有価証券報告書-第82期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、追い求めていくべき不変の基本的価値観である「自然と健康を科学する」という経営理念と、社会から必要とされ存在し続ける目的である「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」という企業使命を基本的な理念と位置づけ、理念に基づく経営を実践すべく、諸施策に取り組んでおります。
(2)経営戦略等
2016年度-2021年度の中期経営計画は、長期的な経営ビジョン(2021年ビジョン)を実現するための中期経営計画と位置づけ、「“漢方”のイノベーションによる新たな価値の創造」をテーマとして掲げています。
具体的な戦略課題としては、①漢方市場の拡大と安定成長、②収益力の継続強化とキャッシュ・フローの最大化、③中国における新規ビジネスへの挑戦、の3点をあげています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2016年5月12日、長期的な経営ビジョン(2021年ビジョン)に基づいた、6カ年(2016年度-2021年度)の中期経営計画を公表しました。本計画においては、目指すべき方向性等を示す数値目標を設定しております。
※ 上記数値目標は、中期経営計画策定時において入手可能な情報及び一定の条件をもとに設定したものであり、実際の業績と異なる可能性があります。
中期経営計画(2016~2021年度)の概要
戦略課題①「漢方市場の拡大と安定成長」
漢方医学に対する医療関係者のニーズが多様化する状況において、エビデンス・ガイドライン・漢方医学的使い分け等の情報に基づく適切な情報提供活動を実施いたします。
・大学病院、臨床研修指定病院等においては、重点領域の専門医等へのエビデンスを中心としたプロモーション活動により市場拡大を図る。
・開業医・診療所等においては、漢方医学的なプロモーション活動によって、既存先を中心として漢方習熟度を高めていただく。
・大学医学部、臨床研修指定病院等における漢方医学教育の充実に向けた支援活動を継続する。
・エビデンス・パッケージ(臨床的EBM・作用機序・副作用発現頻度調査・薬物動態・医療経済学的データ)の充実により、育薬処方とそれに続く戦略処方であるGrowing処方の治療ガイドライン掲載を目指す。
・新技術(IT技術・新分析法・ネットワーク解析等)を活用した漢方研究により、エビデンス構築の新基軸を確立する。
戦略課題②「収益力の継続強化とキャッシュ・フローの最大化」
・自社管理圃場の継続拡大等により、生薬の価格安定と品質保証のさらなる強化を図る。
・既設生産基礎能力の向上、新生産技術の継続導入・拡大等により生産能力の向上を図る。
・グループサプライチェーンの最適化等により、収益力・キャッシュ創出力の強化を推進する。
・販管費において中長期的な視点から経営の意思を反映した効率的な資源配分を行う。
戦略課題③「中国における新規ビジネスへの挑戦」
・長年にわたって生薬の提供を受けている中国、中国国民の健康への貢献をも意図して、中国市場の新規ビジネスにチャレンジする。
(4)経営環境
近年、超高齢社会において、医療費の増大にともなう各種制度変更、地域医療のあり方や、生活者のセルフメディケーション意識の向上など、製薬会社が直面する課題は少なくありません。
国の施策においては“漢方”への期待と役割が大きくなっています。2015年、厚生労働省より公表された「医薬品産業強化総合戦略」の中のひとつに、漢方薬は『わが国の医療において重要な役割を担っている』と明記されました。また、同じく厚生労働省より公表された「がん対策加速化プラン」では、支持療法の開発・普及のために実施すべき具体策として、『術後の合併症・後遺症を軽減する観点から』研究を進めることのひとつに、漢方薬を用いた支持療法があげられています。
当社は、このような政策に準ずる施策はもちろん、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」や総合診療医・在宅医療の推進などを含む「地域包括ケアシステム」の構築などの医療政策、人口動態にともなう疾病構造の変化(高齢者疾患、女性特有の疾患など)を踏まえた取り組みを進めてまいります。
また、2016年に発足した「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」(日本東洋医学会・日本漢方生薬製剤協会共催)において、医療関連のオーソリティによって検討された「保険医療の現場における漢方治療の現状と今後の期待や課題」が、提言書として取りまとめられました。当社は、日本漢方生薬製剤協会の活動を通じて、この提言を実現するために、産官学共同の課題として取り組んでおります。
2017年12月開催の漢方の新たな展開と研究の進捗発表を目的とした研究会では、がん支持療法、高齢者医療や多成分系医薬品の承認申請ガイドラインなどのテーマについて講演があり、議論と意見交換が行われました。
当社は、このような“漢方”を取り巻く外部環境の変化を踏まえ、中長期的な観点から事業計画を立案し、活動していくことにより、国民医療に貢献してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 中期経営計画に基づく取組み
「(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
② 品質の追及・安全性重視体制の更なる強化
当社は、品質と安全性を追求し、さらに向上させていくという品質重視体制の考えを基本として、その仕組みを整えております。以下、その重要な仕組みについて、さらなる運用の改善と強化に取り組んでまいります。
1)「ツムラ品質マネジメントシステム」
当社は、品質方針のもと、品質保証システムのさらなる充実を目指した「ツムラ品質マネジメントシステム」の体制を整え、品質を重視する取り組みを推進しております。このシステムは、ツムラグループ全体を取り込む包括的なものであり、これによって経営陣の関与をさらに明確にしました。
また、グローバル化(PIC/S※対応を含む)や法改正などにも適正に対応できる仕組みとなっております。
※ PIC/S:
Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Schemeの呼称。
医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキームのことであり、GMP基準などの国際化を推進する枠組み。
品質方針
ツムラグループは、価値創造企業を目指し、"KAMPO"で人々の健康に寄与するため、以下の品質方針を定めます。
・高品質かつ安全で信頼される製品を安定的に供給します
・医薬品に関する薬事関連法規を遵守します
・お客様の声を聴き、継続的な品質改善に努めます
・安全な生薬の安定確保を実現します
・全役職員に対し、適切な教育を実施し、高い意識を持つ人財を育成します
・これらを実現するため、経営資源を適正に配分します
2)「ツムラ生薬GACP※」
当社は、生薬の安全性・品質保証体制をより強固なものにするため「株式会社ツムラ 生薬生産の管理に関する基準(ツムラ生薬GACP)」を制定し、運用しております。
ツムラ生薬GACPは、「ツムラ生薬GACPガイドライン」「生薬生産標準書」「生薬トレーサビリティ」「教育・監査・認証」で構成されています。
そのひとつである生薬トレーサビリティは、原料生薬の生産地から生薬加工場に納入される各段階で、栽培・加工・流通・保管などの記録を収集・保管し、情報の追跡と遡及を可能とする仕組みであり、漢方製剤の製造工程、流通過程の履歴情報と併せ、医療機関から原料生薬生産地までの全履歴情報の追跡・遡及を可能としています。
今後も、生薬の安全性・品質保証体制をより強固なものにし、安全で安心できる生薬の安定確保のために、ツムラ生薬GACPを確実に運用してまいります。
※ GACP:Good Agricultural and Collection Practice
(1)経営方針
当社グループは、追い求めていくべき不変の基本的価値観である「自然と健康を科学する」という経営理念と、社会から必要とされ存在し続ける目的である「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」という企業使命を基本的な理念と位置づけ、理念に基づく経営を実践すべく、諸施策に取り組んでおります。
(2)経営戦略等
2016年度-2021年度の中期経営計画は、長期的な経営ビジョン(2021年ビジョン)を実現するための中期経営計画と位置づけ、「“漢方”のイノベーションによる新たな価値の創造」をテーマとして掲げています。
具体的な戦略課題としては、①漢方市場の拡大と安定成長、②収益力の継続強化とキャッシュ・フローの最大化、③中国における新規ビジネスへの挑戦、の3点をあげています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2016年5月12日、長期的な経営ビジョン(2021年ビジョン)に基づいた、6カ年(2016年度-2021年度)の中期経営計画を公表しました。本計画においては、目指すべき方向性等を示す数値目標を設定しております。
| 2018年度 | 2021年度 | |
| 売上高 | 1,200億円 | 1,350億円 |
| 営業利益 | 140億円 | 190億円 |
| 売上高営業利益率 | 11.5% | 14% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 100億円 | 130億円 |
| EPS | 140円 | 185円 |
| ROE | 6% | 8% |
※ 上記数値目標は、中期経営計画策定時において入手可能な情報及び一定の条件をもとに設定したものであり、実際の業績と異なる可能性があります。
中期経営計画(2016~2021年度)の概要
戦略課題①「漢方市場の拡大と安定成長」
漢方医学に対する医療関係者のニーズが多様化する状況において、エビデンス・ガイドライン・漢方医学的使い分け等の情報に基づく適切な情報提供活動を実施いたします。
・大学病院、臨床研修指定病院等においては、重点領域の専門医等へのエビデンスを中心としたプロモーション活動により市場拡大を図る。
・開業医・診療所等においては、漢方医学的なプロモーション活動によって、既存先を中心として漢方習熟度を高めていただく。
・大学医学部、臨床研修指定病院等における漢方医学教育の充実に向けた支援活動を継続する。
・エビデンス・パッケージ(臨床的EBM・作用機序・副作用発現頻度調査・薬物動態・医療経済学的データ)の充実により、育薬処方とそれに続く戦略処方であるGrowing処方の治療ガイドライン掲載を目指す。
・新技術(IT技術・新分析法・ネットワーク解析等)を活用した漢方研究により、エビデンス構築の新基軸を確立する。
戦略課題②「収益力の継続強化とキャッシュ・フローの最大化」
・自社管理圃場の継続拡大等により、生薬の価格安定と品質保証のさらなる強化を図る。
・既設生産基礎能力の向上、新生産技術の継続導入・拡大等により生産能力の向上を図る。
・グループサプライチェーンの最適化等により、収益力・キャッシュ創出力の強化を推進する。
・販管費において中長期的な視点から経営の意思を反映した効率的な資源配分を行う。
戦略課題③「中国における新規ビジネスへの挑戦」
・長年にわたって生薬の提供を受けている中国、中国国民の健康への貢献をも意図して、中国市場の新規ビジネスにチャレンジする。
(4)経営環境
近年、超高齢社会において、医療費の増大にともなう各種制度変更、地域医療のあり方や、生活者のセルフメディケーション意識の向上など、製薬会社が直面する課題は少なくありません。
国の施策においては“漢方”への期待と役割が大きくなっています。2015年、厚生労働省より公表された「医薬品産業強化総合戦略」の中のひとつに、漢方薬は『わが国の医療において重要な役割を担っている』と明記されました。また、同じく厚生労働省より公表された「がん対策加速化プラン」では、支持療法の開発・普及のために実施すべき具体策として、『術後の合併症・後遺症を軽減する観点から』研究を進めることのひとつに、漢方薬を用いた支持療法があげられています。
当社は、このような政策に準ずる施策はもちろん、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」や総合診療医・在宅医療の推進などを含む「地域包括ケアシステム」の構築などの医療政策、人口動態にともなう疾病構造の変化(高齢者疾患、女性特有の疾患など)を踏まえた取り組みを進めてまいります。
また、2016年に発足した「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」(日本東洋医学会・日本漢方生薬製剤協会共催)において、医療関連のオーソリティによって検討された「保険医療の現場における漢方治療の現状と今後の期待や課題」が、提言書として取りまとめられました。当社は、日本漢方生薬製剤協会の活動を通じて、この提言を実現するために、産官学共同の課題として取り組んでおります。
2017年12月開催の漢方の新たな展開と研究の進捗発表を目的とした研究会では、がん支持療法、高齢者医療や多成分系医薬品の承認申請ガイドラインなどのテーマについて講演があり、議論と意見交換が行われました。
当社は、このような“漢方”を取り巻く外部環境の変化を踏まえ、中長期的な観点から事業計画を立案し、活動していくことにより、国民医療に貢献してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 中期経営計画に基づく取組み
「(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
② 品質の追及・安全性重視体制の更なる強化
当社は、品質と安全性を追求し、さらに向上させていくという品質重視体制の考えを基本として、その仕組みを整えております。以下、その重要な仕組みについて、さらなる運用の改善と強化に取り組んでまいります。
1)「ツムラ品質マネジメントシステム」
当社は、品質方針のもと、品質保証システムのさらなる充実を目指した「ツムラ品質マネジメントシステム」の体制を整え、品質を重視する取り組みを推進しております。このシステムは、ツムラグループ全体を取り込む包括的なものであり、これによって経営陣の関与をさらに明確にしました。
また、グローバル化(PIC/S※対応を含む)や法改正などにも適正に対応できる仕組みとなっております。
※ PIC/S:
Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Schemeの呼称。
医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキームのことであり、GMP基準などの国際化を推進する枠組み。
品質方針
ツムラグループは、価値創造企業を目指し、"KAMPO"で人々の健康に寄与するため、以下の品質方針を定めます。
・高品質かつ安全で信頼される製品を安定的に供給します
・医薬品に関する薬事関連法規を遵守します
・お客様の声を聴き、継続的な品質改善に努めます
・安全な生薬の安定確保を実現します
・全役職員に対し、適切な教育を実施し、高い意識を持つ人財を育成します
・これらを実現するため、経営資源を適正に配分します
2)「ツムラ生薬GACP※」
当社は、生薬の安全性・品質保証体制をより強固なものにするため「株式会社ツムラ 生薬生産の管理に関する基準(ツムラ生薬GACP)」を制定し、運用しております。
ツムラ生薬GACPは、「ツムラ生薬GACPガイドライン」「生薬生産標準書」「生薬トレーサビリティ」「教育・監査・認証」で構成されています。
そのひとつである生薬トレーサビリティは、原料生薬の生産地から生薬加工場に納入される各段階で、栽培・加工・流通・保管などの記録を収集・保管し、情報の追跡と遡及を可能とする仕組みであり、漢方製剤の製造工程、流通過程の履歴情報と併せ、医療機関から原料生薬生産地までの全履歴情報の追跡・遡及を可能としています。
今後も、生薬の安全性・品質保証体制をより強固なものにし、安全で安心できる生薬の安定確保のために、ツムラ生薬GACPを確実に運用してまいります。
※ GACP:Good Agricultural and Collection Practice