有価証券報告書-第88期(2023/04/01-2024/03/31)
研究開発活動
TSUMURA VISION“Cho-WA”2031においては、一人ひとりのライフステージ・症状・遺伝体質・生活環境等に合わせて、漢方薬・中薬をはじめとした製商品・サービスとエビデンスベースで提供することにより、人々のwell-beingに貢献している状態を目指し、研究開発活動を実施しております。
国内事業においては、漢方標準治療のさらなる拡大と漢方治療の個別化、未病の科学化、養生領域での製品開発に取り組んでおります。
漢方市場の継続的な拡大のための基本戦略として、「高齢者関連領域」「がん領域(支持療法)」「女性関連領域」を重点3領域として定め活動を行っております。高齢者関連疾患においては、認知症の行動・心理症状(BPSD)、加齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態であるフレイル、循環器疾患における周辺症状などを重点に活動しております。がん領域の支持療法においては、抗がん剤や化学療法などの治療による食欲不振、末梢神経のしびれ、下痢、口内炎などの副作用の軽減や痛み、精神的なケア、生活の質の維持・改善のケアなどを重点に活動しております。女性関連疾患においては、冷え症、めまい、片頭痛、便秘、更年期障害、月経困難症などを重点に活動しております。
漢方標準治療のさらなる拡大のため、育薬処方においては、臨床エビデンス、作用機序、副作用発現頻度調査、薬物動態、医療経済学的データを揃える活動を推進しており、データ集積が着実に進んでおります。2016年度からは育薬処方に続く戦略処方であるGrowing処方を定め、診療ガイドラインへの新規収載及び推奨度の向上を目指して、エビデンスの構築に取り組んでおります。
未病の科学化においては、サイエンスベースでの未病の漢方治療を目指し、未病状態を科学的に解明し、定義化に取り組んでいます。また、漢方治療の個別化のためのプラットフォーム構築に向けて、漢方医学に基づく診断方法である望診および問診の診断サポートツールの開発に取り組んでおります。
養生領域においては、養生(予防)での健康維持・増進に貢献を目指し、薬食同源の生薬を原料とした製商品を開発に取り組んでおります。
漢方製剤の生産量増加への対応および原価低減のため、引き続き原料生薬の栽培及び加工技術の改良研究、野生生薬の栽培化研究に取り組んでおります。国内栽培生薬の拡大を目指す中、北海道の株式会社夕張ツムラにおいては、生産量拡大に向けた栽培研究、技術改良、及び機械化研究などを進めております。また、ラオス人民民主共和国のLAO TSUMURA CO.,LTD.においても生薬における生産性の向上及び品質の安定化に向けた研究を進めております。
当社では、生薬の品質と安全性を担保するために、生薬の残留農薬、重金属及び微生物汚染対策研究を推進しております。
米国におけるTU-100(大建中湯)上市に向けた開発においては、漢方・生薬事業を通じて培った技術・ノウハウと、日本国内の「育薬」研究による基礎・臨床の最新データを米国開発に連携させる体制を整え、大建中湯の米国における医療用医薬品としての承認取得・上市を目標に活動しております。2018年度に、対象領域をPOI※に集約し、その開発を進めていくための日本、米国におけるアドバイザリー・チームを編成しました。POIは、腹腔鏡手術が広く普及している米国においても、重要な医療ニーズがある領域であり、大建中湯はその治療薬として有望であるとの評価が得られております。現在は、後期第Ⅱ相臨床試験を実施しており、2024年3月に目標症例数402例の患者登録を完了、2024年度内の治験完了を目指しております。
中国事業においては、主に古典処方の上市に向けた研究開発および大健康製品の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は、8,288百万円であります。
※POI:
Post-operative Ileus(術後イレウス)
国内事業においては、漢方標準治療のさらなる拡大と漢方治療の個別化、未病の科学化、養生領域での製品開発に取り組んでおります。
漢方市場の継続的な拡大のための基本戦略として、「高齢者関連領域」「がん領域(支持療法)」「女性関連領域」を重点3領域として定め活動を行っております。高齢者関連疾患においては、認知症の行動・心理症状(BPSD)、加齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態であるフレイル、循環器疾患における周辺症状などを重点に活動しております。がん領域の支持療法においては、抗がん剤や化学療法などの治療による食欲不振、末梢神経のしびれ、下痢、口内炎などの副作用の軽減や痛み、精神的なケア、生活の質の維持・改善のケアなどを重点に活動しております。女性関連疾患においては、冷え症、めまい、片頭痛、便秘、更年期障害、月経困難症などを重点に活動しております。
漢方標準治療のさらなる拡大のため、育薬処方においては、臨床エビデンス、作用機序、副作用発現頻度調査、薬物動態、医療経済学的データを揃える活動を推進しており、データ集積が着実に進んでおります。2016年度からは育薬処方に続く戦略処方であるGrowing処方を定め、診療ガイドラインへの新規収載及び推奨度の向上を目指して、エビデンスの構築に取り組んでおります。
未病の科学化においては、サイエンスベースでの未病の漢方治療を目指し、未病状態を科学的に解明し、定義化に取り組んでいます。また、漢方治療の個別化のためのプラットフォーム構築に向けて、漢方医学に基づく診断方法である望診および問診の診断サポートツールの開発に取り組んでおります。
養生領域においては、養生(予防)での健康維持・増進に貢献を目指し、薬食同源の生薬を原料とした製商品を開発に取り組んでおります。
漢方製剤の生産量増加への対応および原価低減のため、引き続き原料生薬の栽培及び加工技術の改良研究、野生生薬の栽培化研究に取り組んでおります。国内栽培生薬の拡大を目指す中、北海道の株式会社夕張ツムラにおいては、生産量拡大に向けた栽培研究、技術改良、及び機械化研究などを進めております。また、ラオス人民民主共和国のLAO TSUMURA CO.,LTD.においても生薬における生産性の向上及び品質の安定化に向けた研究を進めております。
当社では、生薬の品質と安全性を担保するために、生薬の残留農薬、重金属及び微生物汚染対策研究を推進しております。
米国におけるTU-100(大建中湯)上市に向けた開発においては、漢方・生薬事業を通じて培った技術・ノウハウと、日本国内の「育薬」研究による基礎・臨床の最新データを米国開発に連携させる体制を整え、大建中湯の米国における医療用医薬品としての承認取得・上市を目標に活動しております。2018年度に、対象領域をPOI※に集約し、その開発を進めていくための日本、米国におけるアドバイザリー・チームを編成しました。POIは、腹腔鏡手術が広く普及している米国においても、重要な医療ニーズがある領域であり、大建中湯はその治療薬として有望であるとの評価が得られております。現在は、後期第Ⅱ相臨床試験を実施しており、2024年3月に目標症例数402例の患者登録を完了、2024年度内の治験完了を目指しております。
中国事業においては、主に古典処方の上市に向けた研究開発および大健康製品の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は、8,288百万円であります。
※POI:
Post-operative Ileus(術後イレウス)