訂正有価証券報告書-第128期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2017/09/12 9:33
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当社グループはこれまで、2020年の経済情勢および経営環境を想定し、2011年に策定した中期経営計画「2015年 VISION(2015V)」の達成に向けて積極的な挑戦を続けてきました。“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を実現するため、「変革と成長」をキーワードに、最終年度の2015年度までになすべきこととして掲げたのは、「既存事業の持続的成長」「新市場・新分野への事業展開の加速」「2020年に向けた事業基盤の確立」の3つです。
2015Vで成長市場と位置付けた「自動車」「ICT(情報通信)」「インフラ」「住環境」「医療・介護・健康」「資源・環境・エネルギー」の6分野では、既存事業の拡充はもちろん、新規領域の事業化を進めました。
主要事業である自動車用品部門では、国内外で拠点の拡充を推進し、2013年には欧州・南米企業を買収・子会社化しました。これらの事業拡大戦略により、世界5極(日本、米州、欧州・アフリカ、中国・韓国、アジア)での製品開発・供給体制を構築。一般産業用品でも中国やインド、タイなどに生産・営業拠点を整備した結果、当社グループはグローバル・メガサプライヤーの地位をほぼ確立し、現在23ヶ国105拠点で事業を展開しています。
新規領域では、窓用高透明遮熱・断熱フィルム「リフレシャイン」や、高精細な印刷を実現する感光性水現像フレキソ版「AquaGreen(アクアグリーン)」、体圧検知センサ「SRソフトビジョン」シリーズなどで製品化を果たしました。自動車分野でも、燃料電池(FC)自動車の基幹部品であるFCスタック内で水素と酸素の流路を保つゴム製シール部材「セル用ガスケット」の開発に成功、すでに量産を開始するなど、事業の多角化へとつなげています。
また、事業基盤の確立に向け、その原動力となるブランド価値の向上を狙って、2014年10月1日付で、商号を「東海ゴム工業株式会社」より「住友理工株式会社」に変更しました。グループ・グローバルでの経営管理体制の整備の一環として、昨春には国際会計基準(IFRS)の任意適用を開始。さらに全世界から常時情報を収集し、あらゆるビジネスチャンスやリスクに適切かつ迅速に対応するため、1月に名古屋市中心部にグローバル本社を設立しました。このグローバル本社を軸に従業員の意識改革や優秀な人材の確保・育成も進めています。
当社グループは、2015Vの仕上げとなる2015年度の経営目標として、連結で売上高4,200億円、営業利益340億円を掲げていました。このうち、売上高はこれまでの着実な取り組みにより、順調な事業規模の拡大を遂げ、当初目標を上回りました。しかしながら、営業利益については、2013年に子会社化した企業の主要市場である欧州・南米経済の悪化への対応策として、不採算事業・部門の整理・再編のための構造改革費用を計上したこと、先行開発投資を加速させたこと、そして中国を主とする新興国におけるインフラ需要の低迷に伴って一般産業用品部門の業績が大幅に落ち込んだことなどにより、目標を大きく下回りました。2015Vの計画期間を終えるにあたり、収益性の向上が今後の大きな課題となりましたが、資源を先行投入することにより、将来の持続的成長と発展に向けての基盤整備が完了したと認識しています。
当社グループは今年度より、2020年度を最終年度とする「2020年 VISION(2020V)」を策定し、新たな成長戦略の遂行を始めます。2015Vで想定した成長市場6分野について、当社技術との親和性などを考慮しながら絞り込みと再整理を行い、「選択と集中」を進めました。その結果、2020Vでは「自動車」「インフラ」「エレクトロニクス」「住環境・健康介護」の4分野に注力し、「着実な成長と体質強化」をテーマに掲げ、活動していきます。
<経営戦略と重点実施事項>
「環境技術強化」
①環境対応製品の開発・上市の推進(環境規制対応・環境負荷低減製品)
②事業活動により排出するCO2・環境負荷物質の低減および水資源の保全
「モノづくり革新」
①IoTによる生産性向上(省人化・在庫削減・不良低減・設備稼働率向上)
②グローバル経営基盤の整備(経営インフラの共通化)
③スタッフ生産性向上(業務改善活動の推進、業務システムインフラ整備)
「新規顧客開拓」
①非日系顧客への提案力強化(開発力と営業体制)
②既存分野の周辺領域への取り込みによるシステム化提案

これらの取り組みにより、当社グループは2020年度の数値目標として、連結売上高5,300億円、営業利益率6%を目指します。私たちはこの2020Vにおいても、「人・社会・地球の安全・安心・快適に貢献する企業」を目指すべき姿として“Global Excellent Manufacturing Company”の実現を追求し続けます。そして創業100周年となる2029年に、連結売上高1兆円を目指して、着実な歩みを続けていきます。
[自動車用品部門]
当社グループは、2015Vの期間中に経営戦略として積極的に進めた基盤整備の結果、グローバル・メガサプライヤーの地位をほぼ確実なものとしました。しかし、グループ全体でのさらなる飛躍のためには、従来取引のある日系自動車メーカーはもとより、海外自動車メーカーへの新規の拡販が不可欠です。その販路拡大の主要な役割を担うDytech社とAnvis社の収益力向上が急務となっています。
Anvis社については、事業構造改革が完了し、今後の収益拡大を見込んでいます。一方、Dytech社については、主要な活動基盤とする南米の自動車市場が冷え込む中で業績の回復が遅れていますが、この間に経営体質の強化と組織の刷新・スリム化を推進。当社グループのグローバルに広がる拠点網、販路、技術などを活用することにより、経営統合によるシナジー効果の創出をさらに加速させます。
防振ゴム事業では、自動車メーカーの相次ぐ進出に伴う需要増に対応するため、メキシコの子会社に第2工場を建設し、来年2月に生産を開始する予定です。国内では、山形県米沢市に建設中の住理工山形株式会社が6月に稼働を始めます。これら新拠点の設立と合わせて事業全体を再編し、資源や人材の最適な配置により、さらに競争力の高い製品供給体制の構築を図ります。
ホース事業では、欧州での日系自動車メーカーへの拡販を狙う重要戦略拠点として、ポーランドに新会社を設立し、今秋より生産を開始する予定です。欧州自動車メーカーへの拡販を担うDytech社との両輪で、欧州でのシェア拡大を推進します。
昨春設立した住理工FCシール株式会社では、トヨタ自動車株式会社の燃料電池自動車「MIRAI」の増産に対応し、安定的な供給を確保します。グループ全体で小型軽量化・環境性能向上に対応し、高い安全基準を満たす技術開発や次世代自動車への新製品開発に取り組みます。
[一般産業用品部門]
産業用ホース事業では、株式会社TRI京都(10月1日付で「株式会社住理工ホーステックス」に商号変更予定)に同事業を移管し、これまで小牧製作所(愛知県小牧市)に置いていた事業部の運営拠点を、新設する京都事業所に移転します。中国をはじめとする新興国などでインフラ需要が低迷する中で、TRI京都をグローバル展開におけるマザー工場と明確に位置づけ、事業基盤の再編と強化を進めることで、経営資源の集約と事業基盤の強化を実現し、「住友理工ブランド」でのグローバル拡販を図ります。化成品事業では2012年秋に設立したタイの製造子会社が本格稼働を始めているほか、化工品事業では欧米の既存拠点を活用した鉄道車両用防振ゴムなどの拡販を進めており、各事業のグローバル展開を加速させます。
また、昨秋、当社製品を広く取り扱う販売子会社、住理工商事株式会社を発足させました。自動車向け以外の産業用ゴム製品を中心に、マーケティングや営業力を強化しながら、一般産業用品の事業拡大を図ります。
[新規事業部門]
健康介護事業では、体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を応用した製品群の開発・製品化を進めています。医療や介護の現場でリハビリ支援などに活用できる「SRソフトビジョン」シリーズのラインアップ拡充に加え、心臓マッサージの訓練をサポートする評価機器「しんのすけくん」を3月下旬に発売。行政や教育・医療機関への普及を通じて正しい心肺蘇生法の習得を促し、「安全・安心・快適」な暮らしづくりを目指します。
また、昨年末に結んだ糸島市(福岡県)、九州大学、住友理工による3者協定に基づき、4月下旬に同市内に九州大学ヘルスケアシステムLABO糸島(愛称:ふれあいラボ)を開設しました。健康介護分野における地域福祉の向上と研究教育活動の推進を目指しており、産官学によるこの珍しい取り組みを通じて、当社は新たな市場の創出や製品開発の促進を期します。
[経営体制の強化]
当社グループの事業基盤が世界23ヶ国105拠点に広がる中、グループ・グローバルでのガバナンス体制の構築が求められています。1月に設立したグローバル本社に管理・戦略・サポート機能を集約し、経営管理の高度化や戦略的な事業展開を進めます。
昨年には、グループガバナンス委員会を設置しました。グループ規程を継続して整備しているほか、会計不正を未然に防ぐモニタリング機能や、ガバナンスが正常に機能していることを検証する内部監査機能を強化しており、グループガバナンスの充実を図ります。
4月にはグループ全体に共通する「グループ・グローバルコンプライアンス行動指針」を制定しました。従業員への教育や研修を通じ、企業行動倫理の徹底を促すとともに、国際的な企業責任を果たしていきます。
さらにグローバルに発生する危機に迅速に対応するため、災害対策委員会をリスク管理委員会に統合したうえで、リスク管理室を再編し、1月より社長直轄の組織としてリスク管理センターを新たに設けました。部門間を横断する組織体制とし、自然災害や事件・事故、経営上の緊急事態などにおけるリスク管理の一元化と指揮系統の一本化、そして当社グループに及ぶ損害の最小化を図ります。
また、ダイバーシティ推進室を今年度より新設。障がいの有無や性別、年齢、国籍、宗教などにとらわれることなく、多様な人材を受容・内包し(インクルージョン)、それぞれが活躍できる職場環境の整備や、さまざまな働き方を許容する仕組みづくりを進めることで、企業としての強みにつなげていくダイバーシティ・マネジメントに積極的に取り組みます。
当社グループは2016年度を、将来に向けてさらに大きく跳躍するための基礎固めの年であると考えています。モノづくり企業として長年にわたり培ってきたコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に、住友事業精神が謳う「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス(S.E.C.)」の取り組みを着実に積み重ねていくことにより、世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を目指してまいります。

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