有価証券報告書-第149期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/28 15:39
【資料】
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【項目】
147項目
■ 人材育成方針
<プロ人材の育成と「適所」適材の人員配置>グローバルに事業展開する当社グループでは、高い達成意欲と幅広い視野を持ち、周囲に影響を及ぼしながら力を発揮していく「プロの人材」の配置が必須であり、そのための育成・選抜や「『適所』適材」の人員配置等の施策を進めています。一人ひとりが育成の場を積極的に活用し成長していくことが、会社の発展をもたらすとの考えに基づき、それを全面的にバックアップしています。また、グローバルな競争に勝ち抜いていくために、会社を背負って立つ経営人材の確保と育成にも取り組んでいきます。
<人材育成プログラム>グローバルな事業環境の変化に対応するため、人材育成プログラムを通じて人的資本の強化に取り組んでいます。的確に物事を判断・実行するのに必要なマインド、能力、スキルの開発や、階層別のリーダーシップ、職場に密着した問題の解決能力、プレゼンテーションや交渉といった個別スキルの開発を目指して、体感・体験から学ぶ三現教育を実施しています。また、将来の経営人材育成のための管理職層の国内MBA派遣や事務・技術系職員のDX人材化促進のためのDXリーダー育成教育などにより、求める人材像の育成に取り組んでいきます。
<コア人材の育成>新中期経営計画「YX2026」の実現を人材面で支えるため、管理職層については、ポスト(ジョブ)と成果・報酬の連動性を高めるとともに、一般層については、階層ごとに求められる付加価値(期待成果や期待行動)を明示し、育成体系ともリンクさせることで、コア人材として必要となる能力を段階的に身につけられる人事制度としています。管理職層においては、2020年にポスト(ジョブ)と報酬の連動性をさらに高める改定を行いました。また一般層については、2021年に最速30歳から管理職への配置を可能とする早期登用制度を導入し、年齢にとらわれない適材適所の仕組みとしています。

■ 社内環境整備方針
<多様な働き方を認める組織風土の醸成>環境変化の激しい中で持続的な成長を果たしていくためには、人的資本の価値向上が不可欠です。当社グループでは、多様な人材がそれぞれの分野で能力を最大限に発揮できるよう、これまでのルールや考え方にとらわれない働き方や、共に明るく生き生きと仕事ができる職場環境の整備などを通じて働き方改革を推進しています。ワークライフバランスを尊重し、多様な働き方を認め合うことで、すべての社員が成長を続け、仕事と生活を両立しながらキャリアの形成を実現できるよう支援しています。
<場所・時間にとらわれない働き方の推進>当社グループは、機能集約による業務効率化及び働き方改革を目的として、2023年3月に本社機能を東京都港区から神奈川県平塚市の平塚製造所に移転・統合しました。在宅勤務制度などの諸制度の適用を拡大して、さまざまな状況に対応できる勤務体制を整えるとともに、企画・生産・販売・技術・物流の一体運営ならびにスピーディな意思決定を実現していきます。
<ホームオフィス制度の導入>2023年3月、本社・平塚製造所の統合後の遠距離通勤者及び配偶者の転勤に同行する社員を対象に、オフィスに固定デスクを持たず、会社負担で自宅をオフィス化して基本的な就業場所とする「ホームオフィス制度」を導入しました。配偶者の転勤に同行する社員も本制度を利用できるように整備し、家庭の事情でキャリアが中断することのないように配慮するなど、場所にとらわれない働き方を推進し、多様な人材が活躍できる基盤をつくっていきます。
<東京事務所、サテライトオフィスの設置>本社・平塚製造所の統合に伴い、東京都・品川インターシティに東京事務所及びサテライトオフィスを設置しました。東京事務所には株式会社ヨコハマタイヤジャパン、横浜ゴムMBジャパン株式会社の本社及び横浜ゴムの販売部門の一部が移転しました。フリーアドレスのサテライトオフィスは、組織の壁を越えた社員間のコミュニケーション促進に役立っています。
<在宅/フレックス勤務の拡充>仕事と育児・介護などの家庭の両立支援の推進、業務効率化の向上並びに長時間拘束防止(健康への配慮)を目的として2018年より在宅勤務制度を導入し、2023年からは通勤負担軽減目的でも利用できるよう要件を拡大しました。併せて利用上限を撤廃し、仕事(成果と効率)に合わせて各職場で最も適した在宅勤務の運用へ移行しました。また、事務・技術系職員については、原則としてすべてフレックスタイム制の適用対象とし、コアタイムを撤廃、短時間勤務フレックスタイム制度なども拡充し、場所や時間を問わず仕事の成果を出せる仕組みを整えています。
<労働安全衛生>当社グループでは、事業の特性上、生産工場で大型機械を取り扱う必要があるため、設備仕様の不具合や誤操作が大きな事故につながる可能性があり、安全面での対策が必要です。そのため、すべての設備や作業に対しリスクアセスメントを計画的かつ継続的に実施し、設備面から未然防止の安全対策を実施しています。また、国内外35拠点が労働安全衛生マネジメントシステム(JISHA/OSHMS・ISO45001)認証を取得しており、グループで働くすべての人が安全・安心して働けるよう職場の安全衛生環境のさらなる向上を目指した取り組みを行っています。さらに、健康で長く働くことのできる職場づくりのため、健康保険組合と連携した「コラボヘルス※」による健康経営に取り組み、健康・体力向上を推進しています。
※ 保険者と事業者が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、加入者の予防・健康づくりを効率的・効果的に実行すること
<従業員エンゲージメント>YX2026の戦略や方針が従業員に理解され、熱意をもって遂行される状況にあるか、自らの成長をもって会社の成長に貢献できる多様な人材が生き生きと働ける職場環境と企業風土であるかを把握するため、「従業員意識調査」を継続的に実施しています。
2024年度の調査の結果、以下の2点を課題として認識し、具体的な施策を講じています。
a.YX2026の浸透
管理職層と比較して、一般社員層のYX2026に対する戦略理解度が低いことが課題として認識されました。この課題解決に向け、YX2026の全社施策と一般社員層の個人課題のつながりが明確になるように、組織内の対話の密度を高めることに取り組み、一般社員層の戦略理解度向上を目指します。
b.従業員エンゲージメントスコアの向上
「従業員意識調査」における複数のエンゲージメント項目を指標化した「従業員エンゲージメントスコア」は、2026年度目標値を70としていますが、2024年度は68.8でした。今後、従業員への方針・戦略の浸透を図り、仕事の意義を明確化することで、「働きがい」など、エンゲージメントの熱量を高め、スコアの向上を目指します。
これらの取り組みを通じて、戦略の実現を加速させるとともに、従業員の成長と働きがいを高め、企業価値向上につなげていきます。