有価証券報告書-第66期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 12:59
【資料】
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【項目】
157項目
文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来において様々な要因により、実際の結果と大きく異なる可能性がございます。
(1)グループ経営理念
当社グループは、創業以来掲げてきた「生活文化創造企業」をグループ共通の経営理念とし、グループ全ての事業において生活文化創造=未来の『あたりまえ』を発見するという共通理念の下、営業活動に取り組んでおります。
また、この理念を経営戦略に反映させるため、3年ごとに中期経営計画を策定し、その時々の経営環境や課題を鑑みて計画ごとにテーマ並びに経営ビジョンとビジョン実現に向けた基本方針を設定しております。
(2)当社グループを取り巻く事業環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
第5次中期経営計画の策定時に想定していた各市場における事業環境の変化(自動車保有形態の変化、自動車のハイテク化、自動車の手入れに関する意識変化、半導体関連市場の競争激化等)は、当社が当初想定していたよりも緩やかではあるものの、着実に進行していると認識しております。さらに、近年では上記の変化に加えて“所有から利用”の範囲の拡大や、利用後のCtoC取引を前提にした所有などにより、利用による便益とコストに対する意識の高まりや多少の費用がかかっても時間を優先することを目的に、デリバリーや各種サービスの利用コストをいとわない消費など新たな『ユーザーの消費意識の変化』が顕著になっていると考えます。
これらは、製品の持つ機能の価値だけではなく、製品の入手や売却といった付随的なプロセス、またそれを通じて間接的に得られる価値を表しており、今後はこのような消費意識の変化を意識するだけでなく、これらを先取りする形で製品販売・利用のプロセス全体を見直し、ユーザーに提案していく必要があると考えております。また、今後の社会においては、消費者の購買意識の変化だけでなく、IoT/AI/デジタルトランスフォーメーションに代表されるテクノロジーの変化、少子高齢化社会への本格的な突入、自然災害リスクやSDGsのようなサスティナビリティの理念に基づく社会的ゴール設定など様々な新しい変化の要素が数多く存在しており、これまでよりもより幅広い社会変化が起こる事を想定しています。当社は、これらの幅広い社会変化の可能性について、既存事業にとっての脅威ではなく、むしろ当社の事業領域をより拡大できる大きなチャンスであると捉えています。
上記におけるセグメントごとの対処すべき課題につきましては(3)第6次中期経営計画「Overtake!!」に基づく課題への対処方法についてに記載しております。
また、当社グループは経営効率の改善のために、既存事業の運営効率向上と新規事業等への投資による業容拡大の両面が必要であると認識しております。
足元においては、既存事業の運営効率指標として、直接事業に供している資産から得られる利益率(投下資本利益率:ROIC)が資本コストを継続的に上回ることを目指し、その次のステップとして新分野・新事業に向けた投資による業容の拡大を指向しております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響につきましては、サービスセグメントの自動車教習事業並びに不動産関連セグメントの温浴事業の一部店舗において、休業により客数が減少するなどの影響が出ております。一方でファインケミカルセグメントにおける家庭用品において、マスク需要の高まりによるメガネケア製品の需要増加やサービスセグメントの生活用品企画販売事業における、外出自粛による通販需要拡大など当社グループとしてプラス面・マイナス面、双方の影響があると認識しており、結果として事業に与える影響は軽微なものであることが想定されるため、現時点では、経営戦略の大幅な変更は必要ないと判断しております。
(3)第6次中期経営計画「Overtake!!」に基づく課題への対処方法について
当社グループは、2020年4月に新たな中期経営計画「Overtake!!」を策定いたしました。この中期経営計画においては、当社グループがこれまで進めてきた各セグメントの新しい取り組みに加え、更に視野を広げることで幅広い分野の顧客の消費意識の変化を先取りした新しい価値の創出を進め、社会の要請に応えることを目指しております。
当計画では、経営ビジョンを『より幅広い社会課題(事業機会)に向けた“他にない”製品・サービス開発と事業化』と設定し、これを実現するための経営基本方針として、『事業領域の拡張に向けた既存技術ノウハウの横展開の更なる推進と、新たな技術ノウハウの取り込み・技術ノウハウ同士の掛け合わせによる事業領域の拡張』を設定しております。
・各セグメントにおける主要施策について
〈ファインケミカル〉
自動車分野においては、消費者にカーライフの「キレイ」「安全・安心・快適」「修復」を届ける活動を推進してまいります。
一般消費者向け販売においては、近年増えている自動車美装の簡略化ニーズに応える施策の実施や、既存ケミカル技術に電機・電子技術を活用した製品・サービスの開発と展開など、自動車美装ケミカルのリーディングカンパニーとして、ユーザーのカーライフ全体を通じた自動車の快適・美化・衛生を保つ製品・サービスの提供に努めてまいります。
また、従来のモノを通しての価値提供に加え、新たな製品提供・決済方法の提供により、WEB・O2O(Online to Offline)流通などの新しい販路の展開を図ります。
業務用製品販売においては、長くご好評いただいておりますG'ZOXブランドの再構築に加え、ОEMの国内・海外へ向けた展開、車内向け製品・サービスの拡充等により製品・サービスの見直しをかけつつ、新ビジネスの創出を目指します。
また、自動車分野以外にもビルメンテナンスやクリーニングといった「キレイ」を求めるあらゆる業界へのアプローチの継続や、表面改質技術を活用した印刷・接着業界に向けた問題解決提案を行うことにより、新たな事業領域の拡張につなげてまいります。
海外向け販売においては、足がかりのついたエリアへの更なる価値提供推進と、新規開拓エリアへのアプローチ方法見直しにより事業拡大を進めてまいります。特に欧州・ロシア・南米・南アジア等の重点エリアにおいては、専用品の投入とその浸透を推進していくことに加え、現地生産も視野に入れて更に販売を強化いたします。新規開拓エリアにおいては、現地の調査を進めることに加え、他国の代理店からのアプローチを同時に仕掛け、早急に事業を拡大できるよう、取り組みを強化してまいります。
家庭用製品販売においては、メガネケアのノウハウを横展開し、特にスポーツ関連分野などを新たな販売の柱とするべく、製品開発に注力してまいります。
TPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視装置)の企画・開発・販売においては、運輸運送関連企業を中心とするトラック・バス用TPMSの販売における営業の強化及び代理店網を活用した販売体制の改善を行うとともに、補修用センサー販売及びOEMビジネスの拡大を図ります。
電子機器・ソフトウェア開発販売においては、3G回線サービスの終了に伴う既存の遠隔監視システムユーザーの設備更新需要に対応した製品の着実な提供に加え、既存ビジネスの技術ノウハウを活用した民生品開発を推進することにより、新たな事業領域の拡大を目指してまいります。
〈ポーラスマテリアル〉
産業資材分野においては、半導体・液晶・HDD等のハイテク産業に向けた製造装置の消耗部材販売において、更なる清浄度や作業性、耐久性等の技術向上に努め、シェアの維持・拡大を図ります。また、次の収益の柱となる用途の創造を目指し、環境・健康等の分野において、新たな製品開発と顧客の開拓に取り組んでまいります。特に医療分野を重点的な拡大分野と考えており、これまでの部材提供から医療関連製品の自社生産への転換を目指し、研究開発を進めてまいります。
生活資材分野においては、国内向けには素材の高機能化の訴求によって競合との差別化を図るとともに、OEMビジネス・ECビジネスの拡大によりシェアの維持・拡大に努めてまいります。
海外向けには、スポーツ用途展開による新市場の開拓や、ファインケミカル事業と協働で新規市場開拓に取り組んでまいります。
また、更なる高品質製品の生産に向けて、生産体制の見直し、新工場棟の建設検討も進めてまいります。
〈サービス・不動産関連〉
自動車整備・鈑金事業においては、自動車のハイテク化に伴うエーミング技術対応を強化することで入庫車両数の確保を進めるとともに、輸入車メーカー認証の取得による対応車両の拡充を進めてまいります。
また、オートディテイリングビジネスの拡大に向けて、国内・海外両面の販売展開を進めてまいります。
自動車教習事業においては、当社グループ所有の教習所(兵庫県尼崎市)について、県下でトップクラスの入所者数を維持しつつ、教習所指導員のノウハウを活用した新たな商品開発を進めることで、新たな収益源の構築を目指します。
生活用品企画開発事業においては、商品開拓力の強化と併せて、ECサイトの再構築と自社企画製品の強化により、これまでアプローチできていなかった顧客層に向けて提案を行えるプラットフォームの確立を目指します。
不動産賃貸事業においては、保有物件の活用・運営効率化に取り組んでまいります。
最後に、グループ全体の課題としまして、経営効率の改善・ガバナンス体制の更なる構築、事業運営の持続性を担保する人材の確保・育成について、引き続き取り組んでまいります。
・経営効率の改善について
当社グループは、第5中期経営計画において経営効率を計る指標としてROE・ROAを採用しておりました。第4次中期経営計画からROE・ROA共に徐々に改善が進み、第5次中期経営計画においては、計画初年度に最高値を記録しました。その後は営業利益の減少に伴って低下することとなり、計画目標値をそれぞれ4.6%、6.0%と設定しておりましたが、いずれも未達となりました。当社は、総資産及び純資産の増加を上回る利益の確保のために、更なる経営効率の改善が必要となることを認識しております。
当社グループのROE(自己資本当期純利益率)・ROA(総資産経常利益率)の実績推移は以下のとおりです。
単位:百万円第4次中期
経営計画
第5次中期経営計画
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
営業利益2,4192,7472,5182,421
経常利益2,5972,8952,6852,585
当期純利益1,7901,9191,8611,824
純資産44,27945,83647,00648,380
総資産50,67053,07353,86755,255
ROE4.0%4.2%4.0%3.8%
ROA5.1%5.5%5.0%4.7%

当社グループは経営効率改善のため、第6次中期経営計画においても、引き続き既存事業の運営効率向上と新規事業等への投資による業容拡大の両面が必要であると認識しております。
第6次中期経営計画における既存事業の運営効率指標としては、直接事業に供している資産から得られる利益率(投下資本利益率:ROIC)が資本コストを継続的に上回ることを目指し、その次のステップとして新分野・新事業に向けた投資による業容の拡大を指向しております。
計画期間中のROICは、概ね5.0~6.0%を推移する想定となっております。なお、当社の資本コストについては、中長期的な視点から、およそ4.5~5.0%の水準であると認識しております。
今後も余資を活用した業容拡大に向けて、新しい製品・サービスの開発、また新事業の開発を更に注力してまいります。

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