陽性乳がん(内分泌療法感受性)[一次治療](CDK4/6阻害剤、レトロゾール併用)を対象として、同年3月に、PIK3CA 遺伝子変異陽性・HER2陽性乳がん[一次治療](フェスゴ併用)を対象としてそれぞれ第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
「免疫疾患領域」
・抗悪性腫瘍剤/ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「RG7159」(製品名:「ガザイバ」)は、2026年5月に、特発性ネフローゼ症候群を対象として適応拡大の承認申請を行いました。
・エンドセリン/アンジオテンシンⅡ受容体二重拮抗薬「スパルセンタン」は、2026年6月に、IgA腎症を対象として承認申請を行いました。
・抗HLA-DQ2.5/グルテンペプチドマルチスペシフィック抗体「DONQ52」は、2026年4月に、セリアック病を対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
「神経疾患領域」
・ウイルスベクター製品「RG6356/SRP-9001」(製品名:「エレビジス」)は、2026年2月に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(エクソン8及び/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3歳以上8歳未満の歩行可能な患者)の治療を目的とした再生医療等製品として発売しました。
・抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「GYM329/RG6237」は、第Ⅱ/Ⅲ相国際共同治験「MANATEE試験」の結果に鑑み、脊髄性筋萎縮症を対象とする開発を、第Ⅱ相臨床試験「MANOEUVRE試験」の結果に鑑み、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーを対象とする開発をそれぞれ中止しました。
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、ロシュが戦略上の理由でデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする第Ⅱ相臨床試験を中止したことを受け、パイプラインから除外しました。
「血液疾患領域」
・抗血液凝固第Ⅸa/X因子バイスペシフィック抗体「NXT007/RG6512」は、2026年4月に血友病Aを対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
「眼科領域」
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、2026年6月に甲状腺眼症を対象とした適応拡大の承認申請が米国食品医薬品局(FDA)に受理されました。
・ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体Fab断片「RG6321」は、2026年6月に中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、及び糖尿病黄斑浮腫を対象として、それぞれ承認申請を行いました。
「その他の領域」
・持続性GLP-1/GIP受容体作動薬「RG6640」は、2026年4月に肥満症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
(5)従業員の状況
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(7)主要な設備
当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画はありません。
(注)本項2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。