有価証券報告書-第83期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 14:57
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、企業収益の向上や雇用環境の改善が続き、緩やかな回復基調が見られたものの、為替や原油価格の動向に加え中国経済の減速や英国のEU離脱問題、さらには米国新政権の動向や近隣諸国の情勢不安等、依然として予断を許さない状況が続いた。
このような経営環境下において、当社グループは、「経営ビジョン2020」の3rdステージとなる2020年3月期を最終年度とする新たな「中期経営計画」(4ヵ年)を策定し、「基盤事業の進化と総合」「グローバル展開の拡大」「新規事業創出」などにより拡大基調を継続するための諸施策を推進している。
国内においては、公共部門における事業環境の急激な変化に対応すべく民間部門へ経営資源を重点配分し新分野の開拓に取り組むとともに、当社グループの幅広い製品群などの“総合力”を発揮し新たな需要を創造するための地域密着型展示会「SJCグループフェア」を広島・名古屋・仙台にて開催し、住環境における騒音対策や工場の安全対策など、公共分野で培ってきた技術を活かして民間分野での課題解決のご提案を行うなど積極的な事業活動を進めた。また、原材料価格の変動に対応した戦略的購買を行うとともに生産性の向上によるコストダウンに取り組んだ。
一方、海外においては、グローバル化に対して積極的に取り組むべくドイツ・デュッセルドルフで開催された「Kメッセ2016(国際プラスチック・ゴム専門見本市)」、道路交通インフラの展示会「インタートラフィック・アムステルダム2016」に継続して出展するとともに、タイ王国バンコクで開催された建築・建材の展示会「Architect’16」に出展するなど、欧州及び東南アジアにおけるブランド発信と事業拡大を推し進めた。
当期の連結業績は、売上高は678億2千6百万円(前期比3.3%減)、営業利益は99億6百万円(前期比2.5%増)、経常利益は設立以来初めて100億円を超える101億9千8百万円(前期比3.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は65億7千6百万円(前期比3.9%増)となった。
(前連結会計年度より国内連結子会社4社の決算日を12月31日から3月31日に変更したことに伴い、前期の経営成績には当該子会社の2015年1月1日から2016年3月31日までの15ヵ月間の業績が反映されている。)
セグメント別の業績は以下のとおりである。
<公共部門>交通・景観関連製品:交通安全用品及び路面標示材は、高速道路の逆走防止対策や通学路・生活道路の安全対策に車線分離標「ポールコーン」並びに「ジスライン」が採用され順調に推移するとともに、鉄道分野への展開を強化した。また、遮熱性舗装が都市部のヒートアイランド対策として好評を博すとともに、コンクリート剥離防止対策用製品が構築物のメンテナンス工事増加を背景に売上伸長に寄与した。一方、防護柵は、樹脂ネット防風・防雪柵が眺望性・景観性を評価され寒冷地にて採用となったものの、全国的に防護柵設置工事減少の影響を受け売上減を余儀なくされた。また、防音壁はNEXCO・国土交通省物件の工事が繰り延べされ低調裡に推移した。
スポーツ施設関連製品:グラウンド用人工芝「ドリームターフ」は、耐久性と機能性に優れた新製品が評価され学校や市民グラウンドなどに採用され大きく売上を伸ばし、また、リース会社と連携した小学校などの学校施設整備向けも売上増加に寄与した。テニスコート用人工芝「サンドグラス」は、市町村が管理する施設や企業の厚生施設向けに前年を上回る成績を収めるとともに、フィールドホッケー専用人工芝も東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みとして公認ホッケー場に採用され好評を博した。
この結果、公共部門の売上高は304億6千6百万円(前期比4.4%減)、営業利益は41億1千6百万円(前期比2.7%減)となった。
<民間部門>住建関連製品:メッシュフェンスは、物流施設外構への引き合いが増加したものの、太陽光発電施設物件減少の影響を受け前年を下回る実績となった。防音めかくし塀は、住環境における騒音対策ニーズの高まりを受け保育園や商業施設に採用され大幅に売上伸長するとともに、自転車置場製品は、集合住宅向けに堅調な成績を収めた。
人工木・建材関連製品:人工木製品は、車道の一部を憩いの場とするパークレット事業の社会実験に「オレンジウッドデッキ」が神戸市にて採用されたが、大型特注物件減少の影響等により売上減となった。一方、装飾建材製品は、宿泊施設や商業施設の新規用途に採用されたが、前年並みに推移した。アルミ樹脂積層複合板は、ビルの建て替えに伴う仮設資材用途に加え、小売店及び各種施設の内装材への展開等により順調な伸びを示した。
総合物流資材関連製品:ストレッチ包装機は、人手不足による省人化・省力化ニーズの高まりを背景に操作性やメンテナンス機能に優れた全自動機・半自動機の製品が好評を博し大幅な売上伸長を示したほか、包材関連製品は、重梱包用バンドが帯鉄の代替品や輸出梱包向けに採用され売上を伸ばした。一方、組立パイプシステム製品は、電機・電子分野における設備投資減少により前年を下回る成績に終った。自動車部品関連製品は、自動車メーカーの新規モデル立上げ減少の影響を受け、売上は低調に推移した。デジタルピッキングシステム製品は、OA周辺機器メーカー向けの大型物件や海外向けに採用され大きく売上を伸ばした。
アグリ関連製品:園芸支柱は、国内生産品として安全・安心・安定供給を訴求したことでホームセンターを中心に売上を伸ばすとともに、農業支柱は、栽培ニーズに対応した製品提案が功を奏し、前年を上回る成績を収めた。
この結果、民間部門の売上高は373億5千9百万円(前期比2.3%減)、営業利益は64億7千3百万円(前期比6.3%増)となった。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ58億5千3百万円増加(前期比21.6%増)し、329億6千3百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得たキャッシュ・フローは、前期と比較して10億8千8百万円減少(前期比11.7%減)し、81億9千8百万円となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって得たキャッシュ・フローは、前期と比較して2億4千1百万円減少(前期比90.4%減)し、2千5百万円となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、前期と比較して2億8千6百万円増加(前期比14.5%増)し、22億6千万円となった。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、第2[事業の状況]7[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)[財政状態(キャッシュ・フロー)]に記載のとおりである。