有価証券報告書-第115期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2015年6月23日)現在における当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(2015年度から2017年度までの3カ年計画)
2015年度から2017年度までの事業基盤再構築の期間の中でも、2015年度、2016年度にマーケティングと研究開発への投資を強化し、成長を実現するための基盤をつくり上げます。これらの投資強化と同時に、その実現のための原資を確保するべく、引き続き構造改革にも取り組みます。
特に、全社でマーケティングに取り組む“グローバルマーケティングカンパニー”への進化、お客さまへの新たな価値を生み出すためのイノベーション強化、そしてこれらを支える人材・組織の強化に重点的に取り組みます。
この3カ年では、日本を収益基盤に、海外を成長ドライバーに位置づけ、最終年度である2017年度の連結売上高9,000億円超、営業利益500~600億円を目標とし、ROEは9~10%をめざします。
(アクティブコンシューマーのニーズに応えるブランドポートフォリオの再構築)
社会や消費活動が多様化し、自身の選択眼で消費を行う“アクティブコンシューマー”が一層存在感を増す中、当社では、そのようなお客さまのニーズに応え、お客さまとつながり、愛され続けるブランドをつくることが重要であると考えています。お客さまの求める価値をベースに、ポートフォリオ上で重なり合うブランドやお客さまニーズの低いブランドを整理・統合することで、幅広いお客さまのニーズに応えつつ無駄のないブランド投資を実現し、強いブランドづくりを進めます。
これに向け、ブランド改廃ルールの明確化を行うなどブランドのライフサイクルマネジメントを徹底し、一定の売上規模と収益性をクリアし続けるブランドを厳選していきます。当社のこれまでのブランドではカバーしきれないお客さまのニーズにお応えするために必要であれば、M&Aによるブランドの獲得も検討していきます。
また、当社の象徴的なブランドである「SHISEIDO」について、ブランドのアイデンティティーとイメージの強化を行います。まず、コーポレートロゴとしての「SHISEIDO」について、“アクティブ”“躍動感”“前向き”“エネルギーに満ちた”といった印象を強め、存在感を高めるために、デザインを変更しました。さらに、ブランドイメージの統一の観点などからSHISEIDOの社名を使用できるブランドの範囲を検討し、今後は、グローバルブランド「SHISEIDO」と「SHISEIDO Professional」の2つのブランドで使用していくこととしました。これら以外のブランドについては、「マキアージュ」や「エリクシール」など、それぞれのブランド名やロゴを前面に出してブランド価値を訴求していきます。
そして、ブランドの価値をお客さまにお伝えする最前線に立ちブランド強化の鍵を握るビューティーコンサルタントの活性化や優秀な人材の確保をねらいに、日本や中国においてビューティーコンサルタント体制の見直しを行います。日本においては、正社員としての採用や契約社員から正社員への登用を促進するほか、成果を出した者に報いることができる評価・処遇制度への改定などを行います。
(マトリクス新組織体制への移行)
2016年度からの本格稼働をめざし、2015年度から、ブランド軸と地域軸のマトリクス新組織体制への移行を開始します。これは、“Think Global, Act Local(グローバルな視点で考えながら、現地・現場に密着した活動を進める)”の考え方のもと、強いブランドを育成し、各エリアに適したマーケティングを実行するための改革です。
お客さまの接点タイプ別に、当社の事業をプレステージ、コスメティクス、パーソナルケア、プロフェッショナル等のブランド事業に区分し、さらに全世界の地域・市場を日本、中国、アジア、米州、欧州、トラベルリテールに区分した上で、それぞれの掛け合わせで最適な組織体制を構築していきます。
マトリクス新組織体制への移行にあたっては、“現地・現場主義”“フラット”“スピード”“アカウンタビリティ”という4つの要素を重視していきます。これまでのように各地域に“販売会社”を作るのではなく、その地域の事業活動のすべてについて責任と権限を持つ“地域ごとの本社”を作る“地域本社制”を導入し、現地・現場のニーズとノウハウを最大限に活かし、現地で研究開発、商品開発、マーケティング、営業活動を行うことができる体制を構築していきます。
その一環として、日本国内では、これまで本社と販売会社に分かれて存在していた商品開発やマーケティング、営業の機能を集約化して日本地域本社とします。
(イノベーションを生み出すための研究開発の強化)
研究開発においては、先進の基礎技術を基にした革新的な製品開発を推進し、マーケティングとの連動・融合を図ります。現在、連結売上高に占める研究開発費の比率は1.8%ですが、2020年度にはこれを2.5%へと拡大し、全世界の研究所の人員を現在の約1,000名から1,500名まで増員します。
また、研究開発分野においても現地化を進めます。日本・中国・東南アジア(タイ)・ヨーロッパ(フランス)・アメリカの各研究所の規模を拡大し、お客さまインサイトに基づく研究開発を世界各地で行う体制を整備します。これにより、今まで以上に現地ニーズを捉えた製品開発を実現し、現地でのマーケティングとの連携も強化していきます。
一方で、将来の成長を支えるための基礎・基盤研究の拠点は、引き続き当社のオリジンである日本に置き、この分野を徹底的に強化していきます。このための新たな研究拠点として、グローバルイノベーションセンター(仮称)を横浜・みなとみらい21地区に設立し、ここにダイバーシティに富んだ研究開発人材を集め、世界中の叡智を結集することで、イノベーションの創出を加速します。なお、グローバルイノベーションセンター(仮称)は、2018年度末に稼働開始の予定です。
(成長への礎を築き、投資原資を生み出すための構造改革)
2014年度から着手した構造改革をより強力に世界全地域で推進し、原価、マーケティングコスト、在庫/サプライチェーンマネジメント、バックオフィスコスト、人件費・生産性の各項目の合計で2017年度までに300~400億円の投資原資を捻出していきます。
この構造改革で得られた投資原資は、店頭の整備や化粧品サンプル、広告宣伝など、お客さまに直接届く投資や研究開発投資等に振り向けていき、売上成長の加速につなげていきます。
(グローバルコンプライアンスの確立)
企業が社会に存在価値を認められ、持続的な成長を実現するには、帰属する社会や地球環境が健全な状態であることが不可欠となります。当社が100年先も輝き続ける会社であるためには、事業環境の健全な発展や地球環境の保全に努めるだけでなく、取引先をはじめとするビジネスパートナーともその認識を共有し、共に課題の解決に取り組むことが必要であると考えています。サプライチェーンのグローバル化に伴い、取引先におけるさまざまな問題の発生を回避しながら、安全性や品質を確保した資材調達等を行うことがますます重要となっており、これに対応するため、当社では“人権”“法令遵守”“労働慣行”“知的財産の保護及び機密の保持”“環境保全”及び“公正な取引”の6つの項目について定めた「資生堂サプライヤー行動基準」を策定・運用しています。国内外のサプライヤーとの間でこの行動基準の遵守のための覚書を締結するとともに、国内の主要取引先についてはアンケート等を通じて遵守状況を確認しています。
また、全世界のグループ会社で直面するさまざまなリスクを洗い出し、評価し、事前に備えておくこと、そしてリスク発生時に速やかに対応して被害を極小化することを可能とするための仕組みづくりと、その維持に努めています。また、社内外に複数の相談窓口や通報窓口を設置・運用することで、不正行為の早期発見と未然防止を図っています。
これらの取組みを含め、資生堂グループのコンプライアンス活動は、当社の取締役会が直轄するCSR委員会ですべて統括しており、今後も継続的に状況の変化を把握し、必要な対策を講じることでグローバルでのコンプライアンス体制を強化していきます。
(社会の課題と期待に応える取組み)
当社では、企業の社会的責任(CSR)について、リスクを最小化して企業価値を守り、企業の存続を確保することに主眼を置いた基本的なCSR活動と、企業価値を高めて成長に結びつけることができる資生堂らしいCSR活動に取り組んでいます。資生堂らしいCSR活動には、新しい美しさや豊かな暮らしの提案、社会貢献活動も含まれており、資生堂グループの強みを活かすことができる“女性・化粧(美容)”“文化”“環境”の3つを主な活動領域と定めています。
特に、当社は国際的ガイドラインであるWEPs(女性のエンパワーメント原則)への署名企業として、女性の社会的地位の向上や活躍支援について主導的な役割を果たしていくことが重要な使命の一つと捉えています。2016年度中に資生堂グループにおける国内の女性リーダー比率30%を達成することをめざすなど、自社における男女共同参画の促進に加え、次世代の指導的女性研究者の育成に貢献するため、自然科学分野を専攻する女性研究者への研究支援活動を行っています。さらに、2013年より国際協力機構(JICA)の助成金支援を受けて実施してきた、バングラデシュの農村部における女性の社会進出を支援する活動を、今後も継続していくこととしています。この活動は、現地の女性のエンパワーメントを通じて当社のイノベーションも実現していくものです。これまでに、“水・汗に触れても紫外線防御効果が落ちずに高まる”という日やけ止めの新技術の開発の端緒を得るなど成果を上げています。
環境面では、環境活動の柱である「商品のライフサイクル全体での環境対応」に向け、レフィル対応商品の積極的な開発・採用に引き続き取り組むほか、全世界でのCO2排出量の削減をめざした取組みや生物多様性の保全のための取組みを継続していきます。
また、文化面での活動として行っている芸術文化支援(協賛)活動なども継続していきます。
(2015年度から2017年度までの3カ年計画)
2015年度から2017年度までの事業基盤再構築の期間の中でも、2015年度、2016年度にマーケティングと研究開発への投資を強化し、成長を実現するための基盤をつくり上げます。これらの投資強化と同時に、その実現のための原資を確保するべく、引き続き構造改革にも取り組みます。
特に、全社でマーケティングに取り組む“グローバルマーケティングカンパニー”への進化、お客さまへの新たな価値を生み出すためのイノベーション強化、そしてこれらを支える人材・組織の強化に重点的に取り組みます。
この3カ年では、日本を収益基盤に、海外を成長ドライバーに位置づけ、最終年度である2017年度の連結売上高9,000億円超、営業利益500~600億円を目標とし、ROEは9~10%をめざします。
(アクティブコンシューマーのニーズに応えるブランドポートフォリオの再構築)
社会や消費活動が多様化し、自身の選択眼で消費を行う“アクティブコンシューマー”が一層存在感を増す中、当社では、そのようなお客さまのニーズに応え、お客さまとつながり、愛され続けるブランドをつくることが重要であると考えています。お客さまの求める価値をベースに、ポートフォリオ上で重なり合うブランドやお客さまニーズの低いブランドを整理・統合することで、幅広いお客さまのニーズに応えつつ無駄のないブランド投資を実現し、強いブランドづくりを進めます。
これに向け、ブランド改廃ルールの明確化を行うなどブランドのライフサイクルマネジメントを徹底し、一定の売上規模と収益性をクリアし続けるブランドを厳選していきます。当社のこれまでのブランドではカバーしきれないお客さまのニーズにお応えするために必要であれば、M&Aによるブランドの獲得も検討していきます。
また、当社の象徴的なブランドである「SHISEIDO」について、ブランドのアイデンティティーとイメージの強化を行います。まず、コーポレートロゴとしての「SHISEIDO」について、“アクティブ”“躍動感”“前向き”“エネルギーに満ちた”といった印象を強め、存在感を高めるために、デザインを変更しました。さらに、ブランドイメージの統一の観点などからSHISEIDOの社名を使用できるブランドの範囲を検討し、今後は、グローバルブランド「SHISEIDO」と「SHISEIDO Professional」の2つのブランドで使用していくこととしました。これら以外のブランドについては、「マキアージュ」や「エリクシール」など、それぞれのブランド名やロゴを前面に出してブランド価値を訴求していきます。
そして、ブランドの価値をお客さまにお伝えする最前線に立ちブランド強化の鍵を握るビューティーコンサルタントの活性化や優秀な人材の確保をねらいに、日本や中国においてビューティーコンサルタント体制の見直しを行います。日本においては、正社員としての採用や契約社員から正社員への登用を促進するほか、成果を出した者に報いることができる評価・処遇制度への改定などを行います。
(マトリクス新組織体制への移行)
2016年度からの本格稼働をめざし、2015年度から、ブランド軸と地域軸のマトリクス新組織体制への移行を開始します。これは、“Think Global, Act Local(グローバルな視点で考えながら、現地・現場に密着した活動を進める)”の考え方のもと、強いブランドを育成し、各エリアに適したマーケティングを実行するための改革です。
お客さまの接点タイプ別に、当社の事業をプレステージ、コスメティクス、パーソナルケア、プロフェッショナル等のブランド事業に区分し、さらに全世界の地域・市場を日本、中国、アジア、米州、欧州、トラベルリテールに区分した上で、それぞれの掛け合わせで最適な組織体制を構築していきます。
マトリクス新組織体制への移行にあたっては、“現地・現場主義”“フラット”“スピード”“アカウンタビリティ”という4つの要素を重視していきます。これまでのように各地域に“販売会社”を作るのではなく、その地域の事業活動のすべてについて責任と権限を持つ“地域ごとの本社”を作る“地域本社制”を導入し、現地・現場のニーズとノウハウを最大限に活かし、現地で研究開発、商品開発、マーケティング、営業活動を行うことができる体制を構築していきます。
その一環として、日本国内では、これまで本社と販売会社に分かれて存在していた商品開発やマーケティング、営業の機能を集約化して日本地域本社とします。
(イノベーションを生み出すための研究開発の強化)
研究開発においては、先進の基礎技術を基にした革新的な製品開発を推進し、マーケティングとの連動・融合を図ります。現在、連結売上高に占める研究開発費の比率は1.8%ですが、2020年度にはこれを2.5%へと拡大し、全世界の研究所の人員を現在の約1,000名から1,500名まで増員します。
また、研究開発分野においても現地化を進めます。日本・中国・東南アジア(タイ)・ヨーロッパ(フランス)・アメリカの各研究所の規模を拡大し、お客さまインサイトに基づく研究開発を世界各地で行う体制を整備します。これにより、今まで以上に現地ニーズを捉えた製品開発を実現し、現地でのマーケティングとの連携も強化していきます。
一方で、将来の成長を支えるための基礎・基盤研究の拠点は、引き続き当社のオリジンである日本に置き、この分野を徹底的に強化していきます。このための新たな研究拠点として、グローバルイノベーションセンター(仮称)を横浜・みなとみらい21地区に設立し、ここにダイバーシティに富んだ研究開発人材を集め、世界中の叡智を結集することで、イノベーションの創出を加速します。なお、グローバルイノベーションセンター(仮称)は、2018年度末に稼働開始の予定です。
(成長への礎を築き、投資原資を生み出すための構造改革)
2014年度から着手した構造改革をより強力に世界全地域で推進し、原価、マーケティングコスト、在庫/サプライチェーンマネジメント、バックオフィスコスト、人件費・生産性の各項目の合計で2017年度までに300~400億円の投資原資を捻出していきます。
この構造改革で得られた投資原資は、店頭の整備や化粧品サンプル、広告宣伝など、お客さまに直接届く投資や研究開発投資等に振り向けていき、売上成長の加速につなげていきます。
(グローバルコンプライアンスの確立)
企業が社会に存在価値を認められ、持続的な成長を実現するには、帰属する社会や地球環境が健全な状態であることが不可欠となります。当社が100年先も輝き続ける会社であるためには、事業環境の健全な発展や地球環境の保全に努めるだけでなく、取引先をはじめとするビジネスパートナーともその認識を共有し、共に課題の解決に取り組むことが必要であると考えています。サプライチェーンのグローバル化に伴い、取引先におけるさまざまな問題の発生を回避しながら、安全性や品質を確保した資材調達等を行うことがますます重要となっており、これに対応するため、当社では“人権”“法令遵守”“労働慣行”“知的財産の保護及び機密の保持”“環境保全”及び“公正な取引”の6つの項目について定めた「資生堂サプライヤー行動基準」を策定・運用しています。国内外のサプライヤーとの間でこの行動基準の遵守のための覚書を締結するとともに、国内の主要取引先についてはアンケート等を通じて遵守状況を確認しています。
また、全世界のグループ会社で直面するさまざまなリスクを洗い出し、評価し、事前に備えておくこと、そしてリスク発生時に速やかに対応して被害を極小化することを可能とするための仕組みづくりと、その維持に努めています。また、社内外に複数の相談窓口や通報窓口を設置・運用することで、不正行為の早期発見と未然防止を図っています。
これらの取組みを含め、資生堂グループのコンプライアンス活動は、当社の取締役会が直轄するCSR委員会ですべて統括しており、今後も継続的に状況の変化を把握し、必要な対策を講じることでグローバルでのコンプライアンス体制を強化していきます。
(社会の課題と期待に応える取組み)
当社では、企業の社会的責任(CSR)について、リスクを最小化して企業価値を守り、企業の存続を確保することに主眼を置いた基本的なCSR活動と、企業価値を高めて成長に結びつけることができる資生堂らしいCSR活動に取り組んでいます。資生堂らしいCSR活動には、新しい美しさや豊かな暮らしの提案、社会貢献活動も含まれており、資生堂グループの強みを活かすことができる“女性・化粧(美容)”“文化”“環境”の3つを主な活動領域と定めています。
特に、当社は国際的ガイドラインであるWEPs(女性のエンパワーメント原則)への署名企業として、女性の社会的地位の向上や活躍支援について主導的な役割を果たしていくことが重要な使命の一つと捉えています。2016年度中に資生堂グループにおける国内の女性リーダー比率30%を達成することをめざすなど、自社における男女共同参画の促進に加え、次世代の指導的女性研究者の育成に貢献するため、自然科学分野を専攻する女性研究者への研究支援活動を行っています。さらに、2013年より国際協力機構(JICA)の助成金支援を受けて実施してきた、バングラデシュの農村部における女性の社会進出を支援する活動を、今後も継続していくこととしています。この活動は、現地の女性のエンパワーメントを通じて当社のイノベーションも実現していくものです。これまでに、“水・汗に触れても紫外線防御効果が落ちずに高まる”という日やけ止めの新技術の開発の端緒を得るなど成果を上げています。
環境面では、環境活動の柱である「商品のライフサイクル全体での環境対応」に向け、レフィル対応商品の積極的な開発・採用に引き続き取り組むほか、全世界でのCO2排出量の削減をめざした取組みや生物多様性の保全のための取組みを継続していきます。
また、文化面での活動として行っている芸術文化支援(協賛)活動なども継続していきます。