有価証券報告書-第67期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 12:59
【資料】
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【項目】
152項目
文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来において様々な要因により、実際の結果と大きく異なる可能性があります。
(1)グループ経営理念
当社グループは、創業以来掲げてきた「生活文化創造企業」をグループ共通の経営理念とし、グループ全ての事業において生活文化創造=未来の『あたりまえ』を発見するという共通理念の下、事業運営に取り組んでおります。
また、この理念を経営戦略に反映させるため、3年ごとに中期経営計画を策定し、その時々の経営環境や課題を鑑みて計画ごとにテーマ並びに経営ビジョンとビジョン実現に向けた基本方針を設定しております。
(2)経営戦略等
当社グループは2020年4月に第6次中期経営計画「Overtake!!」をスタートいたしました。この中期経営計画においては、これまで進めてきた各セグメントの新しい取組みに加え、視野を更に広げることで幅広い分野の顧客の消費意識の変化を先取りした新しい価値の創出を進め、社会の要請に応えることを目指しております。
当計画では、経営ビジョンを『より幅広い社会課題(事業機会)に向けた“他にない”製品・サービス開発と事業化』と設定し、これを実現するための経営基本方針として、『事業領域の拡張に向けた既存技術ノウハウの横展開の更なる推進と、新たな技術ノウハウの取り込み・技術ノウハウ同士の掛け合わせによる事業領域の拡張』を設定しております。
(3)当社グループを取り巻く事業環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、自動車保有形態の変化、カーケア関連製品の購買に関するユーザーの意識変化や、ハイテク関連分野の競争激化といった市場の変化が着実に進行している状況です。近年はこれらに加えて「所有から利用」「時間に対する価値意識」「決済方法の多様化」等、ユーザーの消費意識の変化が顕著に表れております。更にSDGsに代表されるサステナビリティへの社会的な取組みの進展や、デジタルトランスフォーメーションの進行・浸透により、これまで不便で当たり前だったことがデジタル技術を用いて劇的に改善される可能性が高まっています。このようなユーザーや市場の変化は、当社グループにとって新たなビジネスチャンスが生まれてくる状況であると認識しております。
こうした大きな社会変化が進む中で、足元で予期せず起こった新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって、日々の生活は感染予防を前提とした新しい様式へと移行が進みました。流行初期は、ロックダウンや外出自粛といった命を守るための防衛行動によって、国内外を問わず様々な分野で経済活動の縮小がみられました。しかし、感染予防の観点から新たに発生した巣ごもり消費の拡大や、マスク着用の常態化に代表される感染予防のための衛生管理意識の高まり等によって、当社の主力事業であるファインケミカル・ポーラスマテリアルの両セグメントにおいて製品需要が拡大することとなりました。一方で、サービス・不動産関連セグメントにおいて運営される一部事業においては、緊急事態宣言の発出に伴う休業要請やその後の外出自粛によるマイナスの影響を通期に渡って受けることとなりました。
コロナ禍の収束を正確に見通すことは困難ですが、ワクチン接種等の施策が効果を発揮することによってコロナ禍はいずれ終息に向かうと考えられる一方で、インターネット通販市場とキャッシュレス決済の拡大・テレワークとオンライン会議の一般化・それに伴って改めて見直されることになった郊外型の住宅環境と安全な移動手段としてのマイカー保有等、外出自粛から始まったウィズコロナ・ポストコロナといわれる新しい生活様式については、コロナ禍収束後も恒常的に残るものがあると想定されます。
当社グループは、このような生活様式の変化は、足元の当社既存製品の需要掘り起こしに寄与するだけでなく、今後ユーザーの更なる価値観の変化と新たな市場を生み出す源泉にもなると考えております。特に当社事業の主要なターゲットとなる自動車分野においては、改めてその価値が見直されることとなったマイカー保有とサステナビリティの両立の観点から、自動車メンテナンスにおける新しい提案を行う機会になり得ると考えており、各事業セグメントにおいて、積極的な製品・サービス開発を推進してまいります。また、産業分野や生活分野においても、コロナ禍によって急速に意識の高まった医療・衛生分野向けた販売拡大を目指し、更なる製品開発を進めてまいります。
・各セグメントにおける主要施策について
〈ファインケミカル〉
自動車分野では、消費者にカーライフの「キレイ」「安全・安心・快適」「修復」を届ける活動を推進していきます。
国内向け販売におきましては、近年増えている自動車美装の簡略化ニーズに応える施策の実施や、得意先小売店にアジャストした既販車メンテナンスサービスの構築など、自動車美装ケミカルのリーディングカンパニーとして、ユーザーのカーライフ全体を通じた自動車の快適・美化・衛生を保つ製品・サービスの提供に努めてまいります。
業務用製品の販売におきましては、長らくご愛顧いただいておりますG′ZOXブランドの再構築に加え、ОEMブランドの国内・海外へ向けた展開、車内向け製品・サービスの拡充等により製品・サービスの見直しをかけつつ、新ビジネスの創出を目指します。また、自動車分野以外にもビルメンテナンスやクリーニングといった「キレイ」を求めるあらゆる業界へのアプローチの継続とコロナ禍により注目の高まる抗菌・抗ウイルス効果を付与した衛生管理製品の提案や、表面改質技術を活用した印刷・接着業界に向けた問題解決提案を行うことにより、新たな事業領域の拡張につなげてまいります。
海外向け販売におきましては、足がかりのついたエリアへの更なる価値提供推進と、新規開拓エリアへのアプローチ方法見直しにより事業拡大を進めてまいります。特に欧州・ロシア・南米・南アジア等の重点エリアにおいては、専用品の投入とその浸透を推進していくことに加え、現地生産も視野に入れて更に販売体制を強化いたします。新規開拓エリアにおいては、現地の調査を進めることに加え、他国の代理店からのアプローチを同時に仕掛け、早急に事業を拡大できるよう、その取り組みを強化していきます。
家庭用品販売においては、メガネケアのノウハウを横展開し、特にスポーツ関連分野を新たな販売の柱とするべく、製品開発に注力してまいります。また、コロナ禍により新たに発生した家庭内衛生管理ニーズへの対応を進めてまいります。
TPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視装置)の企画・開発・販売におきましては、運輸運送関連企業を中心とするトラック・バス用TPMSの販売における営業体制の強化及び代理店網を活用した販売体制の改善を行うとともに、補修用センサー販売及びOEMビジネスの拡大を図ります。
電子機器・ソフトウェア開発販売におきましては、3G回線サービスの終了に伴う既存の遠隔監視システムユーザーの設備更新需要に着実に対応した製品の提供に加え、既存ビジネスの技術ノウハウを活用した民生品開発を推進することにより、新たな事業領域の拡大を目指してまいります。
〈ポーラスマテリアル〉
産業資材分野では、半導体・液晶・HDDなどのハイテク産業に向けた製造装置の消耗部材販売において更なる清浄度や作業性、耐久性等の技術向上に努め、シェアの維持・拡大を図ります。また、次の収益の柱となる用途の創造を目指し、環境・健康などの分野において、新たな製品開発と顧客の開拓に取り組んでまいります。特に医療分野においては、これを重点的な拡大分野と考えており、これまでの医療製品への部材提供から医療関連製品の自社開発への転換を目指して研究開発を進めてまいります。また、アズテック㈱の子会社化による病院施設向け医療・衛生管理用品の企画・開発・販売事業の開始に併せ、医療現場ニーズに即した製品開発ノウハウの獲得による更なる開発力と販路の強化を進めてまいります。
生活資材分野では、国内向けには日本製高品質素材訴求によって競合との差別化を図るとともに、OEMビジネス・ECビジネスの拡大によりシェアの維持・拡大に努めてまいります。また、海外向けには、スポーツ用途展開による新市場の開拓や、グループリソースを有効活用した新規市場開拓に取り組んでまいります。
また、更なる高品質製品の生産に向けて、生産体制の見直し、新工場棟の建設検討も進めてまいります。
〈サービス・不動産関連〉
自動車整備・鈑金事業においては、自動車の更なるハイテク化を見据えたエーミング技術対応を強化することで入庫車両数の確保を進めるとともに、輸入車メーカー認証の取得による対応車両の拡充を進めてまいります。また、オートディテイリングビジネスの拡大に向けて、国内・海外両面の販売展開を進めてまいります。
自動車教習事業においては、県下でトップクラスの入所者数を維持しつつ、教習所指導員のノウハウを活用した商品開発を進めることで、新たな収益源の構築を目指します。
生活用品企画開発事業においては、ECサイトの再構築と自社による企画製品を強化することにより、これまでリーチできていなかった顧客層に向けて提案を行えるプラットフォームの確立を目指します。
不動産関連においては、保有物件の更なる活用に取り組んでまいります。
・経営効率の改善について
当社グループは、経営効率改善のため、既存事業の運営効率向上と新規事業等への投資による業容拡大の両面が必要であると認識しております。
第6次中期経営計画における既存事業の運営効率指標としては、直接事業に供している資産から得られる利益率(投下資本利益率:ROIC)が資本コスト(概ね4.5%~5.0%の水準)を継続的に上回ることを目指し、その次のステップとして新分野・新事業に向けた投資による業容の拡大を指向しております。
当社グループのROICの実績推移は以下のとおりです。
第5次中期経営計画第6次中期経営計画
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
連結営業利益2,7472,5182,4213,208
連結経常利益2,8952,6852,5853,408
親会社株主に帰属する当期純利益1,9191,8611,8241,539
純資産45,83647,00648,38049,874
総資産53,07353,86755,25557,286
事業投下資本29,43029,19629,27329,274
ROIC※6.5%6.0%5.8%7.7%
ROE(参考)4.2%4.0%3.8%3.1%
ROA(参考)5.5%5.0%4.7%5.9%

※ROIC算定に使用される営業利益は税引き後の数値となっております。なお、税率は30%で算定しております

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