有価証券報告書-第85期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、
1.社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する
2.コンプライアンス精神に基づいた事業活動を行い、社会的責任を果たす
3.フレキシビリティのある、かつ創造力に溢れた企業として発展する
4.事業活動の視点・範囲を海外にも向け[世界の理研ビタミン]としてのブランドを高める
5.人間尊重の思想に基づき魅力ある職場をつくる
の経営理念のもと、創業以来一貫して「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、独自の技術力・開発力を通じて食品・食品用改良剤・化成品用改良剤・ビタミンの各分野において多彩な製品を創り出し、日本のみならず世界各地にお届けしてまいりましたが、この姿勢はいささかも揺らぐことなく堅持してまいります。
当社グループを取り巻く事業環境については、世界的レベルで大きく変動する政治・経済・社会情勢の下、これまでにないスピードで変化しております。また、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の収束にはまだかなりの時間を要すると考えており、これまで以上に先行きが見通せない状況を乗り越えるために、当社グループ各社とのさらなる連携のもと、的確かつ機動的な意思決定を行うことが強く要請されていると認識しております。
加えて、社会の信頼に応える公正で透明性の高いコンプライアンス体制、企業グループ全体での健全な事業運営を推進する上でのガバナンス体制のより一層の向上が求められております。
さらに、当社グループの「CSR基本方針」に基づきCSR経営への取組みを推進することで社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
食品業界におきましては、国内市場では、消費者の節約志向に加え、健康志向や簡便化志向も強まっています。また、ライフスタイルの変化やニーズの多様化への対応に加え、フードロス(食品ロス)問題への取組みが求められていると認識しています。
他方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛など経済活動の制限の影響を受けた結果、内食需要の高まりが見られる一方で、外食需要が落ち込むなど消費行動や市場構造に大きな変化が生じるなど、より一層厳しい経営環境の中において新常態と言われる新しい消費動向への対応が課題と認識しています。
また、成長が見込める海外市場においても、新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されましたが一部地域において感染が再拡大しており、先行きが不透明な状況が続いています。
中国や東南アジアといった成長エリアに対してもこれまでの取組みに加え、新しい生活様式への対応が求められる状況にあると認識しています。
当社は、2020年7月27日に公表しました「2020年3月期連結決算発表の延期ならびに特別調査委員会の設置に関するお知らせ」のとおり、当社の連結子会社である『青島福生食品有限公司』(以下「青島福生食品」という。)におけるエビの加工販売の取引の実在性について疑義が生じたため、同日に特別調査委員会を設置し、事実関係を調査しました。その結果、2020年9月23日にエビの加工販売の取引の実在性を確認するには至らなかったとする調査報告書を受領しました。
特別調査委員会の調査報告を踏まえ、当社は2020年9月30日に2019年3月期以降の有価証券報告書、四半期報告書、決算短信等について、取引の全容および実在性が確認できなかった特定の顧客向けの売上高および売上原価を取り消すとともに、当該売上原価相当分を水産加工品取引関連損失として特別損失に計上しました。
また本件取引は、2020年9月30日に公表しました「特別損失の発生に関するお知らせ」のとおり、2020年4月まで継続していたことを確認しております。このため、当連結会計年度においても前連結会計年度の処理方法と同様に、特定の顧客向けの売上高および売上原価を取り消すとともに、当該売上原価相当分を水産加工品取引関連損失として特別損失に計上しております。
加えて、2020年10月7日に公表しました「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」のとおり、青島福生食品と当社との間で、在庫の仕入・製造時期についての認識に相違があることが判明し、過年度においてそれらの評価が適切に行われていなかった疑い、およびその結果として過年度の連結貸借対照表上のたな卸資産が過大に計上されていた疑いが生じたため、当社は速やかな全容の解明を行うため、同日に特別調査委員会を設置し、青島福生食品に対する再度の調査を開始しました。
当該調査において、2020年10月上旬に実施した青島福生食品の実地棚卸、また、たな卸資産についての書類および青島福生食品からの事実関係の説明を確認した結果などから、当社としては過年度において連結貸借対照表上のたな卸資産の評価が適切に行われていなかったと判断し、2020年10月28日付で、たな卸資産評価損の計上などの必要な訂正を反映させた2016年3月期以降の有価証券報告書および四半期報告書の訂正報告書を提出するとともに、決算短信および四半期決算短信の訂正を公表いたしました。また、当連結会計年度においても、当該調査に起因したたな卸資産評価損を計上しております。
その後、2020年11月13日に公表しました「特別調査委員会の第二次調査報告書の受領に関するお知らせ」のとおり、過年度の連結貸借対照表上のたな卸資産が過大に計上されていたとする調査報告書を受領しました。また、2020年11月19日に公表しました「特別調査委員会の第二次調査報告書を受けた当社の対応に関するお知らせ」のとおり、当社は2020年9月23日と11月13日にそれぞれ特別調査委員会から受領した調査報告書の内容およびその提言を真摯に受け止め、経営責任の明確化、グループ・ガバナンス体制の見直しなど一連の問題に対する業務改善策を決定しております。
また、2021年1月25日に株式会社東京証券取引所に提出しました「改善報告書」に記載の再発防止に向けた改善措置の内容は次のとおりです。
1.経営責任の明確化
2020年11月19日付「代表取締役および取締役の異動、ならびに役員報酬の減額に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、代表取締役会長、常務取締役から取締役辞任の申し出がありました。代表取締役専務からも代表権返上の申し出があり、いずれも2020年11月19日付で受理いたしました。また、その他の取締役においても責任の所在を明確にするため、代表取締役の異動および役員報酬の減額を行いました。
2.取締役会の機構改革
取締役会において、サクセッションプランの強化・推進、およびその一環として指名委員会の規程変更および審議事項の追加や、企業経営の経験豊富な外部人材の取締役への登用といった機構改革を進めております。
3.経営幹部の職責に対する意識改革
経営幹部の職責に対する意識改革については、CSR推進部主催で毎年5月頃に開催するCSR研修会にて、主に業務や時事話題に関する内容について研修を行ってまいりましたが、CSR研修会が社員層も参加する研修会であり、コーポレート・ガバナンスが研修内容として馴染まなかったこと、また、CSR推進部はコーポレート・ガバナンスに関しての専門部署でなかったことから、取締役の資質として重要と考えられるコーポレート・ガバナンスに係る内容を取り上げることができておりませんでした。このことから2021年2月22日に取締役、執行役員、関係会社社長を対象に一般社団法人日本能率協会の主催による、経営幹部の責任・役割、コーポレート・ガバナンスに関する研修を実施いたしました。また、新任の取締役については、就任年度に経営幹部の責任・役割、コーポレート・ガバナンスに関する研修を実施すべく対応してまいります。コーポレート・ガバナンスの研修を充実し、毎年継続することにより、取締役の認識を深め、企業価値の向上につなげてまいります。
4.監査等委員会による監査機能の強化および内部監査体制の強化
監査等委員会については、監査部との連携を強化するとともに、国内外グループ会社への往査頻度を上げるなどにより監査機能の強化を図っております。また、監査部の増員および内部監査人としての監査スキルの向上により内部監査体制の強化を図っております。
5.青島福生食品の内部統制の不備の改善
青島福生食品の経営陣の刷新については、当時の総経理より辞任の申し出があり、2020年11月19日付で受理いたしました。後任には、国営企業時代より主に品質管理部門を歴任し、長年にわたり、食品法規の遵守、各国の認証の取得、顧客の要求する規格への対応を行ってきた副総経理を同日付で昇格させると同時に、当社第2生産本部で、青島福生食品を担当していた社員を副総経理に任命いたしました。元総経理は顧問となっておりますが、過去の経緯を確認する程度の業務としており、経営に対する影響は排除しております。これにより親会社としてのガバナンス不足およびコミュニケーション不足の解消を図ってまいります。
また、在庫管理体制については、在庫管理ルールの明文化、製造日・賞味期限情報などの在庫関連情報の一元管理化などの改善を図り、2021年1月から運用を開始いたしました。
なお、従業員の意識改革については、青島福生食品の経営幹部、経理責任者に対して、上場会社の子会社として必要な財務報告に係る知識を定期的に教育し、財務報告の重要性について青島福生食品の役職者の意識醸成を図ってまいります。
6.子会社に対する管理強化・コンプライアンス教育の強化
子会社に対する管理強化については、グループ会社の運営についての全般的な管理・指導を行う統括的組織として、新たに社長直轄の「関連事業統括室」を2021年1月1日に設置し、各子会社経営者および経営幹部・従業員との対話を行い、コミュニケーションを強化しております。
コンプライアンス教育の強化については、従業員のコンプライアンス意識のさらなる醸成のための教育プログラムと、問題発生の際に速やかに解決を図るための内部通報制度を拡充いたしました。
なお、本改善措置の実施状況につきましては、「改善報告書」の提出から6か月を経過する7月下旬以降速やかに、株式会社東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出・公表予定です。
青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、株主をはじめとする関係者の皆さまからの信頼回復に向けて全力でこれらに取り組んでまいります。
このような経営環境の中、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大および青島福生食品の一連の問題の影響を大きく受けたものとなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛等を背景とした内食需要の高まりにより、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」、ドレッシング、わかめスープといった『家庭用食品』の売上が好調に推移しました。一方で、外出自粛、休業要請等を受けた外食産業の需要の落込み、教育機関の休校を受けた学校給食の需要の減少により、『業務用食品』の売上が前期を下回りました。また、『加工食品用原料等』、『化成品(改良剤)』、『海外改良剤』においても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた関係先業界の需要減少により、売上が前期を下回りました。利益面では、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限による活動諸経費の減少および効率的な経費の使用も、売上高の減少に伴う売上総利益の減少を補うことはできませんでした。
他方、『青島福生食品』は、取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上16億57百万円を取り消しました。加えて、新型コロナウイルスの感染リスクに関する過熱した報道による中国国内向け販売の著しい低迷から販売の見通しが立たない輸入冷凍水産品に対してたな卸資産評価損28億45百万円を計上しました。この結果、売上は前期を下回り、営業損益は前期から営業損失額が拡大しました。
(今後の見通し)
今後の海外経済は、各国で新型コロナウイルスのワクチン接種の普及や経済政策により、緩やかに回復していくと見られる一方で、一部地域では新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、より一層先行きに予断を許さない状況が続くことが予想されます。わが国においても、ワクチン接種が進まず、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け2021年4月25日に3度目の緊急事態宣言が発出されたことを踏まえますと、景気の本格的回復には相当の時間がかかる見通しであり、当社グループを取り巻く事業環境は、依然として不透明感を払拭できない状況にあります。
このような状況を踏まえ、2021年2月15日に公表しました「次期中期経営計画の策定および公表の延期に関するお知らせ」のとおり、次期2022年3月期につきましては、青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、ステークホルダーの皆さまからの信頼の回復を図るとともに、新型コロナウイルスの感染拡大により毀損した業績を新常態と言われる新しい消費行動への対応を進めることで回復させ、持続的な成長を遂げる企業となるための長期戦略を練り上げる期間とすべく、次期中期経営計画の策定および公表を1年延期することといたしました。
よって、次期の業績見通しにつきましては、下表のとおりとなります。
なお、当社グループは、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用予定であり、目標は当該基準に基づいた金額となっております。
(1)連結目標
(単位:百万円)
(2)事業別売上高目標
(単位:百万円)
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求してまいります。第85期(中期経営計画最終年度)のROE8.0%以上を目指しておりましたが、青島福生食品の一連の問題および新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた結果、ROEは△3.5%となりました。
なお、今後の目標とする経営指標については、次期中期経営計画の策定に際し検討の上、設定してまいります。
「信頼に応える安全な製品の提供」の基本姿勢を堅持して社会への貢献を果たすためにも、まずは青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、ステークホルダーの皆さまからの信頼の回復を図ってまいります。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で毀損した収益基盤を強化して、持続的成長を可能とする強い企業体質の構築を目指してまいります。
(※)次期の業績見通しは、本資料策定時点において入手可能な情報に基づいて策定したものです。実際の業績等は、今後さまざまな要因によって記載内容と異なる可能性があります。
当社は、
1.社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する
2.コンプライアンス精神に基づいた事業活動を行い、社会的責任を果たす
3.フレキシビリティのある、かつ創造力に溢れた企業として発展する
4.事業活動の視点・範囲を海外にも向け[世界の理研ビタミン]としてのブランドを高める
5.人間尊重の思想に基づき魅力ある職場をつくる
の経営理念のもと、創業以来一貫して「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、独自の技術力・開発力を通じて食品・食品用改良剤・化成品用改良剤・ビタミンの各分野において多彩な製品を創り出し、日本のみならず世界各地にお届けしてまいりましたが、この姿勢はいささかも揺らぐことなく堅持してまいります。
当社グループを取り巻く事業環境については、世界的レベルで大きく変動する政治・経済・社会情勢の下、これまでにないスピードで変化しております。また、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の収束にはまだかなりの時間を要すると考えており、これまで以上に先行きが見通せない状況を乗り越えるために、当社グループ各社とのさらなる連携のもと、的確かつ機動的な意思決定を行うことが強く要請されていると認識しております。
加えて、社会の信頼に応える公正で透明性の高いコンプライアンス体制、企業グループ全体での健全な事業運営を推進する上でのガバナンス体制のより一層の向上が求められております。
さらに、当社グループの「CSR基本方針」に基づきCSR経営への取組みを推進することで社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
食品業界におきましては、国内市場では、消費者の節約志向に加え、健康志向や簡便化志向も強まっています。また、ライフスタイルの変化やニーズの多様化への対応に加え、フードロス(食品ロス)問題への取組みが求められていると認識しています。
他方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛など経済活動の制限の影響を受けた結果、内食需要の高まりが見られる一方で、外食需要が落ち込むなど消費行動や市場構造に大きな変化が生じるなど、より一層厳しい経営環境の中において新常態と言われる新しい消費動向への対応が課題と認識しています。
また、成長が見込める海外市場においても、新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されましたが一部地域において感染が再拡大しており、先行きが不透明な状況が続いています。
中国や東南アジアといった成長エリアに対してもこれまでの取組みに加え、新しい生活様式への対応が求められる状況にあると認識しています。
当社は、2020年7月27日に公表しました「2020年3月期連結決算発表の延期ならびに特別調査委員会の設置に関するお知らせ」のとおり、当社の連結子会社である『青島福生食品有限公司』(以下「青島福生食品」という。)におけるエビの加工販売の取引の実在性について疑義が生じたため、同日に特別調査委員会を設置し、事実関係を調査しました。その結果、2020年9月23日にエビの加工販売の取引の実在性を確認するには至らなかったとする調査報告書を受領しました。
特別調査委員会の調査報告を踏まえ、当社は2020年9月30日に2019年3月期以降の有価証券報告書、四半期報告書、決算短信等について、取引の全容および実在性が確認できなかった特定の顧客向けの売上高および売上原価を取り消すとともに、当該売上原価相当分を水産加工品取引関連損失として特別損失に計上しました。
また本件取引は、2020年9月30日に公表しました「特別損失の発生に関するお知らせ」のとおり、2020年4月まで継続していたことを確認しております。このため、当連結会計年度においても前連結会計年度の処理方法と同様に、特定の顧客向けの売上高および売上原価を取り消すとともに、当該売上原価相当分を水産加工品取引関連損失として特別損失に計上しております。
加えて、2020年10月7日に公表しました「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」のとおり、青島福生食品と当社との間で、在庫の仕入・製造時期についての認識に相違があることが判明し、過年度においてそれらの評価が適切に行われていなかった疑い、およびその結果として過年度の連結貸借対照表上のたな卸資産が過大に計上されていた疑いが生じたため、当社は速やかな全容の解明を行うため、同日に特別調査委員会を設置し、青島福生食品に対する再度の調査を開始しました。
当該調査において、2020年10月上旬に実施した青島福生食品の実地棚卸、また、たな卸資産についての書類および青島福生食品からの事実関係の説明を確認した結果などから、当社としては過年度において連結貸借対照表上のたな卸資産の評価が適切に行われていなかったと判断し、2020年10月28日付で、たな卸資産評価損の計上などの必要な訂正を反映させた2016年3月期以降の有価証券報告書および四半期報告書の訂正報告書を提出するとともに、決算短信および四半期決算短信の訂正を公表いたしました。また、当連結会計年度においても、当該調査に起因したたな卸資産評価損を計上しております。
その後、2020年11月13日に公表しました「特別調査委員会の第二次調査報告書の受領に関するお知らせ」のとおり、過年度の連結貸借対照表上のたな卸資産が過大に計上されていたとする調査報告書を受領しました。また、2020年11月19日に公表しました「特別調査委員会の第二次調査報告書を受けた当社の対応に関するお知らせ」のとおり、当社は2020年9月23日と11月13日にそれぞれ特別調査委員会から受領した調査報告書の内容およびその提言を真摯に受け止め、経営責任の明確化、グループ・ガバナンス体制の見直しなど一連の問題に対する業務改善策を決定しております。
また、2021年1月25日に株式会社東京証券取引所に提出しました「改善報告書」に記載の再発防止に向けた改善措置の内容は次のとおりです。
1.経営責任の明確化
2020年11月19日付「代表取締役および取締役の異動、ならびに役員報酬の減額に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、代表取締役会長、常務取締役から取締役辞任の申し出がありました。代表取締役専務からも代表権返上の申し出があり、いずれも2020年11月19日付で受理いたしました。また、その他の取締役においても責任の所在を明確にするため、代表取締役の異動および役員報酬の減額を行いました。
2.取締役会の機構改革
取締役会において、サクセッションプランの強化・推進、およびその一環として指名委員会の規程変更および審議事項の追加や、企業経営の経験豊富な外部人材の取締役への登用といった機構改革を進めております。
3.経営幹部の職責に対する意識改革
経営幹部の職責に対する意識改革については、CSR推進部主催で毎年5月頃に開催するCSR研修会にて、主に業務や時事話題に関する内容について研修を行ってまいりましたが、CSR研修会が社員層も参加する研修会であり、コーポレート・ガバナンスが研修内容として馴染まなかったこと、また、CSR推進部はコーポレート・ガバナンスに関しての専門部署でなかったことから、取締役の資質として重要と考えられるコーポレート・ガバナンスに係る内容を取り上げることができておりませんでした。このことから2021年2月22日に取締役、執行役員、関係会社社長を対象に一般社団法人日本能率協会の主催による、経営幹部の責任・役割、コーポレート・ガバナンスに関する研修を実施いたしました。また、新任の取締役については、就任年度に経営幹部の責任・役割、コーポレート・ガバナンスに関する研修を実施すべく対応してまいります。コーポレート・ガバナンスの研修を充実し、毎年継続することにより、取締役の認識を深め、企業価値の向上につなげてまいります。
4.監査等委員会による監査機能の強化および内部監査体制の強化
監査等委員会については、監査部との連携を強化するとともに、国内外グループ会社への往査頻度を上げるなどにより監査機能の強化を図っております。また、監査部の増員および内部監査人としての監査スキルの向上により内部監査体制の強化を図っております。
5.青島福生食品の内部統制の不備の改善
青島福生食品の経営陣の刷新については、当時の総経理より辞任の申し出があり、2020年11月19日付で受理いたしました。後任には、国営企業時代より主に品質管理部門を歴任し、長年にわたり、食品法規の遵守、各国の認証の取得、顧客の要求する規格への対応を行ってきた副総経理を同日付で昇格させると同時に、当社第2生産本部で、青島福生食品を担当していた社員を副総経理に任命いたしました。元総経理は顧問となっておりますが、過去の経緯を確認する程度の業務としており、経営に対する影響は排除しております。これにより親会社としてのガバナンス不足およびコミュニケーション不足の解消を図ってまいります。
また、在庫管理体制については、在庫管理ルールの明文化、製造日・賞味期限情報などの在庫関連情報の一元管理化などの改善を図り、2021年1月から運用を開始いたしました。
なお、従業員の意識改革については、青島福生食品の経営幹部、経理責任者に対して、上場会社の子会社として必要な財務報告に係る知識を定期的に教育し、財務報告の重要性について青島福生食品の役職者の意識醸成を図ってまいります。
6.子会社に対する管理強化・コンプライアンス教育の強化
子会社に対する管理強化については、グループ会社の運営についての全般的な管理・指導を行う統括的組織として、新たに社長直轄の「関連事業統括室」を2021年1月1日に設置し、各子会社経営者および経営幹部・従業員との対話を行い、コミュニケーションを強化しております。
コンプライアンス教育の強化については、従業員のコンプライアンス意識のさらなる醸成のための教育プログラムと、問題発生の際に速やかに解決を図るための内部通報制度を拡充いたしました。
なお、本改善措置の実施状況につきましては、「改善報告書」の提出から6か月を経過する7月下旬以降速やかに、株式会社東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出・公表予定です。
青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、株主をはじめとする関係者の皆さまからの信頼回復に向けて全力でこれらに取り組んでまいります。
このような経営環境の中、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大および青島福生食品の一連の問題の影響を大きく受けたものとなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛等を背景とした内食需要の高まりにより、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」、ドレッシング、わかめスープといった『家庭用食品』の売上が好調に推移しました。一方で、外出自粛、休業要請等を受けた外食産業の需要の落込み、教育機関の休校を受けた学校給食の需要の減少により、『業務用食品』の売上が前期を下回りました。また、『加工食品用原料等』、『化成品(改良剤)』、『海外改良剤』においても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた関係先業界の需要減少により、売上が前期を下回りました。利益面では、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限による活動諸経費の減少および効率的な経費の使用も、売上高の減少に伴う売上総利益の減少を補うことはできませんでした。
他方、『青島福生食品』は、取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上16億57百万円を取り消しました。加えて、新型コロナウイルスの感染リスクに関する過熱した報道による中国国内向け販売の著しい低迷から販売の見通しが立たない輸入冷凍水産品に対してたな卸資産評価損28億45百万円を計上しました。この結果、売上は前期を下回り、営業損益は前期から営業損失額が拡大しました。
(今後の見通し)
今後の海外経済は、各国で新型コロナウイルスのワクチン接種の普及や経済政策により、緩やかに回復していくと見られる一方で、一部地域では新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、より一層先行きに予断を許さない状況が続くことが予想されます。わが国においても、ワクチン接種が進まず、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け2021年4月25日に3度目の緊急事態宣言が発出されたことを踏まえますと、景気の本格的回復には相当の時間がかかる見通しであり、当社グループを取り巻く事業環境は、依然として不透明感を払拭できない状況にあります。
このような状況を踏まえ、2021年2月15日に公表しました「次期中期経営計画の策定および公表の延期に関するお知らせ」のとおり、次期2022年3月期につきましては、青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、ステークホルダーの皆さまからの信頼の回復を図るとともに、新型コロナウイルスの感染拡大により毀損した業績を新常態と言われる新しい消費行動への対応を進めることで回復させ、持続的な成長を遂げる企業となるための長期戦略を練り上げる期間とすべく、次期中期経営計画の策定および公表を1年延期することといたしました。
よって、次期の業績見通しにつきましては、下表のとおりとなります。
なお、当社グループは、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用予定であり、目標は当該基準に基づいた金額となっております。
(1)連結目標
(単位:百万円)
| 第84期 (2020年3月期) | 第85期 (2021年3月期) | 第86期 (2022年3月期) | |
| 実績 | 実績 | 目標 | |
| 売上高 | 82,974 | 77,722 | 75,000 |
| 営業利益 | 5,307 | 1,367 | 4,000 |
| 経常利益 | 5,045 | 1,652 | 4,000 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益又は 親会社株主に帰属する 当期純損失(△) | △8,933 | △1,618 | 2,800 |
(2)事業別売上高目標
(単位:百万円)
| 第84期 (2020年3月期) | 第85期 (2021年3月期) | 第86期 (2022年3月期) | |
| 実績 | 実績 | 目標 | |
| 国内食品事業 | 57,546 | 54,514 | 53,300 |
| 国内化成品その他事業 | 6,631 | 6,204 | 6,200 |
| 海外事業 | 20,373 | 18,550 | 16,700 |
| セグメント売上高 | 84,551 | 79,269 | 76,200 |
| 調整額 | △1,577 | △1,546 | △1,200 |
| 連結売上高 | 82,974 | 77,722 | 75,000 |
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求してまいります。第85期(中期経営計画最終年度)のROE8.0%以上を目指しておりましたが、青島福生食品の一連の問題および新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた結果、ROEは△3.5%となりました。
なお、今後の目標とする経営指標については、次期中期経営計画の策定に際し検討の上、設定してまいります。
「信頼に応える安全な製品の提供」の基本姿勢を堅持して社会への貢献を果たすためにも、まずは青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、ステークホルダーの皆さまからの信頼の回復を図ってまいります。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で毀損した収益基盤を強化して、持続的成長を可能とする強い企業体質の構築を目指してまいります。
(※)次期の業績見通しは、本資料策定時点において入手可能な情報に基づいて策定したものです。実際の業績等は、今後さまざまな要因によって記載内容と異なる可能性があります。