有価証券報告書-第105期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/30 15:01
【資料】
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【項目】
150項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針および経営環境
当社グループでは「我々は、絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念のもと、「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに掲げ、お客さまの生活・健康上のお困りごとを解決し、快適な暮らしに貢献することを使命に事業を展開しております。
そのような中、当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルス感染症のワクチン普及などにより、多くの国で経済活動が再開しつつある中、日本国内においても入国制限や行動制限の緩和に伴って人流が増加し、景気の持ち直しが期待されております。一方で、原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇に伴う消費低迷の懸念や、地政学リスクの高まりなど、先行きは依然として不透明な状況が続くと予想されます。
このような状況にあって、「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、今までにない付加価値のある新製品を開発し、お客様に提供してまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、将来にわたって持続的に成長していくために「2030年のありたい姿」を描き、そこからバックキャストの形で2020-22年に実行すべきことを定め、テーマである「国際ファースト」のもと、国際事業の成長、並びに新製品開発力・育成力の向上に努めてまいりました。
また、これまでも「“あったらいいな”をカタチにする」をスローガンに掲げ、多くのチャレンジを実行してきましたが、今後はデジタル技術を活用した製品やサービス・新規事業開発を強化したいと考えております。
そこで、これまで以上にチャレンジが歓迎・促進される風土の醸成に取り組むべく、新たに策定した2023-25年の中期経営計画のテーマを「私が“あったらいいな”をカタチにする」として、この3年間で実行すべきことを以下の通り定めました。
▶ 2023年-25年 中期経営計画の概要
テーマ:私が“あったらいいな”をカタチにする
~枠を超えたチャレンジ風土の醸成~
1.開発・育成の新しい挑戦
2.新しい海外サポート体制による製品提供力の強化
3.既存品の競争力強化
4.新規事業の積極的な創出
5.未来の小林製薬の基盤をつくる(DX・ESG)
戦略骨子1. 開発・育成の新しい挑戦
当社では、経営指標として「新製品寄与率(全売上に占める新製品売上の割合)」を重要視しております。ここ数年は市場への定着率を高めるため開発基準を厳しくし、開発の初期段階で市場性を見極める調査を行い、その基準をクリアしたもののみ次の開発ステップへ進めるようにしてきました。その結果、開発のスピードが低下し、新製品の発売品目数が減り、新製品寄与率が伸び悩みました。
これからは、当社らしいユニークなテーマについてはその基準にこだわらずスピード重視で開発するなど、開発プロセスを一律ではなくハイブリッドで行っていくことで、毎年安定して多くの新製品が発売できるよう努めてまいります。
戦略骨子2. 新しい海外サポート体制による製品提供力の強化
使い捨てカイロや額用冷却シート「熱さまシート」は日本のみならず世界各国で販売しており、ここ数年はどちらの製品も特に海外において大きく売上が伸びております。そこで、使い捨てカイロと「熱さまシート」の国内外での戦略や開発を一本化するため、2023年より「グローバルサーモケアカテゴリー(社内組織)」を設立しました。今後は日本でも海外の戦略を立案し、将来に向けた新製品開発・製品改良への投資を効率よく行うことで、全世界での市場浸透とシェアアップを目指します。
戦略骨子3. 既存品の競争力強化
新製品は発売して終わりではなく、発売後も強い表現を獲得し、リニューアルやラインアップ追加を繰り返すことで、他社に負けない競争力のあるブランドに育ってきました。
従来は、ブランドマネージャー、開発企画、研究開発、技術開発の四位一体で開発を行ってきましたが、今後は、これまで中長期の新規テーマの開発を主に担ってきた中央研究所の技術的サポートも加えることで、より競争力のある表現を獲得し、既存品の強化を図ってまいります。
戦略骨子4. 新規事業の積極的な創出
これまで当社では、持続性抗菌剤「KOBA-GUARD」や認知機能スクリーニングキット「ニンテスト」など、様々なテーマを通じて新規事業に関する知見を溜めてきました。それらの知見を活用し、次の3年間では「フェムテック」「デジタルヘルステック」「D2C」(注)等の領域でテーマを稼働させ、2030年には合計で売上高80億円規模の新規事業創出を目指します。
(注)フェムテック:Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決でき
る商品(製品)やサービス。
デジタルヘルステック:IoT(製品をインターネットに接続して情報交換する技術)を用いたヘルスケア製品やサービス。
D2C:Direct to Consumerの略。一般に少数の商品カテゴリーに絞ってメーカーから消費者に直接販売する通販モデル。
戦略骨子5. 未来の小林製薬の基盤をつくる(DX・ESG)
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にあたっては、個々の部門に留まることなく、全体最適の視点から的確な判断をスピーディに行う必要があります。そこで、2023年よりCDO(Chief Digital Officer)ユニットを社長直下に新設し、デジタルに関わる機能を集約しました。これにより、各部門のDX戦略の策定と実行をスピーディに行ってまいります。
社会からの要請に応え、持続的に企業価値を向上させるためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みの強化も欠かせません。
環境については「気候変動課題への挑戦」を重点テーマとし、再生可能エネルギーの導入切替や、サプライヤーと連携した低炭素型の製品開発に取り組みます。
社会については、「私が“あったらいいな”をカタチにする」という中期経営計画のテーマを実現するため、従業員の成長支援や、失敗を恐れぬ挑戦への後押しを行います。また、社会課題解決と持続的な企業価値の向上を目指すCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)活動も推進してまいります。
ガバナンスについては、持続的な企業価値向上を支えるために、多様性に富んだ取締役会と風通しの良い企業風土の強みを伸ばす体制づくりに注力してまいります。
▶ 業績目標
前提
原材料価格やエネルギーコストなど、様々なものが値上がりしておりますが、今後も高止まりが続くと見込んでおります。
政府による外国人の新規入国制限の緩和に伴い、足元は訪日外国人数が増加し、国内事業におけるインバウンド需要も徐々に戻りつつあります。しかし、今後の動向については不透明なことから、当業績目標にはインバウンド需要の大きな回復は織り込んでおりません。
将来の需要増や事業拡大に対応すべく、今後3年間で国内外の工場における新棟建設や増築、さらには中央研究所の移転・拡張を予定しております。そのため、2025年の減価償却費は2022年対比で約30億円増加する見通しで、今後3年間はEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)の増益を重視し、営業利益はほぼ横ばいとなる見込みです。
以上を踏まえて、2025年12月期の業績目標を以下の通り定めました。
2022年実績2025年目標年平均成長率
売上高1,662億円1,910億円以上+4.7%以上
営業利益266億円268億円以上+0.1%以上
営業利益率16.0%14%以上-
当期純利益25期連続増益28期連続増益-
EBITDA※319億円352億円以上+3.2%以上
ROE
(株主資本利益率)
10.2%9%以上-
配当24期連続増配27期連続増配-
国内事業売上高
(通販含む)
1,259億円1,376億円以上+2.9%以上
国際事業売上高396億円533億円以上+10.3%以上
国際売上高比率23.9%27%以上-

※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
(参考)2030年のありたい姿
グローバル経営を推し進め、2030年には、各国で毎年新市場を1つ創造しており、世界でもお困りごとを解決することで人と社会に貢献し、新市場(新習慣)を創造する企業として認知されつつある状態でありたい。
連結売上高2,800億円、うち国際事業900億円
-国内では「あったらいいな」開発と育成を究めている。
-その新製品を各国にスピーディにローカルフィットさせ広げている。
-全社員のデジタルリテラシーを高め、DXによる「あったらいいな」開発の刷新と、デジタルを搭載した新製品の創出ができている。
-欧米・中国・アジアの3極でも「あったらいいな」開発の成功例が出ている。

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