有価証券報告書-第106期(2024/01/01-2024/12/31)
35.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、ROIC-WACC(加重平均資本コスト)及びROE-株主資本コストのスプレッドを拡大させることが企業価値向上に資すると考え、財務健全性と資本効率性を両立した資本構成に改善していく方針としております。
資本効率性を測る管理対象項目としては、ROE並びにROICを経営指標としております。また、資本管理においては、親会社所有者帰属持分比率を主要な指標として用いており、継続的にモニタリングしております。持続的な企業価値向上に向けて、「収益性向上」「成長投資」と合わせて、「財務戦略」を実行・推進してまいります。
(2) リスク管理に関する事項
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替の変動リスク・金利の変動リスク・市場価格の変動リスク)にさらされており、当該リスクを回避するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
(3) 信用リスク管理
当社グループは、保有する金融資産の相手方が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被る信用リスクにさらされております。当社グループは主に営業債権について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理すると共に、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っており、その全部又は一部について回収ができない、または、回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。また、デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
受取手形及び売掛金等に係る当社グループの信用リスクエクスポージャーは、次のとおりであります。受取手形及び売掛金等については、回収可能性や信用リスクの著しい増加等を考慮して、将来の予想信用損失を測定して、貸倒引当金を計上しております。信用リスクが著しく増加しているか否かについては、期日経過情報及び債務者の財政的困難(経営破綻の状態に至っていないが、債権回収に問題が生じているか、もしくは生じる可能性が高い場合)などを考慮して判断しております。ただし、期日経過の理由や過去の取引実績等に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないと判断しております。営業債権に係る貸倒引当金は、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しており、取引内容や取引規模及び信用リスク特性に応じて、全期間の予想信用損失を個別に測定する場合と集合的に測定する場合があります。営業債権の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える、以下のような一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損した営業債権として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。当社グループでは、特定の取引先に信用リスクが集中していることはありません。
・債務不履行又は期日の大幅な経過などの契約違反
・債務者の重大な財政的困難
・債務者が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
① 営業債権及びその他の債権等に係る信用リスクエクスポージャー
受取手形及び売掛金等
(単位:百万円)
その他金融資産
(単位:百万円)
② 貸倒引当金の増減
受取手形及び売掛金等に対する貸倒引当金
(単位:百万円)
その他金融資産に対する貸倒引当金
(単位:百万円)
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクにさらされております。営業債務である支払手形及び買掛金並びに未払金は、概ね1年以内の支払期日であります。
当社グループは、事業活動から生じる資金流出入見込額を織り込んだ資金収支計画に基づき、将来の資金ポジションを事前に把握し、効率的な資金管理を行うと共に、銀行借入や社債発行など資金調達方法の多様化を進めることにより流動性リスクを軽減しております。また、流動性リスクに備えるため、複数の金融機関とコミットメント・ライン契約を結ぶことにより、所要の借入枠を設定しております。
各連結会計年度末における金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
(注) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
各連結会計年度末におけるコミットメント・ライン総額及び借入未実行残高は、以下のとおりであります。
(5) 為替リスク管理
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、世界各地で国際間取引を行っていることから、為替相場の変動は当社グループの業績に影響を及ぼすことになります。
当社及び一部の連結子会社は、外貨建営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、原則として為替予約取引をヘッジ目的で利用しております。なお、為替相場の状況により、輸出入に係る予定取引により確実に発生すると見込まれる外貨建営業債権債務について、為替予約取引及び通貨オプション取引を行っております。また、外貨建貸付金、外貨建借入金の為替変動リスクを回避するために必要に応じて通貨スワップ取引を行っております。
デリバティブ取引は社内規定に基づき実需の範囲内での取引に限定しており、投機的な取引は行わない方針であります。
為替感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、日本円に対し外国通貨が1円円高になった場合に税引後当期利益に与える影響は、以下のとおりであります。
機能通貨建ての金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。なお、本分析においては、その他の変動要因(残高・金利等)は一定であることを前提としております。
(6) 金利リスク管理
当社グループの借入金等の一部は変動金利であるため、金利の変動リスクにさらされております。当社グループは、借入金の金利変動リスクを回避するために必要に応じて金利スワップ取引を行っております。
デリバティブ取引は社内規程に基づき実需の範囲内での取引に限定しており、投機的な取引は行わない方針であります。
金利感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、金利が1%上昇した場合に税引後当期利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、本分析においては、金利変動の影響を受ける金融商品を対象にしており、為替変動の影響等その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(7) 市場価格の変動リスク管理
当社グループの投資有価証券は、主に取引先企業の株式であり、市場価格の変動リスクにさらされております。
当社グループは、定期的に時価や発行体(取引先企業等)の財務状況等を把握し、保有の合理性を確認して、適宜、保有状況を見直しております。
株価変動リスクの感応度
当社グループが保有する上場株式の株価変動リスクに対する感応度分析は次のとおりであります。この分析は、他の変数が一定であると仮定した上で、上場株式の株価が1%下落した場合にその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響を示しております。
(8) 公正価値測定
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:活発に取引される市場の公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接、又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりであります。
(i) デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債は、それぞれその他の金融資産及び金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債に分類しております。これらは為替予約、通貨スワップ及び金利スワップ等であり、主に外国為替相場や金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅱ) 短期投資
短期投資は現金及び現金同等物に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。短期投資の公正価値については、活発に取引がされている市場の公表価格を参照しており、レベル1に区分しております。
(ⅲ) 株式等
株式等はその他の金融資産に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。株式については、レベル1に区分されているものは活発な市場で取引されている上場株式であり、取引所の市場価格によって評価しております。レベル3に区分されているものは非上場株式等であり、主として将来キャッシュ・フローを割り引く方法、純資産に基づく評価モデル(株式発行会社の純資産に基づき、時価評価により修正すべき事項がある場合は修正した金額により、企業価値を測定する方法)等により測定しております。
公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3のインプットを使用して経常的に公正価値で測定される資産及び負債の期首から期末までの変動は次のとおりであります。
(注1) 連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
(注2) 連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含まれております。
レベル3に分類される金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産のうち、市場価格が入手できない金融商品であります。当該金融商品に係る公正価値の測定は、グループ会計方針に準拠し算定しております。公正価値を算定するに際しては、インプットを合理的に見積り、資産の性質等から判断して最も適切な評価方法を決定しております。
② 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。
なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は含めておりません。
社債及び借入金
社債の公正価値は、市場価格に基づいております。借入金の公正価値は、残存期間における元利金の合計額を、新規に同様の借入れを行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
(9) ヘッジ会計
リスク管理戦略
当社グループは、デリバティブ取引として外貨建債権債務及び外貨建予定取引に係る為替変動リスクを回避する目的で為替予約取引及び通貨オプション取引を、外貨建貸付金、外貨建借入金の為替変動及び金利変動リスクを回避する目的で必要に応じて通貨スワップ取引を行っております。また、借入金の金利変動リスクを回避する目的で必要に応じて金利スワップ取引を、原材料の価格変動リスクを回避する目的で必要に応じて商品スワップ取引を行っております。デリバティブ取引の執行・管理については取引権限を定めた社内規程に従っているほか、デリバティブの利用にあたっては信用リスクを軽減するために、信用度の高い金融機関に限定して取引を行っております。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しております。なお、当社グループでは、原則としてヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致している場合のみヘッジ会計を適用しているため、重要な非有効部分は発生しておりません。
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合も含め、デリバティブを利用することが経済的に合理的である場合に、デリバティブを利用しております。
各連結会計年度における当社グループのヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係る帳簿価額及び公正価値変動額は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年12月31日)
(単位:百万円)
(注) デリバティブの帳簿価額は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に計上された金額であり、満期までの期間が1年超の金額は非流動資産又は非流動負債に分類しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのキャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間は、為替予約で4ヶ月から12ヶ月程度であり純損益に影響を与えることになると見込まれる期間とほぼ同時であると予測されます。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益に計上された金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に一致しております。
(注2) ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことにより振り替えた金額であり、連結損益計算書において「その他の収益」、「その他の費用」又は「金融収益」、「金融費用」として認識しております。
(1) 資本管理
当社グループは、ROIC-WACC(加重平均資本コスト)及びROE-株主資本コストのスプレッドを拡大させることが企業価値向上に資すると考え、財務健全性と資本効率性を両立した資本構成に改善していく方針としております。
資本効率性を測る管理対象項目としては、ROE並びにROICを経営指標としております。また、資本管理においては、親会社所有者帰属持分比率を主要な指標として用いており、継続的にモニタリングしております。持続的な企業価値向上に向けて、「収益性向上」「成長投資」と合わせて、「財務戦略」を実行・推進してまいります。
(2) リスク管理に関する事項
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替の変動リスク・金利の変動リスク・市場価格の変動リスク)にさらされており、当該リスクを回避するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
(3) 信用リスク管理
当社グループは、保有する金融資産の相手方が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被る信用リスクにさらされております。当社グループは主に営業債権について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理すると共に、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っており、その全部又は一部について回収ができない、または、回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。また、デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
受取手形及び売掛金等に係る当社グループの信用リスクエクスポージャーは、次のとおりであります。受取手形及び売掛金等については、回収可能性や信用リスクの著しい増加等を考慮して、将来の予想信用損失を測定して、貸倒引当金を計上しております。信用リスクが著しく増加しているか否かについては、期日経過情報及び債務者の財政的困難(経営破綻の状態に至っていないが、債権回収に問題が生じているか、もしくは生じる可能性が高い場合)などを考慮して判断しております。ただし、期日経過の理由や過去の取引実績等に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないと判断しております。営業債権に係る貸倒引当金は、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しており、取引内容や取引規模及び信用リスク特性に応じて、全期間の予想信用損失を個別に測定する場合と集合的に測定する場合があります。営業債権の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える、以下のような一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損した営業債権として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。当社グループでは、特定の取引先に信用リスクが集中していることはありません。
・債務不履行又は期日の大幅な経過などの契約違反
・債務者の重大な財政的困難
・債務者が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
① 営業債権及びその他の債権等に係る信用リスクエクスポージャー
受取手形及び売掛金等
(単位:百万円)
常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失 に等しい金額で測定している金融資産 | 合計 | ||
信用減損していない もの | 信用減損している もの | ||
前連結会計年度(2023年12月31日) | 929,675 | 22,153 | 951,828 |
当連結会計年度(2024年12月31日) | 1,029,999 | 15,819 | 1,045,819 |
その他金融資産
(単位:百万円)
貸倒引当金を 12ヶ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定している 金融資産 | 貸倒引当金を全期間の 予想信用損失に等しい金額で 測定している金融資産 | 合計 | ||
信用リスクが 当初認識以降に 著しく増大した もの | 信用減損して いるもの | |||
前連結会計年度(2023年12月31日) | 107,883 | 118 | 873 | 108,874 |
当連結会計年度(2024年12月31日) | 101,380 | 99 | 890 | 102,370 |
② 貸倒引当金の増減
受取手形及び売掛金等に対する貸倒引当金
(単位:百万円)
常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失 に等しい金額で測定している金融資産 | 合計 | ||
信用減損していない もの | 信用減損している もの | ||
2023年1月1日残高 | 21,538 | 17,647 | 39,185 |
期中増加額 | 5,429 | 6,411 | 11,840 |
期中減少額(目的使用) | △498 | △366 | △864 |
期中減少額(戻し入れ) | △2,772 | △3,169 | △5,941 |
その他 | 1,554 | △1,597 | △43 |
2023年12月31日残高 | 25,250 | 18,926 | 44,177 |
期中増加額 | 8,440 | 1,111 | 9,551 |
期中減少額(目的使用) | △2,771 | △5,696 | △8,466 |
期中減少額(戻し入れ) | △2,438 | △573 | △3,011 |
その他 | 2,993 | 972 | 3,965 |
2024年12月31日残高 | 31,475 | 14,740 | 46,215 |
その他金融資産に対する貸倒引当金
(単位:百万円)
貸倒引当金を 12ヶ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定している 金融資産 | 貸倒引当金を全期間の 予想信用損失に等しい金額で 測定している金融資産 | 合計 | ||
信用リスクが 当初認識以降に 著しく増大した もの | 信用減損して いるもの | |||
2023年1月1日残高 | 190 | 131 | 650 | 971 |
期中増加額 | 0 | 96 | 163 | 259 |
期中減少額(目的使用) | - | - | - | - |
期中減少額(戻し入れ) | △1 | △109 | △12 | △122 |
その他 | △125 | - | 74 | △51 |
2023年12月31日残高 | 65 | 118 | 874 | 1,057 |
期中増加額 | 12 | 57 | 164 | 233 |
期中減少額(目的使用) | - | - | - | - |
期中減少額(戻し入れ) | △1 | △76 | - | △77 |
その他 | 0 | - | △147 | △147 |
2024年12月31日残高 | 75 | 99 | 891 | 1,066 |
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクにさらされております。営業債務である支払手形及び買掛金並びに未払金は、概ね1年以内の支払期日であります。
当社グループは、事業活動から生じる資金流出入見込額を織り込んだ資金収支計画に基づき、将来の資金ポジションを事前に把握し、効率的な資金管理を行うと共に、銀行借入や社債発行など資金調達方法の多様化を進めることにより流動性リスクを軽減しております。また、流動性リスクに備えるため、複数の金融機関とコミットメント・ライン契約を結ぶことにより、所要の借入枠を設定しております。
各連結会計年度末における金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ ・フロー | 1年以内 | 1年超~ 2年以内 | 2年超~ 3年以内 | 3年超~ 4年以内 | 4年超~ 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
営業債務及びその他の債務 | 599,240 | 599,240 | 599,240 | - | - | - | - | - |
社債及び借入金 | 497,863 | 498,110 | 258,087 | 663 | 50,000 | 61,853 | 26 | 127,481 |
リース負債 | 332,297 | 373,171 | 68,969 | 57,880 | 47,728 | 38,465 | 28,225 | 131,904 |
小計 | 1,429,400 | 1,470,521 | 926,296 | 58,543 | 97,728 | 100,318 | 28,251 | 259,385 |
デリバティブ金融負債(注) | ||||||||
為替予約取引 | △3,412 | △3,412 | △3,412 | - | - | - | - | - |
通貨スワップ取引 | 20,212 | 20,212 | 20,113 | 64 | 36 | - | - | - |
商品スワップ取引 | △269 | △269 | △269 | - | - | - | - | - |
金利スワップ取引 | △336 | △336 | △336 | - | - | - | - | - |
小計 | 16,196 | 16,196 | 16,096 | 64 | 36 | - | - | - |
合計 | 1,445,596 | 1,486,717 | 942,392 | 58,607 | 97,764 | 100,318 | 28,251 | 259,385 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ ・フロー | 1年以内 | 1年超~ 2年以内 | 2年超~ 3年以内 | 3年超~ 4年以内 | 4年超~ 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
営業債務及びその他の債務 | 610,704 | 610,704 | 610,704 | - | - | - | - | - |
社債及び借入金 | 378,381 | 378,557 | 138,941 | 50,000 | 61,345 | 20 | 100,090 | 28,161 |
リース負債 | 349,340 | 394,941 | 75,055 | 65,003 | 53,662 | 41,604 | 29,377 | 130,240 |
小計 | 1,338,425 | 1,384,202 | 824,700 | 115,003 | 115,007 | 41,624 | 129,467 | 158,401 |
デリバティブ金融負債(注) | ||||||||
為替予約取引 | 8,103 | 8,103 | 8,103 | - | - | - | - | - |
通貨スワップ取引 | 2,966 | 2,966 | 1,254 | 206 | 1,515 | △9 | - | - |
商品スワップ取引 | △248 | △248 | △248 | - | - | - | - | - |
小計 | 10,820 | 10,820 | 9,108 | 206 | 1,515 | △9 | - | - |
合計 | 1,349,245 | 1,395,022 | 833,808 | 115,209 | 116,522 | 41,615 | 129,467 | 158,401 |
(注) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
各連結会計年度末におけるコミットメント・ライン総額及び借入未実行残高は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | |
コミットメント・ライン総額 | 156,013 | 173,998 |
借入実行残高 | - | - |
未実行残高 | 156,013 | 173,998 |
(5) 為替リスク管理
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、世界各地で国際間取引を行っていることから、為替相場の変動は当社グループの業績に影響を及ぼすことになります。
当社及び一部の連結子会社は、外貨建営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、原則として為替予約取引をヘッジ目的で利用しております。なお、為替相場の状況により、輸出入に係る予定取引により確実に発生すると見込まれる外貨建営業債権債務について、為替予約取引及び通貨オプション取引を行っております。また、外貨建貸付金、外貨建借入金の為替変動リスクを回避するために必要に応じて通貨スワップ取引を行っております。
デリバティブ取引は社内規定に基づき実需の範囲内での取引に限定しており、投機的な取引は行わない方針であります。
為替感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、日本円に対し外国通貨が1円円高になった場合に税引後当期利益に与える影響は、以下のとおりであります。
機能通貨建ての金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。なお、本分析においては、その他の変動要因(残高・金利等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
税引後当期利益 | △29 | △27 |
(6) 金利リスク管理
当社グループの借入金等の一部は変動金利であるため、金利の変動リスクにさらされております。当社グループは、借入金の金利変動リスクを回避するために必要に応じて金利スワップ取引を行っております。
デリバティブ取引は社内規程に基づき実需の範囲内での取引に限定しており、投機的な取引は行わない方針であります。
金利感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、金利が1%上昇した場合に税引後当期利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、本分析においては、金利変動の影響を受ける金融商品を対象にしており、為替変動の影響等その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
税引後当期利益 | △657 | △374 |
(7) 市場価格の変動リスク管理
当社グループの投資有価証券は、主に取引先企業の株式であり、市場価格の変動リスクにさらされております。
当社グループは、定期的に時価や発行体(取引先企業等)の財務状況等を把握し、保有の合理性を確認して、適宜、保有状況を見直しております。
株価変動リスクの感応度
当社グループが保有する上場株式の株価変動リスクに対する感応度分析は次のとおりであります。この分析は、他の変数が一定であると仮定した上で、上場株式の株価が1%下落した場合にその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響を示しております。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
その他の包括利益 | △502 | △423 |
(8) 公正価値測定
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:活発に取引される市場の公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接、又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりであります。
(i) デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債は、それぞれその他の金融資産及び金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債に分類しております。これらは為替予約、通貨スワップ及び金利スワップ等であり、主に外国為替相場や金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅱ) 短期投資
短期投資は現金及び現金同等物に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。短期投資の公正価値については、活発に取引がされている市場の公表価格を参照しており、レベル1に区分しております。
(ⅲ) 株式等
株式等はその他の金融資産に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。株式については、レベル1に区分されているものは活発な市場で取引されている上場株式であり、取引所の市場価格によって評価しております。レベル3に区分されているものは非上場株式等であり、主として将来キャッシュ・フローを割り引く方法、純資産に基づく評価モデル(株式発行会社の純資産に基づき、時価評価により修正すべき事項がある場合は修正した金額により、企業価値を測定する方法)等により測定しております。
公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
デリバティブ資産 | - | 6,450 | - | 6,450 |
短期投資 | - | - | - | - |
株式等 | 50,174 | - | 27,937 | 78,111 |
合計 | 50,174 | 6,450 | 27,937 | 84,561 |
デリバティブ負債 | - | 22,645 | - | 22,645 |
合計 | - | 22,645 | - | 22,645 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
デリバティブ資産 | - | 3,879 | - | 3,879 |
短期投資 | 10,950 | - | - | 10,950 |
株式等 | 42,304 | - | 19,026 | 61,330 |
合計 | 53,254 | 3,879 | 19,026 | 76,159 |
デリバティブ負債 | - | 14,700 | - | 14,700 |
合計 | - | 14,700 | - | 14,700 |
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3のインプットを使用して経常的に公正価値で測定される資産及び負債の期首から期末までの変動は次のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
期首残高 | 19,251 | 27,937 |
利得及び損失 | ||
純損益(注1) | △25 | △60 |
その他の包括利益(注2) | 844 | △10,237 |
購入 | 7,210 | 901 |
売却及び回収 | △215 | △1,137 |
その他 | 871 | 1,622 |
期末残高 | 27,937 | 19,026 |
(注1) 連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
(注2) 連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含まれております。
レベル3に分類される金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産のうち、市場価格が入手できない金融商品であります。当該金融商品に係る公正価値の測定は、グループ会計方針に準拠し算定しております。公正価値を算定するに際しては、インプットを合理的に見積り、資産の性質等から判断して最も適切な評価方法を決定しております。
② 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。
なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は含めておりません。
社債及び借入金
社債の公正価値は、市場価格に基づいております。借入金の公正価値は、残存期間における元利金の合計額を、新規に同様の借入れを行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
社債及び借入金 | 239,789 | - | 238,181 | - | 238,181 |
合計 | 239,789 | - | 238,181 | - | 238,181 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
社債及び借入金 | 239,441 | - | 235,430 | - | 235,430 |
合計 | 239,441 | - | 235,430 | - | 235,430 |
(9) ヘッジ会計
リスク管理戦略
当社グループは、デリバティブ取引として外貨建債権債務及び外貨建予定取引に係る為替変動リスクを回避する目的で為替予約取引及び通貨オプション取引を、外貨建貸付金、外貨建借入金の為替変動及び金利変動リスクを回避する目的で必要に応じて通貨スワップ取引を行っております。また、借入金の金利変動リスクを回避する目的で必要に応じて金利スワップ取引を、原材料の価格変動リスクを回避する目的で必要に応じて商品スワップ取引を行っております。デリバティブ取引の執行・管理については取引権限を定めた社内規程に従っているほか、デリバティブの利用にあたっては信用リスクを軽減するために、信用度の高い金融機関に限定して取引を行っております。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しております。なお、当社グループでは、原則としてヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致している場合のみヘッジ会計を適用しているため、重要な非有効部分は発生しておりません。
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合も含め、デリバティブを利用することが経済的に合理的である場合に、デリバティブを利用しております。
各連結会計年度における当社グループのヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係る帳簿価額及び公正価値変動額は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年12月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ種類 | ヘッジ手段 | 契約額等 | 帳簿価額(注) | |
資産 | 負債 | |||
キャッシュ・フロー・ヘッジ | 為替デリバティブ | 110,415 | 2,008 | 499 |
金利デリバティブ | 31,424 | 336 | - | |
合計 | 141,839 | 2,345 | 499 |
当連結会計年度末(2024年12月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ種類 | ヘッジ手段 | 契約額等 | 帳簿価額(注) | |
資産 | 負債 | |||
キャッシュ・フロー・ヘッジ | 為替デリバティブ | 89,668 | - | 4,247 |
合計 | 89,668 | - | 4,247 |
(注) デリバティブの帳簿価額は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に計上された金額であり、満期までの期間が1年超の金額は非流動資産又は非流動負債に分類しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのキャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間は、為替予約で4ヶ月から12ヶ月程度であり純損益に影響を与えることになると見込まれる期間とほぼ同時であると予測されます。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益に計上された金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円) |
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分 | ||||
為替リスク | 金利リスク | 商品関連リスク | 合計 | |
2023年1月1日残高 | 1,683 | 1,297 | - | 2,980 |
その他の包括利益 | ||||
当期発生額(注1) | △10,890 | △1,280 | △28 | △12,198 |
組替調整額(注2) | 9,903 | - | - | 9,903 |
税効果 | 89 | 320 | - | 409 |
2023年12月31日残高 | 785 | 337 | △28 | 1,094 |
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:百万円) |
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分 | ||||
為替リスク | 金利リスク | 商品関連リスク | 合計 | |
2024年1月1日残高 | 785 | 337 | △28 | 1,094 |
その他の包括利益 | ||||
当期発生額(注1) | △14,612 | △449 | 30 | △15,031 |
組替調整額(注2) | 8,963 | - | - | 8,963 |
税効果 | 1,762 | 112 | - | 1,874 |
2024年12月31日残高 | △3,102 | - | 2 | △3,100 |
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に一致しております。
(注2) ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことにより振り替えた金額であり、連結損益計算書において「その他の収益」、「その他の費用」又は「金融収益」、「金融費用」として認識しております。