有価証券報告書-第118期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)
文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2018年3月27日)現在における当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(企業理念)
Our Mission, Values and Wayは、国・組織・ブランドを問わず、資生堂グループで働く全員で共有する資生堂グループ企業理念です。Our Missionでは、資生堂の使命として“美しい生活文化の創造”を定めています。Our Valuesは、Our Missionを実現するために資生堂グループで働く一人ひとりが共有すべき心構えです。そしてOur Wayは、Our Missionを実現するために、資生堂グループで働く一人ひとりがとるべき行動を定めたものです。資生堂はこの企業理念体系に加え、“Think Global, Act Local”の考えのもと、変化する世界中のお客さまとともに美しい生活文化を創造し、美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会を実現することで、持続的に企業価値を向上させていきます。
(中長期戦略 VISION 2020)
2014年に策定した6年間の中長期戦略「VISION 2020」の実現に向け、前半3カ年となる2015年~2017年を「事業基盤の再構築」の期間と位置づけ、国内外の各事業の構造課題を徹底的に解決し、積極的なマーケティング投資を実行しました。その結果、2020年に目標としていた売上高1,000,000百万円超を2017年に達成し、営業利益も過去最高の実績となりました。2030年に向けて、日本・アジアでの高いプレゼンスを維持しながら、グローバルプレステージ化粧品市場3位以内のポジション獲得に向けて、2018年から始まる後半3カ年は、「成長加速の新戦略」の実行期間としています。プレステ―ジブランド事業を核としながらデジタル化の加速、M&Aにより当社に加わったブランドやテクノロジーとのシナジーを最大限に発揮しながら、さらなる投資も強化していくことで、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」へと進化していきます。
(新3カ年計画の目標)
中長期戦略「VISION 2020」の第2フェーズである新3カ年計画では、各地域のお客さまニーズに対応したブランド戦略を徹底し、積極的なマーケティング投資を継続しながら、デジタライゼーションの加速や新事業開発、さらにイノベーションによる新価値創造を進めていきます。そして、すべての価値を生み出す人材こそが成長の源泉と考え、人材への投資を積極的に行っていきます。さらに、グローバル経営体制の進化を通じ、3カ年売上高CAGR8%超を達成することにより、最終年である2020年に売上高1,200,000百万円超、営業利益120,000百万円超、ROE14%超をめざします。
(新3カ年計画で取り組む重点戦略~Building for the Future~)
(1)ブランド事業のさらなる「選択と集中」
プレステージファースト戦略を軸に、成長性の維持・拡大とコスメティクス・パーソナルケアブランド事業のアジアにおける成長を加速します。さらなる飛躍に向け、2017年に対して3年間累計で約120,000百万円規模でのマーケティング投資を強化します。
①プレステージファースト戦略
世界のプレステージ市場において、当社の強みであるスキンケア商品の売上成長によって収益基盤を強固なものとしながらシェア拡大を実現するため、メイクアップやフレグランスの売上成長を図ります。画期的な新製品の導入、既存流通と協働した商品展開、店頭カウンターの刷新、ブランドショップの展開の強化、そして、SNSなどを活用したデジタルでの情報発信を通じ、ブランドを体感していただく機会をさらに増やしていきます。また、主に中国のお客さまを対象として、これまではアジア全域で展開してきたクロスボーダーマーケティングを、今後は全世界に拡大していきます。
②コスメティクス・パーソナルケアブランドのアジア戦略
アジア市場ではプレステージブランドに加え、現在日本を中心に展開している「エリクシール」「アネッサ」「SENKA」「インテグレート」の4つのブランドを中国やその他アジア地域でも注力していきます。各地域のお客さまのニーズをとらえるために研究開発を拡充し、付加価値の高い商品開発や流通との協働を通じ一層ブランド力を高めていきます。
供給体制の再構築を目的に、生産体制の強化、新工場の建設、サプライヤー各社との協業強化など、マーケティング投資とは別に3年間累計で130,000百万円の設備投資を実施します。
(2)デジタライゼーションの加速・新事業開発
Eコマース(EC)においては、全世界で主要ECサイトとの連携を強化するとともに、店頭における顧客データとの統合を実現し、CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)を進めます。
ビジネスオペレーション基盤の整備のために、社員の専門能力開発に取り組みながら、各地域本社間のビジネスプロセスとの連動、ITプラットフォームの統合やデータの一元管理を進め、3年間累計で約27,000百万円を投資します。新事業開発では、お客さまの一人ひとりのニーズに合わせた価値提供を実現するため、パーソナライゼーションへの対応を強化していきます。優れたデジタル技術(IoTなど)と既存ビジネスを掛け合わせることによって、新しい商品・消費者体験を生み出していきます。
(3)イノベーションによる新価値創造
これまで培ってきた当社の知見と、M&Aなどによるブランドやテクノロジー、専門性の高い人材との融合により、イノベーションを生み出し、化粧品のみならず、人工皮膚、毛髪・皮膚再生、先端美容など新領域を創出し、革新的なビジネスモデルを構築します。研究開発領域では、2020年には売上高に占める研究開発費比率3%、研究所員数を1,500人に増やします。また、グローバルレベルでの研究開発力の最大化に向け、世界中のイノベーションセンターの拠点となる「グローバルイノベーションセンター」が横浜・みなとみらい21地区に2018年12月より稼働する予定です。
(4)世界で勝つ、人材・組織の強化~PEOPLE FIRST~
将来を担うグローバル人材の育成に向けて若手を対象としたMBAプログラムの実施、マネジメント人材育成のためのリーダーシップ研修プログラムの強化、2018年10月より取り組む英語公用語化に向けた研修の実施などに加え、全世界の社員を対象とした研修施設を各地域本社に開設していきます。3年間累計で約14,000百万円を投資する予定です。同時に、国内外のオフィス環境も刷新します。さらに、組織の多様性を加速するために、人材データベースを世界統一基準で整備し、グローバルモビリティを推進していきます。また、当社のビジネス特性を鑑み、2020年に国内の女性管理職比率40%をめざします。
(5)グローバル経営体制のさらなる進化
2016年より、6つの地域とブランドカテゴリーを掛け合わせたマトリクス型組織のグローバル経営体制がスタートしました。同時に、スキンケアは日本、メイクアップとデジタルは米州、フレグランスは欧州といった各カテゴリーで世界に影響力を持つ地域で戦略立案・商品開発をリードする「センター・オブ・エクセレンス(COE)」を整えました。さらに2018年からは、新たなビジネスモデルの構築やデジタライゼーションをスピーディーに実現させるために「テクノロジーイノベーションセンター」をアメリカ・ボストンに設置するなど、それぞれで得た知見を各ブランドや全世界でのマーケティングに活かしていきます。
(2018年12月期 通期連結業績予想数値)
連結売上高は、前年比2.8%増の1,033,000百万円を見込んでいます。なお、2017年12月期に事業譲渡したゾートスインターナショナルInc.などの特殊要因を除く実質外貨前年比は8%増を見込んでいます。また、営業利益は、売上増に伴う差益増などにより、90,000百万円、経常利益は90,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、54,000百万円を見込んでいます。
(サステナビリティ戦略)
当社は、100年先も社会とともに持続的に成長し、世界中のステークホルダーから支持され、必要とされるグローバルビューティーカンパニーとなることをめざしています。当社を取り巻く世界の社会課題・環境問題、特に国連が主導する「持続可能な開発目標(SDGs)」に積極的に取り組み、長期的に健全な社会を形成していくことは、当社の持続的成長にとって非常に重要であると捉えています。
当社のサステナビリティ戦略は、社会課題・環境問題の解決と、事業の成長拡大の両立をめざす成長戦略と位置づけています。当社がめざしている「美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会の実現」には、一人ひとりのお客さま、そのお客さまが属している社会、人々の暮らしを支えている地球環境が全て持続可能であることが重要であると考えています。
(環境問題への取り組み)
人々の暮らしを支える地球環境の保全と持続可能なモノづくりの推進は、美しい地球を次世代に受け継ぐための取り組みだと考えています。当社では、単なる環境対応にとどまらず、お客さまの心を動かす新価値を付加することで、バリューチェーンにおける環境負荷の最小化と事業における成長をめざします。また、こうした魅力ある商品やサービスを提供するとともに、環境に負荷を与えない消費行動の啓発と定着にも取り組んでいきます。
近年、原材料を調達する過程における労働者への人権侵害や環境への配慮に対するステークホルダーの関心が高まっています。
当社では、昨年、「資生堂グループ人権方針」を定め、「英国現代奴隷法」に対応した取り組みを開始し、原料産地まで遡ったバリューチェーン全体の調達過程における人権、労働環境、安全衛生、環境保護に関する課題を可視化し、サプライヤーと協力して課題解決に取り組んでいます。
(ダイバーシティのさらなる推進と女性活躍支援)
当社は、国籍、性別、年齢、障がいの有無などあらゆる多様性(ダイバーシティ)を推進し、多様な考え方や価値観を持った社員が混じりあうことで、新たな価値を創造し、持続的成長につなげていきたいと考えています。なかでも、女性の社会的地位の向上や活躍支援について主導的な役割を果たしていくことを重要な使命の一つと捉えており、女性活躍を推進するためのさまざまな施策に取り組んできました。その結果、2017年1月には、日本国内における目標であった女性管理職比率30%を達成しました。2018年は、組織体制の変更に伴い比率が低下しましたが、引き続き女性の活躍支援を一段と進め、2020年までにこの比率を40%に高めることをめざします。
また、当社は社会に対しても女性の活躍を支援するさまざまな取り組みをグローバルに進めています。国連組織であるUN Womenが推進するジェンダー平等(男女平等)のためのキャンペーンに賛同し、昨年10月には、この課題の解決策を学生が提言するイベント“HeForShe(注)全ての人が輝く社会を目指して~Generation Zからの提言~”をUN Womenとの共催で開催しました。今後も当社は、このようなイベントを通じてこれからの社会を担う若い世代と共にジェンダー平等を推進し、全ての人が自らの人生を選択し能力を発揮できる社会の実現をめざします。
日本では、早期発見や治療技術の進歩により、がんと向き合って生きる期間が長くなる傾向があり、就労しながら通院しているがん患者の方も増えています。
当社は、老若男女を問わず、がん患者が自分らしくいきいきと日常を過ごせるよう、外見変化をメイクアップでカバーする方法の提供や、セミナー等を通じて、がん治療と就労の両立に向けた支援を行っています。
(注)UN Womenが2014年からグローバルに展開しているジェンダー平等のための連帯イニシアチブ。ジェンダー平
等の社会を実現するためには、男性を含め、全ての人が立ち上がらなければならないとの考え方から始まったもの。
(文化・スポーツ支援活動への貢献)
当社の新たな価値を創造するという精神は、芸術文化支援活動に活かされています。次代を担う新進の芸術家の支援を目的に、初代社長の福原信三が 1919 年に開廊した資生堂ギャラリー(東京都 中央区)や、1978 年に開館した資生堂アートハウス(静岡県 掛川市)等で、さまざまな作品の展示や情報発信を通じて、時代に先駆けた美の提案を行ってきました。
2017年7月に、当社は、「資生堂 presents チームラボかみさまがすまう森のアート展」(主催:御船山楽園(佐賀県 武雄市)、チームラボ)に、初めて協賛しました。会場では、プロジェクションマッピングなどのテクノロジーや光・音を駆使したアート作品と、ブランド「SHISEIDO」の新スキンケアライン「WASO」(ワソウ)の「自然からくる美しさをストレートに伝える」というコンセプトを融合させたコラボレーション作品を展示しました。
また、人々に感動と共感を与えるスポーツへのサポートを通じて、世界中の人々のアクティブで美しい生き方を応援しています。屋外でスポーツする際も美しい肌を守るための日焼け止めや美白商品および関連美容情報を開発してきました。1979年より女子陸上部「資生堂ランニングクラブ」を運営し、2016年より、「東京マラソン」に、女性たちが美しさを保ちながら、レジャー・スポーツを思いきり楽しむことをサポートする「アネッサ」ブランドで協賛を行っています。
(企業理念)
Our Mission, Values and Wayは、国・組織・ブランドを問わず、資生堂グループで働く全員で共有する資生堂グループ企業理念です。Our Missionでは、資生堂の使命として“美しい生活文化の創造”を定めています。Our Valuesは、Our Missionを実現するために資生堂グループで働く一人ひとりが共有すべき心構えです。そしてOur Wayは、Our Missionを実現するために、資生堂グループで働く一人ひとりがとるべき行動を定めたものです。資生堂はこの企業理念体系に加え、“Think Global, Act Local”の考えのもと、変化する世界中のお客さまとともに美しい生活文化を創造し、美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会を実現することで、持続的に企業価値を向上させていきます。
| [Our Mission] | |
| We cultivate relationships with people | 私たちは、多くの人々との出会いを通じて、 |
| We appreciate genuine, meaningful values | 新しく深みのある価値を発見し、 |
| We inspire a life of beauty and culture. | 美しい生活文化を創造します |
| [Our Values] | |
| In Heritage, Excellence | 伝統は、優位を築く基となり |
| In Diversity, Strength | 多様性は、人材と組織を強め |
| In Innovation, Growth | そして革新こそが成長を生み出します |
| [Our Way] | |
| All members of Shiseido Group pursue | 資生堂グループ全社員は、 |
| shared and sustainable growth with all stakeholders. | 持続的発展を目指して行動します |
| With Consumers | お客様とともに |
| With Business Partners | 取引先とともに |
| With Employees | 社員とともに |
| With Shareholders | 株主とともに |
| With Society and the Earth | 社会・地球とともに |
(中長期戦略 VISION 2020)
2014年に策定した6年間の中長期戦略「VISION 2020」の実現に向け、前半3カ年となる2015年~2017年を「事業基盤の再構築」の期間と位置づけ、国内外の各事業の構造課題を徹底的に解決し、積極的なマーケティング投資を実行しました。その結果、2020年に目標としていた売上高1,000,000百万円超を2017年に達成し、営業利益も過去最高の実績となりました。2030年に向けて、日本・アジアでの高いプレゼンスを維持しながら、グローバルプレステージ化粧品市場3位以内のポジション獲得に向けて、2018年から始まる後半3カ年は、「成長加速の新戦略」の実行期間としています。プレステ―ジブランド事業を核としながらデジタル化の加速、M&Aにより当社に加わったブランドやテクノロジーとのシナジーを最大限に発揮しながら、さらなる投資も強化していくことで、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」へと進化していきます。
(新3カ年計画の目標)
中長期戦略「VISION 2020」の第2フェーズである新3カ年計画では、各地域のお客さまニーズに対応したブランド戦略を徹底し、積極的なマーケティング投資を継続しながら、デジタライゼーションの加速や新事業開発、さらにイノベーションによる新価値創造を進めていきます。そして、すべての価値を生み出す人材こそが成長の源泉と考え、人材への投資を積極的に行っていきます。さらに、グローバル経営体制の進化を通じ、3カ年売上高CAGR8%超を達成することにより、最終年である2020年に売上高1,200,000百万円超、営業利益120,000百万円超、ROE14%超をめざします。
(新3カ年計画で取り組む重点戦略~Building for the Future~)
(1)ブランド事業のさらなる「選択と集中」
プレステージファースト戦略を軸に、成長性の維持・拡大とコスメティクス・パーソナルケアブランド事業のアジアにおける成長を加速します。さらなる飛躍に向け、2017年に対して3年間累計で約120,000百万円規模でのマーケティング投資を強化します。
①プレステージファースト戦略
世界のプレステージ市場において、当社の強みであるスキンケア商品の売上成長によって収益基盤を強固なものとしながらシェア拡大を実現するため、メイクアップやフレグランスの売上成長を図ります。画期的な新製品の導入、既存流通と協働した商品展開、店頭カウンターの刷新、ブランドショップの展開の強化、そして、SNSなどを活用したデジタルでの情報発信を通じ、ブランドを体感していただく機会をさらに増やしていきます。また、主に中国のお客さまを対象として、これまではアジア全域で展開してきたクロスボーダーマーケティングを、今後は全世界に拡大していきます。
②コスメティクス・パーソナルケアブランドのアジア戦略
アジア市場ではプレステージブランドに加え、現在日本を中心に展開している「エリクシール」「アネッサ」「SENKA」「インテグレート」の4つのブランドを中国やその他アジア地域でも注力していきます。各地域のお客さまのニーズをとらえるために研究開発を拡充し、付加価値の高い商品開発や流通との協働を通じ一層ブランド力を高めていきます。
供給体制の再構築を目的に、生産体制の強化、新工場の建設、サプライヤー各社との協業強化など、マーケティング投資とは別に3年間累計で130,000百万円の設備投資を実施します。
(2)デジタライゼーションの加速・新事業開発
Eコマース(EC)においては、全世界で主要ECサイトとの連携を強化するとともに、店頭における顧客データとの統合を実現し、CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)を進めます。
ビジネスオペレーション基盤の整備のために、社員の専門能力開発に取り組みながら、各地域本社間のビジネスプロセスとの連動、ITプラットフォームの統合やデータの一元管理を進め、3年間累計で約27,000百万円を投資します。新事業開発では、お客さまの一人ひとりのニーズに合わせた価値提供を実現するため、パーソナライゼーションへの対応を強化していきます。優れたデジタル技術(IoTなど)と既存ビジネスを掛け合わせることによって、新しい商品・消費者体験を生み出していきます。
(3)イノベーションによる新価値創造
これまで培ってきた当社の知見と、M&Aなどによるブランドやテクノロジー、専門性の高い人材との融合により、イノベーションを生み出し、化粧品のみならず、人工皮膚、毛髪・皮膚再生、先端美容など新領域を創出し、革新的なビジネスモデルを構築します。研究開発領域では、2020年には売上高に占める研究開発費比率3%、研究所員数を1,500人に増やします。また、グローバルレベルでの研究開発力の最大化に向け、世界中のイノベーションセンターの拠点となる「グローバルイノベーションセンター」が横浜・みなとみらい21地区に2018年12月より稼働する予定です。
(4)世界で勝つ、人材・組織の強化~PEOPLE FIRST~
将来を担うグローバル人材の育成に向けて若手を対象としたMBAプログラムの実施、マネジメント人材育成のためのリーダーシップ研修プログラムの強化、2018年10月より取り組む英語公用語化に向けた研修の実施などに加え、全世界の社員を対象とした研修施設を各地域本社に開設していきます。3年間累計で約14,000百万円を投資する予定です。同時に、国内外のオフィス環境も刷新します。さらに、組織の多様性を加速するために、人材データベースを世界統一基準で整備し、グローバルモビリティを推進していきます。また、当社のビジネス特性を鑑み、2020年に国内の女性管理職比率40%をめざします。
(5)グローバル経営体制のさらなる進化
2016年より、6つの地域とブランドカテゴリーを掛け合わせたマトリクス型組織のグローバル経営体制がスタートしました。同時に、スキンケアは日本、メイクアップとデジタルは米州、フレグランスは欧州といった各カテゴリーで世界に影響力を持つ地域で戦略立案・商品開発をリードする「センター・オブ・エクセレンス(COE)」を整えました。さらに2018年からは、新たなビジネスモデルの構築やデジタライゼーションをスピーディーに実現させるために「テクノロジーイノベーションセンター」をアメリカ・ボストンに設置するなど、それぞれで得た知見を各ブランドや全世界でのマーケティングに活かしていきます。
(2018年12月期 通期連結業績予想数値)
連結売上高は、前年比2.8%増の1,033,000百万円を見込んでいます。なお、2017年12月期に事業譲渡したゾートスインターナショナルInc.などの特殊要因を除く実質外貨前年比は8%増を見込んでいます。また、営業利益は、売上増に伴う差益増などにより、90,000百万円、経常利益は90,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、54,000百万円を見込んでいます。
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に 帰属する 当期純利益 | 1株当たり 当期純利益 | |
| 発表予想(A) | 百万円 1,033,000 | 百万円 90,000 | 百万円 90,000 | 百万円 54,000 | 円 銭 135.16 |
| (ご参考) 2017年度実績(B) | 1,005,062 | 80,437 | 80,327 | 22,749 | 56.95 |
| 増減額(A-B) | 27,937 | 9,562 | 9,672 | 31,250 | ― |
| 増減率(%) | 2.8 | 11.9 | 12.0 | 137.4 | ― |
(サステナビリティ戦略)
当社は、100年先も社会とともに持続的に成長し、世界中のステークホルダーから支持され、必要とされるグローバルビューティーカンパニーとなることをめざしています。当社を取り巻く世界の社会課題・環境問題、特に国連が主導する「持続可能な開発目標(SDGs)」に積極的に取り組み、長期的に健全な社会を形成していくことは、当社の持続的成長にとって非常に重要であると捉えています。
当社のサステナビリティ戦略は、社会課題・環境問題の解決と、事業の成長拡大の両立をめざす成長戦略と位置づけています。当社がめざしている「美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会の実現」には、一人ひとりのお客さま、そのお客さまが属している社会、人々の暮らしを支えている地球環境が全て持続可能であることが重要であると考えています。
(環境問題への取り組み)
人々の暮らしを支える地球環境の保全と持続可能なモノづくりの推進は、美しい地球を次世代に受け継ぐための取り組みだと考えています。当社では、単なる環境対応にとどまらず、お客さまの心を動かす新価値を付加することで、バリューチェーンにおける環境負荷の最小化と事業における成長をめざします。また、こうした魅力ある商品やサービスを提供するとともに、環境に負荷を与えない消費行動の啓発と定着にも取り組んでいきます。
近年、原材料を調達する過程における労働者への人権侵害や環境への配慮に対するステークホルダーの関心が高まっています。
当社では、昨年、「資生堂グループ人権方針」を定め、「英国現代奴隷法」に対応した取り組みを開始し、原料産地まで遡ったバリューチェーン全体の調達過程における人権、労働環境、安全衛生、環境保護に関する課題を可視化し、サプライヤーと協力して課題解決に取り組んでいます。
(ダイバーシティのさらなる推進と女性活躍支援)
当社は、国籍、性別、年齢、障がいの有無などあらゆる多様性(ダイバーシティ)を推進し、多様な考え方や価値観を持った社員が混じりあうことで、新たな価値を創造し、持続的成長につなげていきたいと考えています。なかでも、女性の社会的地位の向上や活躍支援について主導的な役割を果たしていくことを重要な使命の一つと捉えており、女性活躍を推進するためのさまざまな施策に取り組んできました。その結果、2017年1月には、日本国内における目標であった女性管理職比率30%を達成しました。2018年は、組織体制の変更に伴い比率が低下しましたが、引き続き女性の活躍支援を一段と進め、2020年までにこの比率を40%に高めることをめざします。
また、当社は社会に対しても女性の活躍を支援するさまざまな取り組みをグローバルに進めています。国連組織であるUN Womenが推進するジェンダー平等(男女平等)のためのキャンペーンに賛同し、昨年10月には、この課題の解決策を学生が提言するイベント“HeForShe(注)全ての人が輝く社会を目指して~Generation Zからの提言~”をUN Womenとの共催で開催しました。今後も当社は、このようなイベントを通じてこれからの社会を担う若い世代と共にジェンダー平等を推進し、全ての人が自らの人生を選択し能力を発揮できる社会の実現をめざします。
日本では、早期発見や治療技術の進歩により、がんと向き合って生きる期間が長くなる傾向があり、就労しながら通院しているがん患者の方も増えています。
当社は、老若男女を問わず、がん患者が自分らしくいきいきと日常を過ごせるよう、外見変化をメイクアップでカバーする方法の提供や、セミナー等を通じて、がん治療と就労の両立に向けた支援を行っています。
(注)UN Womenが2014年からグローバルに展開しているジェンダー平等のための連帯イニシアチブ。ジェンダー平
等の社会を実現するためには、男性を含め、全ての人が立ち上がらなければならないとの考え方から始まったもの。
(文化・スポーツ支援活動への貢献)
当社の新たな価値を創造するという精神は、芸術文化支援活動に活かされています。次代を担う新進の芸術家の支援を目的に、初代社長の福原信三が 1919 年に開廊した資生堂ギャラリー(東京都 中央区)や、1978 年に開館した資生堂アートハウス(静岡県 掛川市)等で、さまざまな作品の展示や情報発信を通じて、時代に先駆けた美の提案を行ってきました。
2017年7月に、当社は、「資生堂 presents チームラボかみさまがすまう森のアート展」(主催:御船山楽園(佐賀県 武雄市)、チームラボ)に、初めて協賛しました。会場では、プロジェクションマッピングなどのテクノロジーや光・音を駆使したアート作品と、ブランド「SHISEIDO」の新スキンケアライン「WASO」(ワソウ)の「自然からくる美しさをストレートに伝える」というコンセプトを融合させたコラボレーション作品を展示しました。
また、人々に感動と共感を与えるスポーツへのサポートを通じて、世界中の人々のアクティブで美しい生き方を応援しています。屋外でスポーツする際も美しい肌を守るための日焼け止めや美白商品および関連美容情報を開発してきました。1979年より女子陸上部「資生堂ランニングクラブ」を運営し、2016年より、「東京マラソン」に、女性たちが美しさを保ちながら、レジャー・スポーツを思いきり楽しむことをサポートする「アネッサ」ブランドで協賛を行っています。