有価証券報告書-第124期(2023/01/01-2023/12/31)
(4) 【役員の報酬等】
役員報酬の内容
(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数
(注) 1 取締役の基本報酬と賞与の合計額は、第118回定時株主総会(2018年3月27日)決議による報酬限度額である年額20億円以内(うち社外取締役分は年額2億円以内)です。当該株主総会終結時点の取締役の員数は6名(うち社外取締役は3名)でした。また、金銭報酬とは別枠で、第123回定時株主総会(2023年3月24日)において、社外取締役以外の取締役に対する業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)として136,000株以内を支給する(うち68,000株を上限に、当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給する)ものと決議しています。当該株主総会終結時点の取締役の員数は10名(うち社外取締役5名)でした。また、監査役の基本報酬は、第105回定時株主総会(2005年6月29日)決議による報酬限度額である月額10百万円以内です。当該株主総会終結時点の監査役の員数は5名でした。
2 上記の当連結会計年度の取締役の賞与は、(注)1に記載の第118回定時株主総会決議に基づき、取締役会の決議により支払う額です。この金額の算定については、以下の「(ハ)社外取締役を除く取締役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等」をご覧ください。
3 上記の取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)のIFRS第2号「株式に基づく報酬」に則し認識・測定した当期費用計上額の合計額です。当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給するものと決議しています。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の評価指標の達成率に基づく費用計上額の調整額△22百万円を含んでいます。
4 上記支給額のほか、当社取締役1名に対して、当該取締役が取締役を兼務しないエグゼクティブオフィサーの地位または従業員の地位にあったときに交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の過年度の費用計上額の調整額△1百万円があります。
5 取締役全員および監査役全員について上記の役員報酬((注)1~4に記載したものを含む)以外の報酬の支払いはありません。
(ロ) 報酬等の総額が1億円以上である取締役の当連結会計年度に係る報酬等の種類別の額
(注) 1 報酬等の総額が1億円以上である取締役の当連結会計年度に係る報酬等の種類別の額を記載しています。なお、「役職」に関しては当連結会計年度における役職名を記載しています。
2 上記の取締役の賞与は、「(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数」の(注)1に記載の第118回定時株主総会決議に基づき、取締役会の決議により支払う額です。
3 上記の取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)のIFRS第2号「株式に基づく報酬」に則し認識・測定した当期費用計上額の合計額です。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の評価指標の達成率に基づく費用計上額の調整額△21百万円を含んでいます。
4 上記の取締役について上記の役員報酬((注)2~3に記載したものを含む)以外の報酬の支払いはありません。
(ハ) 社外取締役を除く取締役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等
(注) 1 担当事業業績では、事業売上、事業利益およびコスト指数等、担当事業ごとに重要な評価指標を設定しています。具体的な数値は開示していません。
2 個人考課では、組織能力の向上等、単年度だけでなく経営哲学や企業理念を反映した長期戦略の実現に寄与する重点目標を個人別に設定しています。
3 合計支給率は、取締役の賞与基準金額に対する実支給額の割合を表しています。
4 親会社の所有者に帰属する当期利益は、予め定めた一定水準を下回った場合、指名・報酬諮問委員会において、支給率引き下げを検討する基準として設定しています。
(ニ) 社外取締役を除く取締役に支給される2020年12月期付与分の長期インセンティブ型報酬の業績連動目標、 実績および支給率等
(注) 1 2020年12月期付与分の業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の評価対象期間は、2020年1月1日から2022年12月31日までです。
2 業績評価指標につきましては、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする観点から、企業価値のうち経済価値に関する指標として、連結売上高の年平均成長率(CAGR)および連結営業利益の年平均成長率(CAGR)を、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用しました。
3 固定部分(50%)が設定されているため、固定部分と業績連動部分を合計した支給率全体の変動幅は50%から150%となります。
4 連結ROEは、予め定めた一定水準を下回った場合、指名・報酬諮問委員会において、業績連動部分の支給率引き下げを検討する基準として設定しています。
5 業績評価指標のうち、ESG指標の実績の比率の算出にあたっては、小数点以下を四捨五入しています。
(ホ) 提出会社の役員報酬等に係る指名・報酬諮問委員会および取締役会の活動内容
当連結会計年度は指名・報酬諮問委員会を5回開催し、前連結会計年度の取締役およびエグゼクティブオフィサーの賞与、当連結会計年度の取締役およびエグゼクティブオフィサーへの報酬支払の方針ならびに個人別報酬についての検討、答申を行いました。なお、上記の指名・報酬諮問委員会の実開催のほか、書面開催とした回数が3回ありました。
当連結会計年度に係る取締役の個人別の報酬等については、取締役の個人別の報酬等の決定方針に基づいて設計された具体的な報酬体系・指標に基づき、当社を取り巻く社会情勢・経済状況を勘案しながら指名・報酬諮問委員会が審議し、取締役会に答申しており、取締役会はその答申を尊重して報酬等を決定していることから、当該決定方針に沿うものであると判断しています。
(ヘ) 提出会社の役員報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針
当社は、役員報酬制度をコーポレートガバナンスにおける重要事項と位置づけています。このことから、当社の役員報酬制度は、以下の基本哲学に基づき、社外取締役を委員長とする報酬委員会において、客観的な視点を取り入れて審議し決定しています。
[役員報酬制度の基本哲学]
(ト) 当社の役員報酬制度
当社は、上記の基本哲学を踏まえ、報酬委員会において、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を決議しています。
取締役および執行役の個人別の報酬等の決定方針の内容の概要を含む当社の役員報酬制度を以下に詳しく説明します。
(全体像)
執行役(取締役を兼任する者を含む。)の役員報酬は、固定報酬としての「基本報酬」と業績連動報酬としての「年次賞与」と「長期インセンティブ型報酬(非金銭報酬)」で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。取締役および執行役の個人別の報酬等は、報酬委員会で審議し決定しています。なお、執行役を兼務する取締役に対しては、取締役としての報酬は支給していません。
また、業務執行から独立した立場にある社外取締役および監査委員会の委員である取締役は、業績連動報酬等の変動報酬は相応しくないため、基本報酬のみの支給としています。
[執行役の種類別報酬割合]
執行役の報酬割合は、各人の職責に応じて設定されたグレードによって設定し、グレードが高くなるほど業績連動報酬割合が高くなる設定としています。
(注) 1 この表は、業績連動報酬の支給額について、当社が定める基準額100%分を支給した場合のモデルであり、当社の業績および株価の変動等に応じて上記割合も変動します。
2 執行役の代表権の有無により種類別報酬割合に差異を設けていません。
3 各執行役のグレードに応じて異なる報酬テーブルが適用されるため、同一役職であっても、個人別に報酬の種類別の割合が異なります。
(基本報酬)
基本報酬については、各執行役の担当領域の規模・責任やグループ経営への影響の大きさに応じてグレードごとの設計としています。また、同一グレード内でも、個別の執行役の前年度の実績(業績数値および個人考課)に応じて一定の範囲で昇給が可能な仕組みとなっており、基本報酬においても執行役の成果に報いることができるようにしています。
各執行役の基本報酬は、報酬委員会で決定し、各月に按分し支給しています。
(業績連動報酬)
業績連動報酬は、単年度の目標達成に対するインセンティブを目的とした「年次賞与」と、株主のみなさまとの利益意識の共有と中長期的な企業価値向上のための目標達成への動機づけを目的とした「長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)」で構成されており、執行役に対し、単年度だけでなく中長期的な視点で業績や株価を意識した経営を動機づける設計となっています。
(年次賞与)
業績連動報酬のうち、年次賞与では、財務指標である連結売上高およびコア営業利益の目標達成率を執行役共通の評価指標とするほか、下記の表のとおり、各執行役の担当領域に応じた評価項目を設定し、支給率の変動幅を0%~200%としています。親会社の所有者に帰属する当期利益については、経営に携わる立場の者すべてが意識する必要がある一方、未来の成長に向けた投資や長期的成長のための課題解決を積極的に行うことに対する過度な足かせにならないようにする必要があることから、下記の表のとおり、報酬委員会の審議を経て予め一定水準(閾値)を定め、当該閾値を下回った場合に、報酬委員会において、年次賞与の評価項目のうち全社業績部分の支給率の引き下げを検討するという設計としています。なお、連結売上高、コア営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益の各目標および閾値の達成率の判定にあたっては、報酬委員会の決議をもって実績を補正して判定することがあります。このような補正を行った場合は、執行役の報酬実績の開示資料に記載して明らかにします。
また、持続的成長を実現するための事業基盤の再構築や変革への取り組みなど、財務的な業績数値だけでは測ることができない戦略目標の達成度を評価基準に加えるために執行役について個人考課部分を設定しています。
なお、年次賞与は、毎年1回支給しています。
[執行役の年次賞与の評価指標および評価ウエイト]
(注) 執行役の代表権の有無により評価指標および評価指標の適用割合に差異を設けていません。
[年次賞与の支給率モデル]

(長期インセンティブ型報酬)
2019年度より業績連動型株式報酬の一種であるパフォーマンス・シェア・ユニットを導入し、毎年支給することにより中長期的な企業価値の創造を動機づけています。経済的価値の向上を評価する業績評価指標としては、中長期経営戦略と長期視点で目指す定量目標を組み合わせるとともに、社会価値創造の指標としては、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を設定することで、経済的および社会的価値の両面から企業価値を創造し、株主のみなさまとの利益意識の共有を目的とする設計としました。
[長期インセンティブ型報酬の導入目的]
当社のパフォーマンス・シェア・ユニットでは、1事業年度を支給対象年度として年度ごとに各支給対象者に基準となる株式ユニットを付与し、予め支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間とする複数の評価指標を定めています。評価対象期間終了後に各評価指標の達成率に応じて変動幅50%~150%の範囲で支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。一方で、株主との持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために、業績連動部分だけでなく、固定的に支給される部分を設けています。
2024年の長期インセンティブ型報酬の評価指標については、企業価値のうち経済価値に関する指標として、2023年度から2026年度までの連結売上高の年平均成長率(CAGR)および2026年度の連結コア営業利益率を設定しました。さらに、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用し、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする構成としています。また、株主のみなさまとの利益意識の共有の観点から、企業価値を測るうえで重要な指標である連結ROEも評価指標に加えています。
長期インセンティブ型報酬は、予め定める一定期間、支給対象者が継続して取締役または執行役のいずれかの地位にあったことを支給の要件とします。
また、当社では、パフォーマンス・シェア・ユニットに関して、マルス・クローバック条項を導入しています。具体的には、支給対象者の重大な不正行為があった場合等の一定の場合には、報酬委員会はその決定に従い、株式ユニットの数を減少させ、または返還を受けることができます。
なお、長期インセンティブ型報酬では、全世界の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた“グローバルワンチーム”の実現に向け、国内外の主要業務執行者にも支給をしています。
[長期インセンティブ型報酬の支給スケジュール]

[長期インセンティブ型報酬の業績連動部分の評価指標および評価ウエイト]
[長期インセンティブ型報酬の株式ユニット数支給率モデル]

(チ) 報酬額算定の基礎となる考課の客観性・公正性・透明性を担保する仕組み
当社の役員報酬制度では、基本報酬と年次賞与の報酬額の決定に対し、各執行役の個人考課が影響します。個人考課は、連結売上高等の業績指標に基づく評価と異なり、定量的な評価ではないことから、その客観性・公正性・透明性を担保するための仕組みが必要となります。
このため、報酬委員会のメンバーである社外取締役がCEOの個人考課を含む業績評価全体を行っています。また、CEO以外の執行役の個人考課についても、社外取締役がその評価プロセスや評価の考え方を確認することで、客観性・公正性・透明性を担保しています。
役員報酬の内容
(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数
役員区分および 対象となる 役員の員数(名) | 連結報酬等の種類別の総額(百万円) | 合計 (①+②) (百万円) | ||||
基本報酬 | 賞与 | 現金報酬計① | 長期インセンティブ (株式報酬)② | |||
取締役(10名) | 428 | 133 | 562 | 142 | 705 | |
うち社外取締役(5名) | 70 | - | 70 | - | 70 | |
監査役(6名、2023年3月退任の1名を含む) | 104 | - | 104 | - | 104 | |
うち社外監査役(3名) | 39 | - | 39 | - | 39 | |
合計 | 533 | 133 | 667 | 142 | 809 |
(注) 1 取締役の基本報酬と賞与の合計額は、第118回定時株主総会(2018年3月27日)決議による報酬限度額である年額20億円以内(うち社外取締役分は年額2億円以内)です。当該株主総会終結時点の取締役の員数は6名(うち社外取締役は3名)でした。また、金銭報酬とは別枠で、第123回定時株主総会(2023年3月24日)において、社外取締役以外の取締役に対する業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)として136,000株以内を支給する(うち68,000株を上限に、当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給する)ものと決議しています。当該株主総会終結時点の取締役の員数は10名(うち社外取締役5名)でした。また、監査役の基本報酬は、第105回定時株主総会(2005年6月29日)決議による報酬限度額である月額10百万円以内です。当該株主総会終結時点の監査役の員数は5名でした。
2 上記の当連結会計年度の取締役の賞与は、(注)1に記載の第118回定時株主総会決議に基づき、取締役会の決議により支払う額です。この金額の算定については、以下の「(ハ)社外取締役を除く取締役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等」をご覧ください。
3 上記の取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)のIFRS第2号「株式に基づく報酬」に則し認識・測定した当期費用計上額の合計額です。当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給するものと決議しています。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の評価指標の達成率に基づく費用計上額の調整額△22百万円を含んでいます。
4 上記支給額のほか、当社取締役1名に対して、当該取締役が取締役を兼務しないエグゼクティブオフィサーの地位または従業員の地位にあったときに交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の過年度の費用計上額の調整額△1百万円があります。
5 取締役全員および監査役全員について上記の役員報酬((注)1~4に記載したものを含む)以外の報酬の支払いはありません。
(ロ) 報酬等の総額が1億円以上である取締役の当連結会計年度に係る報酬等の種類別の額
役職・氏名 | 連結報酬等の種類別の額(百万円) | 合計 (①+②) (百万円) | |||
基本報酬 | 賞与 | 現金報酬計① | 長期インセンティブ (株式報酬)② | ||
会長 CEO 魚谷雅彦 | 169 | 72 | 241 | 60 | 301 |
社長 COO 藤原憲太郎 | 51 | 27 | 79 | 47 | 127 |
(注) 1 報酬等の総額が1億円以上である取締役の当連結会計年度に係る報酬等の種類別の額を記載しています。なお、「役職」に関しては当連結会計年度における役職名を記載しています。
2 上記の取締役の賞与は、「(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数」の(注)1に記載の第118回定時株主総会決議に基づき、取締役会の決議により支払う額です。
3 上記の取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)のIFRS第2号「株式に基づく報酬」に則し認識・測定した当期費用計上額の合計額です。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の評価指標の達成率に基づく費用計上額の調整額△21百万円を含んでいます。
4 上記の取締役について上記の役員報酬((注)2~3に記載したものを含む)以外の報酬の支払いはありません。
(ハ) 社外取締役を除く取締役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等
業績評価指標 | 支給率変動幅 | 支給係数100%のための目標 (億円) | 実績 (億円) | 目標達成率 | 目標達成率を元に算出した支給係数 |
連結売上高 | 0%~200% | 10,000 | 9,730 | 97.3% | 58.0% |
コア営業利益 | 600 | 398 | 66.4% | 0% | |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | - | (注)4 | 217 | - | 閾値による 引き下げ 検討対象外 |
担当事業業績 | 0%~200% | (注)1 | |||
個人考課 | (注)2 | - | - | (注)2 43.3% (平均) |
合計支給率 | (注)3 43.6% |
(注) 1 担当事業業績では、事業売上、事業利益およびコスト指数等、担当事業ごとに重要な評価指標を設定しています。具体的な数値は開示していません。
2 個人考課では、組織能力の向上等、単年度だけでなく経営哲学や企業理念を反映した長期戦略の実現に寄与する重点目標を個人別に設定しています。
3 合計支給率は、取締役の賞与基準金額に対する実支給額の割合を表しています。
4 親会社の所有者に帰属する当期利益は、予め定めた一定水準を下回った場合、指名・報酬諮問委員会において、支給率引き下げを検討する基準として設定しています。
(ニ) 社外取締役を除く取締役に支給される2020年12月期付与分の長期インセンティブ型報酬の業績連動目標、 実績および支給率等
業績評価指標 | 支給率変動幅 (注)3 | ウエイト | 支給率上限となる目標値 | 実績 | 支給率上限となる目標値に対する達成率 | 支給率 | ||
業績連動部分 | 連結売上高年平均成長率(CAGR) | 50%~150% (固定部分50%を含む) | 45.0% | 2017年からの年平均成長率 CAGR : 8.0% | 1.2% | 0.0% | 0.0% | |
連結営業利益年平均成長率(CAGR) | 45.0% | 2017年からの年平均成長率 CAGR : 15.8% | △13.6% | 0.0% | 0.0% | |||
“エンパワービューティー”の領域を中心とした環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の指標 | 国内女性管理職比率 | 2.0% | 3カ年の最終年度に40% | 38% | 0.0% | 0.0% | ||
国外女性リーダー比率 | 2.0% | 3カ年の最終年度に50% | 53% | 100.0% | 2.0% | |||
MSCI日本株女性活躍指数 | 1.0% | 3カ年の最終年度で 主要銘柄としての 採用を継続 | 継続採用 | 100.0% | 1.0% | |||
DJSIサステナビリティ株式指標 | 5.0% | 3カ年の最終年度のDJSI WorldとDJSI Asia Pacificのトップ評価企業との差: 平均90%ile~100%ile | 98%ile | 100.0% | 5.0% | |||
固定部分 | - | - | - | - | 50.0% | |||
連結ROE | 閾値 | - | 閾値の目標:過去10年平均で5.0%以上 | 7.5% | 達成 | - |
合計支給率 | 58.0% ※固定部分 50.0%を含む |
(注) 1 2020年12月期付与分の業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の評価対象期間は、2020年1月1日から2022年12月31日までです。
2 業績評価指標につきましては、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする観点から、企業価値のうち経済価値に関する指標として、連結売上高の年平均成長率(CAGR)および連結営業利益の年平均成長率(CAGR)を、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用しました。
3 固定部分(50%)が設定されているため、固定部分と業績連動部分を合計した支給率全体の変動幅は50%から150%となります。
4 連結ROEは、予め定めた一定水準を下回った場合、指名・報酬諮問委員会において、業績連動部分の支給率引き下げを検討する基準として設定しています。
5 業績評価指標のうち、ESG指標の実績の比率の算出にあたっては、小数点以下を四捨五入しています。
(ホ) 提出会社の役員報酬等に係る指名・報酬諮問委員会および取締役会の活動内容
当連結会計年度は指名・報酬諮問委員会を5回開催し、前連結会計年度の取締役およびエグゼクティブオフィサーの賞与、当連結会計年度の取締役およびエグゼクティブオフィサーへの報酬支払の方針ならびに個人別報酬についての検討、答申を行いました。なお、上記の指名・報酬諮問委員会の実開催のほか、書面開催とした回数が3回ありました。
当連結会計年度に係る取締役の個人別の報酬等については、取締役の個人別の報酬等の決定方針に基づいて設計された具体的な報酬体系・指標に基づき、当社を取り巻く社会情勢・経済状況を勘案しながら指名・報酬諮問委員会が審議し、取締役会に答申しており、取締役会はその答申を尊重して報酬等を決定していることから、当該決定方針に沿うものであると判断しています。
(ヘ) 提出会社の役員報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針
当社は、役員報酬制度をコーポレートガバナンスにおける重要事項と位置づけています。このことから、当社の役員報酬制度は、以下の基本哲学に基づき、社外取締役を委員長とする報酬委員会において、客観的な視点を取り入れて審議し決定しています。
[役員報酬制度の基本哲学]
① 企業使命の実現を促すものであること ② グローバル人材市場において、優秀な人材を確保・維持できる金額水準を目指すこと ③ 長期的な企業価値向上を目指し、長期ビジョン・中長期戦略の実現を強く動機付けるものであること ④ 短期目標の達成を動機付けるものの、短期志向への過度な偏重を抑制するための仕組みが組み込まれ ていること ⑤ 株主や従業員をはじめとしたステークホルダーに対する説明責任の観点から透明性、公正性および 合理性を備えた設計であり、これを担保する適切な審議および評価プロセスを経て決定されること ⑥ 個人のミッションを反映した役割・責任の大きさ(グレード)に応じた報酬水準、かつ、戦略目標の 達成度(成果)によって報酬に差が出る設計であること |
(ト) 当社の役員報酬制度
当社は、上記の基本哲学を踏まえ、報酬委員会において、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を決議しています。
取締役および執行役の個人別の報酬等の決定方針の内容の概要を含む当社の役員報酬制度を以下に詳しく説明します。
(全体像)
執行役(取締役を兼任する者を含む。)の役員報酬は、固定報酬としての「基本報酬」と業績連動報酬としての「年次賞与」と「長期インセンティブ型報酬(非金銭報酬)」で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。取締役および執行役の個人別の報酬等は、報酬委員会で審議し決定しています。なお、執行役を兼務する取締役に対しては、取締役としての報酬は支給していません。
また、業務執行から独立した立場にある社外取締役および監査委員会の委員である取締役は、業績連動報酬等の変動報酬は相応しくないため、基本報酬のみの支給としています。
[執行役の種類別報酬割合]
執行役の報酬割合は、各人の職責に応じて設定されたグレードによって設定し、グレードが高くなるほど業績連動報酬割合が高くなる設定としています。
執行役の役職 | 役員報酬の構成比 | |||
基本報酬 | 業績連動報酬 | 合計 | ||
年次賞与 | 長期インセンティブ型報酬 | |||
会長 CEO | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 100% |
会長 CEO以外 | 36%~48% | 26%~32% | 26%~32% |
(注) 1 この表は、業績連動報酬の支給額について、当社が定める基準額100%分を支給した場合のモデルであり、当社の業績および株価の変動等に応じて上記割合も変動します。
2 執行役の代表権の有無により種類別報酬割合に差異を設けていません。
3 各執行役のグレードに応じて異なる報酬テーブルが適用されるため、同一役職であっても、個人別に報酬の種類別の割合が異なります。
(基本報酬)
基本報酬については、各執行役の担当領域の規模・責任やグループ経営への影響の大きさに応じてグレードごとの設計としています。また、同一グレード内でも、個別の執行役の前年度の実績(業績数値および個人考課)に応じて一定の範囲で昇給が可能な仕組みとなっており、基本報酬においても執行役の成果に報いることができるようにしています。
各執行役の基本報酬は、報酬委員会で決定し、各月に按分し支給しています。
(業績連動報酬)
業績連動報酬は、単年度の目標達成に対するインセンティブを目的とした「年次賞与」と、株主のみなさまとの利益意識の共有と中長期的な企業価値向上のための目標達成への動機づけを目的とした「長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)」で構成されており、執行役に対し、単年度だけでなく中長期的な視点で業績や株価を意識した経営を動機づける設計となっています。
(年次賞与)
業績連動報酬のうち、年次賞与では、財務指標である連結売上高およびコア営業利益の目標達成率を執行役共通の評価指標とするほか、下記の表のとおり、各執行役の担当領域に応じた評価項目を設定し、支給率の変動幅を0%~200%としています。親会社の所有者に帰属する当期利益については、経営に携わる立場の者すべてが意識する必要がある一方、未来の成長に向けた投資や長期的成長のための課題解決を積極的に行うことに対する過度な足かせにならないようにする必要があることから、下記の表のとおり、報酬委員会の審議を経て予め一定水準(閾値)を定め、当該閾値を下回った場合に、報酬委員会において、年次賞与の評価項目のうち全社業績部分の支給率の引き下げを検討するという設計としています。なお、連結売上高、コア営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益の各目標および閾値の達成率の判定にあたっては、報酬委員会の決議をもって実績を補正して判定することがあります。このような補正を行った場合は、執行役の報酬実績の開示資料に記載して明らかにします。
また、持続的成長を実現するための事業基盤の再構築や変革への取り組みなど、財務的な業績数値だけでは測ることができない戦略目標の達成度を評価基準に加えるために執行役について個人考課部分を設定しています。
なお、年次賞与は、毎年1回支給しています。
[執行役の年次賞与の評価指標および評価ウエイト]
評価項目 | 評価指標 | 評価ウエイト | ||||||||||
CEO、COOおよび副社長 | 事業担当執行役 | 事業担当以外の執行役 | ||||||||||
地域本社 CEO | その他 | コーポレート ファンクション | ||||||||||
全社業績 | 連結売上高 | 30% | 70% | 10% | 20% | 10% | 20% | 30% | 70% | |||
コア営業利益 | 40% | 10% | 10% | 40% | ||||||||
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 予め定めた一定水準を下回る金額になった場合、報酬委員会において、全社業績部分の支給率引き下げを検討する。 | |||||||||||
担当部門業績 | 事業業績評価 | - | 50% | 50% | - | |||||||
個人考課 | 個人別に設定した 戦略目標の達成度 | 30% 長期ビジョン・戦略実現のための戦略的に優先すべき変革・取り組み、それを実現するための組織ケイパビリティの構築・強化、自身の成長目標、CEOへの提言 |
(注) 執行役の代表権の有無により評価指標および評価指標の適用割合に差異を設けていません。
[年次賞与の支給率モデル]

(長期インセンティブ型報酬)
2019年度より業績連動型株式報酬の一種であるパフォーマンス・シェア・ユニットを導入し、毎年支給することにより中長期的な企業価値の創造を動機づけています。経済的価値の向上を評価する業績評価指標としては、中長期経営戦略と長期視点で目指す定量目標を組み合わせるとともに、社会価値創造の指標としては、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を設定することで、経済的および社会的価値の両面から企業価値を創造し、株主のみなさまとの利益意識の共有を目的とする設計としました。
[長期インセンティブ型報酬の導入目的]
長期的な企業価値の創造と維持に対する効果的なインセンティブの設定と、株主との持続的な利益意識の共有を目的として、以下の各項目の実現を促す ① 長期ビジョン・戦略目標の達成を通じた価値創造の促進 ② 企業価値の毀損の牽制と長期にわたる高い企業価値の維持 ③ 経営をリードすることができる有能な人材の獲得・維持 ④ 資生堂グループ全体の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた「グローバル ワンチーム」の実現 |
当社のパフォーマンス・シェア・ユニットでは、1事業年度を支給対象年度として年度ごとに各支給対象者に基準となる株式ユニットを付与し、予め支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間とする複数の評価指標を定めています。評価対象期間終了後に各評価指標の達成率に応じて変動幅50%~150%の範囲で支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。一方で、株主との持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために、業績連動部分だけでなく、固定的に支給される部分を設けています。
2024年の長期インセンティブ型報酬の評価指標については、企業価値のうち経済価値に関する指標として、2023年度から2026年度までの連結売上高の年平均成長率(CAGR)および2026年度の連結コア営業利益率を設定しました。さらに、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用し、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする構成としています。また、株主のみなさまとの利益意識の共有の観点から、企業価値を測るうえで重要な指標である連結ROEも評価指標に加えています。
長期インセンティブ型報酬は、予め定める一定期間、支給対象者が継続して取締役または執行役のいずれかの地位にあったことを支給の要件とします。
また、当社では、パフォーマンス・シェア・ユニットに関して、マルス・クローバック条項を導入しています。具体的には、支給対象者の重大な不正行為があった場合等の一定の場合には、報酬委員会はその決定に従い、株式ユニットの数を減少させ、または返還を受けることができます。
なお、長期インセンティブ型報酬では、全世界の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた“グローバルワンチーム”の実現に向け、国内外の主要業務執行者にも支給をしています。
[長期インセンティブ型報酬の支給スケジュール]

[長期インセンティブ型報酬の業績連動部分の評価指標および評価ウエイト]
評価項目 | 評価指標 | 評価ウエイト | ||||
経済価値指標 | 評価対象期間の最終事業年度における 連結コア営業利益率 | 50% | 100% | |||
連結売上高 年平均成長率(CAGR) | 30% | |||||
社会価値指標 | 環境 | CO2排出量削減目標達成状況 | 20% | |||
社会 | 当社の国内外女性管理職・リーダー比率、当社が定めるESG評価機関の女性活躍に 関する指数銘柄への採用状況 | |||||
ESG全般 | 当社が定めるESG評価機関での評価スコア | |||||
経済価値指標 | 連結ROE | 予め定めた一定水準を下回った場合、報酬委員会において、業績連動部分の支給率引き下げを検討する |
[長期インセンティブ型報酬の株式ユニット数支給率モデル]

(チ) 報酬額算定の基礎となる考課の客観性・公正性・透明性を担保する仕組み
当社の役員報酬制度では、基本報酬と年次賞与の報酬額の決定に対し、各執行役の個人考課が影響します。個人考課は、連結売上高等の業績指標に基づく評価と異なり、定量的な評価ではないことから、その客観性・公正性・透明性を担保するための仕組みが必要となります。
このため、報酬委員会のメンバーである社外取締役がCEOの個人考課を含む業績評価全体を行っています。また、CEO以外の執行役の個人考課についても、社外取締役がその評価プロセスや評価の考え方を確認することで、客観性・公正性・透明性を担保しています。