訂正有価証券報告書-第122期(2021/01/01-2021/12/31)

【提出】
2023/03/24 14:47
【資料】
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【項目】
158項目
(4) 【役員の報酬等】
役員報酬の内容
(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数
役員区分及び対象となる
役員の員数(名)
連結報酬等の種類別の総額(百万円)合計
(①+②+③)
基本報酬賞与現金報酬計①旧長期インセンティブ
(ストックオプション)②
長期インセンティブ
(株式報酬)③
取締役(9名)343200543△91156608
うち社外取締役(4名)55-55--55
監査役(5名)104-104--104
うち社外監査役(3名)39-39--39
合計447200648△91156712

(注) 1 取締役の基本報酬と賞与の合計額は、第118回定時株主総会(2018年3月27日)決議による報酬限度額である年額20億円以内(うち社外取締役分は年額2億円以内)です。当該株主総会終結時点の取締役の員数は6名(うち社外取締役は3名)でした。また、金銭報酬とは別枠で、第121回定時株主総会(2021年3月25日)において、社外取締役以外の取締役に対する業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)として78,000株以内を支給する(うち39,000株を上限に、当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給する)ものと決議しています。当該株主総会終結時点の取締役の員数は8名(うち社外取締役4名)でした。また、監査役の基本報酬は、第105回定時株主総会(2005年6月29日)決議による報酬限度額である月額10百万円以内です。当該株主総会終結時点の監査役の員数は5名でした。
2 上記の取締役の賞与は、(注)1に記載の株主総会決議に基づき、取締役会の決議により支払う額です。この金額の算定については、以下の「(ハ)社外取締役を除く取締役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等」をご覧ください。なお、代表取締役 魚谷雅彦氏から、当連結会計年度は構造改革を実現し強い収益基盤を構築すると同時に、年初の目標を上回る業績回復を達成しましたが、現在のコロナ禍の状況に鑑み、規定に基づき算出され指名・報酬諮問委員会より提示された年次賞与額に関して、その20%を自主的に受領辞退する旨の申し出がありました。同委員会での審議を経て、取締役会で同内容を承認しています。上記の賞与額はそれを反映しています。(なお、同氏は前連結会計年度、同様の趣旨により50%の受領辞退をしています。)
3 上記の取締役の旧長期インセンティブ型報酬(ストックオプション)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付したストックオプション(新株予約権)の当期費用計上額の合計額です。本件ストックオプションでは、ストックオプションとしての新株予約権の割当て時と、割当てた新株予約権の権利行使期間の開始時の二つのタイミングで業績条件を課すこととしており、2018年度のストックオプションについて、権利行使期間の始まる直前の2021年8月に権利行使可能個数を確定したことにより業績達成率に基づく調整額が発生し、負の値となっています。
4 上記の取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の当期費用計上額の合計額です。当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給するものと決議しています。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の業績達成率に基づく費用計上額の調整額△14百万円を含んでいます。
5 上記支給額のほか、当社取締役2名に対して、当該取締役が取締役を兼務しない執行役員の地位にあったときに付与されたストックオプションの過年度費用計上額の調整額△19百万円があります。また、当社取締役3名に対して、当該取締役が取締役を兼務しない執行役員の地位または従業員の地位にあったときに交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の過年度の費用計上額の調整額△1百万円があります。
6 取締役全員および監査役全員について上記の役員報酬((注)1~5に記載したものを含む。)以外の報酬の支払いはありません。
(ロ) 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
役職・氏名連結報酬等の種類別の額(百万円)合計
(①+②+③)
基本報酬賞与現金報酬計①旧長期インセンティブ
(ストックオプション)②
長期インセンティブ
(株式報酬)③
代表取締役 社長 CEO
魚谷雅彦
169164333△78123378

(注) 1 当連結会計年度において代表取締役の地位にあった役員のうち連結報酬等の総額が1億円以上であった役員を記載しています。
2 上記の取締役の賞与は、「(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数」の(注)1に記載の株主総会決議に基づき、取締役会の決議により支払う額です。上記の賞与額については、「(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数」の(注)2をご参照ください。
3 上記の取締役の旧長期インセンティブ型報酬(ストックオプション)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付したストックオプション(新株予約権)の当期費用計上額の合計額です。本件ストックオプションでは、「(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数」(注)3に記載のとおり、2018年度のストックオプションについて、権利行使期間の始まる直前の2021年8月に権利行使可能個数を確定したことにより業績達成率に基づく調整額が発生し、負の値となっています。
4 上記の取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役の職務執行の対価として株主総会の承認を得たうえで交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の当期費用計上額の合計額です。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の業績達成率に基づく費用計上額の調整額△11百万円を含んでいます。
5 上記の取締役について上記の役員報酬((注)1~4に記載したものを含む)以外の報酬の支払いはありません。
(ハ) 社外取締役を除く取締役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等
業績評価指標支給率変動幅支給係数100%のための目標
(億円)
実績
(億円)
目標達成率目標達成率を元に算出した支給係数
連結売上高0%~200%11,00010,35294.1%(注)3 44.0%
連結営業利益350416118.8%(注)3 121.4%
親会社株主に帰属する当期純利益424閾値による
引き下げ
検討対象外
担当事業業績0%~200%(注)1
個人考課(注)2(注)2 150.0%
(平均)

合計支給率95.2%

(注) 1 担当事業業績では、事業売上、事業利益およびコスト指数等、担当事業ごとに重要な評価指標を設定しています。具体的な数値は開示していません。
2 個人考課では、組織能力の向上等、単年度だけでなく経営哲学や企業理念を反映した長期戦略の実現に寄与する重点目標を個人別に設定しています。
3 連結売上高および連結営業利益について、支給係数の算出に際し、期初に設定した目標と年度実績を実質的に同じ状況で比較するために、目標について事業譲渡等の影響、実績について為替等の影響を除外する補正を実施しました。支給係数は上記の結果となっています。
(ニ) 提出会社の役員報酬等に係る指名・報酬諮問委員会および取締役会の活動内容
当連結会計年度は指名・報酬諮問委員会を10回開催し、前連結会計年度の取締役および執行役員の賞与、当連結会計年度の取締役およびエグゼクティブオフィサーへの報酬支払の方針ならびに個人別報酬についての検討、答申を行いました。
(ホ) 提出会社の役員報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
当社は、役員報酬制度(エグゼクティブオフィサーを兼務する取締役を含むエグゼクティブオフィサーを対象とした報酬制度)をコーポレートガバナンスにおける重要事項と位置づけています。このことから、当社の役員報酬制度は、以下の基本哲学に基づき、社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会において、客観的な視点を取り入れて審議し、その答申を得て取締役会において決定しています。
[役員報酬制度の基本哲学]
① 企業使命の実現を促すものであること
② グローバル人材市場において、優秀な人材を確保・維持できる金額水準を目指すこと
③ 長期的な企業価値向上を目指し、長期ビジョン・中長期戦略の実現を強く動機付けるものであること
④ 短期目標の達成を動機付けるものの、短期志向への過度な偏重を抑制するための仕組みが組み込まれ
ていること
⑤ 株主や従業員をはじめとしたステークホルダーに対する説明責任の観点から透明性、公正性および
合理性を備えた設計であり、これを担保する適切な審議および評価プロセスを経て決定されること
⑥ 個人のミッションを反映した役割・責任の大きさ(グレード)に応じた報酬水準、かつ、戦略目標の
達成度(成果)によって報酬に差が出る設計であること

(へ) 当社の2022年度以降の役員報酬制度
当社は、上記の基本哲学を踏まえ、取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を決議しています。なお、当連結会計年度に係る取締役の個人別の報酬等については、取締役の個人別の報酬等の決定方針に基づいて設計された具体的な報酬体系・指標に基づき、指名・報酬諮問委員会が審議し、取締役会に答申しており、取締役会はその答申を尊重して報酬等を決定していることから、当該決定方針に沿うものであると判断しております。
取締役の個人別の報酬等の決定方針の内容の概要を含む当社の役員報酬制度を以下に詳しく説明します。
(全体像)
当社の役員報酬は、固定報酬としての「基本報酬」と業績連動報酬としての「年次賞与」と「長期インセンティブ型報酬(非金銭報酬)」で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。取締役の個人別の報酬等は、指名・報酬諮問委員会の審議を経て、取締役会で決定することとしております。
なお、業務執行から独立した立場にある社外取締役および監査役には、業績連動報酬等の変動報酬は相応しくないため、基本報酬のみの支給としています。また、役員退職慰労金制度はありません。
[支給対象の取締役のエグゼクティブオフィサーの種類別報酬割合]
報酬割合は、グレードごとに設定し、グレードが高くなるほど、業績連動報酬割合が高くなる設定としています。
エグゼクティブオフィサー
としての役位
役員報酬の構成比合計
基本報酬業績連動報酬
年次賞与長期インセンティブ型報酬
社長 CEO33.3%33.3%33.3%100%
副社長、常務、エグゼクティブオフィサー36%~63%18.5%~32%18.5%~32%

(注)1 この表は、業績連動報酬の支給額について、当社が定める基準額100%分を支給した場合のモデルであり、当社の業績および株価の変動等に応じて上記割合も変動します。
2 取締役の代表権の有無により種類別報酬割合に差異を設けていません。
3 各役員のグレードに応じて異なる報酬テーブルが適用されるため、同一役位内であっても、個人別に報酬の種類別の割合が異なります。
(基本報酬)
基本報酬については、各エグゼクティブオフィサーの担当領域の規模・責任やグループ経営への影響の大きさに応じてグレードごとの設計としています。また、同一グレード内でも、個別のエグゼクティブオフィサーの前年度の実績(業績数値および個人考課)に応じて一定の範囲で昇給が可能な仕組みとなっており、基本報酬においてもエグゼクティブオフィサーの成果に報いることができるようにしています。
各エグゼクティブオフィサーの基本報酬は、指名・報酬諮問委員会での審議を経たうえで取締役会にて決定し、各月に按分し支給しています。
なお、社外取締役および監査役については、それぞれの役割に応じて金額を設定した固定報酬のみを支給します。
(業績連動報酬)
業績連動報酬は、単年度の目標達成に対するインセンティブを目的とした「年次賞与」と、株主のみなさまとの利益意識の共有と中長期的な企業価値向上のための目標達成への動機づけを目的とした「長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)」で構成されており、当社取締役およびエグゼクティブオフィサーに対し、単年度だけでなく中長期的な視点で業績や株価を意識した経営を動機づける設計となっています。
(年次賞与)
業績連動報酬のうち、年次賞与では、財務指標である連結売上高および連結営業利益の目標達成率を全役員共通の評価指標とするほか、下表のとおり、各役員の担当領域に応じた評価項目を設定し、支給率の変動幅を0%~200%としています。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、経営に携わる立場の者すべてが意識する必要がある一方、未来の成長に向けた投資や長期的成長のための課題解決を積極的に行うことに対する過度な足かせにならないようにする必要があることから、下表のとおり、指名・報酬諮問委員会の審議を経て予め一定水準(閾値)を定め、当該閾値を下回った場合に、指名・報酬諮問委員会において、年次賞与の評価項目のうち全社業績部分の支給率の引き下げを検討するという設計としています。なお、連結売上高、連結営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益の各目標および閾値の達成率の判定にあたっては、指名・報酬諮問委員会での審議を経たうえで取締役会の決議をもって実績を補正して判定することがあります。このような補正を行った場合は、取締役の報酬実績の開示資料に記載して明らかにします。
また、持続的成長を実現するための事業基盤の再構築や変革への取り組みなど、財務的な業績数値だけでは測ることができない戦略目標の達成度を評価基準に加えるために全役員について個人考課部分を設定しています。
なお、年次賞与は、毎年1回支給しています。
[年次賞与の評価指標および評価ウエイト]
評価項目評価指標評価ウエイト
社長 CEO事業・ブランド担当 エグゼクティブオフィサー事業担当以外のエグゼクティブオフィサー
地域本社社長その他コーポレートファンクション
(CFO、CMOを含む)
CDO
全社業績連結売上高30%70%10%20%10%20%30%70%15%30%
連結営業利益40%10%10%40%15%
親会社株主に帰属する当期純利益予め定めた一定水準以下の金額になった場合、指名・報酬諮問
委員会において、全社業績部分の支給率引き下げを検討する。
担当部門業績事業業績評価50%50%40%
個人考課個人別に設定した
戦略目標の達成度
30%
長期ビジョン・戦略実現のための戦略的に優先すべき変革・取組み、それを実現するための組織ケイパビリティの構築・強化、自身の成長目標、CEOへの提言

(注)取締役の代表権の有無により評価指標および評価指標の適用割合に差異を設けていません。
[年次賞与の支給率モデル]

(長期インセンティブ型報酬)
当社は、社外取締役以外の取締役(以下「対象取締役」といいます)およびエグゼクティブオフィサーに対する長期的な企業価値の創造に向けた動機づけと、株主のみなさまとの利益意識の共有を目的として、業績連動型株式報酬の一種であるパフォーマンス・シェア・ユニットを用いた長期インセンティブ型報酬制度(以下「本制度」といいます)を導入しています。
[本制度の導入目的]
長期的な企業価値の創造と維持に対する効果的なインセンティブの設定と、株主との持続的な利益意識の共有を目的として、以下の各項目の実現を促す
① 長期ビジョン・戦略目標の達成を通じた価値創造の促進
② 企業価値の毀損の牽制と長期にわたる高い企業価値の維持
③ 経営をリードすることができる有能な人材の獲得・維持
④ 資生堂グループ全体の経営陣の連帯感の醸成や経営参画意識の高揚を通じた「グローバル
ワンチーム」の実現

本制度では、1事業年度を支給対象年度として年度ごとに各支給対象者に基準となる株式ユニットを付与し、予め支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間とする複数の評価指標を定めています。評価対象期間終了後に各評価指標の達成率に応じて変動幅50%~150%の範囲で支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。最終的に支給対象者が得る金銭的利益は、評価指標に関する業績結果だけでなく、当社の株価とも連動しており、業績と株価の両方に連動した業績連動性の高い設計となっています。一方で、株主との持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために、支給対象者に安定的に株式報酬を付与することも重視し、業績連動部分だけでなく、固定的に支給される固定部分を設けています。
[長期インセンティブ型報酬の株式ユニット数支給率モデル]

2022年度を支給対象年度とする分の評価対象期間は、2022年1月1日から2024年12月31日までの3事業年度であり、対象取締役に対する当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の額の確定および支給は、原則として評価対象期間の終了後に行います。なお、本制度は、評価指標の達成率等に応じて当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭を支給するものであることから、株式ユニットの付与時点では、各対象取締役に対してこれらの報酬等を交付または支給するか否か、ならびに交付する当社普通株式の株式数、当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の額はいずれも確定しておりません。
[長期インセンティブ型報酬の支給スケジュール]

本制度の具体的な仕組みは、以下のとおりです。
① 本制度では、業績連動部分と固定部分が設定されています。
② 本制度において使用する評価指標および業績連動係数等、各対象取締役に交付する株式数等の具体的な算定にあたって必要となる評価指標および各評価指標の達成率等に応じた支給率等は、当社取締役会において決定します。当社は、新型コロナウイルスの依然とした感染拡大により市場回復時期および成長予測が困難であることから、財務指標を維持し、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」で目標とする、営業利益率15%を評価対象期間の最終事業年度における必達目標とします。また、営業利益率の達成を最重視する上で、売上高の成長が不可欠であることから、売上高成長率も目標を維持し経済価値に関する評価指標とします。加えて、当社は、サステナブルな成長を実現するために社会価値を意識した事業活動が重要であると考え、2022年度よりこの社会価値に関する指標の評価ウエイトを高めます。
③ 本制度の評価指標とそのウエイトの全体像は下表のとおりであり、経済価値に関する指標である評価対象期間の最終事業年度における連結営業利益率については15%を目標値とし、これを達成した場合にこの指標における支給率上限を適用する設計としています。また、評価下限値を10%としており、これに満たない実績となった場合はこの指標について業績連動部分を支給しないこととしています。連結売上高の評価対象期間における年平均成長率(CAGR)については7%を達成した場合にこの指標における支給率上限を適用し、4%に満たない実績となった場合はこの指標について業績連動部分を支給しないこととしています。なお、連結売上高の年平均成長率指標は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の2019年度実績から売却事業・ブランドの売上高を差し引き、これを起点に算出することとしています。社会価値に関する指標については、下表のように環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標で目標値を設定し、それらの達成率に応じて支給率が変動する仕組みになっています。なかでも、本年からは、当社のサステナビリティ戦略の中で重要な取り組みとなるCO2削減を環境指標として新たに設定し、環境への取り組みを促進していきます。これにより、社会価値に関する指標の評価ウエイトを10%から20%に高めています。また、連結ROE(自己資本当期純利益率)については、未来の成長に向けた投資や長期的成長のための課題解決などを積極的に行うことに対する過度な足かせにならないよう配慮する観点から、指名・報酬諮問委員会の審議を経て予め一定水準(閾値(しきいち))を定め、当該閾値を下回った場合に指名・報酬諮問委員会において業績連動部分の支給率の引き下げを検討する仕組みとしています。
[長期インセンティブ型報酬の業績連動部分の評価指標および評価ウエイト]
評価項目評価指標評価ウエイト
経済価値指標評価対象期間の最終事業年度における
連結営業利益率
50%100%
連結売上高
年平均成長率(CAGR)
30%
社会価値指標環境CO2排出量削減目標達成状況20%
社会当社の国内外女性管理職・リーダー比率、当社が定めるESG評価機関の女性活躍に関する指数銘柄への採用状況
ESG全般当社が定めるESG評価機関での評価スコア
経済価値指標連結ROE(自己資本当期純利益率)予め定めた一定水準を下回った場合、指名・報酬諮問委員会において、業績連動部分の支給率引き下げを検討する

④ 評価対象期間満了後、各評価指標の達成率等に応じて決定される支給率に基づき、次項に記載する「対象取締役に交付する当社普通株式の数および支給する金銭の額の算定方法」に従い、各対象取締役に割当てる当社普通株式の数および支給する金銭の額を、指名・報酬諮問委員会での審議を経て、取締役会において決定します。
⑤ 当社は、上記④で決定された各対象取締役に割当てる当社普通株式の数に応じて、当社取締役会決議に基づき、各対象取締役に対し、当社普通株式交付のための金銭報酬債権を支給し、各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で給付することにより、当社普通株式の交付を受けます。なお、当社普通株式の払込金額は、交付時株価を基礎として、当社普通株式を引き受ける各対象取締役に特に有利とならない範囲内で当社取締役会において決定します。
⑥ 上記⑤の当社株式の交付に伴い、各対象取締役に納税費用が発生することから、この納税費用の資金確保のため、当社は、上記⑤の金銭報酬債権に加えて、上記④で決定された額の金銭を各対象取締役に支給します。
⑦ 各対象取締役に対する株式交付の要件その他詳細は、当社取締役会で定めるものとします。
対象取締役に交付する当社普通株式の数および支給する金銭の額の算定方法は、以下のとおりです。
当社は、以下の①の計算式に基づき、各対象取締役に交付する当社株式の数を算定し、以下の②の計算式 に基づき、各対象取締役に納税資金として支給する金銭の額を算定します。
① 各対象取締役に交付する当社普通株式の数(※3)
基準株式ユニット数(※1)×支給率(※2)×50%
② 各対象取締役に支給する金銭の額(※3)(※4)
{(基準株式ユニット数(※1)×支給率(※2))-上記①の計算式に基づき各対象取締役に交付する当社普通株式の数}×交付時株価
※1 評価対象期間中の事業年度ごとに、当社取締役会において各対象取締役の役割等級に応じて定められた基準額を、株式ユニットの付与に係る当社取締役会決議の前営業日の東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、直前取引日の終値)を基礎として各対象取締役に特に有利な金額とならない範囲で当社取締役会において決定する額で除して得た数の株式ユニット(ただし、1ユニット未満の端数が生じた場合はこれを切り捨てます。)を、基準株式ユニットとして各対象取締役に付与します。
※2 上記「本制度の具体的な仕組み」に記載の各評価指標の達成率に応じ、当社取締役会において定める方法により、50%~150%の範囲内で変動します。
※3 上記計算式で算定した数および額の当社普通株式の交付および金銭の支給を行うことにより、交付上限株式数(43,000株)または支給上限額を超える場合には、これらの上限以内に収まるよう、按分比例等の当社取締役会において定める合理的な方法により、各対象取締役に交付または支給する株式の数および金銭の額を減少させるものとします。
※4 上記計算の結果、1円未満の端数が生じた場合はこれを切り捨てます。
本制度に基づく報酬等の支給要件は、以下のとおりです。
当社は、以下の要件を満たす対象取締役に対して、本制度に基づく報酬等を支給します。当社が当社普通株式を交付する際は、当社による株式発行または自己株式の処分により行われ、当社普通株式を交付する対象取締役および当該株式発行または自己株式の処分に係る募集事項は、以下の①ないし③の要件および上記に記載した算定方法に従い、評価対象期間終了後に当社取締役会において決定します。
① 在任期間要件を満たすこと(支給対象年度中継続して当社もしくは当社子会社の取締役またはエグゼクティブオフィサーのいずれかの地位にあったこと等を要する)
② 権利確定前に退任する場合は、懲戒処分等による退任ではないこと
③ その他本制度の趣旨を達成するために必要なものとして当社取締役会が定める要件を充足すること
なお、本制度においては、マルス・クローバック条項を導入しており、対象取締役に重大な不正行為があった場合等一定の場合には、取締役会はその決定により、株式ユニットの数を減少させ、または返還を受けることができます。
対象取締役の退任時の取り扱いは、以下のとおりです。
対象取締役が評価対象期間中に当社または当社子会社の取締役およびエグゼクティブオフィサーの地位を 喪失した場合であっても、上記支給要件を満たす場合は、当該地位の喪失事由の性質に応じ、支給上限額お よび交付上限株式数の範囲内で当社取締役会において定める合理的な方法に基づき算定した数の当社普通株 式もしくは金銭またはその双方を、当社取締役会が定める時期に交付または支給することがあります。な お、対象取締役の退任に伴い評価対象期間の終了前に本制度に基づく報酬等を支給する場合は、当該対象取 締役に交付する株式の数または支給する金銭の額の算定には、当該支給に係る当社取締役会決議の日の前営 業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先 立つ直近取引日の終値)を用います。

(ト) 指名・報酬諮問委員会および同委員会に設置するCEOレビュー会議の役割
当社の役員報酬制度では、基本報酬と年次賞与の報酬額の決定に対し、各役員の個人考課が大きく影響します。個人考課は、連結売上高等の業績指標に基づく評価と異なり、定量的な評価ではないことから、その客観性・公正性・透明性を担保するための仕組みが必要となります。
このため、社長 CEOについては、CEOレビュー会議において、個人考課を含む業績全体の評価を行っています。また、CEOレビュー会議は、社長 CEOの再任等に関する審議・検討も実施しており、社長 CEOの適切な任命およびインセンティブづけについて包括的な役割を担っています。なお、CEOレビュー会議のメンバーについては、社長 CEOおよび同人が率いる業務執行体制からの独立性を重視し、社外取締役および社外監査役で構成しています。
また、社長 CEO以外のエグゼクティブオフィサー(取締役を兼務する者を含む)の個人考課は、業績指標に基づく評価と併せて社長 CEOが行いますが、これについては、指名・報酬諮問委員会がその評価プロセスや評価の考え方を確認することで、客観性・公正性・透明性を担保しています。
(チ) 役員の報酬等に関する株主総会の決議
(取締役)
当社の取締役の基本報酬と賞与の合計額は、第118回定時株主総会(2018年3月27日)決議による報酬限度額である年額20億円以内(うち社外取締役分は年額2億円以内)です。この報酬等の対象となる取締役の員数は、当連結会計年度においては9名です。
また、金銭報酬とは別枠で、第122回定時株主総会(2022年3月25日)において、社外取締役以外の取締役に対する業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)として86,000株以内を支給する(うち43,000株を上限に、当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給する)ものと決議しています。当該株主総会終結時点の取締役の員数は8名(うち社外取締役4名)でした。
(監査役)
当社の監査役に対する年間報酬総額については、第105回定時株主総会(2005年6月29日)において、基本報酬の合計として月額10百万円以内とする承認決議を得ています。この報酬等の対象となる監査役の員数は、当連結会計年度においては5名です。