訂正有価証券報告書-第129期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、2020年度を最終年度とする中期経営ビジョン「2020年 住友理工グループVision(2020V)」に基づき「自動車」「インフラ」「エレクトロニクス」「住環境・健康介護」の4分野に注力し、また、「着実な成長」と「体質強化」を成長戦略のテーマとして、以下の内容を遂行していきます。
<経営戦略と重点実施事項>「環境技術強化」
① 環境対応製品の開発・上市の推進
② 事業活動により排出する環境負荷物質の低減
「モノづくり革新」
① IoTによる生産革新
② グロープ経営革新
「新規顧客開拓」
① グローバルマーケットに対する提案力強化
② 既存製品の周辺領域の取り込み
これらの取り組みにより、「人・社会・地球の安全・安心・快適に貢献する企業」を目指すべき姿として“Global Excellent Manufacturing Company”の実現を追求し続けます。2020年度の財務目標としては、売上高5,300億円、営業利益率6%を掲げています。そして創業100周年となる2029年に、売上高1兆円を目指して、引き続き着実な歩みを続けていきます。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境として、世界経済については、英国のEU離脱や米国新政権の経済政策による先行き不透明感があるなか、欧州は緩やかな回復基調の継続、長らく低迷が続いていた南米市場にも回復の兆しが見えつつあります。また、米国、中国での経済成長は引き続き底堅く推移すると予想されます。国内経済については、為替や原材料費の変動などの影響が懸念され、厳しい経営環境が今後も続くものと認識しています。
このような中、当社グループでは以下のような施策を推進してまいります。
①事業部門別の施策
・自動車用品部門
自動車分野では、従来取引のある日系自動車メーカー向けの高いシェアを維持しつつ、2013年に買収・子会社化したAnvis Group GmbH(Anvis社、現SumiRiko AVS Holding Germany GmbH)とDytech-Dynamic Fluid Technologies S.p.A.(Dytech社)とのシナジーを加速させ、海外自動車メーカーへの拡販に注力します。
Anvis社については、事業構造改善の効果などによって、2015年度より黒字化し、今後の収益拡大を見込んでいます。一方、Dytech社については、業績回復に向けて事業構造の改善に取り組んでおり、構造改革の一環として、イタリア・トリノ市にあるアイラスカ工場を同市近郊にあるキバッソ工場に統合し、生産効率の改善に注力します。
また、北米などでの需要増加に対応するため、メキシコのS-Riko de Querétaro, S.A.P.I. de C.V.において新たな工場の稼働を開始したほか、国内では、山形県米沢市に設立した住理工山形株式会社が2016年6月に生産を開始しております。これら新拠点の稼働と合わせて、資源や人材の最適な配置、コスト削減の推進により、競争力の高い製品の供給体制の構築を図ります。
さらに、海外自動車メーカーへの販売体制の強化を図るために、ドイツ・フランクフルト市に「第2グローバル自動車営業本部」を新設し、日本との2本部体制を構築し、海外自動車メーカーへの拡販に努めます。
2020Vの経営戦略の1つ、「新規顧客開拓」を推進する体制を整え、「防振ゴム」「ホース」「ウレタン製品(制遮音品・内装品)」の既存3分野以外の自動車用新商品を開発・育成していくために、「自動車新商品開発センター」を設置しました。体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を自動車のシートに埋め込み、呼吸や心拍などのバイタル情報によってドライバーの異変を検知、危険を回避する乗員状態検知機能の実用化に向けた開発や、電気自動車(EV)および燃料電池自動車(FCV)向けの環境対応製品の技術開発などを行います。
・一般産業用品部門
エレクトロニクス分野では、エレクトロニクス事業本部のなかに、「ファインエラストマー事業部」を設置しました。高機能精密ゴム部品の製造・販売を行う子会社の株式会社住理工ファインエラストマーとの一体運営を進め、自動車の電装化が進むことにより市場の拡大が予想されるシール事業のグローバル展開を推進します。また、フレキソ事業においては、欧州における新たな事業展開として、イタリア・トリノ市に生産拠点を設立し、2018年初めより稼働を始める予定です。
インフラ分野のうち、建設・土木機械向け高圧ホースについては、公共事業の復調により需要が旺盛となった中国で販売代理店会を発足させるなど、事業の拡大を推進しています。さらに、ローカルメーカーを中心とした海外建機メーカーへの販路拡大にも取り組んでいます。また、鉄道車両用防振ゴムにおいては、世界各地で開催されている展示会に積極的に参加し、知名度の向上を図るとともに、欧米の既存拠点を活用した拡販活動を進めています。
住環境・健康介護分野のうち、住環境事業においては、2016年4月の熊本地震以降、繰り返しの地震に強い「制震」による地震対策が注目を集める中、住宅用制震システムのラインアップに、2×4(ツーバイフォー)工法用の新製品を加えたほか、窓用遮熱・断熱フィルムのリフレシャインにおいては窓ガラスの飛散防止機能と住環境改善機能を両立しながら低価格化を実現した新製品を発売するなど、顧客のニーズを捉えた快適な住まいづくりに貢献しています。
健康介護事業においては、胸骨圧迫(心臓マッサージ)の訓練をサポートする胸骨圧迫 訓練評価システム「しんのすけくん」をはじめ、体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を応用した製品群の開発・製品化を進めています。2017年3月には九州大学との共同研究を通じて開発された、体格や寝姿勢に応じて体圧を自動分散する床ずれ防止マットレス「SRアクティブマットレス 体圧ブンさん」を上市しました。引き続き医療や介護の現場でリハビリ支援などに活用できる「SRソフトビジョン」シリーズのラインアップを拡充し、「安全・安心・快適」な暮らしづくりを支える製品の開発・拡販に努めます。
エレクトロニクス、インフラ、住環境・健康介護分野の新事業開発を事業部門と連携し主導していくために、研究開発本部から新事業開発研究所を独立させ「新事業開発センター」を設置しました。各分野のニーズを把握し、テーマ化・事業化を推進します。
②健康経営の推進
当社グループを取り巻く環境は大きく変化しています。まさに今、働き方を見直し、従業員一人ひとりが公私ともに充実し、生きがいを持って仕事に取り組める企業風土を醸成する時であると考えます。ダイバーシティの一層の推進とワークライフバランスの充実を目指し、働き方改革を進めていきます。
また、当社は2016年度に始まった認証制度「健康経営優良法人2017」で、大規模法人部門「ホワイト500」に認定されました。この制度は、経済産業省と日本健康会議が、特に優良な健康経営を実践している企業などの法人を認定するものです。
これを受けて「住友理工グループ健康経営宣言」を定め、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、従業員一人ひとりの健康を重視し、環境整備に取り組んでまいります。
③コンプライアンス強化
当社は昨年、社内調査の結果、当社子会社の株式会社住理工ホーステックスおよび住理工ホース販売株式会社が製造または販売した防衛省向けホース製品の検査成績書などについて事実と異なる記載のあることが判明したため、防衛省に報告しました。その結果、当該子会社2社が防衛省から3ヶ月間の指名停止措置を受けました。当社グループは、品質保証管理体制および内部統制監査体制の強化並びにコンプライアンスの徹底を図り、再発防止に努めてまいります。
当社グループはモノづくり企業として長年にわたり培ってきたコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に、住友事業精神が謳う「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス、品質(S.E.C.-Q.)」の取り組みを着実に積み重ねていくことにより、世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を目指してまいります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、2020年度を最終年度とする中期経営ビジョン「2020年 住友理工グループVision(2020V)」に基づき「自動車」「インフラ」「エレクトロニクス」「住環境・健康介護」の4分野に注力し、また、「着実な成長」と「体質強化」を成長戦略のテーマとして、以下の内容を遂行していきます。
<経営戦略と重点実施事項>「環境技術強化」
① 環境対応製品の開発・上市の推進
② 事業活動により排出する環境負荷物質の低減
「モノづくり革新」
① IoTによる生産革新
② グロープ経営革新
「新規顧客開拓」
① グローバルマーケットに対する提案力強化
② 既存製品の周辺領域の取り込み
これらの取り組みにより、「人・社会・地球の安全・安心・快適に貢献する企業」を目指すべき姿として“Global Excellent Manufacturing Company”の実現を追求し続けます。2020年度の財務目標としては、売上高5,300億円、営業利益率6%を掲げています。そして創業100周年となる2029年に、売上高1兆円を目指して、引き続き着実な歩みを続けていきます。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境として、世界経済については、英国のEU離脱や米国新政権の経済政策による先行き不透明感があるなか、欧州は緩やかな回復基調の継続、長らく低迷が続いていた南米市場にも回復の兆しが見えつつあります。また、米国、中国での経済成長は引き続き底堅く推移すると予想されます。国内経済については、為替や原材料費の変動などの影響が懸念され、厳しい経営環境が今後も続くものと認識しています。
このような中、当社グループでは以下のような施策を推進してまいります。
①事業部門別の施策
・自動車用品部門
自動車分野では、従来取引のある日系自動車メーカー向けの高いシェアを維持しつつ、2013年に買収・子会社化したAnvis Group GmbH(Anvis社、現SumiRiko AVS Holding Germany GmbH)とDytech-Dynamic Fluid Technologies S.p.A.(Dytech社)とのシナジーを加速させ、海外自動車メーカーへの拡販に注力します。
Anvis社については、事業構造改善の効果などによって、2015年度より黒字化し、今後の収益拡大を見込んでいます。一方、Dytech社については、業績回復に向けて事業構造の改善に取り組んでおり、構造改革の一環として、イタリア・トリノ市にあるアイラスカ工場を同市近郊にあるキバッソ工場に統合し、生産効率の改善に注力します。
また、北米などでの需要増加に対応するため、メキシコのS-Riko de Querétaro, S.A.P.I. de C.V.において新たな工場の稼働を開始したほか、国内では、山形県米沢市に設立した住理工山形株式会社が2016年6月に生産を開始しております。これら新拠点の稼働と合わせて、資源や人材の最適な配置、コスト削減の推進により、競争力の高い製品の供給体制の構築を図ります。
さらに、海外自動車メーカーへの販売体制の強化を図るために、ドイツ・フランクフルト市に「第2グローバル自動車営業本部」を新設し、日本との2本部体制を構築し、海外自動車メーカーへの拡販に努めます。
2020Vの経営戦略の1つ、「新規顧客開拓」を推進する体制を整え、「防振ゴム」「ホース」「ウレタン製品(制遮音品・内装品)」の既存3分野以外の自動車用新商品を開発・育成していくために、「自動車新商品開発センター」を設置しました。体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を自動車のシートに埋め込み、呼吸や心拍などのバイタル情報によってドライバーの異変を検知、危険を回避する乗員状態検知機能の実用化に向けた開発や、電気自動車(EV)および燃料電池自動車(FCV)向けの環境対応製品の技術開発などを行います。
・一般産業用品部門
エレクトロニクス分野では、エレクトロニクス事業本部のなかに、「ファインエラストマー事業部」を設置しました。高機能精密ゴム部品の製造・販売を行う子会社の株式会社住理工ファインエラストマーとの一体運営を進め、自動車の電装化が進むことにより市場の拡大が予想されるシール事業のグローバル展開を推進します。また、フレキソ事業においては、欧州における新たな事業展開として、イタリア・トリノ市に生産拠点を設立し、2018年初めより稼働を始める予定です。
インフラ分野のうち、建設・土木機械向け高圧ホースについては、公共事業の復調により需要が旺盛となった中国で販売代理店会を発足させるなど、事業の拡大を推進しています。さらに、ローカルメーカーを中心とした海外建機メーカーへの販路拡大にも取り組んでいます。また、鉄道車両用防振ゴムにおいては、世界各地で開催されている展示会に積極的に参加し、知名度の向上を図るとともに、欧米の既存拠点を活用した拡販活動を進めています。
住環境・健康介護分野のうち、住環境事業においては、2016年4月の熊本地震以降、繰り返しの地震に強い「制震」による地震対策が注目を集める中、住宅用制震システムのラインアップに、2×4(ツーバイフォー)工法用の新製品を加えたほか、窓用遮熱・断熱フィルムのリフレシャインにおいては窓ガラスの飛散防止機能と住環境改善機能を両立しながら低価格化を実現した新製品を発売するなど、顧客のニーズを捉えた快適な住まいづくりに貢献しています。
健康介護事業においては、胸骨圧迫(心臓マッサージ)の訓練をサポートする胸骨圧迫 訓練評価システム「しんのすけくん」をはじめ、体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を応用した製品群の開発・製品化を進めています。2017年3月には九州大学との共同研究を通じて開発された、体格や寝姿勢に応じて体圧を自動分散する床ずれ防止マットレス「SRアクティブマットレス 体圧ブンさん」を上市しました。引き続き医療や介護の現場でリハビリ支援などに活用できる「SRソフトビジョン」シリーズのラインアップを拡充し、「安全・安心・快適」な暮らしづくりを支える製品の開発・拡販に努めます。
エレクトロニクス、インフラ、住環境・健康介護分野の新事業開発を事業部門と連携し主導していくために、研究開発本部から新事業開発研究所を独立させ「新事業開発センター」を設置しました。各分野のニーズを把握し、テーマ化・事業化を推進します。
②健康経営の推進
当社グループを取り巻く環境は大きく変化しています。まさに今、働き方を見直し、従業員一人ひとりが公私ともに充実し、生きがいを持って仕事に取り組める企業風土を醸成する時であると考えます。ダイバーシティの一層の推進とワークライフバランスの充実を目指し、働き方改革を進めていきます。
また、当社は2016年度に始まった認証制度「健康経営優良法人2017」で、大規模法人部門「ホワイト500」に認定されました。この制度は、経済産業省と日本健康会議が、特に優良な健康経営を実践している企業などの法人を認定するものです。
これを受けて「住友理工グループ健康経営宣言」を定め、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、従業員一人ひとりの健康を重視し、環境整備に取り組んでまいります。
③コンプライアンス強化
当社は昨年、社内調査の結果、当社子会社の株式会社住理工ホーステックスおよび住理工ホース販売株式会社が製造または販売した防衛省向けホース製品の検査成績書などについて事実と異なる記載のあることが判明したため、防衛省に報告しました。その結果、当該子会社2社が防衛省から3ヶ月間の指名停止措置を受けました。当社グループは、品質保証管理体制および内部統制監査体制の強化並びにコンプライアンスの徹底を図り、再発防止に努めてまいります。
当社グループはモノづくり企業として長年にわたり培ってきたコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に、住友事業精神が謳う「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス、品質(S.E.C.-Q.)」の取り組みを着実に積み重ねていくことにより、世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を目指してまいります。