有価証券報告書-第130期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 15:49
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当社グループでは、イノベーションを創出しながら持続的な成長を生み出す原動力を、変化を恐れず挑み続ける「従業員の力」と位置づけています。グループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を実現するために、長期CSR計画(SVP2030※1)及び中期経営計画に連動した人材戦略を推進しています。
0102010_001.png人材戦略の3つの柱は、以下の通りです。
・4つのセグメントを推進するための人材ポートフォリオの最適化
・多様な従業員が意欲高く働ける環境の醸成
・多様な人材の採用
この柱を支えるのが「オープン、フェア、クリア」な企業文化であり、ⅰ 人材開発、ⅱ 健康経営®※2、ⅲ 多様性、ⅳ 組織開発の4つの領域を強化することで、企業文化を継承・進化させ、さらなる成長につなげていくことを目指しています。
「人材開発」
仕事の基盤となる課題形成力を強化するための「See-Think-Plan-Do(STPD)※3」の浸透と、従業員の自己成長の基盤となる「+STORY(プラストーリー)※4」の展開、さらに、多種多様な教育プログラムによる人材育成を行っており、特にDX人材を強化しています。
「健康経営®」
従業員の健康維持増進を重要な経営課題と位置づけ、健康経営を力強く推進しています。従業員一人ひとりが心身ともに健康で意欲高く働けるよう、健康増進施策を積極的に展開しています。5つの重点領域におけるKPI達成に向けて、富士フイルムグループ「7つの健康行動」の実践を促進し、生産性と従業員の仕事への意欲(ワーク・エンゲイジメント)の向上につなげています。
「多様性」
多様な従業員一人ひとりが個性や能力を最大限発揮することが、変化を作り出す企業のイノベーションの源泉です。管理職に占める女性比率の向上や外国籍従業員の基幹ポストへの登用等、目標値を設定し推進しています。
「組織開発」
各グループ会社をエンゲージメントの高い状態にするため、エンゲージメントサーベイを活用し、継続的に組織開発を進めます。
※1 2017年8月発表の長期CSR計画「Sustainable Value Plan 2030」
※2 健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※3 富士フイルム独自のマネジメントサイクル「S(See:情報収集)-T(Think:課題形成)-P(Plan:計画)-D(Do:実
行)」
※4 自己成長の基盤を身に付けるための支援プログラム
当社グループでは2000年代から、既存事業の構造にとらわれない事業のトランスフォーメーションを進める中で、事業の枠を超えた基幹人材の育成が重要と捉え、以下2点を実践しています。
・職種・事業・技術領域を変化させながら経験の幅を広げること
・専門性を深めながら経験の幅を広げること
従業員の経験の幅が広がることが、変化に適応できる人材の輩出や人材の厚みにつながっています。
また、当社グループでは、変革をけん引できる人材を育成するための軸・拠り所となるコアコンピテンシーとして、以下の3つを掲げています。
・本質的な課題を設定し、役割年代にかかわらず取り組むこと
・自分が主体者となり、部門やグループを超えて周囲を巻き込み実行すること
・どんな事業・機能領域においても変化は成長のチャンスと捉え、挑戦すること
これらのコアコンピテンシーを養いながら人材を成長させるための考え方の一つが、実践を通して経験の幅を広げることです。加えて、どの事業分野・職種にも共通する、原理原則となる考え方・仕事の進め方の習得も徹底しています。「実践」と「学び」をスパイラル状に積み重ねながら、自らのコアコンピテンシーを高めることで育成される、変化に適応できる人材が原動力となり、事業のトランスフォーメーションを実現しています。
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(ⅰ)人材開発
~変化を成長のチャンスと捉えて、挑戦し、主体的に成長する意欲の高い従業員の育成~
「オープン、フェア、クリア」な企業風土のもと、従業員の成長と組織の成長がスパイラルアップし、従業員エンゲージメントが向上することを目指しています。そのために仕事の基盤と自己成長の基盤をしっかり身に付けていることを重視しています。
「実践」と「学び」をスパイラルで身に付けながら、変化に適応できるコアコンピタンシー(軸・拠り所)を持った従業員を育成します。
① 仕事の基盤となる課題形成力を強化する「See-Think-Plan-Do(STPD)」の浸透
当社グループでは、全ての事業、機能において仕事をしていく上で大事にする共通の基盤をFFメソッドと定め、展開しています。具体的には事実情報を大切にして(SEE)、深く考えて本質を見抜き(THINK)、課題を設定し(PLAN)、実行する(DO)というSTPDという業務サイクルです。新入社員から海外現地法人の社員までFFメソッドを身に付ける教育を行い浸透させています。また海外現地法人では主体的な教育展開を目指したトレーナー育成を開始しています。
② 従業員の自己成長の基盤となる+STORY(プラストーリー)展開
当社グループでは、従業員一人ひとりがアスピレーションを持って挑戦することを目的として、自己成長支援プログラム「+STORY」を展開しています。本プログラムのひとつである「+STORY対話」では、全ての経験を自分の糧としながら自分のストーリーを積み重ねることを大切にするために、一年に一度、上長との対話を通じて経験を振り返ります。上長はこの対話を通じて価値観や考えを理解した上で、部下の+STORYをサポートしアスピレーションを醸成します。また、従業員が自身の+STORYを紹介する社内WEBセミナー「+STORY LIVE」の開催や、従業員が主体的に学べる「+STORYアカデミー」の環境を整備しています。100人いれば100通りの+STORYが紡がれ、従業員の多様な+STORYが当社グループの成長の原動力になると考えています。欧州地域、アジアパシフィック地域でも+STORY対話を実施しており、+STORY LIVEもフィリピンから配信する等、+STORYの取組みは海外も含めたグループ全体に拡大しています。
③ DX人材育成強化
当社グループでは、基幹人材育成プログラムやグローバル人材育成プログラム等、多種多様な教育プログラムによる人材育成に力を入れています。
DX人材の育成は重要視しており、2025年度も引き続き注力して取り組んでおります。
当社グループがDXに取り組む必要性を理解し、知識やスキル習得を通して、成果を創出するという段階を踏むことで、一人ひとりが自らの仕事にDXを取り込むことを目指しています。基盤領域の施策としては、セルフBI初級講座を約40,000名の従業員が修了し、データ活用力強化を目的とした中級講座を約2,600名が修了、さらに実務適用を目的とした上級講座を約350名が修了しました。また個々のITスキルアップを目指したオンラインイベント開催や、学び合いや事例共有の機会創出を狙ったDX実践者コミュニティ形成をはじめ、各部門におけるIT効率化を推進する研修を展開しています。加えて全従業員を対象にITパスポートの資格取得を奨励し、6,000人以上が合格しています。
専門人材育成としては、部門全体の課題を解決するために、意欲の高い人材がIT部門を兼務することで、事業とITを行き来して活躍するハイブリッド人材の育成を進めており、マテリアルズインフォマティクスを活用した材料開発等で成果が出ています。このようにDXの実践を担うコア人材として活躍を促し、変革のスピードアップにつなげていきます。
DX人材育成体系
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(ⅱ)富士フイルムグループならではの健康経営を推進
当社グループは、グループパーパスの実現を目指す中で、従業員一人ひとりが心身ともに健康で意欲高く働ける環境づくりが不可欠であるとの考えのもと、従業員の育成や健康維持増進に積極的に投資を行っています。これらの取組みの基盤として、2019年9月に「富士フイルムグループ健康経営宣言」を制定し、生活習慣病・喫煙・がん・メンタルヘルス・長時間労働の5つの重点領域におけるKPIを設定しました。これに基づき、従業員の健康意識向上を図る教育や健康増進支援策を展開しています。また、健康的な生活習慣の定着及び生活習慣病等の予防を推進するため、富士フイルムグループ「7つの健康行動※5」を定め、従業員一人ひとりの実践を促進しています。さらに海外においても、各国・各地域の医療環境や文化、習慣等の特性を踏まえつつ、従業員の健康増進活動を推進しています。
2022年4月、富士フイルムグループ健康保険組合は、従業員向け健康診断実施のための施設として、神奈川県横浜市のみなとみらい地区に「富士フイルムメディテラスよこはま」を開設しました。当該施設においては、2023年6月より人間ドックサービスを開始し、2024年1月よりCT検査、2025年5月よりMRI検査、さらに2026年4月よりすい臓がんドックの提供を順次開始しています。また、当社グループの最新鋭の内視鏡、マンモグラフィ、CT等の医療機器並びにAI技術を活用した医療ITシステムを導入し、従業員に対して高品質な健康診断サービスを提供しています。これらの健康増進に向けた取組みは、「健康経営銘柄※6」において6年連続で選定される等、当社グループの健康経営が社外からも高く評価されていることを示しています。
※5 7つの健康行動とは以下です。①週1回以上、体重をはかる ②自分の健診結果を確認する ③週1日以上、お
酒を飲まない日をつくる ④1日6時間以上の睡眠をとる ⑤平均30分/日以上歩く ⑥直近の歩活(あるかつ:
ウォーキングイベント)にエントリーする ⑦タバコを吸わない
※6 健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的
に取り組む上場企業を選定するものとして、2015年から開始されています。
富士フイルムグループ 健康課題におけるKPI、目標と実績
重点領域KPI目標実績
2024年度2025年度
生活習慣病対策BMI値25以上(比率)21%27.1%27.5%
HbA1c6.0以上(比率)6%9.0%9.3%
喫煙対策喫煙率12%16.7%15.8%
がん対策がん検診受診率(肺)100%99.4%99.3%
がん検診受診率(胃)100%84.1%86.1%
がん検診受診率(うち胃内視鏡)90%+80.2%82.8%
がん検診受診率(大腸)100%91.4%91.5%
がん検診受診率(乳)90%+84.1%84.6%
がん検診受診率(子宮)90%+72.2%72.3%

※対象:富士フイルムグループ国内従業員(胃・大腸がん検診受診率は40歳以上)
(ⅲ)多様性の推進
~多様な従業員が活躍できるための仕組み・職場づくり~
当社グループは、一人ひとりの個性、価値観、経験を大切にし、お互いの多様性を認め合い、高め合うことで、安心して働くことができる環境整備・風土醸成を推進していくことを目的として、Diverse Stories推進委員会を立ち上げ、「多様なストーリーを認め合う」をビジョンとして掲げて活動をしています。2025年10月にはDiverse Storiesフォーラムを開催し、富士フイルムグループの女性役員のストーリーを紹介する+STORY LIVEや、外部の有識者を招いて介護セミナー等を実施しました。また、各拠点でのファミリーデーの開催や、富士フイルムグループ従業員とそのご家族が参加したスマイルスポーツフェスティバルの開催等、従業員のDiverse Stories推進活動への理解促進や多様性推進の風土醸成を目的とした施策を積極的に行っています。
日本国内では、女性社員の活躍推進を目的として、リーダー層の女性社員を対象に、これまでの経験(ストーリー)の棚卸とリーダーとしての成長を後押しする研修として「+STORY for Women―自分らしいリーダー像を考える―」の実施や、社内・社外の女性社員で交流し視野を広げる「+STORY for Women交流会」や「異業種女性社員交流会」を実施しました。
仕事と育児の両立支援では、男性の育休取得率100%を目標として掲げ、お子さんが生まれた従業員に特別休暇20日間を付与する「Good Parental Leave制度」を導入し、育休明けの従業員とその上長を対象にした「仕事と育児の両立セミナー」や、従業員同士の交流の場「+STORY子育てサロン」等の施策を展開しました。また、仕事と介護の両立支援施策として、年に最大10日を付与する「介護特別休暇制度(有給)」の導入や、介護休職制度の期間拡大及び休職期間中の援助金支給制度の導入を実施しました。無料の介護相談窓口の設置、仕事と介護の両立セミナーの定期開催等を通じて、相談体制の拡充や介護リテラシー向上の機会提供にも積極的に取り組んでいます。
2025年度のグループ全体の基幹ポストにおける外国籍従業員比率は28.2%です。国籍や性別を問わない登用の機会を設けることを推進し、2030年度までに基幹ポストにおける外国人比率を35%、国内グループにおける管理職に占める女性比率を15%(2025年度実績 8.1%)とする目標を設定しています。
(ⅳ)組織開発
当社グループは、従業員がグループパーパスに共感し、主体的に行動しているエンゲージメントの高い組織を維持していくことが、企業の成長に繋がると考えています。2022年度より、グループ全体でのエンゲージメント状況を測るため、富士フイルムグループ全体の従業員を対象に「従業員エンゲージメントサーベイ」を開始しました。
2025年度は11月に第4回エンゲージメントサーベイを実施しました。調査の回答率は92%と高い水準であり、エンゲージメントスコア※7も82%で「全体として良好である」という結果が得られました。
今後も調査を毎年実施し、グループ全体の課題を継続的に把握するとともに、調査結果をもとに、自組織の強みや改善課題について職場でディスカッションすることで、グループ全体の従業員エンゲージメントの向上と、従業員と組織の双方の成長の実現に繋げていきます。
※7 各設問の選択肢のうち「肯定的回答(5段階の上位2つ)」を選んだ割合。この数値が高いほど、従業員の
主体性や貢献意欲が高いことを示す。
年度回答率回答数エンゲージメントスコア
富士フイルムグループ全体
(日本含むグローバルの結果)
2025年度92%72,02482%
2024年度92%70,64081%
2023年度91%70,86280%
2022年度90%68,48580%

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