四半期報告書-第95期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

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2018/11/09 9:49
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間において、国内景気は、個人消費の持ち直しや企業収益の改善などを背景に、緩やかに回復しましたが、地震や豪雨など相次ぐ自然災害が及ぼす影響に留意が必要な状況です。また、当社グループが展開に注力するアジア地域では、タイ・ベトナム・中国がそれぞれ着実な経済成長を続けておりますが、アメリカ・中国間での貿易摩擦の影響など、景気の先行きには不透明感が漂う状況であります。
このような経済状況のなか、当社グループは経営理念「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」のもと「お客様目線による市場創造」を重視しており、現在進行中の中期経営計画では『海外展開の強化』『グループシナジーの最大化』『収益力の向上』に加え、従来からの取り組みを発展・強化することをテーマに掲げ、中期経営目標“2020年連結売上高2,000億円、連結経常利益150億円の達成”に向けて、成長力と収益性の双方を高める経営を進めています。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績については、昨年子会社化したEarth Corporation Vietnam(旧 A My Gia Joint Stock Company、前期の損益は第3四半期連結会計期間より計上)の連結寄与はあったものの、国内における市場の低調な推移により虫ケア用品が前年を下回った影響で、売上高は1,456億8百万円(前年同期比 0.3%減、計画比 93.9%)となりました。また、利益については、物流コストの高騰、Earth Corporation Vietnamの買収に伴うのれん等の償却費の発生など計画時点で見込んでいた費用の増加に加え、虫ケア用品の減収に伴う売上総利益への影響や広告宣伝費・販売促進費の増加などにより、営業利益59億51百万円(前年同期比 44.0%減、計画比 56.3%)、経常利益62億50百万円(前年同期比 43.1%減、計画比 57.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益31億22百万円(前年同期比 53.1%減、計画比 47.1%)となりました。
なお、当社グループは虫ケア用品の売上構成比が高く、売上高が3月~7月に偏るという季節性がある一方、人件費等の固定費は年間を通じてほぼ均等に発生するため、四半期毎の売上高や利益には相応の影響があります。
セグメントの業績の概要は次のとおりであります。
[家庭用品事業]
家庭用品事業におきましては、新製品の発売、各種プロモーション施策の実施などにより国内市場の活性化に努めるとともに、収益力の向上に向けて返品削減に関する取り組みを実施しております。また、海外ではタイ・ベトナム・中国を中心に経営資源を積極的かつ有効に投入することで、展開を拡大する取り組みを実施しております。
当第3四半期連結累計期間における当事業の業績については、日用品が順調に売上を伸ばしたものの、国内の虫ケア用品が天候の影響もあり低調に推移したことで、売上高は1,344億38百万円(前年同期比 0.4%減)となりました。また、売上総利益の減少に加え、マーケティング費用や物流費を中心に販管費が増加したことが影響し、セグメント利益(営業利益)は48億2百万円(前年同期比 50.6%減)となりました。

(家庭用品事業の業績)(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額増減率
虫ケア用品部門60,03856,702△3,336△5.6%
日用品部門68,48171,3702,8884.2%
口腔衛生用品29,29229,8865942.0%
入浴剤14,79014,855640.4%
その他日用品24,39826,6282,2299.1%
ペット用品・その他部門6,4736,364△108△1.7%
売 上 高 合 計134,993134,438△555△0.4%
セグメント利益(営業利益)9,7254,802△4,922△50.6%

(注) 売上高にはセグメント間及びセグメント内の内部売上高又は振替高が含まれており、金額は前第3四半期連結累計期間では6,714百万円、当第3四半期連結累計期間では7,013百万円です。
部門別の主な状況は次のとおりであります。
虫ケア用品部門
虫ケア用品部門において、国内では、販売の最盛期となるゴールデンウィーク直後や7月に豪雨に見舞われ、また7月以降は記録的な酷暑となりました。こうした気象環境を背景に市場は低調に推移し、過去10年間で最低水準という極めて厳しい状況でありました。当社は国内市場で57.3%(自社調べ、前年同期比+0.3ポイント)のシェアを有しておりますが、市場低迷の影響を受け、国内での販売高は最大のカテゴリーであるハエ・蚊用やゴキブリ用を中心に前年を下回りました。
海外では、中国で順調に売上を伸ばしたものの、タイでの低調な推移により、前期に比べて微減となりました。
以上の結果、当部門の売上高は567億2百万円(前年同期比 5.6%減)となりました。
日用品部門
口腔衛生用品分野においては、洗口液『モンダミン』が売上を伸ばし、また知覚過敏予防ハミガキ『シュミテクト』が好調を維持したことなどにより、売上高は298億86百万円(前年同期比 2.0%増)となりました。
入浴剤分野においては、錠剤タイプの『温泡』がアイテムを追加したことも寄与し売上を伸ばした一方、粉末タイプの『バスクリン』・『バスロマン』が伸び悩んだことなどにより、売上高は148億55百万円(前年同期比 0.4%増)となりました。
その他日用品分野においては、昨年子会社化したEarth Corporation Vietnam(前期の売上高は、第3四半期連結会計期間より計上)の売上寄与に加え、消臭芳香剤『スッキーリ!』や、家庭用マスク『快適ガードプロ』、保冷剤『アイスノン』などが順調に推移したこと、またタイにおいて『スッキーリ!』やエアコン洗浄剤『エアコン洗浄スプレー』を新発売したことなどにより、売上高は266億28百万円(前年同期比 9.1%増)となりました。
以上の結果、当部門の売上高は713億70百万円(前年同期比 4.2%増)となりました。
ペット用品・その他部門
ペット用品分野においては、ペット用虫ケア用品やペットケア用品が前期並みの売上を維持した一方で、ペットフードやリード・胴輪などのアクセサリー用品の売上が伸び悩みました。また、その他分野の売上が微減となり、当部門の売上高は63億64百万円(前年同期比 1.7%減)となりました。
[総合環境衛生事業]
総合環境衛生事業におきましては、主要な顧客層である食品関連工場、医薬品・化粧品関連工場、包材関連工場にて原料やエネルギーコストの高騰に対応したコスト削減への動きが強まり、製造工程における効率化、工場の統廃合・集約化、海外への工場移転などが進みました。一方で、食品の異物混入問題から消費者の「安全・安心」に対する意識はさらに高まり、当事業が提供する高品質の衛生管理サービスへのニーズが高まる状況でありました。
このような状況のなか、人材の育成、業務効率の改善を目的としたソフトウェア投資など、お客様のニーズに速やかに対応できる社内体制を構築するとともに、技術開発力の強化により差別化された品質保証サービスを提供することで、契約の維持・拡大に努めました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当事業の売上高は182億74百万円(前年同期比 2.7%増)、セグメント利益(営業利益)は10億82百万円(前年同期比 4.9%減)となりました。
(総合環境衛生事業の業績)(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額増減率
売 上 高17,79418,2744802.7%
セグメント利益(営業利益)1,1371,082△55△4.9%

(注) 売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれており、金額は前第3四半期連結累計期間では87百万円、当第3四半期連結累計期間では91百万円です。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間における総資産は、前連結会計年度末に比べて34億95百万円増加し、1,216億62百万円となりました。これは主に、売上債権及びたな卸資産の増加によるものです。
当第3四半期連結会計期間における負債は、前連結会計年度末に比べて29億60百万円増加し、705億99百万円となりました。これは主に、仕入債務、賞与引当金、返品調整引当金の増加によるものです。
当第3四半期連結会計期間における純資産は、前連結会計年度末に比べて5億34百万円増加し、510億63百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて0.7ポイント低下し、37.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費は21億27百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。