有価証券報告書-第128期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 13:38
【資料】
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【項目】
120項目
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
企業統治の体制につきましては、当社は、監査役会設置会社であり、会社法に基づく機関として、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査人を設置しており、そのほか、実効性のあるガバナンス体制の構築の観点から、経営会議、コンプライアンス委員会、コンプライアンス推進部、監査部を設置するとともに、独立社外取締役及び独立社外監査役を選任し、内部統制システムの構築に関する基本方針の運用・整備等を通じて、コーポレートガバナンスの充実を図ることが適切と判断しております。
企業統治の体制を図式化すると、以下のとおりです。

<監査役・監査役会>当社は、監査役・監査役会を設置しております。監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として、取締役会等の重要な会議への出席、代表取締役との定期会合、会計監査人や内部監査部門との連携等により実効的に監査を実施しております。また、監査役会は、専門的知見を有する社外監査役を含めた監査役3名(うち社外監査役2名)により構成されており、相互に知識、情報の共有や意見交換を行うことにより、中立的な立場から客観性の高い監査の実施に努めております。
(監査役会構成員の氏名等)
議 長:常勤監査役 山本賢
構成員:社外監査役 出雲栄一、社外監査役 松村卓治
<取締役会>取締役会は、独立した客観的な立場から経営に対する実効性の高い監督を行うため、過半数を独立社外取締役とする、3名(うち社外取締役2名)の取締役で構成されております。原則毎月1回開催していますが、必要に応じて機動的に開催しております。取締役会は、法令及び定款に定められた事項並びに重要な事項の決定、取締役の職務の執行の監督を行い、また、代表取締役から職務執行状況の報告を受けております。
(取締役会構成員の氏名等)
議 長:社外取締役 鳥養雅夫、社外取締役 福岡敏夫
※当社の取締役会の議長は、非業務執行取締役としております。なお、取締役会が2名以上の非業務執行取締役を含み組織される場合には、非業務執行取締役の互選により、取締役会の議長を選定します。
構成員:代表取締役社長 松田剛一
<経営会議>経営会議は、代表取締役及び執行役員の6名で構成され、原則毎週1回開催し、業務全般にわたる経営方針及び基本計画に関する事項等を中心に、経営上の重要事項に関する審議を行っております。
(経営会議構成員の氏名等)
議 長:代表取締役社長 松田剛一
構成員:常務執行役員 角南正記、常務執行役員 掛江敦之、常務執行役員 藤原勝伸、常務執行役員 近藤紳雅、執行役員 西野範昭
<コンプライアンス委員会>コンプライアンス委員会は、取締役及びグループリーダーの8名で構成され、コンプライアンスの推進状況等を把握し、コンプライアンスの推進に関する重要事項を審議・決定しますが、重大なコンプライアンス違反又はそのおそれがあると認められる行為に対する所要の措置等については取締役会に上程することとしております。
(コンプライアンス委員会構成員の氏名等)
委員長:代表取締役社長 松田剛一
構成員:社外取締役 鳥養雅夫、社外取締役 福岡敏夫、常務執行役員 角南正記、常務執行役員 掛江敦之、常務執行役員 藤原勝伸、常務執行役員 近藤紳雅、執行役員 西野範昭
<コンプライアンス推進部>コンプライアンス推進部は、13名の専担者ほか、各部門に配置しているコンプライアンス推進担当者16名の兼務者で構成され、法令等の遵守を徹底するほか、取締役及び使用人が共有すべき価値観、倫理観及び遵守すべき規準を記載した指針等を作成・配付のうえ積極的かつ継続的に教育・啓発活動を行っております。
<監査部>監査部は、5名で構成され、社長直属の組織として客観的な観点から、重要性及びリスクを考慮して、経営活動全般にわたる管理・運営の制度及び業務執行状況を検討評価し、社長に対して、その結果に基づく情報の提供並びに改善等の提言を行っております。
<会計監査人>当社は、有限責任監査法人トーマツとの間で、監査契約(公認会計士法第2条第1項に基づく監査証明業務)を締結しております。
イ.内部統制システムの整備の状況
当社におけるコーポレートガバナンスとは、企業ミッションである「世界に通用する医薬品を通じて、お客様、株主、社会、社員に対する責任を果たすとともに、人々の健康に貢献する」ことの遂行に向け、経営環境の変化に迅速かつ適切に対処し、公正かつ透明な経営を実行するための仕組みのことであり、コーポレートガバナンスの充実が、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上につながるものと認識し、この考え方に基づき、実効性のあるガバナンス体制の構築の観点から、内部統制システムの構築に関する基本方針の運用・整備に努めるものとします。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
<コンプライアンス体制>当社は、コンプライアンスの推進を重要な経営課題の一つとして認識し、その実効性を高めるため、コンプライアンス体制に関する規則を整備し、取締役会に直結する機関として、取締役及びグループリーダーで構成し監査役も出席するコンプライアンス委員会(委員長は社長)を設置し、また、全社に関するコンプライアンス推進活動を所管するコンプライアンス推進部を設置します。
・コンプライアンス委員会は、コンプライアンスの推進状況等を把握し、コンプライアンスの推進に関する重要事項を審議・決定しますが、重大なコンプライアンス違反又はそのおそれがあると認められる行為に対する所要の措置等については取締役会に上程します。
・コンプライアンス推進部は、法令等の遵守を徹底するほか、取締役及び使用人が共有すべき価値観、倫理観及び遵守すべき規準を記載した指針等を作成・配付のうえ積極的かつ継続的に教育・啓発活動を行います。
・法令違反等の事実又はそのおそれを早期に認識するため、社内及び社外に通報窓口等を設置し、通報があった場合には調査を行い、必要な措置を講じます。
<財務報告の信頼性を確保するための体制>金融商品取引法等に基づき、財務報告に係る内部統制システムを整備・運用するとともに、これを評価・報告する体制を構築します。
なお、監査部と財務報告に係る内部統制所管部門は、会計監査人と協議のうえ年間計画等を作成し、進捗管理を行うことで連携を図ります。
<内部監査体制>内部監査については、監査部が所管し、社長直属の組織として客観的な観点から、重要性及びリスクを考慮して、経営活動全般にわたる管理・運営の制度及び業務執行状況を検討評価し、社長に対して、その結果に基づく情報の提供並びに改善等の提言を行います。また、監査部は、内部監査計画・実績の共有や意見交換の場等を通じて、会計監査人及び取締役(独立社外取締役を含む)との連携を行います。
<適時開示体制>金融商品取引法等の規定に基づく情報開示については、原則として、経営企画部が所管し、取締役会又は社長若しくは情報統括管理責任者(企画・支援グループリーダー)の承認を得て公表を行います。
<独立社外取締役のみの会合等>独立社外取締役は、情報交換・認識共有を図るため、独立社外取締役のみの会合を行うとともに、取締役会以外の場で、その他取締役との意見交換等を行います。
<会計監査人との会合等>会計監査人による適正な監査を担保するため、会計監査人と代表取締役及び独立社外取締役等との会合等を行います。
<その他>職務の執行に係る重要な案件を決定する場合は、必要に応じて外部の専門家(弁護士等)に相談し、適法性を確保します。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
株主総会議事録、取締役会議事録、職務の執行に係る決裁文書その他の重要な情報について、法令及び情報管理・文書管理等に関する社内規則に従い、適切な取り扱いを行います。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・常にリスク情報を収集し、危機の早期発見に努めるとともに、平時より損失の最小化を図るために、物理的対策、教育等による人的対策、保険による損失の転嫁を含め不断の危機対策を行います。
・より実効的な危機管理を行うために、危機管理に関する包括的規則及び個別危機事象に対する対応規則・マニュアル等の制定及び継続的な見直しを行います。
・危機の早期認識のため緊急連絡体制を整備し、危機発生に際しては、危機管理に関する規則に基づき緊急対策本部を立ち上げ、緊急対策本部長に当該危機に対応する意思決定権限を持たせる体制とします。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
<取締役会>・取締役会は、原則毎月1回開催しますが、必要に応じて機動的に開催します。
・取締役会は、法令及び定款に定められた事項並びに重要な事項の決定、取締役の職務の執行の監督を行い、また、代表取締役から職務執行状況の報告を受けます。
<権限委譲と責任体制>・経営会議は、原則毎週1回開催し、業務全般にわたる経営方針及び基本計画に関する事項等を中心に、経営上の重要事項に関する審議を行います。
・社内規則に基づき、取締役の職務の執行が効率的に行われるために適切と考えられる組織を設け、職制を配置し、権限を業務執行者に付与し、円滑な業務運営を図ります。
e.株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・当社と親会社であるJT(うち医薬事業部門)とは、医薬品に関する製品及びサービスにおいて、各々の強みを生かし、当社は主に製造と販売の機能を担っており、親会社は研究開発の機能を担っています。この機能分担は、当社の企業ミッションを遂行するうえで最適化を図るためのものであり、この機能分担により一定の独立関係を確保しつつ、かつ協力関係を保ちながら、適正に業務を遂行します。
・主要株主との取引は、社内規程に基づき、取締役会等において決定し、年間の取引実績を取締役会に報告します。なお、主要株主との取引等に係る決定を行う場合には、必要に応じて、外部の有識者から見解を入手したうえ、主要株主と利害関係を有しない社外役員に意見を求める等の措置を講じます。
f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制並びに当該使用人の取締役からの独立性及び監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役にその職務を補助すべき使用人が必要な場合は、監査業務の専門性、当該使用人の取締役からの独立性及び監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に配慮し、当該使用人の人材選定にあたり監査役会と協議します。
なお、監査役の員数等を勘案し、監査役会と協議した結果、監査役を補助すべき使用人を配置しております。監査役の監査業務補助については監査部が、また監査役の事務的補助については人事総務部が担当し、監査役の指示・命令の下、会社からの指揮を受けることなく業務を行います。
g.取締役及び使用人が監査役会又は監査役に報告をするための体制その他の監査役会又は監査役への報告に関する体制
取締役及び使用人が会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合に、当該事実が、速やかに監査役に伝わるよう、以下の体制とします。
・監査役は、取締役会のほか、経営会議等の重要な会議に出席できます。
・監査役から重要な文書の閲覧、実地調査、報告を求められたときは、迅速かつ適切に対応します。なお、監査役からの求めにより、取締役は毎年度末に職務執行状況に関する確認書を提出します。
・情報交換及び意思疎通を図るため、監査役と代表取締役との定期会合及び他の取締役(独立社外取締役を含む)、執行役員、部門長等と面談をする機会を確保します。
・監査部は、監査計画の策定とその計画に基づいた監査実施活動について監査役と連携を図るとともに、監査役に対し業務監査結果等の報告を行います。
・コンプライアンス推進部は、監査役に対して、内部通報の状況等を定期的に報告します。
h.監査役への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査役へ報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わないことについて周知徹底します。
i.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役が費用の前払い等を請求したときは、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理します。
また、監査にかかる諸費用については、監査の実効を担保すべく予算を措置します。
j.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役と会計監査人は、定期あるいは随時に会合を行い、監査報告書の説明、監査計画等について情報交換等を行い、連携を図ります。
k.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方と整備状況
当社は、良き企業市民として、より良き社会の実現のため、「市民社会の秩序又は安全に脅威を与える反社会的勢力・団体との関係を排除するとともに、断固として対決する」「これらの活動を助長するような行為を行わない」「トラブル等が発生した場合は会社をあげて立ち向かう」旨を周知徹底します。
社内体制としては、各拠点に担当者を配置し、研修受講のほか、随時、関係行政機関や顧問弁護士等との連携を図ります。また、適切な対応を行うために「対応マニュアル」を定め、常時閲覧可能とします。
ロ.責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役 鳥養雅夫氏及び福岡敏夫氏並びに監査役 山本賢氏、出雲栄一氏及び松村卓治氏との間で、当社定款の定めに基づき、会社法第423条第1項の責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額です。